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8.3. 接続状態変更によるリソースの移動

以下の 2 つのステップに従って、外部の接続が失われた場合にリソースが移動するようにクラスターを設定します。
  1. ping リソースをクラスターに追加します。ping リソースは、同じ名前のシステムユーティリティーを使用して、マシン(DNS ホスト名または IPv4/IPv6 アドレスで指定された)のリストにアクセスでき、その結果を使用して pingd と呼ばれるノード属性を維持しているかどうかをテストします。
  2. 接続が失われたときに別のノードにリソースを移動させる、リソース場所制約を設定します。
表6.1「リソースのプロパティー」 には、ping リソースに設定できるプロパティーを示します。

表8.1 ping リソースのプロパティー

フィールド説明
dampen
今後の変更が発生するまでに待機する (弱める) 時間。これにより、クラスターノードが、わずかに異なる時間に接続が失われたことに気が付いたときに、クラスターでリソースがバウンスするのを防ぎます。
multiplier
接続された ping ノードの数は、ノードの数にこの値を掛けて、スコアを取得します。複数の ping ノードが設定された場合に便利です。
host_list
現在の接続状態を判断するために接続するマシン。使用できる値には、解決可能な DNS ホスト名、IPv4 アドレス、および IPv6 アドレスが含まれます。ホストリストのエントリーはスペースで区切られます。
次のコマンド例では、gateway.example.com への接続を検証する ping リソースを作成します。実際には、ネットワークゲートウェイやルーターへの接続を検証します。リソースがすべてのクラスターノードで実行されるように、ping リソースをクローンとして設定します。
# pcs resource create ping ocf:pacemaker:ping dampen=5s multiplier=1000 host_list=gateway.example.com clone
次の例では、Webserver という名前の既存のリソースに場所の制約ルールを設定します。これにより、Webserver リソースが現在実行しているホストが gateway.example.com に ping できない場合に、Webserver リソースを gateway.example.com に ping できるホストに移動します。
# pcs constraint location Webserver rule score=-INFINITY pingd lt 1 or not_defined pingd