Red Hat Training

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9.4. pacemaker_remote サービス

pacemaker_remote サービスを使用すると、corosync を実行していないノードをクラスターに統合し、そのリソースが実際のクラスターノードであるかのように、クラスターがリソースを管理できます。
pacemaker_remote サービスが提供する機能には以下が含まれます。
  • pacemaker_remote サービスは、RHEL 7.7 の Red Hat サポート制限である 32 ノードを超えた拡張を可能にします。
  • pacemaker_remote サービスを使用すると、仮想環境をクラスターリソースとして管理でき、さらに仮想環境内の個別のサービスをクラスターリソースとして管理できます。
pacemaker_remote サービスは、以下の用語を使用して記述されます。
  • クラスターノード - 高可用性サービスを実行しているノード (pacemaker および corosync)。
  • リモートノード - pacemaker_remote を実行して、corosync クラスターメンバーシップを必要としないクラスターにリモートで統合するノード。リモートノードは、ocf:pacemaker:remote リソースエージェントを使用するクラスターリソースとして設定されます。
  • ゲストノード - pacemaker_remote サービスを実行する仮想ゲストノード。仮想ゲストリソースはクラスターにより管理されます。クラスターにより起動し、リモートノードとしてクラスターに統合されます。
  • pacemaker_remote: Pacemaker クラスター環境のリモートノードおよびゲストノード (KVM および LXC) 内でリモートアプリケーション管理を実行できるサービスデーモン。このサービスは、corosync を実行していないノード上でリソースをリモートで管理できる Pacemaker のローカルリソース管理デーモン (LRMD) の強化バージョンです。
  • LXClibvirt-lxc Linux コンテナードライバーで定義される Linux Container
pacemaker_remote サービスを実行している Pacemaker クラスターには次のような特徴があります。
  • リモートノードおよびゲストノードは、pacemaker_remote サービスを実行します (仮想マシン側で必要な設定はほとんどありません)。
  • クラスターノードで実行しているクラスタースタック (pacemaker および corosync) はリモートノードで pacemaker_remote サービスに接続するため、クラスターに統合できます。
  • クラスターノードで実行しているクラスタースタック (pacemaker および corosync) はゲストノードを開始し、ゲストノードで pacemaker_remote サービスに即座に接続するため、クラスターに統合できます。
クラスターノードと、クラスターノードが管理するリモートおよびゲストノードの主な違いは、リモートおよびゲストノードはクラスタースタックを実行しないことです。そのため、リモートおよびゲストノードには以下の制限があります。
  • クォーラムでは実行されない
  • フェンスデバイスのアクションを実行しません
  • クラスターの指定コントローラー (DC) として機能できない
  • pcs コマンドのすべてを実行できません
その一方で、リモートノードおよびゲストノードは、クラスタースタックに関連するスケーラビリティーの制限に拘束されません。
このような制限事項以外に、リモートノードとゲストノードは、リソース管理に関してクラスターノードと同様に動作し、リモートノードとゲストノード自体をフェンスすることができます。クラスターは、各リモートノードおよびゲストノードのリソースを完全に管理し、監視できます。このようなノードに制約を作成したり、ノードをスタンバイ状態にできます。または、pcs コマンドを使用して、クラスターノードでその他の動作を実行することもできます。リモートノードおよびゲストノードは、クラスターノードと同様にクラスターステータスの出力に表示されます。

9.4.1. ホストとゲストの認証

クラスターノードと pacemaker_remote の間の接続には、TLS (Transport Layer Security) が使用され、PSK (Pre-Shared Key) の暗号化と TCP 上の認証 (デフォルトで 3121 ポートを使用) でセキュア化されます。そのため、クラスターノードと、pacemaker_remote を実行しているノードは、同じ秘密鍵を共有する必要があります。デフォルトでは、クラスターノードとリモートノードの両方でこのキーを /etc/pacemaker/authkey に格納する必要があります。
Red Hat Enterprise Linux 7.4 以降では、pcs cluster node add-guest コマンドでゲストノードの authkey を、pcs cluster node add-remote コマンドでリモートノードの authkey をセットアップできます。