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5.8. その他のフェンス設定オプション

フェンスデバイスに設定できるその他のプロパティーは 表5.2「フェンスデバイスの高度なプロパティー」 にまとめられています。これらのオプションは高度な設定を行う場合にのみ使用されます。

表5.2 フェンスデバイスの高度なプロパティー

フィールドタイプデフォルト説明
pcmk_host_argument 文字列 port port の代替パラメーターです。デバイスによっては、標準の port パラメーターに対応していない場合や、そのデバイス固有のパラメーターも提供している場合があります。このパラメーターを使用して、フェンスするマシンを示すデバイス固有の代替パラメーターを指定します。クラスターが追加パラメーターを提供しないようにする場合は、none 値を使用します。
pcmk_reboot_action 文字列 reboot 再起動 の代わりに実行する別のコマンド。標準的なコマンドに対応していないデバイスや、別のコマンドを提供しているデバイスがあります。このパラメーターを使用して、再起動を実行するデバイス固有の代替コマンドを指定します。
pcmk_reboot_timeout 時間 60s stonith-timeout の代わりに、再起動アクションに使用するタイムアウトを指定します。再起動が完了するまでに通常より長い時間を要するデバイスもあれば、通常より短い時間で完了するデバイスもあります。このパラメーターを使用して、再起動にデバイス固有のタイムアウトを指定します。
pcmk_reboot_retries 整数 2 タイムアウト期間内に、reboot コマンドを再試行する回数の上限です。複数の接続に対応していないデバイスもあります。デバイスが別のタスクでビジー状態になると操作が失敗する場合があるため、タイムアウトに達していなければ、Pacemaker が操作を自動的に再試行します。Pacemaker による再起動の動作の再試行回数を変更する場合に使用します。
pcmk_off_action 文字列 off オフ の代わりに実行する代替コマンド。標準的なコマンドに対応していないデバイスや、別のコマンドを提供しているデバイスがあります。このような場合は、このパラメーターを使用して、オフ操作を実行するデバイス固有のコマンドを指定します。
pcmk_off_timeout 時間 60s stonith-timeout の代わりに、オフアクションに使用する別のタイムアウトを指定します。デバイスによって、この操作が完了するのにかかる時間が、通常と大きく異なる場合があります。このパラメーターを使用して、オフ操作にデバイス固有のタイムアウトを指定します。
pcmk_off_retries 整数 2 タイムアウト期間内に、off コマンドを再試行する回数の上限です。複数の接続に対応していないデバイスもあります。デバイスが別のタスクでビジー状態になると操作が失敗する場合があるため、タイムアウトに達していなければ、Pacemaker が操作を自動的に再試行します。Pacemaker によるオフ動作の再試行回数を変更する場合に使用します。
pcmk_list_action 文字列 list list の代わりに実行する別のコマンド。標準的なコマンドに対応していないデバイスや、別のコマンドを提供しているデバイスがあります。このような場合は、このパラメーターを使用して、list 操作を実行するデバイス固有のコマンドを指定します。
pcmk_list_timeout 時間 60s stonith-timeout の代わりに、list 操作に使用する別のタイムアウトを指定します。デバイスによって、この操作が完了するのにかかる時間が、通常と大きく異なる場合があります。このパラメーターを使用して、list 操作にデバイス固有のタイムアウトを指定します。
pcmk_list_retries 整数 2 タイムアウト期間内に、list コマンドを再試行する回数の上限です。複数の接続に対応していないデバイスもあります。デバイスが別のタスクでビジー状態になると操作が失敗する場合があるため、タイムアウトに達していなければ、Pacemaker が操作を自動的に再試行します。Pacemaker による list 動作の再試行回数を変更する場合に使用します。
pcmk_monitor_action 文字列 monitor monitor の代わりに実行する代替コマンド。標準的なコマンドに対応していないデバイスや、別のコマンドを提供しているデバイスがあります。このような場合は、このパラメーターを使用して、監視操作を実行するデバイス固有のコマンドを指定します。
pcmk_monitor_timeout 時間 60s stonith-timeout の代わりに、監視アクションに使用する別のタイムアウトを指定します。デバイスによって、この操作が完了するのにかかる時間が、通常と大きく異なる場合があります。このパラメーターを使用して、監視操作にデバイス固有のタイムアウトを指定します。
pcmk_monitor_retries 整数 2 タイムアウト期間内に、monitor コマンドを再試行する回数の上限です。複数の接続に対応していないデバイスもあります。デバイスが別のタスクでビジー状態になると操作が失敗する場合があるため、タイムアウトに達していなければ、Pacemaker が操作を自動的に再試行します。Pacemaker による監視操作の再試行回数を変更する場合に使用します。
pcmk_status_action 文字列 status status の代わりに実行する代替コマンド。標準的なコマンドに対応していないデバイスや、別のコマンドを提供しているデバイスがあります。このような場合は、このパラメーターを使用して、status 操作を実行するデバイス固有のコマンドを指定します。
pcmk_status_timeout 時間 60s stonith-timeout の代わりに、ステータス動作に使用する別のタイムアウトを指定します。デバイスによって、この操作が完了するのにかかる時間が、通常と大きく異なる場合があります。このパラメーターを使用して、status 操作にデバイス固有のタイムアウトを指定します。
pcmk_status_retries 整数 2 タイムアウト期間内に、status コマンドを再試行する回数の上限です。複数の接続に対応していないデバイスもあります。デバイスが別のタスクでビジー状態になると操作が失敗する場合があるため、タイムアウトに達していなければ、Pacemaker が操作を自動的に再試行します。Pacemaker による status 動作の再試行回数を変更する場合に使用します。
pcmk_delay_base 時間 0s
stonith 操作のベース遅延を有効にし、ベース遅延の値を指定します。ノードの数が偶数になるクラスターでは、遅延を設定すると、均等の分割時に同時にノードが互いにフェンシングするのを回避できます。ランダムな遅延は、すべてのノードに同じフェンスデバイスが使用されている場合に役に立つことがあります。また、静的遅延を変更すると、各ノードで異なるデバイスが使用される場合に各フェンシングデバイスで役に立つことがあります。全体の遅延は、合計が最大遅延を下回るように、ランダムな遅延値に静的遅延を加算します。pcmk_delay_base を設定し、pcmk_delay_max を設定しない場合は、遅延にランダムなコンポーネントがなく、pcmk_delay_base の値になります。
個々のフェンスエージェントには delay パラメーターが実装されています。これは、pcmk_delay_* プロパティーで設定された遅延とは依存しません。この遅延の両方が設定されている場合は、その両方が一緒に追加されるため、通常は併用されません。
pcmk_delay_max 時間 0s
stonith 動作のランダムな遅延を有効にし、ランダムな遅延の最大値を指定します。ノードの数が偶数になるクラスターでは、遅延を設定すると、均等の分割時に同時にノードが互いにフェンシングするのを回避できます。ランダムな遅延は、すべてのノードに同じフェンスデバイスが使用されている場合に役に立つことがあります。また、静的遅延を変更すると、各ノードで異なるデバイスが使用される場合に各フェンシングデバイスで役に立つことがあります。全体の遅延は、合計が最大遅延を下回るように、このランダムな遅延値に静的遅延を加算します。pcmk_delay_max を設定し、pcmk_delay_base を設定しない場合は、静的コンポーネントが遅延に含まれません。
個々のフェンスエージェントには delay パラメーターが実装されています。これは、pcmk_delay_* プロパティーで設定された遅延とは依存しません。この遅延の両方が設定されている場合は、その両方が一緒に追加されるため、通常は併用されません。
pcmk_action_limit 整数 1 このデバイスで並行して実行できる操作の上限です。最初に、クラスタープロパティーの concurrent-fencing=true を設定する必要があります。値を -1 にすると無制限になります。
pcmk_on_action 文字列 on 高度な使用のみ: on の代わりに実行する代替コマンド。標準的なコマンドに対応していないデバイスや、別のコマンドを提供しているデバイスがあります。このパラメーターを使用して、on アクションを実装するデバイス固有のコマンドを指定します。
pcmk_on_timeout 時間 60s 高度な使用のみ: stonith-timeout の代わりに、on 操作に使用する別のタイムアウトを指定します。デバイスによって、この操作が完了するのにかかる時間が、通常と大きく異なる場合があります。このパラメーターを使用して、on 操作にデバイス固有のタイムアウトを指定します。
pcmk_on_retries 整数 2 高度な使用のみ:タイムアウト期間内に、on コマンドを再試行する最大回数。複数の接続に対応していないデバイスもあります。デバイスが別のタスクでビジー状態になると操作が失敗する場合があるため、タイムアウトに達していなければ、Pacemaker が操作を自動的に再試行します。Pacemaker による on 動作の再試行回数を変更する場合に使用します。
表12.1「クラスターのプロパティー」 の説明にあるように、fence-reaction クラスタープロパティーを設定すると、クラスターノードが独自のフェンシングの通知を受信した場合にどのように反応するかを決定できます。クラスターノードは、フェンシングの設定が間違っている場合に独自のフェンシングの通知を受信するか、ファブリックフェンシングがクラスター通信を遮断しない状態である可能性があります。このプロパティーのデフォルト値は stop (Pacemaker をすぐに停止して停止し続ける)ですが、この値に最も安全な選択肢は panic で、ローカルノードをすぐに再起動しようとします。停止動作を希望する場合は、おそらくファブリックフェンシングと併用する場合は、明示的に指定することが推奨されます。