3.2. 管理ユーザー
デフォルトの JBoss EAP 設定はローカル認証を提供するため、ユーザーは認証の必要なくローカルホスト上で管理 CLI にアクセスできます。
しかし、リモートで管理 CLI にアクセスする場合や管理コンソールを使用する場合 (トラフィックの送信元がローカルホストであってもリモートアクセスとして見なされます) は、管理ユーザーを追加する必要があります。管理ユーザーを追加せずに管理コンソールへアクセスしようとすると、エラーメッセージが出力されます。
グラフィカルインストーラーを使用して JBoss EAP がインストールされた場合は、インストールプロセス中に管理ユーザーが作成されます。
本ガイドでは、add-user
スクリプトを使用した JBoss EAP の簡単なユーザー管理を取り上げます。 このスクリプトは既定の認証のプロパティーファイルに新しいユーザーを追加するためのユーティリティーです。
LDAP やロールベースアクセス制御 (RBAC) などの高度な認証および承認のオプションについては、JBoss EAPSecurity Architectureの Core Management Authentication を参照してください。
3.2.1. 管理ユーザーの追加
add-user
ユーティリティースクリプトを実行し、プロンプトに従います。$ EAP_HOME/bin/add-user.sh
注記Windows Server の場合は、
EAP_HOME\bin\add-user.bat
スクリプトを使用します。ENTER
を押して、デフォルトのオプションa
を選択し、管理ユーザーを追加します。このユーザーは ManagementRealm に追加され、管理コンソールまたは管理 CLI を使用して管理操作を実行する権限が与えられます。代わりに
b
を選択すると、アプリケーションに使用される ApplicationRealm にユーザーが追加され、特定のパーミッションは提供されません。ユーザー名とパスワードを入力します。入力後、パスワードを確認するよう指示されます。
注記ユーザー名には、以下の文字のみを使用できます。 文字の数と順番は自由です。
- 英数字 (a-z、A-Z、0-9)
- ダッシュ (-)、ピリオド (.)、コンマ (,)、アットマーク (@)
- バックスラッシュ (\)
- 等号 (=)
デフォルトでは、脆弱なパスワードは許可されますが、警告が表示されます。
このデフォルト動作の変更に関する詳細は、Add-User ユーティリティーのパスワード制限の設定 を参照してください。
-
ユーザーが属するグループのコンマ区切りリストを入力します。ユーザーがグループに属さないようにする場合は
ENTER
を押して空白のままにします。 -
情報を確認し、正しければ
yes
を入力します。 このユーザーがリモート JBoss EAP サーバーインスタンスを表すかどうかを決定します。基本的な管理ユーザーの場合は
no
を入力します。ManagementRealm への追加が必要になることがあるユーザータイプの 1 つが、JBoss EAP の別のインスタンスを表すユーザーで、メンバーとしてクラスターに参加することを承認できる必要があります。この場合は、プロンプトで
yes
を選択すると、異なる設定ファイルに追加する必要がある、ユーザーのパスワードを表すハッシュ化された秘密の値が提供されます。
パラメーターを add-user
スクリプトに渡すと、非対話的にユーザーを作成できます。ログや履歴ファイルにパスワードが表示されるため、この方法は共有システムでは推奨されません。詳細は Add-User ユーティリティーを非対話的に実行 を参照してください。