6.2. モジュールの依存性
モジュール依存関係は、あるモジュールに他の 1 つまたは複数のモジュールのクラスが必要になるという宣言です。JBoss EAP がモジュールをロードするときに、モジュール形式のクラ出力ダーがモジュールの依存関係を解析し、各依存関係のクラスをクラスパスに追加します。指定の依存関係が見つからない場合、モジュールはロードできません。
モジュールとモジュール形式のクラ出力ドシステムに関する完全な詳細については、モジュール を参照してください。
JAR や WAR などのデプロイされたアプリケーションは動的モジュールとしてロードされ、依存関係を利用して JBoss EAP によって提供される API にアクセスします。
依存関係には明示的と暗黙的の 2 つのタイプがあります。
- 明示的な依存関係
-
明示的な依存関係は開発者が設定ファイルで宣言します。静的モジュールでは、依存関係を
module.xml
ファイルに宣言できます。動的モジュールでは、デプロイメントのMANIFEST.MF
またはjboss-deployment-structure.xml
デプロイメント記述子に依存関係を宣言できます。 - 暗黙的な依存関係
暗黙的な依存関係は、デプロイメントで特定の状態やメタデータが見つかったときに自動的に追加されます。JBoss EAP に同梱される Jakarta EE API は、デプロイメントで暗黙的な依存関係が検出されたときに追加されるモジュールの例になります。
jboss-deployment-structure.xml
デプロイメント記述子ファイルを使用して、特定の暗黙的な依存関係を除外するようデプロイメントを設定することも可能です。これは、JBoss EAP が暗黙的な依存関係として追加しようとする特定バージョンのライブラリーをアプリケーションがバンドルする場合に役に立つことがあります。
オプションの依存関係
明示的な依存関係は、オプションとして指定できます。オプションの依存関係をロードできなくても、モジュールのロードは失敗しません。ただし、依存関係は後で使用できるようになっても、モジュールのクラスパスには追加されません。依存関係はモジュールがロードされるときに利用可能である必要があります。
依存関係のエクスポート
モジュールのクラスパスには独自のクラスとその直接の依存関係のクラスのみが含まれます。モジュールは 1 つの依存関係の依存関係クラスにはアクセスできませんが、暗黙的な依存関係のエクスポートを指定できます。ただし、モジュールは、明示的な依存関係をエクスポートするように指定できます。エクスポートした依存関係は、エクスポートするモジュールに依存するモジュールに提供されます。
たとえば、モジュール A はモジュール B に依存し、モジュール B はモジュール C に依存します。モジュール A はモジュール B のクラスにアクセスでき、モジュール B はモジュール C のクラスにアクセスできます。モジュール Aは以下のいずれかの条件を満たさない限り、モジュール C のクラスにアクセスできません。
- モジュール A が、モジュール C に対する明示的な依存関係を宣言する
- モジュール B がモジュール C の依存関係をエクスポートする
グローバルモジュール
グローバルモジュールは、JBoss EAP が各アプリケーションへの依存関係として提供するモジュールです。このモジュールをグローバルモジュールの JBoss EAP のリストへ追加すると、モジュールをグローバルモジュールにすることができます。モジュールへの変更は必要ありません。
詳細は グローバルモジュールの定義 の項を参照してください。