9.2. 管理対象ドメインの JVM 設定
JBoss EAP マネージドドメインでは、複数のレベルで JVM の設定を定義できます。特定ホストのカスタム JVM 設定を定義し、それらの設定をサーバーグループまたは個別のサーバーインスタンスに適用できます。
デフォルトでは、サーバーグループおよび各サーバーは親から JVM 設定を継承しますが、各レベルで JVM 設定をオーバーライドすることもできます。
domain.conf
の JVM 設定 (Windows Server の場合は domain.conf.bat
) は JBoss EAP ホストコントローラーの Java プロセスに適用されます。 ホストコントローラーによって制御される個別の JBoss EAP サーバーインスタンスには適用されません。
9.2.1. ホストコントローラーの JVM 設定の定義
ホストコントローラーの JVM 設定を定義し、これらの設定をサーバーグループまたは各サーバーに適用することができます。JBoss EAP には default
の JVM 設定が含まれますが、以下の管理 CLI コマンドを実行すると、カスタム JVM 設定およびオプションがある production_jvm
という名前の JVM 設定が新たに作成されます。
/host=HOST_NAME/jvm=production_jvm:add(heap-size=2048m, max-heap-size=2048m, max-permgen-size=512m, stack-size=1024k, jvm-options=["-XX:-UseParallelGC"])
使用できるすべてのオプションの説明は マネージドドメインの JVM 設定属性 を参照してください。
また、JBoss EAP 管理コンソールで JVM 設定を作成および編集するには、Runtime → Hosts と選択し、ホストを選択して 表示 をクリックし、JVMs タブを選択します。
これらの設定は host.xml
の <jvm>
タグ内に保存されます。
9.2.2. JVM 設定のサーバーグループへの適用
サーバーグループの作成時に、グループのすべてのサーバーが使用する JVM 設定を指定できます。以下の管理 CLI コマンドを実行すると、前の例
で示された production_jvm
JVM 設定を使用する groupA という名前のサーバーグループが作成されます。
/server-group=groupA:add(profile=default, socket-binding-group=standard-sockets) /server-group=groupA/jvm=production_jvm:add
サーバーグループのすべてのサーバーは、production_jvm
から JVM 設定を継承します。
サーバーグループレベルで特定の JVM 設定をオーバーライドすることもできます。たとえば、別のヒープサイズを設定するには、以下のコマンドを使用できます。
/server-group=groupA/jvm=production_jvm:write-attribute(name=heap-size,value="1024m")
上記コマンドの実行後、サーバーグループ groupA
は production_jvm
から JVM 設定を継承しますが、ヒープサイズの値は 1024m
にオーバーライドされます。
使用できるすべてのオプションの説明は マネージドドメインの JVM 設定属性 を参照してください。
また、JBoss EAP 管理コンソールでサーバーグループの JVM 設定を編集するには、Runtime → Server Groups と選択し、サーバーグループを選択して 表示 をクリックし、JVMs タブを選択します。
サーバーグループの設定は domain.xml
に保存されます。
9.2.3. JVM 設定の個別のサーバーへの適用
デフォルトでは、個別の JBoss EAP サーバーインスタンスは属するサーバーグループの JVM 設定を継承します。しかし、継承した設定をホストコントローラーからの別の JVM 設定定義でオーバーライドしたり、特定の JVM 設定をオーバーライドすることもできます。
たとえば、以下のコマンドは 前の例で示したサーバーグループ の JVM 定義をオーバーライドし、server-one
の JVM 設定を default
の JVM 定義に設定します。
/host=HOST_NAME/server-config=server-one/jvm=default:add
また、サーバーグループと同様に、サーバーレベルで特定の JVM 設定をオーバーライドすることもできます。たとえば、別のヒープサイズを設定するには、以下のコマンドを使用できます。
/host=HOST_NAME/server-config=server-one/jvm=default:write-attribute(name=heap-size,value="1024m")
使用できるすべてのオプションの説明は マネージドドメインの JVM 設定属性 を参照してください。
また、JBoss EAP 管理コンソールでサーバー JVM 設定を作成編集するには、Runtime → Hosts と選択し、ホストを選択して 表示 をサーバー上でクリックし、JVMs タブを選択します。
各サーバーのこれらの設定は host.xml
に保存されます。