3.9. システムプロパティー
Java システムプロパティーを使用すると、JBoss EAP の多くのオプションや、アプリケーションサーバー内で使用する名前と値のペアを設定することができます。
システムプロパティーを使用して JBoss EAP 設定のデフォルトの値を上書きできます。たとえば、以下のパブリックインターフェイスバインドアドレスの XML 設定は、jboss.bind.address
システムプロパティーによる設定が可能で、このシステムプロパティーが提供されないとデフォルトで 127.0.0.1
が使用されることを表しています。
<inet-address value="${jboss.bind.address:127.0.0.1}"/>
JBoss EAP でシステムプロパティーを設定する方法は複数あり、以下の方法が含まれます。
JBoss EAP の管理対象ドメインを使用する場合、ドメイン全体、特定のサーバーグループ、特定のホストとそのすべてのサーバーインスタンス、または 1 つのサーバーインスタンスにシステムプロパティーを適用できます。他の多くの JBoss EAP ドメイン設定と同様に、より具体的なレベルで設定されたシステムプロパティーはより抽象的なものを上書きします。詳細は ドメイン管理 の章を参照してください。
起動スクリプトにシステムプロパティーを渡す
JBoss EAP 起動スクリプトにシステムプロパティーを渡すには -D
引数を使用します。以下に例を示します。
$ EAP_HOME/bin/standalone.sh -Djboss.bind.address=192.168.1.2
このシステムプロパティーの設定方法は、JBoss EAP が起動する前に JBoss EAP のオプションを設定する必要がある場合に便利です。
管理 CLI を使用したシステムプロパティーの設定
管理 CLI で以下の構文を使用すると、システムプロパティーを設定できます。
/system-property=PROPERTY_NAME:add(value=PROPERTY_VALUE)
以下に例を示します。
/system-property=jboss.bind.address:add(value=192.168.1.2)
管理 CLI を使用してシステムプロパティーを設定する場合、一部の JBoss EAP オプション (上記の例の jboss.bind.address
など) を有効にするにはサーバーの再起動が必要です。
管理対象ドメインの場合、上記の例はドメイン全体のシステムプロパティーを設定しますが、ドメイン設定のより具体的なレベルでシステムプロパティーを設定または上書きすることもできます。
管理コンソールを使用したシステムプロパティーの設定
- スタンドアロン JBoss EAP サーバーでは、管理コンソールの Configuration タブでシステムプロパティーを設定できます。System Properties を選択し、表示 ボタンをクリックします。
管理対象ドメインの場合:
- ドメインレベルのシステムプロパティーは Configuration タブで設定できます。System Properties を選択し、表示 ボタンをクリックします。
- サーバーグループおよびサーバーレベルのシステムプロパティーは Runtime タブで設定できます。設定するサーバーグループまたはサーバーを選択し、サーバーグループまたはサーバー名の横にある 表示 ボタンをクリックした後、System Properties タブを選択します。
- ホストレベルのシステムプロパティーは Runtime タブで設定できます。設定するホストを選択し、ホスト名の横にあるドロップダウンメニューで Properties を選択します。
<ph x="1"/>
システムプロパティーは JAVA_OPTS
環境変数を使用して設定することもできます。JAVA_OPTS
を編集する方法は多くありますが、JBoss EAP では JBoss EAP のプロセスで使用される JAVA_OPTS
を設定する設定ファイルが提供されます。
スタンドアロンサーバーの場合、このファイルは EAP_HOME/bin/standalone.conf
になります。管理対象ドメインの場合は、EAP_HOME/bin/domain.conf
になります。Microsoft Windows システムではこれらのファイルに .bat
拡張子が付きます。
RPM インストールの場合、RPM サービス設定ファイル で JAVA_OPTS
を編集してシステムプロパティーを設定することが推奨されます。RPM サービスプロパティーの設定 を参照してください。
適切な設定ファイルで JAVA_OPTS
にシステムプロパティー定義を追加します。以下は、Red Hat Enterprise Linux システムでバインドアドレスを設定する例になります。
standalone.conf
では、JAVA_OPTS
システムプロパティー定義をファイルの最後に追加します。以下に例を示します。... # Set the bind address JAVA_OPTS="$JAVA_OPTS -Djboss.bind.address=192.168.1.2"
domain.conf
では、プロセスコントローラーのJAVA_OPTS
設定の前にJAVA_OPTS
を設定する必要があります。以下に例を示します。... # Set the bind address JAVA_OPTS="$JAVA_OPTS -Djboss.bind.address=192.168.1.2" # The ProcessController process uses its own set of java options if [ "x$PROCESS_CONTROLLER_JAVA_OPTS" = "x" ]; then ...
MODULE_OPTS 環境変数を使用した Java エージェントの追加
MODULE_OPTS=-javaagent:my-agent.jar
環境変数を使用して、起動スクリプトを編集せずに Java エージェントを JBoss Modules に直接追加できます。これにより、ログの設定後にエージェントが初期化されます。以前は、ブートクラスパスでログマネージャーが必要でした。
スタンドアロンサーバーでは、以下のファイルに MODULE_OPTS
環境変数を設定できます。
-
RHEL では、起動スクリプトは
EAP_HOME/bin/standalone.conf
ファイルを使用します。 -
Windows サーバーで、コマンドプロンプトで
EAP_HOME\bin\standalone.bat
ファイルを使用します。 -
Windows サーバーで、PowerShell で
EAP_HOME\bin\standalone.ps1
ファイルを使用します。
ドメインのサーバーでは、module-options
属性をホスト JVM 設定またはサーバー JVM 設定に追加できます。