第29章 NetworkManager 接続プロファイルでの ethtool 設定の実行

NetworkManager は、特定のネットワークドライバー設定とハードウェア設定を永続的に設定できます。ethtool ユーティリティーを使用してこれらの設定を管理する場合と比較して、これには再起動後に設定が失われないという利点があります。

NetworkManager 接続プロファイルでは、次の ethtool 設定を行うことができます。

オフロード機能
ネットワークインターフェイスコントローラーは、TCP オフロードエンジン (TOE) を使用して、特定の操作の処理をネットワークコントローラーにオフロードできます。これにより、ネットワークのスループットが向上します。
割り込み結合設定
割り込み結合を使用すると、システムはネットワークパケットを収集し、複数のパケットに対して割り込みを 1 つ生成します。これにより、1 つのハードウェア割り込みでカーネルに送信されたデータ量が増大し、割り込み負荷が減り、スループットを最大化します。
リングバッファー
これらのバッファーは、送受信ネットワークパケットを保存します。高いパケットドロップ率を下げるためにリングバッファーを増やすことができます。
チャネル設定

ネットワークインターフェイスは、ハードウェア設定およびネットワークドライバーとともに、関連付けられているチャネル数を管理します。ネットワークインターフェイスに関連付けられているデバイスは、すべての割り込み要求 (IRQ) を介して相互に通信します。各デバイスのキューが保留中の IRQ を保持し、チャネルと呼ばれるデータラインを介して相互に通信します。キューのタイプは、特定のチャネルタイプに関連付けられています。このチャネルタイプには次のものがあります。

  • rx: 受信キュー用
  • tx: 送信キュー用
  • other: リンク割り込みまたは single-root input/output virtualization (SR-IOV) 調整用
  • combined: ハードウェア容量ベースの多目的チャネル用

29.1. nmcli を使用して ethtool オフロード機能を設定する

NetworkManager を使用して、接続プロファイルで ethtool オフロード機能を有効または無効にすることができます。

手順

  1. たとえば、RX オフロード機能を有効にし、enp1s0 接続プロファイルで TX オフロードを無効にするには、次のコマンドを実行します。

    # nmcli con modify enp1s0 ethtool.feature-rx on ethtool.feature-tx off

    このコマンドは、RX オフロードを明示的に有効にし、TX オフロードを無効にします。

  2. 以前に有効または無効にしたオフロード機能の設定を削除するには、機能のパラメーターを null 値に設定します。たとえば、TX オフロードの設定を削除するには、次のコマンドを実行します。

    # nmcli con modify enp1s0 ethtool.feature-tx ""
  3. ネットワークプロファイルを再度アクティブにします。

    # nmcli connection up enp1s0

検証

  • ethtool -k コマンドを使用して、ネットワークデバイスの現在のオフロード機能を表示します。

    # ethtool -k network_device

関連情報

  • nm-settings-nmcli (5) man ページ