Red Hat Satellite の製品ライフサイクル

概要

Red Hat は、Red Hat Satellite サーバー (Satellite) とそれに関連するフェデレーション対応コンポーネントである Red Hat Satellite Capsule Server (Capsule) の公開された製品ライフサイクルを提供し、顧客とパートナーが効果的に Red Hat インフラストラクチャーの計画、展開、管理、サポートを行えるようにします。

Red Hat Satellite のライフサイクル (メジャーバージョンごとに規定されている期間をすべて含む) は、最初のリリース日または一般提供 (GA) から保守終了 (EOL) までの実稼働フェーズに分割された、さまざまなメンテナンスレベルを特定します。

運用フェーズでは、X.Y バージョンの Satellite を参照していますが、製品の複数の X.Y バージョンが同時にサポートされる場合があります。以下の N-2 サポートポリシーのイメージを参照してください。Red Hat Satellite サポートポリシーに従って製品の古い.Y バージョンが段階的に廃止される可能性があるため、お客様は、Satellite および Capsule (s) サーバーを最新のサポートされているバージョンの製品にタイムリーにアップグレードすることが期待されます。セキュリティーリスクの高いものに関する例外の可能性を除けば、バグ修正や機能拡張は製品の最新バージョンのみが対象になります。

Red Hat Satellite サポートポリシー

Satellite N-2 サポートポリシー注意事項:
  1. サポートポリシーは N-2 として定義されます。N は Satellite の最新 ".Y" (マイナー) リリースです。つまり、現在のバージョンとそれ以前のバージョン 2 つが同じ時間枠内で同時にサポートされます。
  2. アップグレード中、Capsule には N-1 サポートポリシーが適用されます。つまり、直前の (.Y) バージョンと現在のバージョンの Satellite Server を実行している Capsule がサポートされます。
  3. バージョンがライフサイクルの終了 (EOL) に達した場合に引き続きリポジトリーの同期は可能ですが、完全にサポートされているバージョンへの Satellite のアップグレードの問題以外の技術サポートは提供されません。
  4. Red Hat Satellite のライフサイクルとリリースは、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) の 製品ライフサイクル とは無関係であることに注意してください。

Satellite のソフトウェア更新は、エラータアドバイザリーで提供されます。エラータは、個別にリリースすることも、必要に応じて Z-Stream (X.Y.Z) の形式で集約することも、マイナーリリースとして集約することもできます。エラータには、該当の Satellite リリースおよびアーキテクチャーで認定されたセキュリティー修正やバグ修正、および機能拡張が含まれます。セキュリティーのエラータと緊急バグ修正のエラータの場合は、エラータアドバイザリーとは別にリリースされる場合もあります。

Z-streams は、以下の Red Hat Satellite ライフサイクル日付の表に記載されているように、GA からフルサポートの終了日までの特定の Satellite マイナーリリースのフルサポートフェーズ中に配信されることを目標としています。

Red Hat Satellite のライフサイクルの日付

Satellite 製品のライフサイクルは、各メジャーリリース内での変更レベルを抑え、予測可能性を高め、メンテナンス費用を下げるように設計されています。リリースされたすべてのエラータには、有効なサブスクリプションによりライフサイクル期間中はアクセスできます。Red Hat は、可能な限りの透明性を実現するためにこのライフサイクルを公開していますが、問題が発生した場合はこれらのポリシーに例外を設ける場合もあります。

ライフサイクルの日付表

Red Hat Satellite 6 の対象範囲

サポートは、公開された Satellite の 対象範囲 に従って提供されます。Red Hat のエンタープライズ製品が備える高い安定性を維持しつつ、新たなエンタープライズハードウェアおよびソフトウェアの迅速な採用を促進するため、Red Hat Satellite 6 製品のライフサイクルは、以下に記載する 3 つメンテナンスフェーズに分けられます。

Red Hat Satellite 6 の運用フェーズ

フルサポートフェーズ

Satellite バージョンが一般提供 (GA) に達すると、フルサポートフェーズに入ります。フルサポートフェーズでは、Red Hat が定義する影響度が「重大」および「重要」のセキュリティーエラータアドバイザリー (RHSA) と、優先度が「緊急」の一部 (判断は Red Hat による) のバグ修正エラータアドバイザリー (RHBA) が、利用可能になり次第リリースされます。その他の優先度の低いエラータアドバイザリーは、必要に応じて提供されます。さらに、新規または改善されたハードウェアサポートおよびいくつかのソフトウェア機能強化は、Red Hat の判断で提供される場合があります。Satellite Z-Streams リリースは、フルサポートフェーズでのみ利用できます。

メンテナンスサポートフェーズ

メンテナンスサポートフェーズでは、評価済みの影響度が「重大」および「重要」のセキュリティーエラータアドバイザリー (RHSA) と、優先度が「緊急」および一部の「高」のバグ修正エラータアドバイザリー (RHBA) が、利用可能になるとリリースされます。その他のバグ修正 (RHBA) および機能強化 (RHEA) エラータアドバイザリーは、Red Hat の判断でリリースされる場合がありますが、必ずしもリリースされるとは限りません。

ライフサイクルの終了 (EOL) フェーズ

バージョンがメンテナンスサポートフェーズの終了に達すると、ライフサイクルの終了 (EOL) マイルストーンに入ります。このマイルストーンでは、これらのバージョンのエラータやソフトウェアの更新は提供されません。また、リポジトリーを同期することはできますが、完全にサポートされているバージョンへの Satellite アップグレードの問題以外、技術サポートは提供されません。お客様が引き続き適切なテクニカルサポートを受けるには、完全にサポートされている Red Hat Satellite および Capsule バージョンにアップグレードする必要があります。

Satellite 6 システムをアップグレードする方法の詳細については、Red Hat Satellite Upgrade Helper を参照してください。あるいは、アップグレードのサポートについては Red Hat テクニカルサポートにご連絡ください。

従来の製品ライフサイクル情報


Red Hat Satellite 5 のライフサイクルの日付

一般提供の開始日 (GA 日) フルサポートの終了日 メンテナンスサポートの終了日 メンテナンスサポート 2 の終了日
Satellite および Proxy 51 2007 年 6 月 26 日 2010 年 6 月 26 日 Satellite 5.6 & 5.7:
2015 年 5 月 29 日
Satellite 5.6 & 5.7:
2019 年 1 月 31 日
Satellite 5.8 のみ:
2020 年 5 月 31 日2
Satellite Proxy 5 Stand-Alone3 2007 年 6 月 26 日 2010 年 6 月 26 日 2015 年 5 月 29 日 2017 年 10 月 31 日
  1. Red Hat Enterprise Linux 5 で実行される Satellite および Proxy 5 バージョン: Red Hat Enterprise Linux 5 のメンテナンスサポート 2 は、2017 年 3 月 31 日に終了しました。そのため、RHEL 5 で実行される Satellite および Proxy 5.6 サーバーのサポートも、本ページ後半に記載された「依存するソフトウェア」のポリシーに基づいて終了となります。完全なサポートを受けられるように、基礎となる OS を RHEL 6 に速やかにアップグレードすることをお勧めします。

  2. Red Hat Satellite 5.8: 5.8 にアップグレードすると、製品の重要な修正とセキュリティー修正のすべてを引き続き利用できます。Satellite 5.7 以前のバージョンに対する追加の修正および更新の利用可能性については保証されません。また、Red Hat ではサポートされていないバージョンを含む Satellite 5 のすべてのバージョンから Satellite 5.8 への直接アップグレードをサポートしています。

  3. Red Hat Satellite Proxy Server「Stand-Alone」は、スタンドアロン型の (Satellite なしの) オファリングとして使用される Red Hat Satellite デプロイメントの 1 つのコンポーネントを指しています。このコンポーネントは 2017 年 10 月 31 日をもって終了しました。

Red Hat Satellite 5 の対象範囲

サポートは、公開された Satellite 5 の 対象範囲 に従って提供されます。Satellite 5 のメジャーバージョンの初期リリースから少なくとも 7 年間、Red Hat は そのメジャーバージョンに対するエラータメンテナンスを提供します。Red Hat のエンタープライズ製品が備える高い安定性を維持しつつ、新たなエンタープライズハードウェアおよびソフトウェアの迅速な採用を促進するため、製品のライフサイクルは以下に記載する 3 つメンテナンスフェーズに分けられます。

Red Hat では、Red Hat Network (RHN) がホストするインターフェースを Red Hat Subscription Management (RHSM) インターフェースに移行しています。この移行は 2017 年 7 月の RHN ユーザーインターフェースの終了後に開始されました。

RHN から RHSM への移行についての詳細は、システムの移行手順が説明された記事「Prepare Satellite 5 systems for Red Hat Network’s End of Life」を参照してください。

Red Hat Satellite 5 を引き続き使用する場合には、最近リリースされた Satellite 5.8 バージョンへ可能な限り早急にアップグレードすることをお勧めします。Satellite 5.8 には、Red Hat Subscription Manager (RHSM) を使用して登録を行う機能と、コンテンツ配信ネットワーク (CDN) からコンテンツを取得する機能の両方が実装されています。

注記: RHN サブスクリプションサービスで予定されている変更は、Red Hat Satellite 6 ユーザーに影響を与えるものではないため、お客様の側で取っていただく措置はありません。

Satellite 5 の運用フェーズ

Red Hat Satellite 5 のフルサポート

フルサポートフェーズでは、評価済みの影響度が「重大」および「重要」のセキュリティーエラータアドバイザリー (RHSA) と、優先度が「緊急」および一部の「高」のバグ修正エラータアドバイザリー (RHBA) が利用可能になるとリリースされます。その他のエラータアドバイザリーは、必要に応じて提供されます。

新規または改善されたハードウェアサポートおよびいくつかのソフトウェア機能強化は、Red Hat の判断で提供される場合があります。マイナー (ポイント) リリースには、利用可能かつ評価済みのエラータアドバイザリー (RHSA、RHBA、および RHEA) も含まれます。マイナーリリースは累積的になっており、以前にリリースされた更新内容も含まれます。このフェーズでのマイナーリリースは、優先度が「中」または「高」の不具合の修正に重点が置かれます。

フルサポートフェーズでは、マイナーリリースの更新済みインストールイメージが提供されます。

Red Hat Satellite 5 のメンテナンスサポート

メンテナンスサポートフェーズでは、評価済みの影響度が「重大」および「重要」のセキュリティーエラータアドバイザリー (RHSA) と優先度が「緊急」のバグ修正エラータアドバイザリー (RHBA) が利用可能になるとリリースされます。その他のバグ修正 (RHBA) および機能強化 (RHEA) エラータアドバイザリーは、Red Hat の判断でリリースされる場合がありますが、必ずしもリリースされるとは限りません。

ソフトウェアの大幅な変更を必要としないハードウェアサポートの拡張は、Red Hat の判断で提供される場合があります。マイナーリリースには、評価済みの利用可能なエラータがすべて含まれます。マイナーリリースは累積的であり、以前にリリースされたマイナーリリースとエラータアドバイザリーの内容が含まれます。また、メンテナンスサポートの内容も含まれます。

メンテナンスサポートフェーズでは、マイナーリリースの更新済みインストールイメージは、Red Hat の判断に基づいて提供される場合があります。

Red Hat Satellite 5 のメンテナンスサポート 2

メンテナンスサポート 2 フェーズでは、影響度が「重大」のセキュリティーエラータアドバイザリー (RHSA) と優先度が「緊急」の一部のバグ修正 Errara Advisory (RHBA) が利用可能になるとリリースされます。その他のエラータアドバイザリーは、Red Hat の判断で必要に応じて提供されます。

新機能と新しいハードウェアのサポート、および更新済みインストールイメージは、メンテナンスサポート 2 で提供される予定はありません。このフェーズでは、マイナーリリースと新規インストール ISO が提供される可能性はほとんどありません。サポートは、安定性と次のメジャーバージョンへの移行に重点が置かれます。

Red Hat Satellite 5 の運用フェーズについての注記

  • 問題の影響度の分類については、重大度のレベルを参照してください。
  • サポートサービスの詳細は、サブスクリプション契約の一部として提供されています。
  • Red Hat は、バグ修正エラータを作成する一方で、お客様のビジネスに大きく影響する深刻な問題に対処するための一時的な措置として Hotfix を提供する場合があります。

仮想化


Satellite 5 と Satellite 6 の両方に適用されます。

Red Hat では、サポート対象の製品ライフサイクル内で、新しいバージョンの Red Hat Enterprise Linux 上で仮想化ゲストとして実行される Red Hat Satellite サーバーのバージョンをサポートします。ただし、サポート対象となるには、ゲストとホストの両方のバージョンに利用可能となっている最新のエラータが適用されていることが条件となります。

Red Hat Enterprise Linux の仮想化サポートマトリクスでは、サポート対象となっているオペレーティングシステム、バージョン、およびハードウェアアーキテクチャーの組み合わせを詳細に説明しています。

依存するソフトウェア


Satellite 5 と Satellite 6 の両方に適用されます。

Red Hat Satellite サーバーは、機能を有効にしたり、基礎となるプラットフォームの一部として機能するソフトウェアに依存している場合があります。このようなソフトウェア (例: Oracle、Red Hat Enterprise Linux) では、製品サポートライフサイクルが随時リリースされる場合があります。これらのソフトウェアの標準の製品ライフサイクルが終了すると (例: Red Hat Enterprise Linux の場合はメンテナンスサポート 2 の終了時)、お客様は最新バージョンの Satellite へのアップグレードが必要となります。たとえば、Red Hat Enterprise Linux の延長ライフフェーズや延長ライフサイクルサポート (ELS) は、標準の製品ライフサイクルフェーズとはみなされず、Satellite または Proxy のサポート対象外のプラットフォームとなる可能性があります。

satellite maintenance リポジトリーは satellite-clone ツールで使用される Red Hat Ansible パッケージを提供します。これらのパッケージは satellite-clone ツールでの使用のみサポートされています。このリポジトリーのこれらのパッケージのその他の使用については、Satellite のサブスクリプションではサポートされません。

クライアントシステム


Satellite 5 と Satellite 6 の両方に適用されます。

Red Hat Satellite サーバーは、既存のサポート対象製品用のシステム管理プラットフォームです。個々のサポートライフサイクルを超えて拡張したクライアントシステムはサポートされません。たとえば、Red Hat Linux 9 および Red Hat Enterprise Linux 3 は Red Hat のサポートが終了したため、Red Hat Satellite (および Satellite 5 Proxy) サーバーによるこれらのシステムの管理機能もサポートされません。お客様には、サポートされていないクライアントプラットフォームから速やかに移行することをお勧めします。サポートされるクライアントシステムの詳細については、Red Hat Satellite Server Reference Manual および Red Hat Enterprise Linux のライフサイクル のガイダンスページを参照してください。

Red Hat Satellite Server および Proxy 5.5 以前12

一般提供の開始日 (GA 日) フルサポートの終了日 メンテナンスサポートの終了日 メンテナンスサポート 2 の終了日
2007 年 6 月 26 日 2010 年 6 月 26 日 2014 年 10 月 1 日 N/A3
  1. Red Hat Enterprise Linux 4 上で実行される Satellite 5 バージョンは、依存するソフトウェアのセクションで説明されているようにサポート対象外となります。Satellite の最新バージョンへのアップグレードに関する詳細情報は、Security Advisory RHSA-2012:1546 を参照してください。
  2. データベース操作でネイティブに Oracle を使用するすべての Satellite バージョンは、2015 年 5 月 29 日以降サポート対象外となりました。詳細は、依存するソフトウェアのセクションを参照してください。影響があるのは、5.5 までのすべてのバージョンです。これらのバージョンの新たなインストールは、Red Hat の判断で早期に制限される場合があります。
  3. Satellite 5.5 以前のバージョンでは、メンテナンスサポート 2 フェーズがなくなります。ライフサイクルは、メンテナンスサポートから制限付きメンテナンスフェーズに移行します。

Red Hat Satellite Server 4

一般提供の開始日 (GA 日) フルサポートの終了日 メンテナンスサポートの終了日
2005 年 8 月 31 日 2008 年 8 月 31 日 2010 年 12 月 31 日

Red Hat Satellite Server 3

一般提供の開始日 (GA 日) フルサポートの終了日 メンテナンスサポートの終了日
2004 年 3 月 23 日 2007 年 3 月 23 日 2009 年 3 月 23 日