Red Hat OpenShift AI Self-Managed ライフサイクル

概要

Red Hat は、Red Hat OpenShift AI (RHOAI) Self-Managed の製品ライフサイクルを提供しています。これにより、お客様およびパートナー様は、プラットフォーム上で実行されるアプリケーションの計画、デプロイ、サポートを効果的に行えます。Red Hat は情報をオープンかつ明確に提供するためにこのライフサイクルを公開していますが、競合が発生する可能性がある場合はこれらのポリシーから例外を設定する可能性があります。

リリースタイプ

RHOAI のリリースタイプとそれぞれのライフサイクルは、通常、次の 3 つの主要なカテゴリーに分類されます。

  • fast リリース: これらのリリースには、1 カ月間、または次の fast リリースが利用可能になるまでのフルサポートが含まれます。場合によっては、次のリリースが 1 カ月以上遅れることがあります。
  • stable リリース:これらのリリースには 7 カ月間のフルサポートが含まれます。Red Hat は、3 つのマイナーリリースごとに stable リリースを発行します。
  • Extended Update Support (EUS) リリース:これらのリリースには、7 カ月間のフルサポートと、それに続く 11 カ月間の Extended Update Support が含まれます。Red Hat は、9 つのマイナーリリースごとに EUS リリースを発行します。

注意:

ストリームイメージ配信プロセスに関する既知の問題により、fast リリースは現在、stable および stable-x.y などの意図されていないストリーミングチャネルで利用可能です。正確なリリースタイプ、チャネル、サポートライフサイクル情報については、以下の ライフサイクルの日付 の表を参照してください。

特定のリリースタイプを効果的にデプロイおよび維持する方法については、アップグレードストラテジーセクションを参照してください。

フルサポートフェーズでは、評価済みの 「重大」および「重要」のセキュリティーアドバイザリー (RHSA) が利用可能になり次第リリースされます。優先度が「緊急」および一部の「高」のバグ修正アドバイザリー (RHBA) が利用可能になるとリリースされます。その他の利用可能な修正および評価済みのパッチはすべて、定期的な製品アップデートでリリースされる場合があります。セキュリティー修正およびバグ修正を受け取るために、お客様には OpenShift AI 環境がサポートされる最新のマイクロ (x.y.z) バージョンにアップグレードしていただくことになります。

Extended Update Support フェーズ中、Red Hat はコンポーネント固有のサポートを継続的に提供します。特定のリリースでサポートされているコンポーネントについては、サポートされる構成のページ を参照してください。

Red Hat OpenShift AI Self-Managed は、Red Hat OpenShiftOperator として利用可能であり、リリーススケジュールは、他の Red Hat 製品やサービスに依存しません。

Red Hat OpenShift ライフサイクル は、Red Hat OpenShift でサポートされているバージョンに関する情報を提供します。 RHOAI でのサポート対象の構成に関する詳細は、サポートされる設定の 記事 を参照してください。

ライフサイクルの日付

Red Hat OpenShift AI Self-Managed ライフサイクルの日程

アップグレードポリシー

手動アップグレードストラテジーを選択しない限り、RHOAI Operator とインストールされたコンポーネントは、最新バージョンに自動的に更新されます。Operator を インストール して更新ストラテジーを 設定 する方法の詳細は、RHOAI ドキュメント を参照してください。お客様には、できるだけ早く利用可能な最新のマイナーバージョンを導入することを推奨します。

このアップグレードポリシーには、機能リリース、バグおよびセキュリティー修正リリースが含まれます。

アップグレードストラテジーとパス

お客様には、要件に合わせてアップグレードストラテジーを選択することを推奨します。それぞれの要件は、リリースのライフサイクルや利用可能な機能の数により異なる可能性があります。このストラテジーを定義する際に、自動化アプローチを選択すると、現在サポートされているバージョンの最新のセキュリティーおよびバグ修正をすべて送信されるので、このアプローチを検討することも重要です。 Red Hat OpenShift AI はメジャー (x.)、マイナー (x.y)、マイクロ (x.y.z) リリースバージョンを使用し、他の Red Hat 製品やサービスとは独立したリリーススケジュールを維持します。Red Hat は、Operator により有効になる OLM ルールに従って許可されるアップグレードパスをテストし、サポートします。お客様はそれに応じてストリーミングチャネルを自由に変更できます。
注記:Red Hat では、お客様が常にサポートされているチャネルを使用するようにアップグレードを計画することを推奨します。Red Hat OpenShift AI のサポートを受けるには、選択したチャネルで利用可能な最新バージョンを使用する必要があります。

fast

最新の製品機能の利用を希望するお客様には、fast ストリーミングチャネルを選択することを推奨します。Red Hat は、1 つの fast リリースだけをサポートする点に注意してください。これらのタイプのデプロイメントは、最新の機能を必要とする場合に推奨されます。Red Hat では、このストリーミングチャネルで、自動更新ストラテジーを選択し、毎月手動でアップグレードする手間を回避することを推奨しています。fast 更新チャネルの場合、Red Hat は以前のマイナーバージョン (y-1) からの直接のシングルステップアップグレードのみをサポートします。Red Hat は連続していないバージョンへの更新をテストしておらず、以前のバージョンとの互換性を保証することはできません。たとえば、OpenShift AI 2.13 (fast) から最新バージョンの 2.15 (fast) に直接アップグレードすることはサポートされていません。代わりに、ユーザーは次のようにアップグレードできます。

  • 2.13 (fast) -> 2.14 (fast)
  • 2.14 (fast) -> 2.15 (fast)

stable および stable-x.y

新機能の利用より、安定性を優先するお客様には、stable または stable-xy ストリーミングチャネルを選択することを推奨します。番号なしの stable チャネルで自動更新ストラテジーを選択すると、最新の安定したマイナーバージョンがリリースされるとすぐに、デプロイメントがアップグレードされます。こちらを選択すると、新しい stable リリースが利用可能になるとすぐに手動で更新する手間が減り、最新の安定した機能をご利用いただけます。または、番号付き stable チャネルを選択すると、お客様はご利用中のデプロイメントで 4 カ月間のフルサポートを受けつつ、次の stable リリースへのアップグレードを計画および実行できます。Red Hat は、一度に 2 - 3 の stable リリースをサポートしていることにご注意ください。これらのタイプのデプロイメントは、ほとんどのステージおよび実稼働環境に推奨されます。 stable および stable-x.y 更新チャネルでは、Red Hat は、直近のマイナー stable バージョンから最新のマイナー stable バージョンへのシングルステップアップグレードと、stable バージョンから最新の fast バージョンへの順次アップグレードをサポートします。たとえば、ユーザーは以下のように OpenShift AI 2.10.0 (stable) からアップグレードできます。

  • 2.10.0 (stable) -> 2.10.1 (stable)
  • 2.10.1 (stable) -> 2.13.0 (stable)
  • 2.13.0 (stable) -> 2.13.1 (stable)
また、以下のように fast チャネルに切り替えることもできます。
  • 2.13.1 (stable) -> 2.14.0 (fast)
  • 2.14.0 (fast) -> 2.15.0 (fast)

eus-x.y

安定性を優先するお客様のために、eus-x.y ストリーミングチャネルでは、次の Extended Update Support (EUS) リリースへのアップグレードを計画するための期間を最大 9 カ月設けています。これらのチャネルは、7 カ月のアップグレードサイクルを超える延長サポートを必要とするエンタープライズ環境に適しています。Red Hat では、連続するマイナー EUS バージョン間のシングルステップアップグレードと、EUS から最新の fast バージョンへの順次アップグレードをサポートしています。この二重のアプローチにより、安定性と新しいリリースへのアクセスの両方に対応したシームレスな移行が可能になります。

Red Hat は、Operator により有効になる OLM ルール で許可されているアップグレードパスをテストし、サポートします。お客様はそれに応じてストリーミングチャネルを自由に変更できます。

コンポーネントのライフサイクル

Data Science Pipelines v1 のサポートの削除

これまで、OpenShift AI のデータサイエンスパイプラインは、KubeFlow Pipelines v1 をベースとしていました。OpenShift AI 2.9 以降のデータサイエンスパイプラインは、異なるワークフローエンジンを使用する KubeFlow Pipelines v2 をベースとしています。Data Science Pipelines 2.0 は、OpenShift AI でデフォルトで有効化され、デプロイされます。

OpenShift AI 2.16 以降、Data Science Pipelines 1.0 リソースは OpenShift AI によってサポートまたは管理されなくなりました。ダッシュボードまたは KFP API サーバーから、OpenShift AI 2.16 1.0 ベースのパイプラインの詳細をデプロイ、表示、または編集できなくなりました。

OpenShift AI は、既存の Data Science Pipelines 1.0 インスタンスを 2.0 に自動的に移行しません。OpenShift AI 2.16 にアップグレードする場合は、既存の Data Science Pipelines 1.0 インスタンスを手動で移行する必要があります。詳細は、Migrating to data science pipelines 2.0 を参照してください。