Red Hat build of Keycloak ライフサイクルとサポートポリシー

概要

Red Hat build of Keycloak は、オープンソースの Keycloak コミュニティープロジェクト をベースにした Red Hat のアイデンティティーおよびアクセス管理の商用製品です。

Red Hat build of Keycloak は Red Hat build of Keycloak Supported Configurations ページで説明されているように、さまざまなプラットフォームと JVM でテスト、認定、サポートされています。

Red Hat は、顧客やパートナーがインフラストラクチャーを効果的に計画、デプロイ、サポートできるよう、可能な限りの透明性を確保することを目的として、Red Hat build of Keycloak の製品ライフサイクルを公開しています。Red Hat は、期間を定めた段階的なライフサイクルを提供しており、Red Hat build of Keycloak の少なくとも 2 つのメジャーリリースバージョンとマイナーリリースバージョンが常にサポートされます。

メジャーバージョン

Red Hat build of Keycloak 26.x 以降、メジャーバージョンごとにサポートライフサイクル (フルサポートおよびメンテナンスサポート) の期間が定められており、26.x のサポート期間は最低 2 年間、次のバージョンである 27.x 以降は最低 3 年間となります。新しいメジャーリリースバージョンが利用可能になると、現行のメジャーバージョンに対するフルサポートは終了します。フルサポートが終了した時点で次のメジャーバージョンが準備されていない場合は、新しいメジャーバージョンが利用可能になるまで最新バージョンのフルサポートが継続します。新しいメジャーバージョンがリリースされると、お客様が新しいメジャーリリースにアップグレードできるように、1 つ前のメジャーバージョンは少なくとも 6 カ月間メンテナンス (サポート) に入ります。

Red Hat build of Keycloak 24 のライフサイクルは変更されず、約 12 カ月間継続されます。ただし、Red Hat build of Keycloak 22 のメンテナンスサポートはさらに 3 カ月延長されたため、お客様は、新しいバージョン 26 が利用可能になったときに、バージョン 22 から直接アップグレードするオプションを利用できます。

マイナーバージョン

Red Hat build of Keycloak 26.x 以降、新しい機能や変更はマイナーバージョンで導入されるようになります。ただし、通常、後方互換性を損なうと見なされるものは含まれません。

Red Hat build of Keycloak のマイナーバージョンは、約 6 カ月ごとにリリースされます。 Red Hat build of Keycloak のマイナーバージョンは、アップストリームコミュニティーの Keycloak マイナーリリース(例: 26.0、26.2、26.4、27.0、27.2、27.4 など) をベースにしているため、四半期ごとにリリースされる奇数番号のコミュニティー Keycloak マイナーバージョン (例: 26.1、26.3、27.1、27.3 など) はスキップされます。

マイナーリリースは、2 つ後のマイナーリリースが利用可能になるまで、メンテナンス更新 (バグ修正や適切なセキュリティーパッチなど) がサポートされます。したがって、マイナーリリースは、パッチ更新 (マイクロ) リリースによって約 12 カ月間サポートされます。

特定のメジャーリリースストリームの最後のマイナーリリースバージョンでは、延長メンテナンスサポート (ELS 経由など) が利用できる場合があります。

リリース間の下位互換性

Red Hat build of Keycloak メジャーリリースでは重大な変更が導入される可能性があり、必ずしも下位互換性があるとは限りません。

ただし、Red Hat build of Keycloak 製品チームは、特定のメジャーリリースストリーム (例: 26.x) のライフサイクル全体を通じて、可能な限り、機能、コンポーネント、およびサポート対象のプラットフォームの一貫性を維持することを目指しています。特定のメジャーストリームの各マイナーリリースで、Red Hat build of Keycloak に新しい機能と拡張機能を継続的に提供していきます。また、下位互換性を保ちながら提供し、マイナーリリース間でのアップグレードをシームレスかつ簡単に行えるように努めています。

マイナーバージョンに重大な変更が伴う場合、そのような変更はオプトイン形式で提供されます。これは、バージョン管理機能を利用して行われ、機能または API の現在デフォルトとなっているバージョンをマイナーリリースで変更できず、明示的に有効にできる新しいバージョンが存在します。機能または API の現在のバージョンは、マイナーバージョンでは非推奨になる可能性がありますが、次のメジャーバージョンまでは削除されません。これにより、お客様はアップグレードとは別に、新しい機能または API バージョンを段階的に展開できるようになります。次のメジャーリリースに早めに備えるか、待って一度に準備するかを選択できます。

完全にサポートされている機能または API に対してのみ、下方互換性が確保されます。プレビュー機能やプレビュー API、および非公開 API はいつでも変更される可能性があります。また、マイナーバージョン間で、後方互換性が完全に確保されるわけではありません。下位互換性を維持することが必ずしも可能ではない例として、セキュリティー修正が挙げられます。

機能、コンポーネント、およびサポートされている構成の非推奨と削除

非推奨の機能、コンポーネント、およびサポート対象のプラットフォームは完全にサポートされているため、それらはテストおよび保守されており、現行の Red Hat build of Keycloak メジャーバージョンでサポートステータスの変更はありません (非推奨とマークされるが、削除はされません)。これらは次のメジャーバージョンリリースではサポートされなくなり、削除される可能性があります。したがって、これらは、Red Hat build of Keycloak の現在または、今後のメジャーバージョンの新しい実稼働環境にデプロイメントすることは推奨されません。

特定のメジャーリリースで非推奨になった機能の最新のリストについては、そのリリースのドキュメントの最新バージョンおよび、サポート対象の設定を参照してください。 特定のメジャーリリースライフサイクルで、プラットフォームのコンポーネントまたはサポートを非推奨にして削除しなければならない例外的な状況が発生する場合があります。たとえば、サポート対象のプラットフォーム (Java バージョン、OS バージョン、データベースバージョンなど) がサポートされなくなると、そのプラットフォームのテストと検証も停止します。

ライフサイクルフェーズおよびサポートポリシー

Red Hat build of Keycloak のメジャーリリースのライフサイクルは、フルサポートフェーズとメンテナンスフェーズの 2 つの主要なフェーズに分かれています。

Red Hat build of Keycloak は、次のライフサイクルフェーズに準拠しています。

フェーズ 1: フルサポート

フルサポートは公開された 対象範囲 および サービスレベルアグリーメント に従って提供されます。同様に、開発サポートも公開された 対象範囲 および サービスレベルアグリーメント に従って提供されます。

フルサポートは、Red Hat build of Keycloak の新しいメジャーリリースから開始し、Red Hat build of Keycloak の新しいメジャーバージョンがリリースされると終了します。

特定の Red Hat build of Keycloak メジャーリリースストリームのフルサポートフェーズでは、マイナーバージョンで主にソフトウェアの機能強化や新しい機能追加が提供されます。利用可能な認定パッチはすべて、定期的なマイクロリリースの更新およびパッチ、または必要に応じて認定セキュリティーパッチとして適用されます。

フェーズ 2: メンテナンスサポート

メンテナンスサポートは公開された Scope of Coverage および Service Level Agreement に従って提供されます。同様に、開発サポートも公開された 対象範囲 および サービスレベルアグリーメント に従って提供されます。

メンテナンスフェーズでは、定期的なマイクロ更新または必要に応じて認定セキュリティーパッチ経由で、重大および重要な影響がある認定セキュリティーパッチおよび、一部のミッションクリティカルおよび重要なバグ修正パッチがリリースされます。

次の表に、通常のライフサイクルで行われる各種のソフトウェアメンテナンスの詳細を示します。

  ライフサイクルフェーズ
説明 フルサポート メンテナンスサポート
インシデント数が無制限の技術サポート1 はい はい
製品ナレッジベースの利用 はい はい
製品ダウンロードの利用 はい はい
製品ディスカッションの利用 はい はい
サポート、設定、およびトラブルシューティングツールの利用 はい はい
パッチリリース2 はい はい
「重大」および「重要」のセキュリティー修正3 はい はい
「中程度」の CVE 修正 はい Red Hat の裁量による
ソフトウェアの機能強化 (または新機能の追加) 4 はい いいえ
新しい認定 (JVMs、DBs など) はい いいえ
  1. サポートサービスの詳細は、サブスクリプション契約の一部として提供されます。
  2. 利用可能で認定済みのパッチはすべて、定期的な製品アップデートおよびパッチを通じて、または必要に応じて認定セキュリティーパッチとして適用されます。Red Hat は、お客様のビジネスに大きな影響を与える重大度が最も高い問題に、恒久的なバグ修正パッチが作成されるまでの間、暫定的な措置としてホットフィックス (または「臨時対応」) のパッチで対処する場合があります。後続のバグ修正リリースには、以前にホットフィックスとして提供された問題が含まれます。
  3. 最新のセキュリティーアップデート情報は、https://access.redhat.com/security/ でご覧いただけます。
  4. マイナーリリースでは主に、通常は下位互換性を損なわないソフトウェアの機能拡張が提供されます。ソフトウェアの下位互換性を損なう機能強化は、通常、メジャーバージョンで行われます。

製品ライフサイクルの日付

現在サポートされている Red Hat build of Keycloak リリースのライフサイクルの日付を以下に示します。

Red Hat build of Keycloak ライフサイクルを他の製品のライフサイクルと比較するには、製品ライフサイクル ページのツールを使用してください。

Red Hat build of Keycloak

バージョン 一般提供の開始 (GA) 日 フルサポートの終了日 メンテナンスサポートの終了日
26.x 2024 年 11 月 13 日 2026 年 5 月 13 日 (RHBK 27.0 GA の日付によります) 2026 年 11 月 13 日 (RHBK 27.0 GA の日付によります)
24.0 2024 年 4 月 29 日 2024 年 11 月 13 日 (RHBK 26.0 GA の日付によります) 2025 年 5 月 13 日 (RHBK 26.0 GA の日付によります)
22.0 2023 年 11 月 15 日 2024 年 4 月 29 日 2025 年 1 月 31 日 (2024 年 10 月 30 日から延長)

注記:記載されている将来の日付はすべて概算であり、決定的なものではなく、変更される可能性があります。

リリース計画のタイムライン (変更される可能性があります)