Red Hat OpenStack Platform Director のライフサイクル

デプロイメントツールのサポートポリシー

2018 年 6 月 27 日より、Red Hat OpenStack Platform Director は、Red Hat OpenStack Platform のすべての新規インストールで Red Hat OpenStack Platform 環境のフルサポートを受けられるようにするための必須のデプロイメントツールになりました。

このポリシーは、既存のデプロイメントに遡及的に適用されることはありません。

他のデプロイメントツールの使用についてご質問がある場合は、Red Hat サポートにご連絡ください。

概要

Red Hat OpenStack Platform Director について:

  • Red Hat OpenStack Platform のコアリリーススケジュールに関連付けられています。
  • コア Red Hat OpenStack Platform 製品と同時にサポートされています。
  • 以前の Red Hat OpenStack Platform コアバージョンと下位互換性があります。

Red Hat OpenStack Platform Director とは?

Red Hat OpenStack Platform Director は、Red Hat OpenStack Platform 7 以降のバージョンのデプロイメントおよびライフサイクルをインストールおよび管理する際に使用されるツールです。これは、基礎となる OpenStack のオペレーションにおいて、更新、アップグレード、およびインフラストラクチャーの制御が重要なクラウドオペレーターのユースケースを対象としています。また、API 駆動型のフレームワークにより、ハードウェアイントロスペクション、サービスの割り当て、OpenStack Platform スタックの管理が提供されます。

このドキュメントでは、Red Hat OpenStack Platform を 2 つに分けています。

  • コア: OpenStack の主要なコンポーネント (Nova、Neutron、Ironic など)
  • Director: デプロイメント管理ツール

Red Hat OpenStack Platform インストーラーについての詳細は、Installing and Managing Red Hat OpenStack Platform を参照してください。

リリースのタイミング

Red Hat OpenStack Platform Director は、アップストリームの TripleO プロジェクトおよびスケジュールをベースとしており、コア製品のリリーススケジュールに関連付けられています。

Red Hat OpenStack Platform Director は、コア Red Hat OpenStack Platform と同時にリリース されます。

メジャーリリースおよびメンテナーンスリリースに含まれるもの

メジャーリリース

Director のメジャーリリースは、コアのメジャーリリースごとに利用可能となります。これは、Red Hat OpenStack Platform の公式にサポートされているデプロイ方法です。メジャーリリースでは、Red Hat OpenStack Platform のデプロイ方法に大きな影響を与える可能性のある機能が追加され、コアの最新機能が強調されます。新しいメジャーバージョンでは異なる API が導入される可能性があり、その場合はリリース時に文書化されます。

Director の各バージョンを使用すると、Red Hat OpenStack Platform の連続するメジャーリリース間における自動インプレースアップグレードが可能になります (たとえば、Director バージョン 9 は、最新のコアバージョン 8 を最新バージョンの 9 にアップグレードできます)。

メンテナンスリリース

メンテナンスリリースは、製品の一般提供 (GA) 後に、バグ修正およびパフォーマンスの向上を目的として実施されます。メンテナンスリリースでは、新しい機能の追加は回避されます (例外はケースごとに処理されます)。これは、API が破損する可能性や、DB 移行および他の主要な変更の必要性も軽減されることも意味します。

各 Director バージョンでは、メンテナンスリリース間におけるインプレース更新の自動化が可能になり、最新のコンテンツを取得できます。これらの更新は、高可用性モードではローリング手順で処理され、すべての OpenStack サービスは実行を継続します。

ライフサイクルサポート

Red Hat OpenStack Director のライフサイクルサポートは、コア製品に合わせて 調整 されています。

詳しくは、Red Hat OpenStack Platform のサポート を参照してください。(1)

その他の製品との統合

Director と統合する必要のある製品は、メジャーリリース の API をターゲットにした機能を提供する必要があります。API は nova、ironic など OpenStack の標準 API で、Director にはプライベート API はありません。API のバージョン管理と非推奨化は、アップストリームの OpenStack ポリシー (2) とバックポートに準じます。詳細は リリースノートで説明します。

Director とコアの両方が同時にリリースされるため、タイミングに関する疑問は少ないはずです。

このような統合の一例が Cloudforms です。これは、上記の API を使用してインフラストラクチャーの管理を可能にします。これらは通常の API を使用しているため、統合はスムーズに実施できるはずです。また、開発サイクルは引き続き分離できます。

(2) http://developer.openstack.org/api-ref.html

デプロイメントおよび管理ツールの交換

Director の主なユースケースは、Day 1 (初期デプロイ) および Day 2 (アップグレード、スケールアップなど) の管理です。Director を Day 2 管理に使用する場合は、すべて Director または Director API を使用して実行する必要があります。Director 以外で行われた手動による変更を Red Hat が調整できる妥当な方法はありません。また、この調整を行わない場合、Red Hat のサポート対象ツールセット (Director) からスケールアップ、更新、アップグレードの機能は完全に失われます。

Director を Day 1 (初期デプロイ) のみで使用し、Day 2 は他の方法で管理する場合、Director から Day 2 オペレーション実行機能が失われます。Director 以外のツールが使用されると、それ以降のオペレーションでは変更管理、スケールアップ、更新、アップグレードなどのオーケストレーションを手動で行う必要があります。手動アプローチでは、そのようなオーケストレーションが Director でどのように実装されているかのベストプラクティスを自分で実行できますが、使用したスクリプト/ツールはセルフサポート対象 (もしくはコンサルティングのみサポート) となります。

Director API を呼び出すサードパーティーツールとの統合はサポート対象であり、Director を使用した Day 2 オペレーションのサポートを損なうことはありません。Red Hat OpenStack director と Red Hat CloudForms の統合は、この使用例に該当します。

フィードバック

どのようなフィードバックも有用です。製品ライフサイクルがお客様や当社製品に与える影響について、ご意見、ご質問などがあれば Director 製品マネージャーにご連絡ください。