9.4.3. パッチ管理システムを使用して Zip 形式のパッチ適用をロールバックする

概要

JBoss EAP 6 パッチ管理システムは、以前に適用された zip パッチの適用を管理 CLI または管理コンソールを使用してロールバックするために使用できます。

警告

パッチ管理システムを使用したパッチ適用のロールバックは、一般的なアンインストール機能として使用するものではありません。不適切な結果をもたらしたパッチ適用の直後に使用することを目的としています。

重要

パッチ管理システムは、JBoss EAP 6.2 で追加された機能です。JBoss EAP 6.2 よりも前のバージョンでは、zip 形式のパッチをロールバックするプロセスが異なります。該当するバージョンのドキュメンテーション (https://access.redhat.com/site/documentation/) を参照してください。

要件

  • JBoss EAP 6 パッチ管理システムを使用して以前に適用されたパッチ。
  • JBoss EAP 6 サーバーの管理 CLI または管理コンソールにアクセスします。『管理設定ガイド』の「管理 CLI の起動」または「管理コンソールへログイン」を参照してください。

警告

いずれかの手順に従う場合は、Reset Configuration オプションの値を指定するときに注意してください。
TRUE に設定された場合、パッチロールバックプロセスにより JBoss EAP 6 サーバー設定ファイルがパッチ適用前の状態にロールバックされます。パッチの適用後に JBoss EAP 6 サーバー設定ファイルに行われたすべての変更は失われます。
FALSE に設定された場合、サーバー設定ファイルはロールバックされません。この状況では、ネームスペースなどの設定がパッチにより変更され (設定は有効でなくなり、手動で修正する必要があります)、ロールバック後にサーバーを起動できないことがあります。

手順9.4 管理 CLI を使用して JBoss EAP 6 サーバーインスタンスからパッチをロールバックする

  1. 管理 CLI から patch info コマンドを使用して、ロールバックするパッチの ID を見つけます。
    • 累積パッチの場合、パッチ ID は patch info 出力に表示された最初の cumulative-patch-id の値です。
    • 個別セキュリティーまたはバグ修正 ID は、patch info 出力に表示された最初の patches の値としてリストされます (最も最近に適用された 個別パッチが最初にリストされます)。
  2. 管理 CLI から、以前の手順の適切なパッチ ID を持つパッチをロールバックします。
    [standalone@localhost:9999 /] patch rollback --patch-id=PATCH_ID --reset-configuration=TRUE
    パッチをロールバックするときに競合が発生した場合、patch ツールは警告を発します。コマンドを再実行して競合を解決する場合に利用可能な patch コマンドのスイッチについては、「パッチ管理システム」を参照してください。
  3. パッチのロールバックを反映するために、JBoss EAP 6 サーバーを再起動します。
    [standalone@localhost:9999 /] shutdown --restart=true

手順9.5 管理コンソールを使用して JBoss EAP 6 サーバーインスタンスからパッチをロールバックする

  1. 管理コンソールで以下の操作を行います。
    • スタンドアロンサーバーの場合: 画面の上部にある Runtime (ランタイム) タブをクリックし、次に Patch Management (パッチ管理) をクリックします。
    • 管理ドメインの場合: 画面の上部にある Domain (ドメイン) タブをクリックし、Host (ホスト) ドロップダウンメニューから該当するホストを選択して、Patch Management (パッチ管理) をクリックします。
  2. Recent Patch History (最近のパッチ履歴) テーブルで、ロールバックするパッチを選択し、Rollback (ロールバック) をクリックします。
    1. 管理ドメインホストの場合は、次の画面でホストのサーバーをシャットダウンするかどうかを選択し、Next (次へ) をクリックします。
  3. ロールバックプロセスのオプションを選択し、Next (次へ) をクリックします。
  4. オプションとロールバックするパッチを確認し、Next (次へ) をクリックします。
    1. Override all (すべてのオーバーライド) オプションが選択されておらず、パッチをロールバックするときに競合がある場合は、警告が表示されます。View error details (エラー詳細の表示) をクリックして競合の詳細を表示します。競合がある場合は、操作をキャンセルするか、Choose Options (オプションの選択) をクリックし、Override all (すべてのオーバーライド) チェックボックスを選択した状態で操作を再試行します。競合をオーバーライドすると、すべてのユーザーの変更がロールバック操作によって上書きされます。
  5. パッチが正常にロールバックされたら、変更を反映するために JBoss EAP 6 サーバーを今すぐ再起動するかどうかを選択し、Finish (完了) をクリックします。
結果

パッチ (およびオプションでサーバー設定ファイル) は、JBoss EAP 6 サーバーインスタンスでロールバックされます。