9.4. zip 形式のパッチのインストール
9.4.1. パッチ管理システム
JBoss EAP 6 パッチ管理システムは、ダウンロードされた zip パッチを単一の JBoss EAP 6 サーバーに適用するために使用されます。JBoss EAP 6 パッチ管理システムには、管理 CLI で
patch
コマンドを使用するか、管理コンソールを使用してアクセスできます。パッチ管理システムは、管理ドメイン全体で JBoss EAP 6 サーバーインスタンスを自動的にパッチを適用するために使用できませんが、管理ドメインの各サーバーインスタンスにはパッチを個別に適用できます。
重要
RPM を使用してインストールされた JBoss EAP 6 サーバーインスタンスは、パッチ管理システムを使用して更新できません。RPM でインストールされた JBoss EAP 6 サーバーを更新するには、「RPM インストールへのパッチ適用」を参照してください。
注記
パッチ管理システムは、JBoss EAP 6.2 以降のバージョン用に作成されたパッチでのみ使用できます。JBoss EAP 6.2 よりも前のバージョン用のパッチについては、該当するバージョンのドキュメンテーション (https://access.redhat.com/site/documentation/) を参照してください。
パッチの適用以外に、パッチ管理システムはインストールされたパッチの状態に関する基本的な情報を提供し、パッチの適用をすぐにロールバックする方法も提供します。
パッチの適用またはロールバック操作を開始する前に、パッチ管理システムは変更するモジュールとその他のファイルでユーザーによる変更がないかをチェックします。ユーザーによる変更が検出され、conflict-handling スイッチが指定されていない場合は、パッチ管理システムが操作を中止し、競合が存在することを警告します。警告には、競合があるモジュールと他のファイルのリストが含まれます。操作を完了するには、競合の解決方法 (ユーザーによる変更を保持するか、または上書きするか) を指定するスイッチを使用して再試行する必要があります。
以下の表には、管理 CLI の
patch
コマンドの引数とスイッチがリストされています。
表9.1 patch
コマンドの引数とスイッチ
引数またはスイッチ | 説明 |
---|---|
apply | パッチを適用します。 |
--override-all | 競合がある場合に、パッチ操作によりユーザーの変更が上書きされます。 |
--override-modules | モジュールが変更された結果、競合が発生した場合、このスイッチにより、これらの変更がパッチ操作の内容で上書きされます。 |
--override=path(,path) | 指定されたその他のファイルの場合は、競合する変更済みファイルがパッチ操作のファイルで上書きされます。 |
--preserve=path(,path) | 指定されたその他のファイルの場合は、競合する変更済みファイルが保持されます。 |
--host=HOST_NAME | これはドメインモードで使用でき、パッチ操作を実行するホストを指定します。 |
info | 現在インストールされているパッチに関する情報を返します。 |
history | パッチ適用履歴に関する情報を返します。 |
rollback | パッチのアプリケーションがロールバックします。 |
--patch-id=PATCH_ID | ロールバックに必要です。ロールバックするパッチの ID を指定します。 |
--reset-configuration=TRUE|FALSE | ロールバックに必要です。ロールバック操作の一部としてサーバー設定ファイルを復元するかどうかを指定します。 |
--rollback-to | ロールバックするパッチが個別 (1 回だけ) のパッチである場合は、この引数を使用すると、ロールバック操作によって、指定されたパッチの上に適用された他のすべての 1 回だけのパッチもロールバックされます。 |