10.2. 宣言型セキュリティー

宣言的セキュリティー とは、セキュリティー管理にコンテナーを使うことで、お使いのアプリケーションコードからセキュリティーの問題を切り離す方法です。コンテナーにより、ファイルのパーミッション、またはユーザー、グループ、ロールに基づき承認を行います。このアプローチは、セキュリティー関連すべてをアプリケーション自体で請け負うプログラム的セキュリティーよりも優れています。
JBoss EAP 6 はセキュリティードメインより宣言的セキュリティーを提供します。

10.2.1. Java EE 宣言型セキュリティーの概要

Java EE セキュリティーモデルは宣言的で、セキュリティーをビジネスコンポーネントに埋め込まずに、セキュリティーロールおよびパーミッションを標準的な XML 記述子で記述します。セキュリティーは、コンポーネントのビジネスロジックに固有のものではなく、コンポーネントがデプロイされる場所の機能となる傾向にあるため、このモデルによりセキュリティーがビジネスレベルのコードから分離されます。たとえば、銀行の預金口座を利用するために使用する ATM の場合、預金口座へのアクセス方法、口座を管理する銀行、ATM の場所などの条件によって、セキュリティー要件、ロール、およびパーミッションが大きく異なります。
Java EE アプリケーションは、標準の Java EE デプロイメント記述子によって指定されたアプリケーションセキュリティー要件を基にセキュア化されます。ejb-jar.xml および web.xml デプロイメント記述子を使用して、エンタープライズアプリケーションの EJB および Web コンポーネントへのアクセスをセキュア化します。