第3章 エビクションのセットアップ

3.1. エビクションについて

エビクションとは、メモリー不足にならないようにするためにメモリーからエントリーを削除するプロセスのことです。永久的なデータの損失を防ぐために、メモリーからエビクトされたエントリーは設定されたキャッシュストアと残りのクラスターに留まります。キャッシュストアが設定されておらず、エビクションが有効にされている場合、データの損失が発生する可能性があります。
Red Hat JBoss Data Grid は、すでにデータコンテナーと対話しているユーザースレッドを利用してエビクションのタスクを実行します。JBoss Data Grid は別のスレッドを使用して、期限切れのキャッシュエントリーをキャッシュから排除します。
エビクションはクラスター全体の操作として発生せず、ノードごとに個別に発生します。各ノードはエビクションスレッドを使用してインメモリーコンテナーの内容を分析し、エビクションが必要なエントリーを判別します。Java 仮想マシン (JVM) の空きメモリーはエビクションの分析時には考慮されず、エントリーのエビクションを初期化するしきい値としても考慮されません。
JBoss Data Grid では、エビクションは、キャッシュのインメモリー表現からエントリーを効率的に削除し、削除されたエントリーを (設定されている場合) キャッシュストアにプッシュするメカニズムを提供します。これにより、メモリーは新規のエントリーがフェッチされると常にこれらを格納でき、かつエビクトされたエントリーは、失われるのではなくクラスターに保存されます。
さらに、エビクションストラテジーは、エビクトされるエントリーや、エビクションが発生するタイミングをセットアップするための設定で必要になる場合に使用することができます。