第6章 キャッシュモード

Red Hat JBoss Data Grid は次の 2 つのモードを提供します。
  • ローカルモードは、JBoss Data Grid で提供される唯一のクラスターキャッシュモードではないモードです。ローカルモードの JBoss Data Grid は、簡単な単一ノードのインメモリーデータキャッシュとして動作します。ローカルモードは、スケーラビリティーおよびフェイルオーバーが不要な場合に最も効果的であり、クラスターモードに比べてパフォーマンスが高くなります。
  • クラスターモードは、状態の変更をノードの小型のサブセットにレプリケートするクラスターモードを提供します。サブセットのサイズは、フォールトトラレンスを実現するには十分なサイズですが、スケーラビリティーを妨げるほど大きくはありません。クラスターモードを使用する前に、クラスター化された設定に対して JGroups を設定することが重要です。JGroups の設定方法についてさらに詳しくは、「JGroups の設定 (ライブラリーモード) 」 を参照してください。

6.1. キャッシュコンテナーについて

キャッシュコンテナーは、キャッシュを使用する際の開始点として Red Hat JBoss Data Grid のリモートクライアントサーバーモードで使用されます。cache-container 要素は 1 つ以上の (ローカルまたはクラスター) キャッシュの親として動作します。クラスターキャッシュをコンテナーに追加するには、トランスポートを定義する必要があります。
次の手順は、キャッシュコンテナーの設定例を示しています。

手順6.1 キャッシュコンテナーの設定方法

<subsystem xmlns="urn:infinispan:server:core:6.2" 
	   default-cache-container="local">
	<cache-container name="local"
			 default-cache="default" 
			 statistics="true"
			 listener-executor="infinispan-listener" 
			 start="EAGER">
		<local-cache name="default"
			     start="EAGER"
			     statistics="false">
			     <!-- Additional configuration information here -->
		</local-cache>
	</cache-container>
</subsystem>
  1. キャッシュコンテナーの設定

    cache-container 要素は、次のパラメーターを使用してキャッシュコンテナーに関する情報を指定します。
    1. name パラメーターはキャッシュコンテナーの名前を定義します。
    2. default-cache パラメーターは、キャッシュコンテナーと共に使用されるデフォルトキャッシュの名前を定義します。
    3. statistics 属性は任意であり、デフォルトは true です。統計は、JMX または JBoss Operations Network 経由で JBoss Data Grid を監視する際に役立ちますが、パフォーマンスにはマイナスの影響を与えます。統計が不要な場合は、これを false に設定してこの属性を無効にします。
    4. listener-executor は非同期キャッシュリスナーの通知に使用されるエグゼキューターを定義します。
    5. start パラメーターはいつキャッシュコンテナーが起動するかを示します (要求時にレイジーに起動するか、またはサーバー起動時に「すぐに (eargerly)」起動するかなど)。このパラメーターの有効な値は EAGERLAZY です。
  2. キャッシュごとの統計の設定

    statistics がコンテナーレベルで有効にされている場合、statistics 属性を false に設定することにより、キャッシュごとの統計は、監視を必要としないキャッシュについては選択的に無効にすることができます。