7.7. OpenStack Networking をインストールしたシステムの検証

OpenStack Networking の使用を開始するには、コンピュートノードにネットワークコンポーネントをデプロイし、初期ネットワークおよびルーターの定義も行う必要がありますが、OpenStack Networking デプロイメントの基本的なサニティーチェックは、以下の手順に記載するステップに従って実行することができます。

手順7.17 OpenStack Networking をインストールしたシステムの検証

  1. すべてのノードで以下を実行します。

    1. 次のコマンドを実行して、Red Hat OpenStack Platform で使用する予定のカスタマイズされた Red Hat Enterprise Linux カーネルを検証します。
      # uname --kernel-release
      2.6.32-358.6.2.openstack.el6.x86_64
      返されたカーネルリリースの値に openstack の文字列が含まれていない場合には、カーネルを更新してシステムを再起動します。
    2. インストールされている IP ユーティリティーがネットワーク名前空間をサポートしていることを確認します。
      # ip netns
      引数が認識されない、またはサポートされていないというエラーが表示された場合には、yum コマンドでシステムを更新します。
  2. サービスノードで以下を実行します。

    1. neutron-server サービスが稼働中であることを確認します。
      # openstack-status | grep neutron-server
      neutron-server:                         active
  3. ネットワークノードで以下を実行します。

    以下のサービスが稼働していることを確認します。
    • DHCP エージェント (neutron-dhcp-agent)
    • L3 エージェント (neutron-l3-agent)
    • 該当する場合はプラグインエージェント (neutron-openvswitch-agent または neutron-linuxbridge-agent)
    • Metadata エージェント (neutron-metadata-agent)
    # openstack-status | grep SERVICENAME

7.7.1. OpenStack Networking に関する問題のトラブルシューティング

本項では、OpenStack Networking に関する問題のトラブルシューティングに使用可能なコマンドと手順について説明します。
ネットワークデバイスのデバッグ
  • ip a コマンドで、全物理/仮想デバイスを表示します。
  • ovs-vsctl show コマンドで、仮想スイッチ内のインターフェースとブリッジを表示します。
  • ovs-dpctl show コマンドで、スイッチ上のデータパスを表示します。
ネットワークパケットの追跡
  • パケットが通過しない場所を確認します。
    # tcpdump -n -i INTERFACE -e -w FILENAME
    INTERFACE は、確認するネットワークインターフェースの名前に置き換えます。このインターフェース名には、ブリッジまたはホストのイーサネットデバイスの名前を使用することができます。
    -e フラグで、リンクレベルのヘッダーが出力されるようにします (その場合には vlan タグが表示されます)。
    -w フラグはオプションです。出力をファイルに書き込む場合にのみ使用することができます。使用しない場合には、その出力は標準出力 (stdout) に書き込まれます。
    tcpdump に関する詳しい情報は man ページを参照してください。
ネットワーク名前空間のデバッグ
  • ip netns list コマンドで、既知のネットワーク名前空間をすべて一覧表示します。
  • 特定の名前空間内のルーティングテーブルを表示します。
    # ip netns exec NAMESPACE_ID bash
    # route -n
    bash シェルで ip netns exec コマンドを起動し、それ以降に実行するコマンドが ip netns exec コマンドを実行しなくても呼び出されるようにします。