第12章 Telemetry サービスのインストール

12.1. Telemetry サービスのデプロイメントの概要

Telemetry サービスは、API サーバー 1 つ、openstack-ceilometer エージェント 3 つ、およびアラームサービス 2 つで構成されます。API サーバー (openstack-ceilometer-api パッケージによって提供) は、単一または複数の中央管理サーバー上で実行され、Telemetry データベースへのアクセスを提供します。

注記

現在、mongod は、Telemetry サービスがサポートする唯一のデータベースサービスです。
3 つの Telemetry エージェント (およびそれぞれに対応するパッケージ) は以下のとおりです。
  • 中央エージェント (openstack-ceilometer-central により提供): 集中サーバー上で実行され、パブリックの REST API をポーリングして (通知を介して、またはハイパーバイザーレイヤーから) 表示が可能でないリソースの統計を活用します。
  • コレクター (openstack-ceilometer-collector により提供): 単一または複数の中央管理サーバーで実行され、リソースの使用状況に関する通知を受信します。またコレクターは、リソース使用状況の統計の解析も行って、Telemetry データベースにデータポイントとして保存します。
  • コンピュートエージェント (openstack-ceilometer-compute により提供): 各 Compute サービスノードで実行され、インスタンスの使用状況の統計をポーリングします。openstack-ceilometer-compute パッケージをノードにインストールする前には、あらかじめ Compute サービスのインストールと設定を済ませておく必要があります。
Telemetry サービスの残りを構成する 2 つのアラームサービス (およびそれぞれに対応するパッケージ) は以下のとおりです。
  • エバリュエーター (ceilometer-alarm-evaluator により提供): トリガーされたアラームを評価します。
  • ノーティファイヤー (ceilometer-alarm-notifier により提供): アラームがトリガーされた場合に必要なアクションを実行します。
各コンポーネントに対して以下の設定を行います。
  • Identity サービスのトークンおよび Telemetry シークレットなどの認証
  • Telemetry データベースに接続するためのデータベース接続文字列
上記のコンポーネント認証設定およびデータベース接続文字列はすべて /etc/ceilometer/ceilometer.conf で設定されます。このため、同じホストにデプロイされたコンポーネントは、同じ設定を共有することになります。Telemetry コンポーネントが複数のホストにデプロイされる場合には、認証の変更をこれらのホストに複製する必要があります。これは、新規設定を適用した後に ceilometer.conf ファイルを全ホストにコピーすることによって対応することができます。
Telemetry サービス (それぞれのホスト先に関わらず、その全コンポーネント) がデプロイされ設定された後には、Telemetry サービスにデータを送信するように各監視対象サービス (Image、Networking、Object Storage、Block Storage、および各コンピュートノード) を設定する必要があります。これに関連する設定は、各サービスの設定ファイルで行います。