3.8. Identity サービスのインストールの検証

Identity サービスのインストールが正しく機能していることを確認します。以下の手順で記載するすべてのステップは、Identity サーバーまたは環境内の他のサービスで実行する必要があります。ログインするユーザーは、管理ユーザーおよび一般ユーザーとして認証するために、それぞれの必要な環境変数が含まれている keystonerc_adminkeystonerc_user のファイルへのアクセス権が必要です。また、システムには、httpd、mod_wsgi、mod_ssl (セキュリティー目的) をインストールしておく必要があります。

手順3.11 Identity サービスのインストールの検証

  1. 管理ユーザーとして、Keystone にアクセスするためのシェルを設定します。
    # source ~/keystonerc_admin
  2. システムで定義されているユーザーの一覧を表示します。
    [(keystone_admin)]# openstack user list
    +----------------------------------+-------+
    | ID                               | Name  |
    +----------------------------------+-------+
    | 23c56d02d3bc4b88b034e0b3720fcd1b | admin |
    | 246b1342a8684bf39d7cc5165ef835d4 | USER  |
    +----------------------------------+-------+
    システムで定義されているユーザーの一覧が表示されます。一覧が表示されない場合には、インストールに問題があります。
    1. 返されたメッセージでパーミッションまたは認証に問題があることが示されている場合には、管理者ユーザーアカウント、テナント、ロールが正しく作成されていることを確認します。また、3 つのオブジェクトが正しくリンクされていることも確認します。
    2. 返されたメッセージで接続に問題がある (Connection refused) ことが示されている場合には、openstack-keystone サービスが実行中であることと、ポート 5000 および 35357 での接続を許可するようにファイアウォールサービスが設定されていることを確認してください。
  3. 一般の Identityサービスのユーザーとして、Keystone にアクセスするためのシェルを設定します。
    # source ~/keystonerc_user
  4. システムで定義されているユーザーの一覧を表示してみます。
    [(keystone_user)]# openstack user list
    You are not authorized to perform the requested action: admin_required (HTTP 403) (Request-ID: req-1cfd3869-ac97-424d-bd00-f835a6ab9be6)
    このコマンドを実行する権限がないことを示すエラーメッセージが表示されます。このエラーメッセージが表示されず、代わりにユーザー一覧が表示された場合には、その一般ユーザーアカウントに誤って admin ロールが関連付けられていたことになります。

3.8.1. Identity クライアント (keystone) の接続性における問題のトラブルシューティング

Identity クライアント (keystone) が Identity サービスと通信できない場合には、次のようなエラーが返されます。
Unable to communicate with identity service: [Errno 113] No route to host. (HTTP 400)
この問題をデバッグするには、以下にあげる一般的な原因を確認してください。
Identity サービスが稼働していない場合
Identity サービスをホストするシステムで、サービスのステータスを確認します。
# systemctl status openstack-keystone
● openstack-keystone.service - OpenStack Identity Service (code-named Keystone)
   Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/openstack-keystone.service; disabled; vendor preset: disabled)
   Active: active (running) since Tue 2016-06-07 02:31:14 EDT; 5h 29min ago
 Main PID: 23236 (keystone-all)
   CGroup: /system.slice/openstack-keystone.service
           ├─23236 /usr/bin/python2 /usr/bin/keystone-all
           ├─23247 /usr/bin/python2 /usr/bin/keystone-all
           ├─23248 /usr/bin/python2 /usr/bin/keystone-all
           ├─23249 /usr/bin/python2 /usr/bin/keystone-all
           └─23250 /usr/bin/python2 /usr/bin/keystone-all

Jun 07 02:31:13 mitaka.localdomain systemd[1]: Starting OpenStack Identity Service (code-named Keystone)...
Jun 07 02:31:14 mitaka.localdomain systemd[1]: Started OpenStack Identity Service (code-named Keystone).
サービスが実行されていない場合には (Active: inactive (dead) という出力)、root ユーザーとしてログインして起動します。
# systemctl start openstack-keystone
ファイアウォールが適切に設定されていない場合
ファイアウォールがポート 500035357 で TCP トラフィックを許可するように設定されていない可能性があります。「Identity サービスのトラフィックを許可するためのファイアウォール設定」で設定を正しく修正する方法を参照してください。