延長アップデートサポート (EUS) の標準オペレーティング環境 (SOE) のガイド

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延長アップデートサポート (EUS) とは

延長アップデートサポート (EUS) は、Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションをご利用の場合に選択できるオプションサービスです。EUS では、最新のリリースよりも 1 つまたは 2 つ前のマイナーリリースに対して、Red Hat Enterprise Linux のマイナーリリースに提供される重大な影響を与えるセキュリティアップデートと、緊急優先度のバグ修正に関するバックポートを提供します。EUS をご利用になれば、最長約 24 ヶ月もの間、同じマイナーリリースの Red Hat Enterprise Linux をお使いいただけるため、ミッションクリティカルなアプリケーションに対して非常に安定したプロダクション環境を利用できるようになります。

Red Hat Enterprise Linux 2013 Packaging Model を導入された場合は、プレミアムサブスクリプションで EUS が提供されますが、その他の場合にはアドオンとして利用できます。EUS をご利用になれるかどうか不明な場合は、Red Hat 営業担当者にお問い合わせください。

標準オペレーティング環境に EUS を組み込む (SOE)

EUS における主な利点は、以下のようになります。

  • エラータの選択が制限されるようになるため、リスクを軽減できます。
  • Red Hat Enterprise Linux の標準リリースサイクルとは異なる、より固定されたリリースサイクルがあります。

EUS のリリースサイクルをご利用になる場合の利点は、Red Hat Enterprise Linux 全マイナーリリースを利用する必要がないという点です。Red Hat Enterprise Linux メジャーバージョンの各リリース (6.1、6.2、6.3 など) を実行するシステムを導入する代わりに、Red Hat Enterprise Linux の特定のマイナーリリースだけを選択することができます。リソースのテストおよび検証のスケジュールなどに従って、Red Hat Enterprise Linux マイナーリリースのうち、たとえば「奇数リリース」または「偶数リリース」だけをデプロイできます。以下のダイアグラムは、EUS デプロイメントの使用事例を示しています。

eus2.png
拡大図を表示する場合はこちらをクリックしてください。

これは、6.0.z 以降、EUS リリースを 3 世代ずつ (つまり 6.0.z, 6.3.z, 6.6.z...) デプロイする場合の例です。さらに、マイナーリリースを配信する前に完了しておく必要がある、1 ヶ月から半年ごとの内部検証プロセスがあるとします。この例では、3 リリースごとの EUS を選択することで、後続リリース間の重複が可能になります。

推奨プラクティス

Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションの利点を最大限に利用するには、リリースされるすべてのマイナーリリースにアップグレードすること (たとえば 6.0 --> 6.1 --> 6.2) が依然として推奨されるプラクティスです。

ただし、以下のような場合にこれが問題になります。

  • Red Hat Enterprise Linux の新しいマイナーリリースに移行した場合にアプリケーションスタックを再認定するポリシーをお持ちの場合
  • 慎重に扱う必要がある作業があり、干渉を最小限に抑えたい場合
  • ハードウェアベンダーによる Red Hat Enterprise Linux マイナーリリースの認定が各リリースで行われない場合

ソリューション

EUS は、以下のようなメンテナンスストリームを提供します。

  • 通常の 6 ヶ月単位ではなく、24 ヶ月間継続 (Red Hat Enterprise Linux 5 EUS の場合は 18 ヶ月間)
  • 配信は、重大な影響を与えるセキュリティ問題への修正と、緊急優先度のバグへの修正に制限

利点

EUS をご利用になると、以下の利点が提供されます。

  • 大規模な Red Hat Enterprise Linux デプロイメントを実行するためのコストを削減
  • 年間で実施する必要があるテストと再検証の数を削減
  • 環境に適用する必要がある変更の量を削減
  • IT 組織が Red Hat Enterprise Linux のすべてのマイナーリリースをサポートする必要性を取り除く。これにより、標準オペレーティング環境 (SOE) を基盤として、2 代または 3 代ごとに Red Hat Enterprise Linux マイナーリリースをデプロイする柔軟性が提供されます。
  • 特定のマイナーリリースでのみサポートされるアプリケーションを所有している場合に継続性を保持
  • 長期にわたる内部検証や認定プロセスがあり、各マイナーリリースを導入することが難しい場合に、デプロイしたリリースの有効なライフサイクルを最大限に利用することが可能になる。これは、複数の事業単位をかかえ、共有された IT 部門が存在する多くの大規模な組織では一般的です。たとえば、EUS は、Red Hat Enterprise Linux 6.2.z に基づいた SOE を公開し、24 ヵ月後に 6.6.z に基づく SOE に移行し、次の 24 ヵ月後に、適切な .z リリースに基づく SOE に 移行する方法を提供しています。

ベースチャンネルと EUS チャンネル

すべての Red Hat Enterprise Linux メンテナンスと同様、EUS は Red Hat Network から配信されます。ここでは、ミラーチャンネル階層 (個別のベースチャンネル、各マイナーリリース 1 つ、そして関連する複数子チャンネル) として実装されています。EUS は個々のシステムに対して有効にできます。一致するベースチャンネルにシステムをサブスクライブします。

チャンネルの命名スキーマは、メインの Red Hat Enterprise Linux チャンネル階層と同じです。Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョンの各マイナーリリースは EUS チャンネルに関連付けられており、EUS チャンネルバージョン番号は常に a z で終わります。Red Hat Network では、たとえば、Red Hat Enterprise Linux Server 6.5 (AMD64 アーキテクチャー) に関連付けらけている EUS チャンネルは、Red Hat Enterprise Linux EUS Server (v. 6.5.z for 64 -bit x86_64) という名前になっています。

注意: (Red Hat Enterprise Linux 6 チャンネルなどの) 標準のベースチャンネルは、EUS チャンネルと相互排他になっています (つまり、各システムは、標準のベースチャンネルまたは EUS チャンネルのいずれか 1 つをサブスクライブできるようになっており、同時に両方のチャンネルをサブスクライブすることはできません)。システムを EUS チャンネルにサブスクライブすると、EUS エラータアップデートだけを受け取ります。EUS チャンネルのコンテンツに関する詳細は、What Is Included in and Excluded from EUS を参照してください。

Red Hat Enterprise Linux サブスクリプション、ベースチャンネル、および子チャンネルに関する詳細については Red Hat Network を参照してください。

EUS にアクセスする

アクティブな EUS サブスクリプションをお持ちの場合は、Red Hat Network アカウントで標準のベースチャンネルと EUS チャンネルが表示されます。Red Hat Network には有効な EUS チャンネルだけが表示されます。つまり、特定のシステムのハードウェアアーキテクチャーと、インストールされている Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョンに基づいたチャンネルだけが表示されます。システムのチャンネルメニューを EUS チャンネルに変更すると、システムを EUS チャンネルに移動することができます。

注意: Red Hat Enterprise Linux 5.1 以降では、EUS チャンネルにシステムを直接登録できるようになりました。システム登録の詳細については Red Hat Network documentation を参照してください。

EUS チャンネルにおけるアップグレード制限

EUS チャンネルをサブスクライブしたシステムがある場合は、マイナーリリース間でアップグレードする際にアップグレード制限があることにご注意ください (つまり、特定の EUS チャンネルにサブスクライブしているシステムは、常に後続の EUS チャンネル、またはそのバージョンの Red Hat Enterprise Linux ベースチャンネルにアップグレードする必要があります)。たとえば、システムが現在 EUS 6.1.z チャンネルをサブスクライブしている場合は、そのサブスクリプションを以下のバージョンにいつでもアップグレードできます。

  • 6.2 リリースの場合は 6.2.z EUS チャンネル
  • 6.3 リリースの場合は 6.3.z EUS チャンネル
  • y が 1 以上の場合は 6.y.z EUS チャンネル
  • Red Hat Enterprise Linux 6 の標準ベースチャンネル (最新のマイナーリリース)

警告: 以前のマイナーリリースまたは以前の EUS チャンネルに、 より高いバージョンの最新のマイナーリリースからダウングレードすることは安全ではありません。たとえば、Red Hat Enterprise Linux 6.5 から 6.4.z にダウングレードすることは安全ではありません。

EUS チャンネルの無効化

EUS の全チャンネルと同様、6.1.z チャンネルは RHN に作成され、利用可能になってから 24 ヶ月経つとサービスが提供されなくなります。EUS チャンネルの提供が終了すると、そのチャンネルに新しいエラータはリリースされなくなります。ただし、アクティブなサブスクリプションをお持ちの場合は、すでにリリースされているエラータを引き続き利用できます。セキュリティやバグ修正エラータなどのエラータアップデートを引き続き受け取るためには、後続の EUS リリースに以降することが必要不可欠となります。サービスの提供が終了し、アップデートを受け取らなくなった EUS チャンネルは、RHN の Retired Channels ページで確認できます。

各チャンネルではサービス提供終了日の 1 年、6 ヶ月、3 ヶ月、1 ヶ月前にリマインダーメールが送られます。全メールのアーカイブについては、enterprise-watch-list メーリングリストを参照してください。

EUS に含まれるものと含まれないもの

そのライフタイムの (次のマイナーリリースまでの) 最初の約 6 ヶ月間、EUS チャンネルは、ベースチャンネルが受け取るアップデートと同じものを受け取ります。これには、重大、重要、および中程度の影響を与えるセキュリティアップデートと緊急優先度のバグ修正が含まれます。次のマイナーリリースが行われると、EUS チャンネルが提供するものは、事実上、重大な影響を与えるセキュリティアドバイザリーと選択された緊急優先度のバグへの修正に制限されます。EUS をサブスクライブしている場合は、通常、お客様のご要望がなくても、重大な影響を与える RHSA が利用可能になるとプロアクティブに提供され続けます。

EUS は、長期的に保護された安定した環境を提供するためのプログラムであるため、EUS アップデートには、新機能、ハードウェア機能のアップデート、または更新されたデバイスのドライバーは含まれません。EUS に同梱される機能についてはこちらを参照してください。

EUS と Red Hat Enterprise Linux Life Cycle の詳細は Red Hat Customer Portal を参照してください。

参考資料

EUS では、エラータの選択がより制限されますが、 Red Hat Enterprise Linux システムの固定されたライフサイクルをサポートするためにエラータ管理ソリューションをどのように実装すべきかという点について、オペレーションフレームワークや規律は提供されておりません。この内容については Red Hat Satellite Errata Management Guide を参照してください。