6.11. Red Hat Virtualization 4.4 バッチ更新 3 (ovirt-4.4.4)

6.11.1. バグ修正

以下のバグは、Red Hat Virtualization の本リリースで修正されました。

BZ#1694711
以前のバージョンでは、UI NUMA パネルには、対応するソケットの NUMA ノードが正しく表示されていませんでした。本リリースでは、NUMA ノードはデータベースによって順序付けされ、ソケットが NUMA ノードに一致します。
BZ#1792905
以前のバージョンでは、ユーザーは 1 つのボリュームを使用して、シンプロビジョニングされた (qcow) ディスクで sparsify (スパース化) 操作を呼び出すことができました。解放した領域はストレージデバイスで回収されましたが、イメージサイズは変更されず、ユーザーはこれをイメージのスパース化に失敗したと認識することができました。本リリースでは、シンプロビジョニングされたディスクを 1 つのボリュームでスパース化することはブロックされるようになりました。
BZ#1797553
以前は、仮想マシンのエクスポートを OVA コマンドとして実行すると、エンジンの他の操作がブロックされていました。これにより、エンジンの並列実行が想定されるなか、エンジンは操作を順次実行していました。本リリースのエンジンタスクは、仮想マシンのエクスポートによりブロックされず、OVA コマンドとして並列実行されます。
BZ#1834876
以前は、ovirt-vmconsole により、sshd がログに記録した SELinux 拒否が発生していました。通常、ovirt-vmconsole 機能には影響しませんでしたが、誤ったアラートが表示される可能性がありました。本リリースでは、ovirt-vmconsole の SELinux 拒否は発生しません。
BZ#1868967
以前のリリースでは、Red Hat Virtualization Host (RHV-H) リポジトリー (rhvh-4-for-rhel-8-x86_64-rpms) には、sssd-ad パッケージの依存関係である libsmbclient パッケージが含まれていませんでした。したがって、sssd-ad パッケージはインストールできませんでした。

今回の更新で、RHV-H リポジトリーに libsmbclient が含まれるようになり、sssd-ad は RHV-H にインストールされるようになりました。

BZ#1871792
以前は、virt-v2v および ovirt-engine サービスを使用して仮想マシンをインポートすると、インポートに失敗していました。本リリースでは、async コマンドが実行されている限り、インポートが続行され、インポートが正常に完了するようになりました。
BZ#1886750
以前は、ホストを削除する際に、仮想マシンのホストデバイスもホスト依存関係の一覧も削除されませんでした。その結果、別のホストで仮想マシンを実行し、データベース内に間違ったエントリーが残された際に、エラーメッセージが生じることがありました。本リリースでは、削除されたホストの依存関係一覧の仮想マシンホストデバイスおよびエントリーはデータベースに含まれなくなり、これらに関連するエラーメッセージが発生しなくなりました。
BZ#1888142
以前のバージョンでは、プール内の仮想マシンを含むステートレス仮想マシンは、仮想マシンが最新バージョンを使用するように設定されていない場合でも、最新バージョンを使用していないという警告を発していました。本リリースでは、テンプレートの最新バージョンを使用するように設定されていない限り、仮想マシンのベースとなるテンプレートのバージョン変更を試みることはありません。そのため、この警告はログから除外されます。
BZ#1889987
以前は、仮想マシンのエクスポートを OVA コマンドとして実行すると、エンジンの他の操作がブロックされていました。これにより、エンジンの並列実行が想定されるなか、エンジンは操作を順次実行していました。本リリースのエンジンタスクは、仮想マシンのエクスポートによりブロックされず、OVA コマンドとして並列実行されます。
BZ#1897422
以前のバージョンでは、OVA ファイルからインポートされた仮想マシンは、小さいアイコンまたは大きいアイコンで設定されていませんでした。本リリースでは、小さいアイコンと大きいアイコンは、OVA ファイルからのインポート時に仮想マシンに設定されるオペレーティングシステムに基づいて設定されます。そのため、OVA ファイルからインポートされる仮想マシンは、小さいアイコンと大きいアイコンで設定されます。
BZ#1899768
以前のバージョンでは、bios-type = CLUSTER-DEFAULT で設定される仮想マシンのスナップショットでは、ライブマージは失敗していました。本リリースでは、bios-type = CLUSTER-DEFAULT で設定される仮想マシンのスナップショットで、ライブマージが機能するようになりました。

6.11.2. 機能拡張

Red Hat Virtualization の今回のリリースでは、以下の機能拡張が提供されています。

BZ#1710446
この機能拡張により、ヨーロッパ/ヘルシンキのタイムゾーンを仮想マシンで設定できるようになりました。
BZ#1729897
以前のリリースでは、仮想マシンのすべての仮想 NUMA ノードに同じ設定を使用して、仮想マシンに従って NUMA チューニングモードが設定されていました。本リリースでは、それぞれの仮想 NUMA ノードの NUMA チューニングモードを設定できるようになりました。
BZ#1881250
今回の更新以前は、セルフホストエンジンを復元する際に、バックアップで使用したものと同じ FQDN を入力する必要がありました。今回の更新で、hosted-engine --deploy --restore-from-file=backup_file を実行すると、デプロイスクリプトがバックアップファイルから FQDN をフェッチするため、入力する必要がなくなりました。
BZ#1893385
以前のバージョンでは、クラスターに必要なネットワークが追加でバックアップに含まれる場合、および実行の一時停止に関する質問にユーザーが Yes と返答しなかった場合は、'hosted-engine --restore-from-file' を使用して復元またはアップグレードすると、デプロイメントは失敗していました。本リリースでは、pause (一時停止しますか) ? の質問に対する返答内容に関わらず、ホストが Non Operational 状態にあることが確認された場合は、ユーザーに関連情報が出力され、ロックファイルが削除されるまで待機するため、デプロイメントは一時停止されます。これにより、ユーザーは Web 管理 UI に接続して状況を手動で処理し、ホストをアクティベートしてからロックファイルを削除してデプロイメントを続行することができます。本リリースでは、このような問題を自動的に修正するためにカスタムフックを指定することも可能です。
BZ#1897399
vdsm-hook 関連のパッケージが RHV-H x86_64 リポジトリーで更新されました。

6.11.3. リリースノート

このセクションでは、Red Hat Virtualization の注目すべき変更点や推奨プラクティスなど、今回のリリースに関する重要な情報を記載しています。お使いのデプロイメントに最大限の効果をもたらすために、以下の情報を考慮する必要があります。

BZ#1901946
Red Hat Virtualization Manager には Ansible 2.9.15 が必要となります。
BZ#1901947
本リリースでは、Red Hat Virtualization Self-Hosted Engine Manager の設定には ansible-2.9.15 が必要です。

6.11.4. 既知の問題

Red Hat Virtualization には、現時点で以下のような既知の問題があります。

BZ#1846256
Grafana は、oVirt エンジンユーザーを使用してシングルサインオン (SSO) を許可するようになりましたが、これらの自動作成は許可していません。今後のバージョン (バグ 1835163 と 1807323 を参照) では、管理ユーザーの自動作成が可能になる予定です。現在、ユーザーは手動で作成する必要がありますが、続いて SSO を使用してログインできます。

6.11.5. 非推奨の機能

本項には、サポートされなくなった機能、または今後のリリースでサポートされなくなる予定の機能について記載します。

BZ#1898545
Red Hat OpenStack block storage (Cinder) のサポートは非推奨となり、今後のリリースで削除されます。
BZ#1899867
外部ネットワークプロバイダーとしての Red Hat OpenStack Networking (Neutron) のサポートは非推奨となり、Red Hat Virtualization 4.4.5 では削除されます。
BZ#1901073
サードパーティーの Websocket プロキシーデプロイメントのサポートは非推奨となり、今後のリリースで削除されます。
BZ#1901211
仮想マシンのハードウェア設定の定義に使用できるインスタンスタイプのサポートは非推奨となりました。この機能は今後のリリースで削除されます。

6.11.6. 削除された機能

BZ#1899865
DPDK 向けの実験的サポートは、Red Hat Virtualization 4.4.4 で削除されました。