RHEL の特定リリースに関するサポート状況
問題
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Red Hat Enterprise Linux ライフサイクル ページでは、発生した問題がサポート対象かどうかを確認するための十分な情報が提供されていません。
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問題が発生しましたが、修正を利用できるのか、利用できる場合はいつ利用できるのか確認できません
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Red Hat Enterprise Linux の包含基準は、現行のマイナーリリースの運用フェーズによって異なりますか?
環境
- Red Hat Enterprise Linux (すべてのバージョン)
解決策
お客様の問題がサポート対象かどうかは、以下の 3 つを基準として判断されます。
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その問題が報告されているマイナーリリースのバージョン
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RHEL メジャーリリースの ライフサイクル における現行フェーズ
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お客様のアカウントでアクティブなエンタイトルメント
このアーティクル記事では、Red Hat Enterprise Linux リリースのリアクティブサポートに関する最も一般的な質問について説明します。ただし、この記事ですべてが網羅されているわけではない点に留意してください。主な例として、後続リリースのインストールを積極的にサポートする Red Hat Quality Engineering、Red Hat Documentation、および Red Hat Security の各チームの取り組みについては、ここでは触れていません。
以下に例を示します。
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発生している問題が、現行のマイナーリリース のパッケージに対して発生し、ライフサイクルの現行運用フェーズの 包含基準 を満たしている場合、お客様は、問題発生時点のリリースに対するサポートを Red Hat Support および Engineering チームの両方から受けることができます。したがって、お客様はバグを報告したり、現行リリース内で提供される修正をダウンロード/インストールしたりすることができます。
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発生している問題が、現行のマイナーリリース 内の現行ではない以前のパッケージリビジョンに対する問題の場合、または 現行ではない以前のマイナーリリース の問題の場合でも、お客様は引き続き Red Hat Support チームのサポートを受けることができます。ただし、Red Hat Engineering チームによる修正は、将来のマイナーリリースに対しては提案のみ可能ですが、現行のアクティブなマイナーリリースに対しては、(ライフサイクルの 包含基準を考慮して 該当する場合は) 提供することができます。
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現行ではない以前のマイナーリリースの "サポート" の定義
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根本原因を特定するために不具合が調査され、現行のマイナーリリースで問題の解決が確認されると、Red Hat Support チームは、リリースされた関連パッケージに更新するようお客様に推奨します。不具合の修正は、現行ではない以前のマイナーリリースにバックポートすることはできません。
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根本原因を特定するための不具合の調査が行われていない場合、または現行のマイナーリリース内で解決済みと確認されていない場合、Red Hat Support チームは、現行のマイナーリリースで関連するパッケージを使用して、まずは問題を再現することをお客様に依頼します。
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現行のマイナーリリースのパッケージで問題が解決した場合は、お客様には、実稼働環境でこのパッケージをコミットすることを推奨します。
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現行のマイナーリリースのパッケージでは問題が解決せず、修正が利用可能な場合、Red Hat Support チームは次のマイナーリリースへの修正を提案します。(リクエストが 非同期リリース基準 を満たしている場合は) 非同期でエラータを提供することも可能です。
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注記: お客様は、システム全体を現行のマイナーリリースに更新する必要はありません。影響を受ける特定の関連パッケージのみを更新してください。
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注記: 多くの場合、不具合の修正は、RHEL マイナーリリースで提案される前に、アップストリームコミュニティーによって該当するプロジェクトにコミットされる必要があります。
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現行の Extended Update Support (EUS) リリース のパッケージに対して問題が発生した場合、EUS 包含基準 と現行の RHEL マイナーリリース包含基準を満たしていると仮定すると、お客様は Red Hat Support および Engineering の両チームのサポートを受けることができます。
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EUS アドオン "サポート" の定義
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不具合がマイナーリリースですでに修正されている場合、Red Hat Support チームは、特定の現行 EUS リリースに修正をバックポートするように Red Hat Engineering チームに提案できます。
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その製品で新たに見つかった不具合の場合、Red Hat Support チームは、その不具合を現行のマイナーリリースで修正することを提案できます。また、特定の現行 EUS リリースに修正をバックポートするように Red Hat Engineering チームに提案することもできます。
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注記: 不具合の修正は、連続する更新でリグレッションが発生しないように、最新の現行マイナーリリースにコミットされてから、特定の現行 EUS リリースにコミットされる必要があります。
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発生している問題が、Extended Life Cycle Support (ELS) リリース に関連するサポート対象の パッケージ およびアーキテクチャーに関する場合は、最新の現行マイナーリリースに対してバグ修正が提案され、開発されます。たとえば、ELS アドオンサブスクリプションを持つお客様が、RHEL 6.9 を実行している場合、提案されるすべての修正は RHEL 6.10 に対して開発されます。これは、現行ではない以前のマイナーリリースに対する公式サポートが行われないという意味ではありません。ELS アドオンサブスクリプションに対する修正は、最新のマイナーリリースに対してコミットされる点に注意してください。
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不具合が修正され、その修正がリリースされたエラータに含まれている場合、Red Hat Support チームは回避策を提供しません。Red Hat Support チームは、お客様が適用可能なエラータでシステムを更新することを推奨します。
用語
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サポータビリティー (サポート対象かどうか): Red Hat Support チームや Red Hat Engineering チームによるサポートを表します。たとえば、Red Hat Support チームのサポートは受けられますが、Red Hat Engineering チームのサポートは受けられない場合があります。これは、報告されている問題がどのマイナーリリースで発生しているか、Red Hat Enterprise Linux のメジャーリリースが ライフサイクル が定義する運用フェーズのどの期間に当てはまるか、そしてお客様のアカウントでアクティブなエンタイトルメントの種類によって異なります。
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メジャーリリースの例: RHEL 7、8
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マイナーリリースの例: RHEL 7.9、8.4
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現行のマイナーリリース: ライフサイクル に基づいて、修正、更新、セキュリティーエラータが引き続き提供されるマイナーリリースのストリーム
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以前のマイナーリリース (期限切れのマイナーリリース): 現行リリースではないため、修正、更新、セキュリティーエラータは提供されません。
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非同期での提供 - 修正は、マイナーリリース間で必要に応じて、またはオンデマンドで提供されます。
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Extended Update Support (EUS) アドオン: EUS アドオンは、特定のマイナーリリースの後、および後続のマイナーリリースと並行して利用可能な、Red Hat が定義する 影響度が重大および重要な RHSA (2019 年 10 月 1 日以降に発生した重要な CVE に適用) と、優先度が緊急の一部 (判断は Red Hat による) の RHBA の個別の拡張ストリームを提供します。RHEL 7 に含まれるパッケージのリストは、こちら を参照してください。また、RHEL 8 EUS サポートメンテナンスポリシー も参照してください。
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Extended Life Cycle Support (ELS) アドオン: ELS アドオンは、影響度が重大なセキュリティー修正と、優先度が緊急の一部の不具合修正を提供します。これらは、ライフサイクルの運用フェーズに関係なく、パッケージのサブセットに対して評価済みで、利用可能となっています。ELS アドオンをサブスクライブしているお客様に対しては、お客様の要求がない場合でも、Red Hat は引き続き、影響度が重大なセキュリティー修正を提供します。
参照
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