4.4. コンソールオプションの設定

4.4.1. コンソールオプション

接続プロトコルは、仮想マシンへのグラフィカルコンソールの提供に使用する基盤テクノロジーで、このプロトコルにより物理マシンと同じように仮想マシンの操作をが可能になります。現在、Red Hat Virtualization は以下の接続プロトコルをサポートしています。
SPICE
Simple Protocol for Independent Computing Environments (SPICE) は、Linux 仮想マシンおよび Windows 仮想マシンの両方に推奨される接続プロトコルです。SPICE を使用して仮想マシンへのコンソールを開くには、Remote Viewer を使用します。
VNC
Virtual Network Computing (VNC) は Linux 仮想マシンと Windows 仮想マシンのいずれの場合も、コンソールを開くのに使用することができます。VNC を使用して仮想マシンにアクセスするコンソールを開くには、Remote Viewer または VNC クライアントを使用します。
RDP
Remote Desktop Protocol (RDP) は、Windows 仮想マシンへのコンソールを開く場合にのみ使用可能で、Remote Desktop がインストール済みの Windows マシンから仮想マシンにアクセスする場合にのみ利用することができます。また、RDP を使用して Windows 仮想マシンに接続するには、あらかじめ仮想マシン上でリモート共有をセットアップし、Remote Desktop の接続を許可するようにファイアウォールを設定する必要があります。

注記

現在、Windows 8 を実行する仮想マシンでは、SPICE はサポートされていません。Windows 8 の仮想マシンが SPICE プロトコルを使用するように設定されると、必要な SPICE ドライバーがないことが検出されて、RDP を使用するように自動的にフォールバックします。

4.4.1.1. コンソールオプションへのアクセス

呼び出しメソッドや USB のリダイレクトを有効/無効にするかなど、仮想マシンのグラフィカルコンソールを開くためのオプションを複数設定することができます。

手順4.7 コンソールオプションへのアクセス

  1. 実行中の仮想マシンを選択します。
  2. コンソールオプション ウィンドウを開きます。
    • 管理ポータルで仮想マシンを右クリックして コンソールオプション をクリックします。
    • ユーザーポータルで、コンソールオプションの編集 ボタンをクリックします。
    ユーザーポータルのコンソールオプションの編集ボタン

    図4.1 ユーザーポータルのコンソールオプションの編集ボタン

注記

VNC 接続プロトコル使用時のキーボードレイアウトなど、各接続プロトコル固有のその他のオプションは、仮想マシンの編集 ウィンドウの コンソール タブで設定できます。

4.4.1.2. SPICE コンソールオプション

接続プロトコルに SPICE を選択した場合は、コンソールオプション ウィンドウから、以下のオプションが使用できます。
コンソールオプションウィンドウ

図4.2 コンソールオプションウィンドウ

コンソールの呼び出し

  • 自動: Manager が自動的にコンソールの呼び出しの方法を選択します。
  • ネイティブクライアント: 仮想マシンのコンソールに接続すると、ファイルのダウンロードのダイアログが表示され Remote Viewer 経由で仮想マシンのコンソールを開くためのファイルが提供されます。
  • SPICE HTML5 ブラウザークライアント (テクノロジープレビュー): 仮想マシンのコンソールに接続すると、ブラウザータブが開き、コンソールとして機能します。

SPICEのオプション

  • control-alt-del のショートカットを ctrl+alt+end にマップ: このチェックボックスを選択して、Ctrl+Alt+Del のキーの組み合わせを、仮想マシン内の Ctrl+Alt+End にマッピングします。
  • USB 自動共有を有効にする: USB デバイスを自動的に仮想マシンへリダイレクトするには、このチェックボックスを選択します。このオプションが選択されていない場合は、USB デバイスはゲストの仮想マシンではなくクライアントマシンに接続されます。ゲストマシンで USB デバイスを使用するには手動で SPICE クライアントメニューを有効にする必要があります。
  • 全画面表示で開く: 仮想マシンへの接続時に仮想マシンのコンソールを自動的に全画面表示で開くように設定するには、このチェックボックスをチェックします。SHIFT+F11 を押して、全画面表示のオン、オフを切り替えます。
  • SPICE プロキシーを有効にする: SPICE プロキシーを有効にするには、このチェックボックスを選択します。
  • WAN オプションを有効にする: このチェックボックスを選択すると、Windows 仮想マシン上で WANDisableEffects および WANColorDepth のパラメーターをそれぞれ animation16 ビットに設定されます。WAN 環境内の帯域幅が制限されます。このオプションは、特定の Windows 設定で帯域幅が過剰に使用されるのを防ぎます。

4.4.1.3. VNC コンソールオプション

接続プロトコルに VNC を選択した場合は、コンソールオプション ウィンドウから、以下のオプションが使用できます。
コンソールオプションウィンドウ

図4.3 コンソールオプションウィンドウ

コンソールの呼び出し

  • ネイティブクライアント: 仮想マシンのコンソールに接続すると、ファイルのダウンロードのダイアログが表示され Remote Viewer 経由で仮想マシンのコンソールを開くためのファイルが提供されます。
  • noVNC: 仮想マシンのコンソールに接続すると、ブラウザータブが開き、コンソールとして機能します。

VNC のオプション

  • control-alt-del のショートカットを ctrl+alt+end にマップ: このチェックボックスを選択して、Ctrl+Alt+Del のキーの組み合わせを、仮想マシン内の Ctrl+Alt+End にマッピングします。

4.4.1.4. RDP コンソールオプション

接続プロトコルに RDP を選択した場合は、コンソールオプション ウィンドウから、以下のオプションが使用できます。
コンソールオプションウィンドウ

図4.4 コンソールオプションウィンドウ

コンソールの呼び出し

  • 自動: Manager が自動的にコンソールの呼び出しの方法を選択します。
  • ネイティブクライアント: 仮想マシンのコンソールに接続すると、ファイルのダウンロードのダイアログが表示され Remote Desktop 経由で仮想マシンのコンソールを開くためのファイルが提供されます。

RDP のオプション

  • ローカルドライブを使用: ゲストの仮想マシン上から、クライアントマシンのドライブにアクセスできるようにするには、このチェックボックスを選択します。

4.4.2. Remote Viewer のオプション

4.4.2.1. Remote Viewer のオプション

ネイティブクライアント のコンソール呼び出しオプションを指定した場合は、Remote Viewer で仮想マシンに接続されます。Remote Viewer ウィンドウでは、接続先の仮想マシンとの対話に複数のオプションを提供しています。
Remote Viewer の接続オプション

図4.5 Remote Viewer の接続オプション

表4.1 Remote Viewer のオプション

オプションホットキー
ファイル (File)
  • Screenshot: アクティブなウィンドウのスクリーンショットを作成して、指定の場所に保存します。
  • USB device selection: USB リダイレクトが仮想マシンで有効になっている場合は、このメニューからクライアントマシンに接続されている USB デバイスにアクセスすることができます。
  • Quit: コンソールを終了します。このオプションのホットキーは Shift+Ctrl+Q です。
表示
  • Full screen: 全画面モードのオン、オフを切り替えます。有効にすると、全画面モードでは仮想マシンが全画面表示されるようになります。無効にすると、仮想マシンは 1 つのウィンドウとして表示されます。全画面を有効/無効にするホットキーは、SHIFT+F11 です。
  • Zoom: コンソールウィンドウを拡大/縮小します。Ctrl++ は拡大、Ctrl+- は縮小、Ctrl+0 は画面を元のサイズに戻します。
  • Automatically resize: この項目にチェックマークを付けると、コンソールウィンドウのサイズに応じて、ゲストの解像度が自動的に調整されるようになります。
  • Displays: ゲスト仮想マシンのディスプレイを有効および無効にすることができます。
キーの送信
  • Ctrl+Alt+Del: Red Hat Enterprise Linux の仮想マシンでは、仮想マシンの一時停止、シャットダウン、再起動のオプションを示すダイアログが表示されます。Windows の仮想マシンでは、タスクマネージャーまたは Windows のセキュリティーダイアログが表示されます。
  • Ctrl+Alt+Backspace: Red Hat Enterprise Linux の仮想マシンでは、X サーバーを再起動し、Windows の仮想マシンでは何も起こりません。
  • Ctrl+Alt+F1
  • Ctrl+Alt+F2
  • Ctrl+Alt+F3
  • Ctrl+Alt+F4
  • Ctrl+Alt+F5
  • Ctrl+Alt+F6
  • Ctrl+Alt+F7
  • Ctrl+Alt+F8
  • Ctrl+Alt+F9
  • Ctrl+Alt+F10
  • Ctrl+Alt+F11
  • Ctrl+Alt+F12
  • Printscreen: 仮想マシンに Printscreen キーボードオプションを渡します。
ヘルプAbout エントリーでは、使用中の仮想マシンのバージョン詳細が表示されます。
仮想マシンからのカーソルの解放SHIFT+F12

4.4.2.2. Remote Viewer のホットキー

仮想マシンのホットキーは、全画面モード、ウィンドウモードのどちらでも使用することができます。全画面モードを使用している場合には、画面上部の中央にマウスのポインターを移動すると、ホットキーのボタンを含むメニューが表示されます。ウィンドウモードを使用している場合には、仮想マシンウィンドウのタイトルバーにある Send key メニューからホットキーを使用することができます。

注記

クライアントマシンで vdagent が実行されていない場合に、ウィンドウモードで、マウスを仮想マシン内で使用すると、仮想マシンのウィンドウ内にマウスがロックされます。マウスのロックを解除するには、Shift+F12 を押します。

4.4.2.3. console.vv ファイルと Remote Viewer の手動による関連付け

Remote Viewer がインストールされた状態で、ネイティブクライアントのコンソールオプションを使用して仮想マシンのコンソールを開こうとした際に console.vv ファイルをダウンロードするように要求された場合には、手動で Remote Viewer と console.vv ファイルを関連付けし、Remote Viewer が自動的にこれらのファイルを使用してコンソールを開くことができるようにします。

手順4.8 console.vv ファイルと Remote Viewer の手動による関連付け

  1. 仮想マシンを起動します。
  2. コンソールオプション ウィンドウを開きます。
    • 管理ポータルで仮想マシンを右クリックして コンソールオプション をクリックします。
    • ユーザーポータルで、コンソールオプションの編集 ボタンをクリックします。
    ユーザーポータルのコンソールオプションの編集ボタン

    図4.6 ユーザーポータルのコンソールオプションの編集ボタン

  3. コンソールの呼び出しメソッドを ネイティブクライアント に変更して OK をクリックします。
  4. その仮想マシンのコンソールを開くように試み、console.vv ファイルを開くか保存するように要求されたら 保存 をクリックします。
  5. ローカルマシン上でファイルを保存した場所にナビゲートします。
  6. console.vv ファイルをダブルクリックし、プロンプトが表示されたら インストールされたプログラムの一覧からプログラムを選択する を選択します。
  7. プログラムから開く ウィンドウで この種類のファイルを開くときは、選択したプログラムをいつも使う を選択して 参照 ボタンをクリックします。
  8. C:\Users\[user name]\AppData\Local\virt-viewer\bin ディレクトリーにナビゲートして remote-viewer.exe を選択します。
  9. Open をクリックして、OK をクリックします。
ネイティブクライアントのコンソール呼び出しオプションを使用して仮想マシンのコンソールを開く場合には、Remote Viewer は、使用するアプリケーションの選択は要求せずに Red Hat Virtualization Manager が提供する console.vv ファイルを自動的に使用してその仮想マシンのコンソールを開きます。