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第17章 ユーティリティー
17.1. ovirt-engine-rename ツール
17.1.1. ovirt-engine-rename ツール
クリーンな環境で
engine-setup
コマンドを実行すると、設定プロセス中に指定した Manager の完全修飾ドメイン名を使用する複数の証明書と鍵が作成されます。Manager の完全修飾ドメイン名を後で変更する必要がある場合 (例: Manager をホストするマシンを異なるドメインに移行する場合など) には、完全修飾ドメイン名のレコードを更新して新しい名前を反映させる必要があります。ovirt-engine-rename
コマンドにより、このタスクが自動化されます。 ovirt-engine-rename
コマンドにより、以下の場所にある Manager の完全修飾ドメイン名のレコードが更新されます。 - /etc/ovirt-engine/engine.conf.d/10-setup-protocols.conf
- /etc/ovirt-engine/imageuploader.conf.d/10-engine-setup.conf
- /etc/ovirt-engine/isouploader.conf.d/10-engine-setup.conf
- /etc/ovirt-engine/logcollector.conf.d/10-engine-setup.conf
- /etc/pki/ovirt-engine/cert.conf
- /etc/pki/ovirt-engine/cert.template
- /etc/pki/ovirt-engine/certs/apache.cer
- /etc/pki/ovirt-engine/keys/apache.key.nopass
- /etc/pki/ovirt-engine/keys/apache.p12
警告
ovirt-engine-rename
コマンドは、Manager を実行している Web サーバー用の新規証明書を作成しますが、engine の証明書や認証局には影響がありません。このため、ovirt-engine-rename
コマンドを使用するにあたっては、多少リスクがあり、Red Hat Enterprise Virtualization 3.2 以前のバージョンからアップグレードした環境で特に顕著となります。したがって、可能な場合には、engine-cleanup
および engine-setup
を実行して Manager の完全修飾名を変更する方法が推奨されます。 17.1.2. ovirt-engine-rename コマンドの構文
ovirt-engine-rename
コマンドの基本構文は以下の形式です。 # /usr/share/ovirt-engine/setup/bin/ovirt-engine-rename
このコマンドには、以下のオプションを指定することも可能です。
--newname=[new name]
- ユーザー操作なしで Manager の新しい完全修飾ドメイン名を指定することができます。
--log=[file]
- 名前変更操作のログが書き込まれるファイルのパスと名前を指定することができます。
--config=[file]
- 名前変更操作で、ロードする設定ファイルのパスと名前を指定することができます。
--config-append=[file]
- 名前変更操作で、追記する設定ファイルのパスと名前を指定することができます。このオプションは、応答ファイルのパスと名前の指定に使用可能です。
--generate-answer=[file]
ovirt-engine-rename
コマンドに対する応答と、このコマンドで変更された値を記録する先のファイルパスとファイル名を指定することができます。
17.1.3. ovirt-engine-rename ツールの使用方法
概要
ovirt-engine-rename
コマンドを使用して、Manager の完全修飾ドメイン名の記録を更新することができます。 このツールは、Manager がローカルの ISO ストレージドメインまたはデータストレージドメインを提供しているかどうかをチェックします。提供している場合には、操作を続行する前に、ツールはそのストレージに接続されている仮想マシンまたはストレージドメインにアタッチされた ISO イメージを取り出し、シャットダウン、またはメンテナンスモードに切り替えるように、ユーザーに要求します。これにより、仮想マシンは、仮想ディスクとの接続を失わないようになり、名前変更の処理中に ISO ストレージドメインの接続が失われるのを防ぎます。
手順17.1 Red Hat Virtualization Manager の名前変更
- 新しい完全修飾ドメイン名用に、全 DNS およびその他の関連するレコードを準備します。
- DHCP を使用している場合には、DHCP サーバーの設定を更新します。
- Manager でホスト名を更新します。
- 次のコマンドを実行します。
# /usr/share/ovirt-engine/setup/bin/ovirt-engine-rename
- プロンプトが表示されたら、Enter を押して engine サービスを停止します。
During execution engine service will be stopped (OK, Cancel) [OK]:
- プロンプトが表示されたら、Manager の新しい完全修飾ドメイン名を入力します。
New fully qualified server name:[new name]
結果
ovirt-engine-rename
コマンドで Manager の完全修飾ドメイン名のレコードを更新しました。
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