Simple Content Access

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Simple Content Access とは何ですか? なぜ使用する必要があるのですか?

Simple Content Access (SCA) は Red Hat のサブスクリプションツールの機能で、エンタイトルメントツールの動作を簡素化します。これにより、サブスクリプションツールの設定という複雑なプロセスなしに、Red Hat サブスクリプションが提供するコンテンツを簡単に利用できるようになります。

その結果、Simple Content Access は以下のようなプロセスを取り除きます。

  • 時間のかかるプロセス
  • 特にシステム管理担当者にとって非常に複雑なプロセス
  • ビジネスに影響を及ぼすプロセス(「間違えた」場合のペナルティーが高い)

Simple Content Access はエンタイトルメントエクスペリエンスを簡素化するため、サブスクリプションの追加、削除、および更新時に Linux 管理者が完了しなければならない複雑なワークフローはありません。SCA により、管理者は貴重な時間を節約できるので (平均で週 10 時間)、その分をサブスクリプション管理以外の作業に費やすことができます。これは、基本的に システムレベルごとにサブスクリプションをアタッチする必要性をなくす ことで実現されます。サブスクリプションをアタッチする必要がないので、サブスクリプションツールの複雑な作業の多くが軽減または削除されます。

  • 複雑なアクティベーションキーを設定し、システムが適切なサブスクリプションを取得 (リポジトリーへのアクセスの許可) できるようにする必要がなくなりました。今後は、必要なリポジトリーを登録し、有効化するだけになります。
  • 新しくプロビジョニングされたホストをサポートするための新しいホストとゲストのマッピングをサポートするために、virt-who を頻繁に実行する必要はなくなりました。報告用に必要に応じて virt-who を実行します。
  • 自動アタッチによる意図しないサブスクリプションの割り当てに関する問題が解消されます。
  • 新しいハイパーバイザーにサブスクリプションをアタッチする (または古いハイパーバイザーからサブスクリプションを削除する) という要件がなくなりました。

Simple Content Access は、Red Hat Satellite 6 および Red Hat Subscription Management の オプション 機能です。Satellite 6 の場合、サブスクリプション割り当てごとに組織管理者が Simple Content Access を有効にすることができます。

Simple Content Access を有効にすると、既存のサブスクリプションツールを使用する新しいサブスクリプションエクスペリエンスを有効にすることになります。そのため、これらのツールは以前とは大きく異なる動作をします。本書の「Simple Content Access の有効化後に必要な操作上の変更は何ですか?」セクションでは、これらの変更について詳しく説明しています。

Simple Content Access と Subscription Watch の両方 (またはどちらか) を使用することは必須ではありませんが、この 2 つを組み合わせて使用することが最適とされています。Subscription Watch は SCA を最大限に活用するために必要な可視性とガバナンスを提供するからです。以下のビデオでは、Red Hat が Subscription Watch および Simple Content Access を構築した理由と、両方の機能がサブスクリプションエクスペリエンスを質的に向上させる方法について詳しく説明しています。

Simple Content Access を Red Hat Subscription Management 向けに有効化するにはどうすればよいですか?

Red Hat Subscription Management ユーザー (ポータルに直接登録されているシステムなど) は、Simple Content Access を限定的なプレリリースベースで利用できます。この機能の使用とフィードバックの提供に関心がある場合は、サポートケースを作成してください。

システムは、アカウントに対して有効化されると、(subscription-manager を介して) 登録する必要があり、必要に応じて 追加のリポジトリーが有効化されます。

以下に例を示します。

システムを登録するには、以下を実行します。

subscription-manager register --username <$INSERT_USERNAME_HERE>

または (アクティベーションキーを使用する場合)

subscription-manager register --org <$INSERT_ORG_ID_HERE> --activationkey <$INSERT_ACTIVATION_KEY_HERE>

次に、(必要に応じて) 追加のリポジトリーを有効化します。

subscription-manager repos --enable rhel-7-server-ansible-2.9-rpms

注記 (subscription-manager attach --autosubscription-manager attach --pool <$POOLID> などの) サブスクリプションをアタッチするコマンドは廃止され、不要となりました。

Simple Content Access を Red Hat Satellite 向けに有効化するにはどうすればよいですか?

Red Hat Satellite の Simple Content Access には、2 段階の有効化プロセスがあります。

  • 手順 1:
    • サブスクリプション割り当てに Simple Content Access 属性を設定し、マニフェストを作成できるようにアカウントを設定します。
      SCA スライダー 1
    • このスライダーを 有効 に設定すると、組織の管理者のみが、SCA を有効化してマニフェストを作成できるようになります。特定のマニフェストが SCA を使用するように設定されて更新されるまで、マニフェスト (およびマニフェストを使用する Satellite) が変更されることはありません。(下記の手順 2)
    • このスライダーを 無効 に設定すると、SCA 属性を使用しているすべての割り当てで SCA 属性が無効化され、組織管理者は今後のマニフェストでこのフラグを設定できなくなります。
  • 手順 2: Simple Content Access を使用するように 1 つ以上のサブスクリプション割り当てを設定し、これらを Satellite Server 内で更新します。
    SCA スライダー 2

    • この値を 有効 に設定すると、SCA が有効化されます。SCA は、次にマニフェストが更新されたときに有効化されます。
    • この値を 無効 に設定すると、SCA が無効化されます。SCA は、次にマニフェストが更新されたときに無効化されます。

Simple Content Access の有効化後に必要な操作上の変更は何ですか?

Simple Content Access が有効化されると、サブスクリプション管理の世界における「物理法則」が変わります。同じツール (subscription-manager、virt-who、Satellite) が使用されていても、動作は大きく異なります。基本的に、Simple Content Access への切り替えは、サブスクリプション管理に関連するほとんどのワークフローと 互換性のない 新しいオペレーティングモデルのように扱う必要があります。

何よりもまず、Simple Content Access が有効になっている場合は、サブスクリプションのアタッチは必要ありませんので、(たとえば) プロビジョニング後のワークフローの一部としてシステムに有効なサブスクリプションがあることを確認するワークフローがある場合は、これを変更する必要があります。以下に一覧表示されているのは、SCA が有効化された場合に大幅に変更される他のワークフローです。

  • マニフェストの生成
  • サブスクリプションステータス
  • アクティベーションキー
  • 自動アタッチ
  • Virt-who
  • システム目的のステータス
  • UI の変更
  • サブスクリプションの使用状況の報告と理解

マニフェストの生成

SCA が無効化されている場合:

SCA が無効化されている場合、サブスクリプションマニフェストには、Satellite に登録されているすべてのシステムをカバーするための (少なくとも) 十分なサブスクリプションが含まれている必要がありました。

SCA が有効化されている場合:

SCA が有効化されている場合、サブスクリプションマニフェストには、システムに必要なリポジトリーへアクセスするための十分なサブスクリプションのみが含まれている必要があります。各サブスクリプションの 1 つのサブスクリプションで十分です。

サブスクリプションステータス

SCA が無効化されている場合:

(subscription-manager ツールによって報告されているように) システムレベルのサブスクリプションステータスは、システムに有効なサブスクリプションがあるかどうかを把握するために使用され、不十分または無効のステータスが報告された場合は、別の (または追加の) サブスクリプションをアタッチすることで対処できます。

subscription-manager status
+-------------------------------------------+
   System Status Details
+-------------------------------------------+
Overall Status: Current

System Purpose Status: Matched

サブスクリプションステータスは、「このシステムが正常に登録されたかどうか」の指標としても使用できます。

SCA が有効化されている場合:

(subscription-manager ツールによって報告されているように) システムレベルのサブスクリプションステータスは無効化されました。

subscription-manager status
+-------------------------------------------+
   System Status Details
+-------------------------------------------+
Overall Status: Disabled
Content Access Mode is set to Organization/Environment Access. This host has access to content, regardless of subscription status.

System Purpose Status: Disabled

サブスクリプションを ホストにアタッチする必要がなくなった ため、「このホストに有効なサブスクリプションがあるかどうか」という概念自体が廃止されました。「このシステムは適切に登録されているかどうか」を確認したい場合は、subscription-manager status の出力の代わりに、subscription-manager identity の出力を使用してください。

注記: Satellite のバージョン 6.7 以下では、サブスクリプションステータスは「Unknown (不明)」と表示されます。

サブスクリプションステータス 1

これは無視しても問題ありません。Satellite 6.8 では対処され、CLI ツールと同様に「Disabled (無効)」と表示されます。

サブスクリプションステータス 2

アクティベーションキー

SCA が無効化されている場合:

ユーザー名/パスワードの代わりに Satellite サーバーに登録する手段として使用されるアクティベーションキーには、通常、ホストを登録として設定するための多数の属性が含まれています。これらには以下が含まれます (ただし、これらに限定されません)。

  • どのサブスクリプションをアタッチしますか?
  • 有効化するリポジトリーはどれですか?
  • システムを構成する環境とコンテンツビューはどれですか?
  • どのホストコレクションに参加しますか?

アクティベーションキーのサブスクリプションに関連する側面として、アクティベーションキーが一般的に複雑である点があります。以前は、1-3 個のアクティベーションキー (仮想サブスクリプションを付与するためのキー 1 つ、[リポジトリーなどの] コンテンツを設定するためのキー 1 つ、およびカスタムまたは階層化されたサブスクリプションを設定するためのキー 1 つ) を使用してシステムを構成することが提案されていました (「Subscription-manager for the former Red Hat Network User: Part 9 - A Case Study with activation keys」を参考)。

SCA が有効化されている場合:

アクティベーションキーは引き続きシステムの登録に使用されますが、サブスクリプションに関連する側面は廃止されました。その結果、システムの登録に必要なアクティベーションキーの数が簡素化され、コンテンツ関連の側面 (リポジトリーとコンテンツビュー) を設定するには、ホストごとに 1 つのキーが最適となります。

さらに、アクティベーションキーを使用できる最大回数を設定する「コンテンツホスト制限」属性を設定することをお勧めします。これは、登録できるシステムの数を制限するために使用できます。

自動アタッチ

SCA が無効化されている場合:

自動アタッチ機能は通常、登録時またはサブスクリプションの有効期限の終了時のいずれかで、適切なサブスクリプションをシステムにアタッチするために使用されます。

SCA が有効化されている場合:

SCA が有効化されている場合は、サブスクリプションをホストにアタッチする必要がないため、自動アタッチに関連するワークフローは廃止されました。以下を実行する必要がなくなりました。

  • 「subscription-manager attach --auto」の実行
  • 「hammer host subscription auto-attach」の実行
  • アクティベーションキーの「auto-attach」への設定

上記のコマンドを実行すると、操作なし (変更なし) または明示的なエラーが発生します。

Virt-who

SCA が無効化されている場合:

ハイパーバイザーからホスト/ゲストマッピングを収集して Satellite に報告するユーティリティーである Virt-who は、複数のゲスト (RHEL vDC など) をサポートするサブスクリプションによって提供されるコンテンツを使用するために使用する必要のある必須ツールでした。Virt-who は通常、更新されたホスト/ゲストマッピングを提供するために、1-4 時間ごとに実行するように設定されていました。

SCA が有効化されている場合:

Virt-who は、コンテンツアクセスの「クリティカルパス」に存在しなくなりました (これも、サブスクリプションをホストにアタッチする必要がなくなったためです)。ただし、virt-who は Subscription Watch をサポートするための非常に重要なツールです。virt-who によって収集されるホスト/ゲストマッピングは、Subscription Watch で正確なチャートをレンダリングするために使用される重要な情報です。しかし、virt-who が必要とする実行回数の頻度は、少なく制限することができます。

Satellite で SCA が有効化されている場合は、virt-who の実行回数を 1 日 2 回以下の頻度に設定することをお勧めします。

システム目的 (およびシステム目的のステータス)

SCA が無効化されている場合:

システム目的により、システムの使用方法に関するさまざまなパラメーターを設定できます。これらのパラメーターは永続的であり、サブスクリプションツールによって使用され、システムを適切なサブスクリプションに正しく導きます。これらの技術、ビジネス、および操作に関するユースケースを提供することにより、サブスクリプションツール (特に自動アタッチ) は、より多くの情報に基づいた決定を下すことができます。ユーザーは以下を提供します。

  • ROLE: システムで実行されているワークロードは何ですか?
    • 例:「Red Hat Enterprise Linux Server」
  • SLA: このシステムに想定されるサービスレベルは何ですか?
    • 例:セルフサポート、スタンダード (営業時間)、プレミアム
  • 使用状況: このシステムのサポート範囲は何ですか?どのような支援が必要ですか?
    • 例: 開発 (設計の支援)、運用 (インストールとランタイムの問題の支援)

SCA が使用されていない場合、提供されるシステム目的属性は、自動アタッチをより適切にガイドするために使用され、自動アタッチが要求された属性を有効なサブスクリプションと一致させることができる場合、システム目的のステータスは MATCHED に更新されます (一致できない場合は MISMATCHED)。

SCA が有効化されている場合:

サブスクリプションをシステムにアタッチする必要がない ため、システム目的のステータスは 無効 に設定されています。ただし、システム目的の属性を引き続き設定することを強くお勧めします。これらは、Subscription Watch (https://cloud.redhat.com/subscriptions/) でもホストのフィルタリング/識別に使用されるからです。

UI の変更

Satellite UI のコンテンツ関連ページに、Simple Content Access が有効になっていることをユーザーに通知するバナーが表示されるようになりました。以下に例を示します。

  • マニフェストのインポート (Satellite 6.8+)

UI 1

  • ホストページ:

UI 2

  • アクティベーションキーページ

UI 3

Simple Content Access を有効にしてマニフェストをインポートすること以外に、ユーザーによる変更は必要はありません。これらの UI の変更は、SCA が有効化されているので、サブスクリプションをホストにアタッチしてはならない ことをユーザーに通知することを目的としています。

「subscription-manager」CLI ツールの動作

SCA が有効化されている場合

1.27.9-1 未満 のバージョンの subscription-manager CLI ツールは、SCA が有効化されると誤ったメッセージを表示します。

yum コマンドを実行すると、ユーザーは次のような出力を受け取ります。This system is registered with an entitlement server, but is not receiving updates.You can use subscription-manager to assign subscriptions (このシステムはエンタイトルメントサーバーに登録されていますが、更新を受信していません。subscription-manager を使用してサブスクリプションを割り当てることができます)。

このメッセージは、SCA が有効になっている場合は、1.27.9-1 未満 の subscription-manager バージョンでは無視しても問題ありません。1.27.9-1 より上の バージョンでは適切に対処されます。この問題は BZ1815624 で追跡されています。

参考文献

Simple Content Access および Subscription Watch に関する知識と理解を深めるための参考文献が多数あります。