Red Hat Training

A Red Hat training course is available for Red Hat Decision Manager

3.2. Red Hat Decision Manager プロジェクトの Maven でのパッケージ化およびデプロイ

Decision Central 以外の Maven プロジェクトを、設定した Decision Server にデプロイする場合は、プロジェクトの pom.xml ファイルを編集して、プロジェクトを KJAR ファイルとしてパッケージ化し、プロジェクトのアセットに対する KIE ベースおよび KIE セッションの設定が含まれる kmodule.xml ファイルを追加します。

前提条件

  • Red Hat Decision Manager ビジネスアセットを含む Maven 化されたプロジェクトがあること
  • Decision Server がインストールされており、kie-server ユーザーアクセスが設定されている。インストールオプションは Red Hat Decision Manager インストールの計画 を参照してください。

手順

  1. Maven プロジェクトの pom.xml ファイルで、パッケージタイプを kjar に設定し、kie-maven-plugin ビルドコンポーネントを追加します。

    <packaging>kjar</packaging>
    ...
    <build>
      <plugins>
        <plugin>
          <groupId>org.kie</groupId>
          <artifactId>kie-maven-plugin</artifactId>
          <version>${rhdm.version}</version>
          <extensions>true</extensions>
        </plugin>
      </plugins>
    </build>

    kjar パッケージングタイプは、kie-maven-plugin コンポーネントをアクティブにして、アーティファクトリーソースを検証してプリコンパイルします。<version> は、プロジェクトで現在使用する Red Hat Decision Manager の Maven アーティファクトバージョンです (例: 7.14.0.Final-redhat-00002)。これらの設定は、デプロイメント用に Maven プロジェクトを適切にパッケージ化する必要があります。

    注記

    個別の依存関係に対して Red Hat Decision Manager <version> を指定するのではなく、Red Hat Business Automation 部品表 (BOM) の依存関係をプロジェクトの pom.xml ファイルに追加することを検討してください。Red Hat Business Automation BOM は、Red Hat Decision Manager と Red Hat Process Automation Manager の両方に適用されます。BOM ファイルを追加すると、提供される Maven リポジトリーから、推移的依存関係の適切なバージョンがプロジェクトに含められます。

    BOM 依存関係の例:

    <dependency>
      <groupId>com.redhat.ba</groupId>
      <artifactId>ba-platform-bom</artifactId>
      <version>7.2.0.GA-redhat-00002</version>
      <scope>import</scope>
      <type>pom</type>
    </dependency>

    Red Hat Business Automation BOM (Bill of Materials) の詳細情報は、What is the mapping between Red Hat Decision Manager and the Maven library version? を参照してください。

  2. 以下の依存関係を pom.xml ファイルに追加して、ルールアセットから実行可能なルールモデルを生成します。

    • drools-canonical-model: Red Hat Decision Manager から独立するルールセットモデルの実行可能な正規表現を有効にします。
    • drools-model-compiler: デシジョンエンジンで Red Hat Decision Manager の内部データ構造に実行可能なモデルをコンパイルします。
    <dependency>
      <groupId>org.drools</groupId>
      <artifactId>drools-canonical-model</artifactId>
      <version>${rhdm.version}</version>
    </dependency>
    
    <dependency>
      <groupId>org.drools</groupId>
      <artifactId>drools-model-compiler</artifactId>
      <version>${rhdm.version}</version>
    </dependency>

    実行可能ルールモデルは埋め込み可能なモデルで、ビルド時に実行するルールセットの Java ベース表記を提供します。実行可能モデルは Red Hat Decision Manager の標準アセットパッケージングの代わりとなるもので、より効率的です。KIE コンテナーと KIE ベースの作成がより迅速にでき、DRL (Drools Rule Language) ファイルリストや他の Red Hat Decision Manager アセットが多い場合は、特に有効です。

    実行可能なルールモデルの詳細は、DRL ルールを使用したデシジョンサービスの作成を参照してください。

    プロジェクト内にある DMN アセットの Decision Model and Notation (DMN) 実行可能モデルを有効にするには (該当する場合)、pom.xml ファイルに kie-dmn-core の依存関係も追加します。

    <dependency>
      <groupId>org.kie</groupId>
      <artifactId>kie-dmn-core</artifactId>
      <scope>provided</scope>
      <version>${rhdm.version}</version>
    </dependency>
  3. Maven プロジェクトの ~/resources ディレクトリーに、最低でも以下の内容を含む META-INF/kmodule.xml メタデータファイルを作成します。

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <kmodule xmlns="http://www.drools.org/xsd/kmodule">
    </kmodule>

    この kmodule.xml ファイルは、すべての Red Hat Decision Manager プロジェクトに必要な KIE モジュール記述子です。KIE モジュールを使用して、1 つ以上の KIE ベースを定義し、各 KIE ベースに 1 つ以上の KIE セッションを定義します。

    kmodule.xml 設定の詳細は 「KIE モジュール記述子ファイルの設定」 を参照してください。

  4. Maven プロジェクトの関連リソースで、.java クラスを設定して KIE コンテナーおよび KIE セッションを作成して、KIE ベースを読み込みます。

    import org.kie.api.KieServices;
    import org.kie.api.runtime.KieContainer;
    import org.kie.api.runtime.KieSession;
    
    public void testApp() {
    
      // Load the KIE base:
      KieServices ks = KieServices.Factory.get();
      KieContainer kContainer = ks.getKieClasspathContainer();
      KieSession kSession = kContainer.newKieSession();
    
    }

    この例では、KIE コンテナーは、testApp プロジェクトのクラスパスからビルドしたファイルを読み込みます。KieServices API を使用すれば、KIE ビルド設定およびランタイム設定のすべてにアクセスできます。

    プロジェクトの ReleaseIdKieServices API に渡して KIE コンテナーを作成することもできます。ReleaseId は、プロジェクトの pom.xml ファイルの GroupId 値、ArtifactId 値、Version 値 (GAV) から生成します。

    import org.kie.api.KieServices;
    import org.kie.api.runtime.KieContainer;
    import org.kie.api.runtime.KieSession;
    
    public void testApp() {
    
      // Identify the project in the local repository:
      ReleaseId rid = new ReleaseId();
      rid.setGroupId("com.sample");
      rid.setArtifactId("my-app");
      rid.setVersion("1.0.0");
    
      // Load the KIE base:
      KieServices ks = KieServices.Factory.get();
      KieContainer kContainer = ks.newKieContainer(rid);
      KieSession kSession = kContainer.newKieSession();
    
    }
  5. コマンドターミナルで Maven プロジェクトディレクトリーに移動して、以下のコマンドを実行し、実行可能なモデルからプロジェクトをビルドします。

    mvn clean install -DgenerateModel=<VALUE>

    ルールアセットが実行可能なルールでビルドされるように、-DgenerateModel=<VALUE> プロパティーで、プロジェクトが DRL ベースの KJAR ではなく、モデルベースの KJAR としてビルドできるようにします。

    <VALUE> は、3 つの値のいずれかに置き換えます。

    • YES: オリジナルプロジェクトの DRL ファイルに対応する実行可能なモデルを生成し、生成した KJAR から DRL ファイルを除外します。
    • WITHDRL: オリジナルプロジェクトの DRL ファイルに対応する実行可能なモデルを生成し、文書化の目的で、生成した KJAR に DRL ファイルを追加します (KIE ベースはいずれの場合でも実行可能なモデルからビルドされます)。
    • NO: 実行可能なモデルは生成されません。

    ビルドコマンドの例:

    mvn clean install -DgenerateModel=YES

    DMN 実行可能なモデルの場合は、以下のコマンドを実行します。

    mvn clean install -DgenerateDMNModel=YES

    ビルドに失敗したら、コマンドラインのエラーメッセージに記載されている問題に対応し、ビルドに成功するまでファイルの妥当性確認を行います。

  6. プロジェクトをローカルで正常にビルドしてテストした後に、プロジェクトをリモートの Maven リポジトリーにデプロイします。

    mvn deploy