RHEL High Availability クラスターのサポートポリシー - クラスター内の SAP NetWeaver の管理

目次

• 概要
  • 該当する環境
  • 役に立つリファレンスおよびガイド
  • はじめに
• ポリシー

概要

該当する環境

• Red Hat Enterprise Linux (RHEL) と High Availability Add-On

役に立つリファレンスおよびガイド

• Support Policies for RHEL High Availability Clusters
• RHEL およびその他の Red Hat 製品に関する SAP 製品のドキュメントはどこで見つかりますか?

はじめに

このガイドでは、RHEL High Availability クラスターを使用した SAP NetWeaver デプロイメントの管理に関する Red Hat のポリシーと要件について説明します。RHEL High Availability クラスターのユーザーは、適切な製品サポートサブスクリプションによる Red Hat からのサポートを受ける資格を得るために、これらのポリシーに従う必要があります。

ポリシー

クラスターによって管理される SAP ソフトウェアリソースによる Red Hat サポートの範囲: RHEL 高可用性クラスター内の SAP ソフトウェアデプロイメントに適用される Red Hat のサポート範囲の詳細について は、Red Hat が出荷しないアプリケーションの管理 に関する Red Hat のポリシーを参照してください。

• サポートポリシー: クラスター管理のリソースとアプリケーションの一般的なポリシー

Red Hat の支援の焦点は、高可用性ソフトウェアと SAP リソースエージェントの機能に限定される場合があります。場合によっては、問題の原因が Red Hat のリソースエージェントにある場合でも、問題の性質を診断するために SAP の入力が必要になることがあります。RHEL High Availability + SAP NetWeaver 導入に関する問題の解決策は、SAP の支援なしに RHEL High Availability を通じて問題を適切に解決できない場合、SAP からの入力または成果物に依存する場合があります。

SAP NetWeaver サポートのための Red Hat サブスクリプション: Red Hat は、次のサブスクリプションを通じて SAP NetWeaver デプロイメントを管理する RHEL High Availability のリソースエージェントのサポートを提供します。

• RHEL for SAP Solutions
• RHEL for SAP Applications
• SAP ビジネスアプリケーション用の RHEL

Red Hat が SAP NetWeaver の RHEL High Availability 管理を支援するには、これらのサブスクリプションの 1 つが必要です。

RHEL High Availability での SAP NetWeaver のサポート対象プラットフォーム: RHEL High Availability や SAP ソフトウェア用のリソースエージェントなど、SAP NetWeaver ソリューションスタックをサポートするソフトウェアに対する Red Hat のサポートは、主に RHEL High Availability と RHEL に対して定められたポリシーに従います。

• Support policies for RHEL High Availability clusters
• 特定の Red Hat Enterprise Linux バージョンがハードウェアでサポートされているかどうかを確認するにはどうすればよいですか?

ただし、パブリッククラウドデプロイメントでは、この SAP NetWeaver ソリューションスタックに対する Red Hat のサポートは、次のクラウドプラットフォームのみに限定されます。

• Amazon Web Services Elastic Cloud (AWS EC2)
• Microsoft Azure
• Google Cloud Platform (GCP)

現時点では、このソリューションに関して Red Hat は他のクラウドプロバイダープラットフォームをサポートしていません。別のクラウドプラットフォームでの SAP NetWeaver の実行に興味がある場合は、Red Hat サポートにお問い合わせください。

SAP NetWeaver のサポートされているリリース: Red Hat は、次の NetWeaver 製品の RHEL High Availability 管理のサポートを提供します。

• SAP NetWeaver Application Server for ABAP 7.X
• SAP NetWeaver Application Server JAVA 7.X
• ABAP および Java 7.X を搭載した SAP NetWeaver アプリケーションサーバー

ABAP/JAVA デュアルスタックのサポート:

• ABAP/JAVA デュアルスタックは、すべての RHEL 7.x マイナーリリースでサポートされている マスター/スレーブ 方式を使用してサポートされます。
• SAP では、ABAP インスタンスと JAVA インスタンスが同じ SID を共有するデュアルスタック設定を推奨しなくなったため、ABAP スタックと JAVA スタックが別々の SID を使用するように デュアルスタック分割 を行うことを検討することを推奨します。このようなセットアップでは、スタンドアロン アプローチを使用して、ABAP スタックの ASCS/ERS インスタンスと JAVA スタックの SCS/ERS インスタンスを管理できます。インスタンスごとに個別のリソースグループを設定し、環境の各部分で使用する個別の SID に基づいて適切な制約を設定する必要があります。設定ガイドに従ってください: RHEL 7.5 以降のスタンドアロンリソースを使用して SAP NetWeaver ASCS/ERS ENSA1 を設定します。

RHEL High Availability によって管理される SAP NetWeaver でサポートされるデータベース: Red Hat は、SAPDatabase リソースエージェントを使用する NetWeaver の次のデータベースタイプのいずれかによる SAP NetWeaver の RHEL High Availability 管理をサポートします。

ペースメーカー クラスター (RHEL8):

• Oracle 19c (19.3.0.0 以降)
• IBM DB2 LUW 11.5 (以降)
• SAP Sybase ASE 16 (16.0.03.10 以降)
• SAP MaxDB 7 (7.9.09.005 以降)
• SAP HANA データベース 2.00 (2.00.052 以降)

ペースメーカー クラスター (RHEL6、RHEL7):

• Oracle 11gR2 (11.2.0.x), 12c
• IBM Db2 LUW 9.7 および 10
• SAP (Sybase) ASE 15.7 および 16
• SAPDB/MaxDB 7.x
• SAP HANA データベース 1.00 以降 (以下のセクションを参照)

rgmanager クラスター (RHEL6):

• Oracle 11gR2 (11.2.0.x)
• IBM Db2 LUW 9.7 および 10
• SAPDB/MaxDB 7.x

SAP NetWeaver 用の SAP HANA データベースの使用: RHEL High Availability によって管理される SAP NetWeaver 用の SAP HANA データベースを使用する場合、Red Hat がサポートを提供するには次の条件が適用されます。

• 各クラスターノードには SAPHostAgent が ローカルにインストールされている必要があり、クラスター全体の SAPHostAgent のバージョンは同じである必要があります。
• 同じクラスター内の各 SAP HANA インスタンスには一意のインスタンス番号が必要です。
• SAP ノート 1625203 - SAPHostAgent の NewDB の saphostagent/sapdbctrl の前提条件

Red Hat によるスタンドアロンとマスター/スレーブの ASCS および ERS リソースのサポート: Pacemaker で (A)SCS および ERS リソースを設定するには、マスター/スレーブとスタンドアロンの 2 つのアプローチがあります。

• マスター/スレーブアプローチは、RHEL 7 の任意のリリースを実行するデプロイメントで Red Hat によってサポートされます。
• スタンドアロンアプローチは、RHEL 7.5 以降、または RHEL 8 の任意のリリースを実行するデプロイメントで Red Hat によってサポートされます。

新しいデプロイメントでは、次の理由からスタンドアロンが推奨されます。

• 現在の SAP HA インターフェイス認定の要件を満たしています。
• 新しい Standalone Enqueue Server 2 (ENSA2) 設定と互換性があります。
• (A) SCS/ERS インスタンスは独立して起動および停止できます。
• (A) SCS/ERS インスタンスディレクトリーはクラスターの一部として管理できます。

Pacemaker クラスターでの SAP NetWeaver 導入の追加の技術要件:

• SAPInstance を マスター/スレーブモードで実行する場合、(A)SCS と ERS のインスタンス番号は異なる必要があります。