Red Hat プラットフォームでテストおよび検証済みの Spring Boot 3
Red Hat support for Spring Boot を担当する製品チームは、Spring Boot 3 のコミュニティーバージョンをご利用いただける新製品を設計しました。ご利用の際に、個々のコンポーネントを Red Hat のサポート対象コンポーネントに置き換える必要はありません。製品チームは、Spring Boot 用の Red Hat コンポーネントを提供することではなく、Red Hat OpenShift Container Platform や Red Hat Enterprise Linux などの Red Hat プラットフォーム上でコミュニティー版の Spring Boot をテストおよび検証することに重点を置いています。
Spring Boot 3 は Red Hat OpenShift Container Platform および Red Hat Enterprise Linux と組み合わせてテストおよび検証されているため、安心してご利用いただけます。
テストおよび検証時の組み合わせに関する正確な詳細情報は、テストおよび検証された Spring Boot 3 の最初のリリースとともに公開されます。Red Hat は、Red Hat support for Spring Boot 2.7 が終了する約 2 カ月前にこれを完全に発表することを目指しています [1]。ただし、お客様は最新の Spring Boot 3 バージョンへのコードの移行をただちに開始することもできます。
Spring Boot 関連の製品を変更する背景
Red Hat はお客様のサポートに注力しており、サポートサービスの実現を適切に行うために、サポート対象のオープンソースプロジェクトのアーティファクトとバイナリーを再配布しています。これにより、アップストリームのコミュニティーによる修正の実装を待たずに、バグや CVE の問題を迅速に修正することが可能になります。このため、多くのミドルウェアベースの製品には、“Red Hat build of” という接頭辞が付いています。これは、Red Hat がアップストリームのプロジェクト/コンポーネントを構築して提供しているという事実を反映しています。これは Spring Boot には当てはまりません。Spring コミュニティーは VMware Tanzu [2] によって維持されており、VMware がロードマップやライフサイクルなどに関する決定を行っているためです [3]。また、Spring® は登録商標であるため、Spring Boot のバージョンを再配布する Red Hat の能力は制限されています。
Spring Boot 3 より前、Red Hat は Spring Boot 1 および 2 のサポートを提供していました。このサポートの内容は、フルサポート対象のコンポーネントと、サポートが限定的なコミュニティーコンポーネントとの間で適切な妥協点を検討して決定されました。開発者がフルサポートを受けるには、コミュニティーコンポーネントを Red Hat が提供するバージョンに置き換える必要がありました。ただし、ほとんどのお客様はコミュニティーコンポーネントを置き換えなかったため、アプリケーションが要件に準拠せず、Red Hat のサポート対象外となっていました。Red Hat は、この新しい製品によって、お客様の Spring Boot の利用形態に、より適切に対応できるものと考えています。他のほとんどのベンダーも、このような形で Spring Boot のサポートを提供しています。
よくある質問
テストおよび検証済みの Spring Boot 3 にアクセスするにはどうすればよいですか?
Red Hat Runtimes または Red Hat OpenShift Container Platform の有効なサブスクリプションをお持ちのお客様は、テストおよび検証済みの Spring Boot 3 のエンタイトルメントを自動的に取得します。開発者の方は、Spring Boot のコミュニティーバージョンを引き続き使用できます。また、顧客として、チケットを作成したり、問題についてサポートを受けたりすることができます。Red Hat は Spring Boot のディストリビューションを提供していません。お客様には、Maven Central などの通常の Maven リポジトリーからアーティファクトをダウンロードしていただくことになります。
Red Hat は他のプラットフォームで Spring Boot 3 のサポートを提供しますか?
いいえ、Spring Boot 3 のテストと検証は、Red Hat プラットフォームでのみ実施します。Red Hat は他のプラットフォームでのサポートを提供しません。テストおよび検証済みの Spring Boot 3 の構成 を参照してください。
Red Hat プラットフォームで Spring Boot 3 を使用しています。サポートチケットを作成できますか?
はい、お客様はサポートチケットを作成できます。Red Hat が質問にお答えし、根本原因の分析や回避策などを支援します。ただし、Red Hat は Spring Boot のバグ修正やセキュリティー更新を提供しません。
このレベルのサポートでは不十分です。当社の組織には、他の Red Hat 製品と同じレベルのサポートが必要です。他にどのような選択肢がありますか?
Red Hat build of Quarkus は Spring Boot と同様のユースケースに使用できます。Red Hat build of Quarkus には、Spring 互換性拡張機能が含まれているため、開発者の方は Spring Boot 使用時と同じ API を Quarkus で使用できます。Red Hat build of Quarkus は、Red Hat によって完全にサポートされており、Red Hat Enterprise Linux および Red Hat OpenShift Container Platform に含まれています。Red Hat build of Quarkus は、他の Red Hat 以外のプラットフォームで使用するために購入することもできます。
当社の Spring Boot アプリケーションは Red Hat OpenJDK および OpenShift 上で動作します。このアプリケーションについては、どのようなサポートを期待できますか?
Red Hat は、問題の解決を支援します。問題が JVM (OpenJDK) または OpenShift プラットフォームに関連していることが判明した場合も、通常のサポートを提供します。問題の原因が Spring Boot にあることが判明した場合は、その問題を Spring Boot コミュニティーに報告する必要があります。Community Support for Spring Boot 3 を参照してください。
各バージョンの Spring Boot のライフサイクルはどのようなものですか?
Red Hat は Spring Boot のディストリビューションを提供していないため、Spring コミュニティーで定義されたライフサイクルに従っています。Red Hat は、こちら[3] に記載されている、現在 OSS でサポートされているすべてのバージョンをテストおよび検証します。
脚注
[1] Red Hat support for Spring Boot - サポートライフサイクル
[2] Spring Boot
[3] Spring Boot コミュニティーのライフサイクル
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