マイクロソフトセキュリティーアドバイザリー ADV190023 | LDAP チャネルバインディングおよび RHEL および AD 統合の LDAP 署名
このアーティクルでは、 Active Directory ドメインに直接登録している Red Hat Enterprise Linux システムまたは、Red Hat Enterprise Linux のアイデンティティー管理が提供するレルムと、Active Directory が提供するレルムの間で確立された Kerberos トラストを使用する Red Hat Enterprise Linux システムに対して、Microsoft Advisory ADV190023 が与える影響について説明します。このアドバイザリーは、LDAP チャネルバインディング と LDAP 署名 の安全でない設定を使用するクライアントに対して、追加でロギングを提供します。
重要: Microsoft は、2020 年 3 月のアドバイザリーで、アップデートでは当面、LDAP 署名または LDAP チャネルバインディングポリシー、新規または既存のドメインコントローラー上の同等のレジストリーは変更されないことを発表しました。
Red Hat は、さまざなシナリオで Active Directory Domain Service のドメイン 2016 で LDAP チャネルバインディングと LDAP 署名を有効にして検証し、Red Hat Enterprise Linux 6、7 および 8 クライアントシステムの機能に影響がないことを確認しました。弊社では、以下のシナリオを使用してテストして、想定通りに機能することを確認しました。
- IdM/AD 全体のフォレストのトラスト
- SSSD を id_provider=ad に指定した AD クライアントとして Red Hat Enterprise Linux マシンを直接統合
- SSSD を id_provider=ldap に指定した AD クライアントとして Red Hat Enterprise Linux マシンを直接統合
- client ldap sasl wrapping = sign のデフォルトオプションを使用して samba/winbind を指定した AD クライアントとして Red Hat Enterprise Linux マシンを直接統合Samba では現在、チャネルバインディングをサポートしていません。そのため、smb.conf で ldap ssl ads = yes を使用している場合には、チャネルバインディングを有効にしないことを推奨します。詳細は、「samba バグレポート」を参照してください。
Active Directory と直接統合/関節統合に SSSD を使用する場合には、デフォルト設定ではデフォルトの LDAP ポート 389 で SASL GSSAPI または SASL GSS-SPNEGO を使用し、通信パスを暗号化して確立します。クライアントが SASL GSSAPI を使用して Active Directory ドメインコントローラーと通信する場合に ID 2889 のログイベントが作成されるにも拘らず、操作自体は成功する問題を、Microsoft の実装で特定しました。これについては現在調査中です。 Active Directory で誤検知のログイベントを回避するには、GSS-SPNEGO をサポートするクライアントアプリケーションを、GSSAPI ではなくこの SASL メカニズムを使用するように設定してください。SSSD では、ldap_sasl_mech の設定オプションがあり、使用する SASL メカニズムを定義できます。
Red Hat は、SSSD の Active Directory プロバイダーで ldaps プロトコルを使用できるように、SSSD/adcli (RHEL8、RHEL7) の機能拡張に努めています。この設定タイプはオプションで、デフォルトの LDAP ポート 389 が閉じられている環境でのみ必要です。 ただし、一般的にはデフォルトの LDAP ポート 389 を閉じることは推奨していません。理由は、SSL/TLS でのチャネルバインディングが AD 側で有効であるにも拘らず、クライアント側でまだサポートされていない場合に、問題が発生する可能性があるためです。 また、前述の RFE では、adcli のデフォルトの SASL メカニズムとして GSS-SPNEGO を設定します。現在、GSSAPI は adcli でハードコード化されており、変更できません。クライアントシステムが直接登録されている場合には、SSSD は adcli ツールを使用して、Active Directory でのマシンの認証情報を更新します。
注記: この情報は暫定的で、改訂される可能性があります。 このアーティクルは、長期間にわたり、常に更新、記述されており、変更される可能性があります。
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