Red Hat Satellite 5 から Satellite 6 への移行
Red Hat® Satellite 6 — 完全アップデートおよびモダナイゼーション
2002 年以降、Red Hat® Satellite は大掛かりな「オンプレミスアップデートサービス」から、一般向けで堅固なシステム管理製品に成長しました。Red Hat Satellite 6 の導入に伴い、Red Hat はこれからもオープンソーステクノロジーの最先端を走り続けます。
Red Hat Satellite 6 は単なるアップデートではありません。バージョン 6 は、先行のバージョン 5 から、現在利用可能な最先端のテクノロジーに飛躍しました。技術と設計におけるこの急激な変化は、次世代のコンピューティングプラットフォームにおいて、Red Hat Satellite が主要なワークロードの管理者となることを断言します。ベアメタル、仮想、そしてクラウドベースの管理の現代的なモデルを利用しています。
Red Hat Satellite 6 が Red Hat Satellite ファミリーへの完全な技術更新であることを考慮すると、Red Hat Satellite デプロイメントをバージョン 5 から 6 にリフレッシュすることは移行であり、従来のアップグレードとは異なります。
戦略的なアプローチ
Red Hat Satellite をバージョン 5 から 6 へ移行する際に考慮する必要がある 2 つの戦略的なモデルまたはアプローチがあります。1 つ目のアプローチは、より受動的なもので、主に、既存のワークロードをそのまま使用します。もう 1 つのアプローチは、より能動的なもので、既存のワークロードを新しいテクノロジーに移行しようとします。いずれのアプローチでも、現在のアーキテクチャーと並行して、新しいアーキテクチャーを立ち上げます。
アプローチ 1: 受動的な移行
古い (既存の) ワークロードは Red Hat Satellite 5 にとどまります。新しいワークロードは Satellite 6 で管理されます。
この戦略的アプローチは、お使いの Red Hat Satellite デプロイメントが複雑で、別のアプリケーションと (API などのプロセスを介して) その他のアプリケーションと深く統合している場合に最も適しています。受動的な移行が最も柔軟性が高いため、管理者は、サービスがなるべく途切れないようにするようにインフラストラクチャーを見直すことができます。
このシナリオでは、既存のワークロードが無効になるまで、Red Hat Satellite 5 がそのワークロードを管理し続けます。Red Hat Satellite 6 は、新しいワークロードおよびプロジェクトのみを管理します。
アプローチ 2: 能動的な移行
Red Hat Satellite 5 から 6 へワークロードを移動します。
この戦略的アプローチは、既存のシステムを Red Hat Satellite 6 に再登録したあと、Red Hat Satellite 5 を廃止することを目指します。新しいワークロードとプロジェクトはすべて、Red Hat Satellite 6 によって管理されます。ただし、移行の後期を対象とするワークロードが存在する場合は、Satellite 5 の廃止とアーカイブを遅らせるようにスケジュールを作ることもできます。
能動的な移行により、データモデルは、新しい Red Hat Satellite に適切に移行したすべてのワークロードと若干類似しており、なじみがあります。その後、Red Hat Satellite 5 は、アーカイブの状態に移行するために解放され、シャットダウンします。
評価、再評価、および実行するタイミング
以下に概略が記載されるプロセスは、能動的な移行の戦略が前提となっています。ここでは、各移行手順で、データ、オブジェクトモデル、およびアーキテクチャーの表現が重複します。このプロセスに対し、Red Hat は、管理インフラストラクチャーの重複の猶予を 1 年間設定しています。これにより、管理者は、システムをどのように Satellite 6 で管理しているかについて調査し、移行に備えることができます。
このような時間的猶予が与えられ、期間中は Red Hat Satellite には追加コストがかからないため、管理者は、その 1 年の間に、新しいプラットフォームにシステムをどのぐらい (一部、大部分、またはすべて) 移行できるかを決めることができます。
高レベルのプロセス
高レベルのプロセスは、概念上シンプルです。新しいアーキテクチャーを立ち上げ、Satellite 5 ワークロードを Satellite 6 に移動するか、代わりにシステムを新しいプラットフォームに移行し、Red Hat Satellite 5 アーキテクチャーを廃止してアーカイブにします。
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情報収集
利用可能な参考資料を確認します (この概要の下に、参考資料の一覧がリンクとともに記載されています)。
- 高レベルのプロセスをまとめている、ここに記載する手順
- プロセスの構造がどのように機能するかを説明するテクニカルブリーフ
- 移行のドキュメント
- 両プラットフォームで、標準的なオペレーティング環境を管理するのに推奨されるプラクティスの比較
- プロセスと、お客様のニーズについては、アカウント担当者にご相談ください。
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評価および開始
1 年の移行サブスクリプションを要求します。
デフォルトでは、Red Hat Satellite 6 の評価と移行のための期間が 1 年付与されます。
下記の「移行の準備は整いましたか」セクションに、「移行サブスクリプションを要求する」のリンクがあります。これは、Red Hat Satellite インフラストラクチャー全体を重複させるチケットです。 これをクリックし、同意すると、Satellite 5 インフラストラクチャーを重複させる Satellite 6 インフラストラクチャーを立ち上げるのに必要なすべてのサブスクリプションがアカウントに追加されます。追加 Satelliteの数と、Capsule サーバーの数は、Red Hat Satellite プロキシーサーバーの数と一致します (Capsule とプロキシーは類似したものです)。
注意: お使いの製品 (RHEL など) と Smart Management サブスクリプションを重複させる必要はありません。 この手順により、サブスクリプションが別のプラットフォームに移行します。
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立ち上げて、システムのサブスクリプションを追加
サブスクリプションのマニフェストを作成して、Red Hat Satellite 6 をインストールします。
Red Hat カスタマーポータル (弊社がホストするサポートインフラストラクチャー) で、システム、製品、および Smart Management サブスクリプションが “Subscription Management Applications” に割り当てられます。たとえば、以前は、おそらく、サブスクリプションをローカルの Satellite 5 に割り当てるために Red Hat Satellite 5 証明書を生成していました。同様に、Satellite 6 “Subscription Management Application” から、マニフェストが生成されます。
バージョン 5 から 6 への移行に使用するためのすべてのサブスクリプションについては、Red Hat カスタマーポータル内では、サブスクリプションの Red Hat Satellite 5 “Subscription Management Application” から Satellite 6 への移行が徐々に増えています。次に、オンプレミスの Satellite 6 に配信するマニフェストを作成します。システムが移行されるまで、Satellite 5 証明書は更新しません。詳細は Red Hat 移行ドキュメントを参照してください。
Satellite 6 “Subscription Management Application” で、マニフェストを作成してダウンロードします。システムが、複数の組織によって管理されている場合は、それぞれの組織に対してマニフェストを生成します (すべてのサブスクリプションをカプセル化する証明書が 1 つだけ存在し、Satellite 内で組織的に分割する Satellite 5 とは異なります)。
Red Hat Satellite 6 をインストールしていない場合は、インストーラーをダウンロードしてインストールします。必要に応じて、Red Hat Satellite Capsule サーバーを作成してインストールします。
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移行
システムを移行します。
Red Hat は、Satellite 6 にシステムを移行して登録に成功した後、Satellite 5 の登録を解除するブートストラップスクリプトをご用意しています。まずは、一部のシステムだけを移行することが推奨されます。そしてテストを行ってから、残りを移行してください。
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アーカイブ
廃止とアーカイブを行い、移行が完了!
必要なシステムをすべて Satellite 6 に移行したら、管理者は Satellite 5 をシャットダウンして、監査のためにアーカイブを作成することができます。将来的に必要に応じてデータを取得するツールが用意されています。
Satellite 6 は、システムがどのように管理されるかについて大きな責任を持ち、システムをさらに管理可能、拡張可能、デプロイ可能にし、そして一貫性を持たせることができます。ベアメタル、仮想、コンテナーまたはクラウドにかかわらず、すべてのシステムに最新で最強、そして完全にオープンソースのテクノロジーを使用します。
サポートが必要ですか?
実装時には、専門家による分析またはアドバイスがいつでも受けられます。お客様の状況に特化したプロセスの概要については、アカウント担当者にご相談ください。また、移行を容易に行うために、専門家のコンサルティングサービスをご活用いただくこともご検討ください。
リソースおよび FAQ
ドキュメント
- Red Hat Satellite Transition Technical Brief
- Red Hat Satellite 6.2 Transition Documentation
- Red Hat Satellite 6.3 Transition Documentation
- Transition FAQs
- Red Hat Satellite Documentation
推奨されるプラクティスの比較
- Red Hat Satellite 5: core-SOE (Standard Operating Environment)
- Red Hat Satellite 6: core-SOE (Standard Operating Environment)
- Red Hat Satellite 5 and 6 Puppet Guide
移行の準備は整いましたか?
移行を開始するには、有効な Satellite サブスクリプションをお持ちで
Satellite のバージョンが 5.6 以降である必要があります。
組織の管理者だけが、以下を行えます。
[移行サブスクリプションを要求する]
移行する意思を示していただいてから移行プロセスを終了するまで、通常は 1 年あります。この期間中に移行を行わない場合、または Red Hat を評価後に移行の準備が完了していないと判断された場合は、Red Hat までご連絡ください。**
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