4.2 リリースノート

Red Hat OpenShift Container Storage 4.2

機能および拡張機能についてのリリースノート、既知の問題その他重要なリリース情報

Red Hat Storage Documentation Team

概要

以下の Red Hat OpenShift Container Storage 4.2 リリースノートでは、新機能および拡張機能のすべて、主な技術上の変更点、および一般公開バージョンの既知の問題についてまとめています。

はじめに

Red Hat OpenShift Container Storage は、コンテナー環境向けに最適化されたソフトウェアで定義されるストレージです。これは OpenShift Container Platform の Operator として実行され、コンテナーの統合され、単純化された永続ストレージの管理を可能にします。

Red Hat OpenShift Container Storage 4.2 は最新の Red Hat OpenShift Container Platform 4.2 に統合され、プラットフォームサービス、アプリケーションの移植性、および永続性の課題に対応します。Red Hat OpenShift Container Storage は、Red Hat Ceph Storage、Rook.io Operator、および NooBaa の Multi-Cloud Object Gateway テクノロジーを含む新たなテクノロジースタックに構築された、次世代クラウドネイティブアプリケーション向けの高度にスケーラブルなバックエンドを提供します。

Red Hat OpenShift Container Storage は、数多くの方法でアプリケーションのライフサイクル全体におけるユーザーエクスペリエンスを単純化し、強化する、信頼できるエンタープライズクラスのアプリケーション開発環境を提供します。

  • データベースのブロックストレージを提供します。
  • 継続的な統合、メッセージングおよびデータ集約のための共有ファイルストレージ。
  • クラウドファースト開発、アーカイブ、バックアップ、およびメディアストレージ用のオブジェクトストレージ。
  • アプリケーションとデータの飛躍的なスケーリングが可能です。
  • 永続データボリュームの割り当てと割り当て解除を加速的に実行します。
  • 複数のデータセンターまたはアベイラビリティーゾーンにクラスターを拡張します。
  • 包括的なアプリケーションコンテナーレジストリーを確立します。
  • データアナリティクス、人工知能、機械学習、ディープラーニング、および IoT (モノのインターネット) などの次世代の OpenShift ワークロードをサポートします。
  • アプリケーションコンテナーだけでなく、データサービスボリュームおよびコンテナー、さらに追加の OpenShift Container Platform ノード、Elastic Block Store (EBS) ボリュームおよびその他のインフラストラクチャーサービスを動的にプロビジョニングします。

第1章 本リリースについて

Red Hat OpenShift Container Storage 4.2 (RHBA-2019:48864 および RHBA-2019:46658) をご利用いただけるようになりました。以下では、OpenShift Container Storage 4.2 に関連する新規拡張機能、新機能、および既知の問題について説明します。

Red Hat OpenShift Container Storage 4.2 は、最新の Red Hat OpenShift Container Platform 4.2 バージョンでサポートされます。

第2章 新機能および改良された機能

今回のリリースでは、以下のコンポーネントおよび概念に関連する拡張機能が追加されました。

2.1. インストールおよびアップグレード

Operator ベースのインストールと設定

Red Hat OpenShift Container Storage は、OpenShift Web コンソールを使用して既存の Red Hat OpenShift Container Platform ワーカーノードにデプロイできます。Red Hat OpenShift Container Storage のデプロイには、以下の 2 つの部分が関係します。

  • Operator Hub からの Red Hat OpenShift Container Storage Operator のインストール

  • 3 つのワーカーノードを選択する必要のある Red Hat OpenShift Container Storage サービスの作成。これにより、ワーカーノードごとに 1 つのボリュームが設定される 3 つの 2 TiB ボリュームからなる新規ストレージクラスターが作成されます。デフォルト設定ではレプリケーション係数 3 が使用され、約 2 TiB の使用可能なストレージが提供されます。

    詳細は、『Red Hat OpenShift Container Storage のデプロイ』を参照してください。

Red Hat OpenShift Container Storage は、イメージレジストリー、モニタリングおよびロギングなどの Red Hat OpenShift Container Platform サービスのストレージを提供するために使用できます。また、Red Hat OpenShift Container Platform アプリケーションは、Red Hat OpenShift Container Storage を使用するようにサポートされます。詳細は、「Configure storage for OpenShift Container Platform services」を参照してください。

デプロイメントおよびアップグレードの自動化

Red Hat OpenShift Container Storage では、数回のクリックのみで OpenShift Lifecycle Management (OLM) をベースとした完全に新規のデプロイメントの自動化を提供できます。OLM はオプションで無線 (OTA: Over the air) の自動更新、利用可能な更新の通知、および容易なデプロイメントを可能にします。

IPI および UPI

Red Hat OpenShift Container Storage 4.2 では、フルスタック自動化 (IPI) と既存のインフラストラクチャー (UPI) の主に 2 つのインストールタイプに基づいてインストールが行われます。

フルスタック自動化の場合、インストーラーが Red Hat OpenShift Container Platform の使用しやすい事前に設定されたデプロイにより、インフラストラクチャーのプロビジョニングを含むインストールのすべての領域を制御します。Red Hat OpenShift Container Storage 4.2 は、フルスタック自動化で Amazon Web Services をサポートします。

既存インフラストラクチャーのデプロイメントでは、管理者が独自のインフラストラクチャーを作成し、管理します。この場合、より多くのカスタマイズやより柔軟な運用が可能になります。Red Hat OpenShift Container Storage 4.2 は、既存のインフラストラクチャーのデプロイメントと共に Amazon Web Services および VMware をサポートします。

Red Hat Cluster Application Migration Tool および Red Hat Control Plane Migration Assistant

CAM および CPMA についての詳細は、「Where can I find Red Hat Cluster Application Migration Tool (CAM) and Red Hat Control Plane Migration Assistant (CPMA) now that OpenShift 4.2 has GA’ed」を参照してください。

2.2. Multi-Cloud Object Gateway

Red Hat OpenShift Container Storage 4.2 は、重複排除、暗号化、圧縮を含む新しいマルチクラウドオブジェクトサービスを提供し、オブジェクトワークロードにマルチクラウドおよびハイブリッド機能を提供します。デフォルトで、Multi-Cloud Object Gateway はクラウドネイティブまたは RGW のデフォルトのバッキングストアを使用します。Multi-Cloud Object Gateway は、永続ボリューム (PV) ストレージを直接使用して、ローカルおよびリモートでスケーリングすることもできます。この機能は、現在テクノロジープレビューとして提供されています。詳細は、「Multi-Cloud Object Gateway」を参照してください。

2.3. Web コンソール

永続ストレージダッシュボード

Persistent Storage ダッシュボードは、OpenShift Container Storage の全体の状態を、永続ボリュームの状態と共に表示します。詳細は、「Persistent storage dashboard」を参照してください。

オブジェクトサービスダッシュボード

Object Service ダッシュボードには、Multi-Cloud Object Gateway の状態とクラスター内のすべてのオブジェクト要求の状態が表示されます。詳細は、「Object Service dashboard」を参照してください。

第3章 主な技術上の変更点

Red Hat OpenShift Container Storage 4.2 では、主に以下のような技術的な変更点が加えられています。

  • 永続ボリュームをサポートするファイルおよびブロックストレージを提供する Ceph テクノロジー。
  • 永続ボリュームおよび要求のプロビジョニングを管理およびオーケストレーションする Rook.io。
  • NooBaa はオブジェクトストレージを提供し、そのマルチクラウドテクノロジーにより、複数のクラウド環境でのオブジェクトのフェデレーションを可能にします。

第4章 テクノロジープレビューの機能

今回のリリースに含まれる機能には現時点でテクノロジープレビューのものがあります。これらの実験的な機能は、実稼働環境での使用を目的としていません。これらの機能については、Red Hat カスタマーポータルの以下のサポート範囲を参照してください: テクノロジプレビュー機能のサポート範囲

第5章 既知の問題

重要

OpenShift Container Platform 4.3 にアップグレードする前に、OpenShift Container Storage 4.2.1 にアップグレードする必要があります。OpenShift Container Storage を最初にアップグレードせずに OpenShift Container Platform にアップグレードすると、永続ボリュームがオフラインになり、OpenShift Container Platform のアップグレードをブロックする可能性があります。このような問題が発生した場合は、Red Hat サポートにお問い合わせください。詳細な OpenShift Container Storage および OpenShift Container Platform の相互運用性マトリクスについては、https://access.redhat.com/articles/4731161 を参照してください。

  • Red Hat Enterprise Linux ワーカーノードでは、Amazon Web Services（ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャー）の CephFS マウントポイントへの書き込み時に Permission denied エラーが表示されます。(BZ#1777384)

  • ユーザーインターフェースから Red Hat OpenShift Container Storage をアンインストールすることはできません。(BZ#1760426)
  • Persistent Volume Claim（永続ボリューム要求、PVC）の拡張は機能しません。(BZ#1743643)

  • ワーカーノードがダウンすると、Operator はアップグレード、ストレージの追加、または新規プールの作成などの CR の更新に応答しなくなります。(BZ#1778488)

  • マシンが削除されると、OSD Pod は新規ノードで実行されなくなり、Pending 状態になります。この場合は、Red Hat サポートにお問い合わせください。(BZ#1780626).
  • Noobaa-core-0 は、ノードがダウンしても他のノードに移行しません。NooBaa は、ノードがダウンすると noobaa-core Pod の移行がブロックされるために機能しません。(BZ#1783961)