2.3. kernel-rt をデフォルトのブートカーネルとして設定する

新しくインストールされたシステムでは、標準の RHEL kernel がデフォルトのブートカーネルとして設定され、次回の起動時およびその後のシステム更新時にデフォルトのカーネルとして使用されます。この設定を変更して、ブートに使用するデフォルトのカーネルとして kernel-rt を設定し、すべてのシステム更新に対してこの設定を永続化することもできます。kernel-rt の設定は 1 回限りの手順であり、必要に応じて変更したり、別のカーネルに戻すことができます。kernelkernel-debug、または kernel-rt-debug などの他の既存のカーネルバリアントをデフォルトのブートカーネルとして設定することもできます。

手順

  1. kernel-rt をデフォルトのブートカーネルとして設定するには、次のコマンドを入力します。

    # grubby --set-default=<RT_VMLINUZ>

    RT_VMLINUZ は、kernel-rt カーネルに関連付けられた vmlinux ファイルの名前です。以下に例を示します。

    # grubby --set-default=/boot/vmlinuz-5.14.0-284.11.1.rt14.296.el9_2.x86_64+rt
  2. システム更新時のデフォルトのブートカーネルとして kernel-rt を設定するには、次のコマンドを入力します。

    # sed -i ‘s/UPDATEDEFAULT=.*/UPDATEDEFAULT=yes/g’/etc/sysconfig/kernel
    # sed -i 's/DEFAULTKERNEL=.*/DEFAULTKERNEL=kernel-rt-core/g'/etc/sysconfig/kernel

    UPDATEDEFAULT 変数を yes として指定すると、システムの更新で変更されるデフォルトのカーネルが設定されます。

    出力例のデフォルトカーネルのパスは、インストールされている kernel-rt-core パッケージに固有のものです。rpm -q kernel-rt-core コマンドを使用すると、カーネルへのパスをパッケージから確認できます。

    1. オプション: カーネルへのパスをパッケージから確認する必要がある場合は、まずインストールされているパッケージをリストします。

      # rpm -q kernel-rt-core
        kernel-rt-core-5.14.0-284.11.1.rt14.296.el9_2.x86_64
        kernel-rt-core-5.14.0-284.10.1.rt14.295.el9_2.x86_64
        kernel-rt-core-5.14.0-284.9.1.rt14.294.el9_2.x86_64
    2. 最新のインストール済みパッケージをデフォルトとして使用するには、次のコマンドを入力して、ブートイメージへのパスをそのパッケージから見つけます。

      # rpm -ql kernel-rt-core-5.14.0-284.11.1.rt14.296.el9_2.x86_64|grep‘^/boot/vmlinu’
      /boot/vmlinuz-5.14.0-284.11.1.rt14.296.el9_2.x86_64.x86_64+rt
    3. kernel-rt をデフォルトのブートカーネルとして設定するには、次のコマンドを入力します。

      # grubby --set-default=/boot/vmlinuz-5.14.0-284.11.1.rt14.296.el9_2.x86_64.x86_64+rt

検証

  • kernel-rt がデフォルトのカーネルであることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # grubby --default-kernel
    /boot/vmlinuz-5.14.0-284.11.1.rt14.296.el9_2.x86_64.x86_64+rt