第3章 特長
3.1. 新機能および変更された機能
3.1.1. IBM Power System のインフラストラクチャーでプロビジョニングされた OpenShift でのサンプルアプリケーションのデプロイ
IBM Power System インフラストラクチャーでプロビジョニングされている OpenShift 環境でサンプルアプリケーションをデプロイするには、pom.xml
ファイルおよびコマンドに関連する IBM Power System のイメージ名を指定します。
サンプルアプリケーションの一部には、ワークフローを実証するために Red Hat Data Grid などの他の製品も必要になります。この場合は、これらの製品のイメージ名を、サンプルアプリケーションの YAML ファイルで関連する IBM Power System のイメージ名に変更する必要もあります。
3.1.2. 新しい Spring Boot OAuth2 クライアントおよび Resource Server Starters
OAuth2 Spring Security Starter のテスト済みおよび検証されたビルドが、以前の Spring Boot リリースに含まれる Spring Boot Keycloak Starter に置き換わるものである。本リリースで導入された新しい Starters のセットには、Spring Security OAuth2 Client Starter および Spring Security OAuth2 Resource Server Starter が含まれます。新しい Starters のいずれも Red Hat によってサポートされます。
3.1.3. OpenJDK 8 および OpenJDK 11 RHEL 8 Universal Base Images (UBI8) のサポート
Spring Boot 2.3 では、RHEL 8 上の Red Hat OpenJDK 8 用および Red Hat OpenJDK 11 用の OCI 準拠の ユニバーサルベースイメージ を使用して、Spring Boot アプリケーションを OpenShift にビルドし、デプロイするためのサポートが導入されました。RHEL 8 OpenJDK Universal Base イメージは、Red Hat がサポートする RHEL 8 OpenJDK ビルダーイメージを、Red Hat Build of Spring Boot の以前のリリースに置き換えます。これまでサポートされていた RHEL 8 OpenJDK ベースイメージは、Red Hat Build of Spring Boot での使用はサポート対象外となりました。
3.1.4. 2.4.1 にアップグレードされた Dekorate バージョン
Spring Boot 2.3 では、Spring Boot BOM に含まれる Dekorate のバージョンが 2.4.1 にアップグレードされます。
- Dekorate 2.4.1 の新機能
設定可能なロギングしきい値
io.dekorate.log.level
システムの property-drawer を使用して、ログレベルのしきい値を設定することで Dekorate 出力の詳細を制御できます。以下の値がサポートされています。-
OFF
-
ERROR
-
WARN
-
INFO
(デフォルト) -
DEBUG
-
設定可能な
vcs
プロパティーDekorate 1.x では、生成されたマニフェストに追加される
vcs
ラベルには、propertyremote
がorigin
としてハードコードされ、URL がhttp
プロトコルに変換されていました。Dekorate 2.4.1 では、プロパティー
remote
は設定でき、明示的に指定されない限り URL は HTTP に変換されません。これらのプログラミングは、以下のようにio.dekorate.option.annotation.VcsOptions
を使用して設定できます。public @interface VcsOptions { /** * The remote to use. * * @return the name of the remote, defaults to 'origin'. */ String remote() default "origin"; /** * Flag that specifies that https is preferred. * When use vcs url that use 'git+ssh' will be converted to https. * * @return true, if https is prefered. */ boolean httpsPreferred() default false; }
プロパティーを以下のように設定することもできます。
dekorate.option.vcs.remote=<your remote here> dekorate.option.vcs.https-preferred=true
ポートマッピングへの変更
以前のバージョンの Dekorate では、
Ingress
リソースおよびRoute
リソースを除くサービスリソースでのポートマッピングが許可されませんでした。このため、サービスの内部コンシューマーは、アプリケーションが使用するcontainerPort
を正確に知る必要がありました。Dekorate 2.4.1 は、HTTP および HTTPS の loose-coupling を許可するポートマッピングを提供します。HTTP
サービスは、ポート80
およびhttps
サービスからポート443
にマッピングされるようになりました。ポートマッピングは、以下の基準に従って行われます。-
http
、web
、およびhttp1
という名前のポートは、ポート80
にマッピングされます。 -
https
またはh2c
という名前のポートは、ポート443
にマッピングされます。 -
番号付けされた
8080
はポート80
にマッピングされます。 -
番号付けされた
8443
はポート443
にマッピングされます。
-
- Dekorate 2.4.1 でのアノテーションの命名への変更
以下の表は、アノテーション名の変更を示しています。
Dekorate 1.x Dekorate 2.4.1 DockerBuild
EnableDockerBuild
S2iBuild
EnableS2iBuild
JibBuild
EnableJibBuild
- モジュールは Dekorate 2.4.1 で削除されました。
以下のモジュールは、バージョン 2.4.1 の Dekorate から削除されました。
- service-catalog
- halkyon
- application-crd
CRD ジェネレーター
この機能は
fabric8 kubernetes-client
に移動しました。dependencies uberjar
以前のバージョンの Dekorate は、すべての依存関係を持つシャドウ付き uberjar を提供していました。Dekorate 2.4.1 以降では、すべての依存関係を含むシャドウ uberjar が利用できなくなりました。
io.dekorate.deps.xxx
ライブラリーを使用する場合は、元のパッケージにこれらを更新する必要があります。
3.1.5. OpenShift の Spring Boot メータリングラベル
メータリングラベルを Spring Boot Pod に追加し、OpenShift Metering Operator を使用して Red Hat サブスクリプションの詳細を確認できます。
メータリングラベルは、Operator がデプロイおよび管理する Pod に追加しないでください。
Spring Boot は以下のメータリングラベルを使用する必要があります。
-
com.redhat.component-name: "Spring_Boot"
-
com.redhat.component-type: application
-
com.redhat.component-version: 2.3.10
-
com.redhat.product-name: "Red_Hat_Runtimes"
-
com.redhat.product-version: 2021-Q3
詳細は、「メータリング」のドキュメントを参照してください。
ラベルの詳細は、「ノードでラベルを更新する方法について」を参照してください。
3.1.6. IBM Power Systems での Spring Boot Runtime のサポート
ppc64le プラットフォーム向け Spring Boot の Red Hat サポートは、IBM Power Systems インフラストラクチャーでプロビジョニングされる OpenShift 環境でのみサポートされます。IBM Power Systems での RHEL のスタンドアロンインストールでの Spring Bootアプリケーションの実行はサポートされていません。
IBM Power System でサポートされている OpenJ9 Java イメージと、IBM Power System でサポートされている製品向け新しいイメージは、Red Hat Ecosystem Catalog から入手できます。