A.3. Web サブシステム移行操作の警告

migrate 操作はすべてのリソースや属性を処理することはできません。web サブシステムの migrate または describe-migration 操作を実行すると表示される可能性がある警告の一部を以下の表に示します。

注記

migrate 操作の出力に Could not migrate または Can not migrate エントリーが記録された場合、サーバー設定の移行は正常に完了したにも関わらず、すべての要素および属性を自動的に移行できなかったことを表します。migration-warnings の提案に従ってこれらの設定を変更する必要があります。

警告メッセージメッセージの意味 / 修正方法

Migrate operation only allowed in admin only mode (移行操作は管理専用モードのみで許可されます)

migrate 操作を実行するには、--admin-only パラメーターをサーバー起動コマンドに追加し、サーバーを admin-only モードで起動する必要があります。

$ EAP_HOME/bin/standalone.sh --admin-only

Could not migrate resource X (リソース X を移行できませんでした)

以前のリリースの JBoss EAP でこのリソースによって示された動作は移行されませんでした。管理者は JBoss EAP 7 の新しい undertow サブシステムがこの動作を示さずに正しく操作できるかどうか、またはこの動作を手作業で移行する必要があるかどうかを検証する必要があります。

Could not migrate attribute X from resource Y.(リソース Y から属性 X を移行できません)

以前のリリースの JBoss EAP でこのリソース属性によって示された動作は移行されませんでした。管理者は JBoss EAP 7 の新しい undertow サブシステムがこの動作を示さずに正しく操作できるかどうか、またはこの動作を手作業で移行する必要があるかどうかを検証する必要があります。

移行されない属性の一覧は、web サブシステム移行操作属性の警告 を参照してください。

Could not migrate SSL connector as no SSL config is defined (定義された SSL 設定がないため SSL コネクターを移行できませんでした)

メッセージには説明が含まれています。

Could not migrate verify-client attribute X to the Undertow equivalent (verify-client 属性 X を Undertow の同等の属性に移行できませんでした)

メッセージには説明が含まれています。

Could not migrate verify-client expression X (verify-client 式 X を移行できませんでした)

メッセージには説明が含まれています。

Could not migrate valve X (バルブ X を移行できませんでした)

以前のリリースの JBoss EAP でこのバルブによって示された動作は移行されませんでした。管理者は JBoss EAP 7 の新しい undertow サブシステムがこの動作を示さずに正しく操作できるかどうか、またはこの動作を手作業で移行する必要があるかどうかを検証する必要があります。

この警告は以下のバルブに対して発生する可能性があります。

  • org.apache.catalina.valves.RemoteAddrValve

    許可または拒否される値が 1 つ以上必要です。

  • org.apache.catalina.valves.RemoteHostValve

    許可または拒否される値が 1 つ以上必要です。

  • org.apache.catalina.authenticator.BasicAuthenticator
  • org.apache.catalina.authenticator.DigestAuthenticator
  • org.apache.catalina.authenticator.FormAuthenticator
  • org.apache.catalina.authenticator.SSLAuthenticator
  • org.apache.catalina.authenticator.SpnegoAuthenticator
  • カスタムバルブ

Could not migrate attribute X from valve Y (バルブ Y から属性 X を移行できませんでした)

以前のリリースの JBoss EAP でこのバルブ属性によって示された動作は移行されませんでした。管理者は JBoss EAP 7 の新しい undertow サブシステムがこの動作を示さずに正しく操作できるかどうか、またはこの動作を手作業で移行する必要があるかどうかを検証する必要があります。この警告は、以下のバルブ属性に対して発生する可能性があります。

  • org.apache.catalina.valves.AccessLogValve

    • resolveHosts
    • fileDateFormat
    • renameOnRotate
    • encoding
    • locale
    • requestAttributesEnabled
    • buffered
  • org.apache.catalina.valves.ExtendedAccessLogValve

    • resolveHosts
    • fileDateFormat
    • renameOnRotate
    • encoding
    • locale
    • requestAttributesEnabled
    • buffered
  • org.apache.catalina.valves.RemoteIpValve

    • httpServerPort
    • httpsServerPort
    • remoteIpHeader

      定義されていても "x-forwarded-for" に設定されていない場合

    • protocolHeader

      定義されていても "x-forwarded-proto" に設定されていない場合

web サブシステム移行操作属性の警告

migrate 操作はすべてのリソースや属性を処理することはできません。処理されなかった属性を手作業で移行する方法については、以下の表を参照してください。

Web SSL コネクター属性

以下の属性は、SSL コネクターを設定するために JBoss EAP 6 で使用されました。OpenSSL ネイティブライブラリーは JBoss EAP 7 ではサポートされないため、同等の設定はありません。

属性説明Undertow での同等の属性

ca-revocation-url

呼び出しリストが含まれるファイルまたは URL。

Undertow では同等の属性がありません。

certificate-file

OpenSSL の暗号化を使用する場合、サーバー証明書が含まれるファイルへのパスになります。

Undertow では同等の属性がありません。

ssl-protocol

SSL プロトコルの文字列。

Undertow では同等の属性がありません。

verify-depth

クライアントが有効な証明を持たないと判断するまでにチェックされる中間証明書発行者の最大数。

Undertow では同等の属性がありません。

web 静的リソース属性

以下の static-resources 要素は、静的リソースが DefaultServlet または WebdavServlet によってどのように処理されるかを記述するために使用されました。WebDAV は Undertow によってサポートされないため、これらの属性と同等のものはありません。詳細は、https://issues.jboss.org/browse/JBEAP-1036 を参照してください。

属性説明Undertow での同等の属性

disabled

デフォルトのサーブレットマッピングを有効にします。

Undertow には同等の設定がありません。

file-encoding

静的ファイルの読み取り時に使用されるファイルエンコーディング。

Undertow には同等の設定がありません。

max-depth

PROPFIND の最大再帰数。

これは WebDAV の設定で、WebDAV は Undertow によってサポートされません。

read-only

HTTP メソッドの記述を許可します (PUT、DELETE)。

これは WebDAV の設定で、WebDAV は Undertow によってサポートされません。

secret

WebDAV ロッキング操作のシークレット。

これは WebDAV の設定で、WebDAV は Undertow によってサポートされません。

sendfile

指定のバイトサイズよりも大きいファイルに対し、可能であれば sendfile を有効にします。

Undertow では妥当なデフォルト値に設定され、設定不可能です。

webdav

WebDAV の機能を有効にします。

WebDAV は Undertow によってサポートされません。

web SSO リソース属性

SSO の処理はこれまでのリリースとは異なり、JBoss EAP 7 には同等の属性設定がありません。

JBoss Web 属性説明Undertow での同等の属性

cache-container

クラスター化された SSO に使用するキャッシュコンテナーの名前。

この設定は Undertow では必要ありません。これは、分散されたクラスター化環境全体でデフォルトで動作します。

cache-name

クラスター化された SSO で使用するキャッシュの名前。

この設定は Undertow では必要ありません。これは、分散されたクラスター化環境全体でデフォルトで動作します。

reauthenticate

各リクエストによって再認証が行われるかどうか。

挙動が JBoss EAP 6 の reauthenticate=true 設定と似ている設定は Undertow ではありません。reauthenticate=false はパフォーマンスを向上できる可能性がありましたが、セキュリティーの問題が発生する可能性もありました。

web アクセスログ属性
JBoss Web 属性説明Undertow での同等の属性

resolve-hosts

アクセスログのホストの解決を有効にするかどうか。

コネクターの設定を使用して同じ挙動を実現します。

web コネクター属性
JBoss Web 属性説明Undertow での同等の属性

executor

このコネクターのスレッドを処理するために使用されるべきエクゼキューターの名前。

io サブシステムに定義されたワーカーを参照するようになります。

詳細は、threads サブシステム設定の移行 を参照してください。

proxy-binding

リダイレクトの送信時に使用されるホストおよびポートを定義するソケットバインディング。

直接的に同等な設定はありません。

使用可能な設定オプションについては、JBoss EAP 設定ガイドhttps-listener 属性 を参照してください。

redirect-port

セキュアなコネクターへリダイレクトするためのポート。

この属性は JBoss EAP 6 で非推奨となり、redirect-binding に置き換えられました。Undertow は、http-listener 要素上で redirect-socket 属性を提供し、これは redirect-binding の代わりとなります。

詳細は、JBoss EAP 設定ガイドhttps-listener 属性 を参照してください。