Event-Driven Ansible スタートガイド
Event-Driven Ansible の利点と使用を開始する方法の紹介
概要
はじめに
Event-Driven Ansible にご興味をお持ちいただきありがとうございます。Event-Driven Ansible は、自動化を強化および拡張する新しい方法です。チームの意思決定の自動化と、IT の速度と俊敏性の向上を支援します。
このガイドでは、Event-Driven Ansible の概念的な枠組みを説明し、Event-Driven Ansible Controller のインストールと使用に関する情報へのリンクを提供します。
多様性を受け入れるオープンソースの強化
Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、用語の置き換えは、今後の複数のリリースにわたって段階的に実施されます。詳細は、Red Hat CTO である Chris Wright のメッセージ をご覧ください。
Red Hat ドキュメントへのフィードバック (英語のみ)
このドキュメントを改善するための提案がある場合、またはエラーを見つけた場合は、テクニカルサポート (https://access.redhat.com) に連絡し、docs-product コンポーネントを使用して Ansible Automation Platform Jira プロジェクトで Issue を作成してください。
第1章 Event-Driven Ansible による自動化
Event-Driven Ansible は、イベントのソースに接続し、ルールブックを使用してそれらのイベントを操作する新しい方法です。このテクノロジーにより、IT の速度と俊敏性が向上し、一貫性と耐障害性が実現します。
1.1. Event-Driven Ansible の利点
Event-Driven Ansible は、シンプルさと柔軟性を考慮して設計されています。この機能強化により、次のことを実現できます。
- 意思決定を自動化する
- 多くのイベントソースを使用する
- 複数の IT ユースケース内で、そして複数の IT ユースケースをまたいでイベント駆動型自動化を実装する
- 効率、卓越したサービス提供、コスト削減の面で新たなマイルストーンを達成する
Event-Driven Ansible は人為的ミスを最小限に抑え、プロセスを自動化してトラブルシューティングと情報収集の効率を高めます。
このガイドでは、Event-Driven Ansible Controller の理解、インストール、使用に関する情報へのリンクを提供し、Event-Driven Ansible の使用開始を支援します。
第2章 Ansible ルールブック
Event-Driven Ansible Controller は、Event-Driven Ansible による自動化を実行するインターフェイスを提供します。Ansible ルールブックは、Event-Driven Ansible による自動化のフレームワークを提供します。Ansible ルールブックは、基本的にルールセットのコレクションです。ルールセットは 1 つ以上のソース、ルール、条件で構成されます。
2.1. 意思決定環境
Event-Driven Ansible には、デフォルトで ansible.eda コレクションが含まれています。このコレクションには、サンプルソース、イベントフィルター、ルールブックが含まれています。すべてのコレクション、Ansible ルールブック、およびそれらの依存関係は、意思決定環境を使用します。意思決定環境は、Podman または Kubernetes で実行できるイメージです。
意思決定環境では、ソース (通常、Python コード) は ansible-collections を通じて配布されます。外部イベントは、ルールブックに挿入されて処理されます。ルールブックは次の内容で構成されます。
- Python インタープリター
- Drools ルールエンジン用の Java ランタイム環境
- ansible-rulebook Python パッケージ
- ansible.eda コレクション
ベースとなる意思決定環境を使用し、追加のコレクションとコレクションの依存関係を使用することで、独自にカスタマイズした意思決定環境を構築できます。Dockerfile を使用して意思決定環境を構築することもできます。また、必要に応じて CA 証明書をイメージにデプロイできます。
2.2. ルールブックのアクション
ルールブックは、ルールがトリガーされたときに実行されるアクションを指定するものです。イベントがルールの条件に一致すると、ルールがトリガーされます。現在、次のアクションがサポートされています。
-
run_job_template
-
run_playbook
(ansible-rulebook CLI でのみサポート) -
debug
-
print_event
-
set_fact
-
post_event
-
retract_fact
-
shutdown
関連情報
- ルールブックの使用方法に関する詳細は、Event-Driven Ansible Controller ユーザーガイド を参照してください。
- Ansible ルールブックの詳細は、Ansible Rulebook ドキュメント の Rulebooks に関するセクションを参照してください。
第3章 Event-Driven Ansible Controller のインストール
Automation Controller および Automation Hub コンポーネントと同様に、Event-Driven Ansible Controller のセットアップには、インベントリーファイル内の特定変数のデフォルト設定が含まれます。
Event-Driven Ansible Controller は別のサーバーにインストールする必要があります。Automation Hub および Automation Controller と同じホストにインストールすることはできません。
Red Hat Enterprise Linux 8 を実行していてメモリー制限を設定したい場合は、Event-Driven Ansible をインストールする前に cgroup v2 を有効にする必要があります。具体的な手順については、Knowledge-Centered Support (KCS) のソリューション記事 Ansible Automation Platform Event-Driven Ansible controller for Red Hat Enterprise Linux 8 requires cgroupv2 を参照してください。
3.1. Red Hat Ansible Automation Platform への Event-Driven Ansible Controller のインストール
Event-Driven Ansible Controller のインストールを準備するには、Red Hat Ansible Automation Platform 計画ガイド で以下の情報を確認してください。
Event-Driven Ansible Controller をインストールする準備ができたら、Red Hat Ansible Automation Platform インストールガイド の 第 3 章 章の手順を参照してください。Red Hat Ansible Automation Platform のインストール 以降の手順を参照してください。
最後に、Appendix A.5.Event-Driven Ansible Controller の変数 を参照し、Event-Driven Ansible Controller の事前定義変数を確認してください。
3.2. OpenShift Container Platform の Ansible Automation Platform Operator を使用した Event-Driven Ansible Controller のデプロイ
Event-Driven Ansible は、VM 上の Ansible Automation Platform に限られたものではありません。この機能には、OpenShift Container Platform 上の Ansible Automation Platform Operator でアクセスすることもできます。Ansible Automation Platform Operator を使用して Event-Driven Ansible を デプロイするには、OpenShift Container Platform の Ansible Automation Platform Operator を使用した Event-Driven Ansible Controller のデプロイ の手順に従います。
正常にデプロイすると、イベントソースに接続し、問題をより効率的に解決できるようになります。
関連情報
- 計画の詳細は、Red Hat Ansible Automation Platform 計画ガイド を参照してください。
- Event-Driven Ansible Controller の定義済み変数の包括的な一覧は、Red Hat Ansible Automation Platform インストールガイド を参照してください。
- Ansible Automation Platform Operator へのデプロイの詳細は、Red Hat Ansible Automation Platform Operator の OpenShift Container Platform へのデプロイガイドを参照してください。
第4章 Event-Driven Ansible Controller の使用
Event-Driven Ansible Controller を正常にインストールしたら、インターフェイスにアクセスして、すべてのイベントソースに対する IT の対応を管理できるようになります。Event-Driven Ansible Controller は Automation Controller と統合されているため、問題の修復、ユーザー管理タスク、運用ロジックなどのプロセスを組み合わせて自動化できます。
4.1. Event-Driven Ansible Controller のタスク
Event-Driven Ansible Controller は、ユーザーのロールに応じて、次のタスクに使用できます。
- 新しいプロジェクトの設定
- 新しい意思決定環境の設定
- 新しい認証トークンの作成
- ルールブックアクティベーションの設定
次のステップ
- Event-Driven Ansible Controller の使用方法の詳細は、Event-Driven Ansible Controller ユーザーガイド を参照してください。