第3章 オーバークラウドの更新

アンダークラウドを更新したら、オーバークラウドとコンテナーイメージの準備コマンドを実行し、ノードを更新することで、オーバークラウドを更新できます。コントロールプレーン API は、マイナー更新中もすべて利用できます。

前提条件

  • アンダークラウドノードが最新バージョンに更新されている。詳細は、2章アンダークラウドの更新 を参照してください。
  • stack ユーザーのホームディレクトリーでコアテンプレートのローカルセットを使用する場合は、テンプレートを更新し、Red Hat OpenStack Platform デプロイメントのカスタマイズ ガイドの heat テンプレートについて で推奨されるワークフローを使用してください。オーバークラウドをアップグレードする前に、ローカルコピーを更新する必要があります。
  • GlanceApiInternal サービスをコントローラーロールに追加します。

    OS::TripleO::Services::GlanceApiInternal

    これは、Image サービス (glance) API の内部インスタンスのサービスで、位置データを管理者や、Block Storage サービス (cinder) や Compute サービス (nova) などの位置データを必要とする他のサービスに提供します。

手順

オーバークラウドを更新するには、次の手順を実行する必要があります。

3.1. オーバークラウドの更新準備タスクの実施

更新プロセスに向けてオーバークラウドを準備するには、openstack overcloud update prepare コマンドを実行する必要があります。このコマンドは、オーバークラウドプランを Red Hat Open Stack Platform (RHOSP) 17.1 に更新して、更新用にノードを準備します。

前提条件

  • Ceph のサブスクリプションを使用し、Ceph ストレージノード用に overcloud-minimal イメージを使用するように director を設定している場合、roles_data.yaml ロール定義ファイルで rhsm_enforce パラメーターが False に設定されていることを確認する。
  • カスタム NIC テンプレートをレンダリングした場合は、オーバークラウドのバージョンとの非互換性を回避するために、openstack-tripleo-heat-templates コレクションの更新バージョンでテンプレートを再生成する。カスタム NIC テンプレートの詳細は、director を使用した Red Hat OpenStack Platform のインストールと管理 ガイドの カスタムネットワークインターフェイステンプレートの定義 を参照してください。
注記

OVN デプロイメントを使用する分散コンピュートノード (エッジ) アーキテクチャーの場合は、すべてのオーバークラウドサーバーでの ovn-controller コンテナーの更新 セクションに進む前に、Compute、DistributedCompute、または DistributedComputeHCI ノードを含むスタックごとにこの手順を完了する必要があります。

手順

  1. アンダークラウドホストに stack ユーザーとしてログインします。
  2. stackrc アンダークラウド認証情報ファイルを入手します。

    $ source ~/stackrc
  3. 更新準備コマンドを実行します。

    $ openstack overcloud update prepare \
        --templates \
        --stack <stack_name> \
        -r <roles_data_file> \
        -n <network_data_file> \
        -e <environment_file> \
        -e <environment_file> \
        ...

    以下のオプションの中で、お使いの環境に適切なオプションを追加します。

    • オーバークラウドスタックの名前がデフォルトの名前 overcloud とは異なる場合は、更新の準備コマンドに --stack オプションを追加し、<stack_name> を実際のスタック名に置き換えます。
    • 独自のカスタムロールを使用する場合は、-r オプションを使用してカスタムロール (<roles_data_file>) ファイルを含めます。
    • カスタムネットワークを使用する場合は、-n オプションを使用して、設定可能なネットワークを (<network_data_file>) ファイルに含めます。
    • 高可用性クラスターをデプロイする場合は、更新の準備コマンドに --ntp-server オプションを追加するか、環境ファイルに NtpServer パラメーターおよび値を追加します。
    • -e オプションを使用して、カスタム設定環境ファイルを含めます。
  4. 更新の準備プロセスが完了するまで待ちます。