サブスクリプションサービスのスタートガイド
概要
Red Hat ドキュメントへのフィードバック
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手順
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ドキュメントの問題に関するチケットが作成され、適切なドキュメントチームに転送されます。フィードバックをご提供いただきありがとうございました。
パート I. サブスクリプションサービスについて
Hybrid Cloud Console のサブスクリプションサービスは、ダッシュボードベースのアプリケーションでハイブリッドインフラストラクチャー全体のサブスクリプションエクスペリエンスを視覚的に表示します。サブスクリプションサービスは、サブスクリプションの操作方法を簡素化し、サブスクリプションの使用状況を過去に遡って検索する機能だけでなく、その使用状況と残りのサブスクリプションの容量をもとに前もって情報に基づいた意思決定ができるようにします。
サブスクリプションサービスの 2021 年 4 月のリリースには、サブスクリプションサービスへのアクセス方法に関する以下の変更が含まれています。
- サブスクリプション監視ツールには新しい名前が付けられており、現在はサブスクリプションサービスとして知られています。
- cloud.redhat.com における Hybrid Cloud Console の主なナビゲーションが再設計されました。サブスクリプションサービスは、このサービスが動作する個別の製品ポートフォリオ、Red Hat Enterprise Linux および Red Hat OpenShift、Red Hat Cloud Services のナビゲーションツリー内で再配置されました。サブスクリプションサービスによって生成される製品ページビューは、サブスクリプション サブメニューにあります。この サブスクリプション サブメニューには、サブスクリプションサービスと直接関係のないその他のサブスクリプション関連のページが含まれる場合があります。
詳細情報
サブスクリプションサービスの詳細は、以下を参照してください。
サブスクリプションサービスが提供する利点の詳細は、以下を参照してください。
サブスクリプションサービスの現在の機能の詳細は、以下を参照してください。
第1章 サブスクリプションサービスの概要
サブスクリプションサービスは、ハイブリッドインフラストラクチャーの構成要素全体を対象とした、サブスクリプションの使用状況に関するレポートを提供します。これには、物理および仮想テクノロジーのデプロイメント、オンプレミスおよびクラウド環境、一部の Red Hat 製品ポートフォリオのクラスター、インスタンス、およびワークロードのユースケースが含まれます。
現在、サブスクリプションサービスは次の製品ポートフォリオをサポートしています。
- 物理、仮想、ハイパーバイザー、およびパブリッククラウドベースの使用に関する Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションの使用情報の統合レポート。この統合レポートモデルにより、お客様の購入契約およびデプロイメントタイプで RHEL サブスクリプションを消費、追跡、報告、および調整する機能が強化されます。
- Red Hat OpenShift Container Platform サブスクリプションの使用状況について情報のレポート。サブスクリプションサービスは、Red Hat OpenShift レポートツールからのデータに加えて、Red Hat 内部サブスクリプションサービスで利用可能なデータを使用して、さまざまな Red Hat OpenShift サブスクリプションタイプのコンテキストで集約されたクラスター使用状況データを表示します。
- Red Hat Cloud Services サブスクリプションの使用状況のレポート。また、サブスクリプションサービスは、Red Hat OpenShift レポートツールで利用可能なデータを使用して、これらのサービスの使用状況を表示します。これらのサービスはリソースを異なる方法で消費するため、使用状況の追跡は製品ごとに異なる場合があります。一般に、使用状況は、ワークロードアクティビティーのデータ転送とデータストレージ、コントロールプレーンリソースの消費量のインスタンスの可用性など、1 つ以上のメトリクスの組み合わせとして表すことができます。使用状況は、仮想コアのクラスター使用状況データとして表すこともできます。
簡素化されたサブスクリプションレポートエクスペリエンスは、すべてのデプロイメントおよびプログラムの合計インベントリーと比較すると、アカウント全体としての Red Hat サブスクリプションが表示されます。これは、サブスクリプションのしきい値に対するお客様のアカウントの残りのサブスクリプション容量と、お客様のソフトウェア使用の履歴の両方が一目でわかるようになっています。
サブスクリプションサービスでは、お客様のサブスクリプションの使用状況をより詳細かつ継続的に確認することができます。これを導入することで、現在のサブスクリプションのコンテンツ実施モデルが抱える課題から脱却できる資格を得られる可能性があります。以前のモデルは、エラーが発生しやすく、運用のワークロードに関する要件に対応するには不都合な場合がありましたが、この新しいコンテンツアクセスと利用モデルではコンテンツのデプロイに対する障壁が少なくなります。この Simple Content Access ツールを使用することで、この新しいモデルへの移行が可能になります。
これらのサービスのどちらも使用しないか、どちらか、または両方を使用するかを選択できます。しかし、サブスクリプションサービスと Simple Content Access は、補完的なサービスとして設計されており、併用することで最高の機能を発揮します。Simple Content Access は、コンテンツをより柔軟に利用できるようにすることで、サブスクリプションサービスを簡素化します。サブスクリプションサービスは、サブスクリプションプロファイル全体の使用状況をアカウント全体で可視化し、この柔軟なコンテンツ消費にガバナンス機能を追加します。
Simple Content Access ツールの詳細や、サブスクリプションサービスでの使用量については、Simple Content Access スタートガイド をご参照ください。
2021 年 4 月の時点で、Simple Content Access が、Red Hat Satellite または Red Hat サブスクリプション管理でサブスクリプションを管理しているお客様に提供されるようになりました。以前のリリースでは、Simple Content Access は、Satellite をご利用のお客様のみに提供されていました。また、Simple Content Access が初期開発段階にあった以前は、Simple Content Access をご利用できるのは特定の地理的地域に限定されていましたが、それが今回解放されました。すべての地域のお客様が、Simple Content Access を利用できるようになりました。
第2章 サブスクリプションサービスの利点
サブスクリプションサービスには、以下のメリットがあります。
- 統合されたインベントリー内で、選択した Red Hat 製品の使用状況および容量をフリートまたはアカウントレベルで追跡し、cloud.redhat.com の理解でき、フィルタリングできる形式のダッシュボードでそのデータを日次のスナップショットとして提供します。
- セルフガバナンスのために経時的にデータを追跡して、情報をもとに購入および更新の意思決定や継続的な容量プランニングを行い、高リスクのシナリオを減らせるように分析を行います。
- また、ポートフォリオを中心としたレポートダッシュボードでは、組織全体のイベントリーを占有するサブスクリプションと現在のサブスクリプションの上限を表示し、調達担当者がデータに基づいた選択を行えるようにします。
- 堅牢なレポート機能により、システムレベルでの数量管理ではなく、より広範な組織レベルでのサブスクリプションの実施を特徴とする Simple Content Access ツールへの移行が可能になります。
第3章 サブスクリプションサービスが追跡する機能
現在、サブスクリプションサービスは Red Hat Enterprise Linux、一部の Red Hat OpenShift 製品、および一部の Red Hat Cloud Services サービスの使用状況に関する情報を追跡して報告します。
サブスクリプションサービスは、Stock Keeping Unit (SKU) を通じてサブスクリプションを識別します。一部の Red Hat SKU のみがサブスクリプションサービスによって追跡されます。製品の使用状況レポートでは、アカウント内で追跡されている SKU が、その製品の最大容量情報 (サブスクリプションしきい値とも呼ばれます) に寄与します。
追跡されない SKU については、サブスクリプションサービスはソースコード内に明示的な拒否リストを保持しています。追跡されない SKU の詳細を確認するには、コードリポジトリーでこの拒否リストを表示します。
3.1. Red Hat Enterprise Linux
サブスクリプションサービスは、物理システム、仮想システム、ハイパーバイザー、パブリッククラウド上の RHEL 年間サブスクリプションの使用状況を追跡します。一部のサブスクリプションのサブセット (現時点では Amazon Web Services (AWS) 上の Red Hat Enterprise Linux Extended Life Cycle Support アドオン) では、パブリッククラウドプロバイダーで実行されているインスタンスについて、RHEL の従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの使用状況を追跡します。
RHEL インストールで証明書ベースのサブスクリプション管理が事前に設定されている場合には、サブスクリプションサービスではそのインベントリーは追跡されません。
3.1.1. 従来の年間サブスクリプションの RHEL
サブスクリプションサービスは、次のようにソケット単位で RHEL の使用状況を追跡します。
- RHEL の物理的な使用量を CPU ソケット単位で追跡します。使用量はソケットペア単位でカウントされます。
- 仮想化された RHEL を、検出可能なハイパーバイザー管理がない標準ゲストサブスクリプションのインストール済みソケット数で追跡します。この場合、1 つの仮想マシンが 1 つのソケットに相当します。
- 仮想データセンター (VDC) サブスクリプションおよび同様の仮想化環境を対象に、ハイパーバイザー RHEL の使用量を、ソケットペア方式を使用して CPU ソケット単位で追跡します。RHEL ベースのハイパーバイザーは、ハイパーバイザーの実行に使用される RHEL のコピーと、仮想ゲスト用の RHEL のコピーの両方がカウントの対象です。RHEL ベースではないハイパーバイザーは、仮想ゲスト用の RHEL のコピーがカウントの対象です。
- パブリッククラウド RHEL インスタンスの使用量をソケット単位で追跡します。この場合、1 つのインスタンスが 1 つのソケットに相当します。
- さらに、Red Hat Satellite を追跡して、Satellite にバンドルされている RHEL の可視性を有効にします。
3.1.2. 従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションの RHEL
サブスクリプションサービスは、次のように、仮想 CPU 時間単位で従量制の RHEL を追跡します。
- 従量課金制オンデマンド型のインスタンスの使用状況を仮想 CPU 時間単位で追跡します。仮想 CPU 時間とは、1 つの仮想コア (サブスクリプション条件で定義) における合計 1 時間の計算活動への使用可能率を、使用するメーターの粒度に合わせて測定したものです。RHEL 従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの使用量の場合、計算活動への使用可能率は、RHEL インスタンスの経時的な使用可能率です。
現時点では、Extended Life Cycle Support アドオンを備えた Red Hat Enterprise Linux for Third Party Linux Migration が、サブスクリプションサービスによって追跡される唯一の RHEL 従量課金制オンデマンド型サブスクリプションオファリングです。
サブスクリプションサービスは、最終的にアカウント内のすべてのインスタンスの仮想 CPU 時間データを月ごとの合計値に集計します。これは、クラウドプロバイダーマーケットプレイスの課金サービスで使用される時間の単位です。
3.2. Red Hat OpenShift
通常、サブスクリプションサービスでは、Red Hat OpenShift の使用状況を物理システムおよび仮想システム上のクラスターサイズとして追跡します。クラスターサイズ は、サブスクライブしたすべてのノードの合計となります。サブスクライブされたノード は、ワークロードを実行するコンピュートノードまたはワーカーノードであり、クラスターを管理するコントロールプレーンまたはインフラストラクチャーノードとは異なります。
ただし、この一般的なルール以外に、追跡はいくつかの要因に依存しています。
- Red Hat OpenShift 製品
- 対象製品に対して購入されたサブスクリプションの種類
- 対象製品のバージョン
- サブスクリプションで定義された製品の測定単位に従って、製品のクラスターサイズや全体の使用量を計算し、その結果として示される測定単位
- ノードの構造 (ノードのロールの割り当てに使用されるラベルや、ノード上の Pod の配置を制御するためのスケジューリングの設定など)
3.2.1. Red Hat OpenShift トラッキングに対するさまざまな要因の影響
サブスクリプションサービスは、物理環境と仮想化環境の両方で、完全に管理された Red Hat OpenShift 製品とセルフマネージド Red Hat OpenShift 製品の使用状況を追跡し、レポートします。Red Hat OpenShift メジャーバージョン 3 と 4 の間でレポートモデルが変更されたため、バージョン 3 の使用状況データはノードレベルでレポートされ、バージョン 4 の使用状況データはクラスターレベルでレポートおよび集計されます。次の情報は、データがクラスターレベルで集約されたバージョン 4 のレポートモデルに適しています。
Red Hat OpenShift の使用状況をカウントする操作の多くは、モニタリングスタックツールと OpenShift Cluster Manager で行われます。これらのツールは、必要に応じてコア数または vCPU 数のデータをサブスクリプションサービスに送信し、使用状況レポートを作成します。コアと vCPU のデータは、ワークロードを処理しているクラスターノードから取得されるサブスクライブされたクラスターサイズに基づいています。
Red Hat OpenShift Dedicated や Red Hat OpenShift AI などの完全に管理された Red Hat OpenShift 製品の場合、使用量のカウントは通常、コア時間や vCPU 時間などの単位で測定され、時間ベースで行われます。モニタリングスタックツールや OpenShift Cluster Manager など、Red Hat が管理する環境のインフラストラクチャーは、Red Hat にとってより一貫して利用可能になります。サブスクライブされたノード (ワークロードを受け入れることができるノード) のデータは、サブスクリプションサービスの使用状況データに寄与するコア、vCPU、その他のファクトに関するデータと同様に、簡単に検出できます。
Red Hat OpenShift Container Platform Annual や Red Hat OpenShift Container Platform On-Demand などのセルフマネージド Red Hat OpenShift 製品の場合、使用量のカウントは通常コア数に基づいて行われます。お客様が設計した環境のインフラストラクチャーは予測しにくく、特に仮想化された x86 ベースの環境では、使用量の計算に関連するファクトにアクセスしにくい場合があります。
ファクトによってはアクセスしにくい可能性があるため、使用状況のカウントプロセスには、x86 アーキテクチャー用の仮想化された Red Hat OpenShift クラスターの使用状況データを分析およびレポートするときに適用される同時マルチスレッド (ハイパースレッディングとも呼ばれる) に関する前提を考慮しています。一部のベンダーは同時マルチスレッドに関するデータをゲストに公開しないハイパーバイザーを提供しているため、これらの前提が必要になります。
継続的な分析とお客様からのフィードバックにより、サブスクリプションサービスと関連データパイプラインの両方が段階的に改善され、ハイパースレッディングの使用例における使用状況のカウント精度が向上しました。サブスクリプションサービスのレポートで現在使用されている基本的な前提は、同時マルチスレッドがコアあたり 2 スレッドの係数で発生するというものです。社内調査により、この要素は最も一般的な設定であり、大多数のお客様に適用可能であることが分かりました。したがって、コアあたり 2 つのスレッドを想定した場合、一般的なマルチスレッドのベストプラクティスに従い、マルチスレッドを使用していない少数のお客様 (約 10%) に有利になっていますが、これは誤りです。確認されたスレッド数からコア数を導き出す場合、すべてのお客様にとって最も公平な決定となります。
数に限りはありますが、セルフマネージド Red Hat OpenShift サービスがソケットベースのサブスクリプションとして利用できます。ソケットベースのサブスクリプションの場合、ハイパーバイザーはソケットの数をオペレーティングシステム (通常は Red Hat Enterprise Linux CoreOS) に報告し、使用状況を追跡するためにそのソケット数がサブスクリプションサービスに送信されます。サブスクリプションサービスは、RHEL で使用されるソケットペア方式を使用して、ソケットベースのサブスクリプションを追跡および報告します。
3.2.2. セルフマネージド Red Hat OpenShift 製品のコアベースの使用量カウントワークフロー
Red Hat OpenShift Container Platform Annual や Red Hat OpenShift Container Platform On-Demand などのセルフマネージド Red Hat OpenShift 製品の場合、モニタリングスタックツールと OpenShift Cluster Manager によって開始されるカウントプロセスは次のように機能します。
- クラスターの場合、ノードタイプとノードラベルがチェックされ、どのノードがサブスクリプションのあるノードであるかが判別されます。サブスクリプションのあるノード は、ワークロードを受け入れることができるノードです。サブスクリプションのあるノードのみが、サブスクリプションサービスの使用状況にカウントされます。
ノードのチップアーキテクチャーは、アーキテクチャーが x86 ベースであるかどうかを判別するためにチェックされます。アーキテクチャーが x86 ベースの場合、使用状況のカウント中に同時マルチスレッド (ハイパースレッディングとも呼ばれます) を考慮する必要があります。
- チップアーキテクチャーが x86 ベースでない場合、モニタリングスタックが、サブスクリプションのあるノードに紐づけられたコアをもとに使用状況をカウントし、そのコア数をサブスクリプションサービスに送信します。
- チップアーキテクチャーが x86 ベースの場合、モニタリングスタックは、サブスクリプションのあるノード上のスレッド数をもとに、使用量をカウントします。Red Hat の vCPU の定義によれば、スレッドは vCPU に相当します。マルチスレッドデータを正確に検出できる場合、マルチスレッドデータがあいまいまたは欠落している場合、またはマルチスレッドデータがノード上で明示的に false の値に設定されている場合にも、このカウントの方法が適用されます。マルチスレッド化の係数が 2 であるという全体的な仮定に基づいて、スレッド数を 2 で割ってコア数を決定します。その後、コア数はサブスクリプションサービスに送信されます。
3.2.3. サブスクライブしたクラスターサイズ (クラスターサイズ合計との比較) の理解
Red Hat OpenShift の場合、サブスクリプションサービスはクラスターとクラスター内のノードの合計サイズのみに焦点を当てているわけではありません。サブスクリプションサービスは、クラスターのサブスクライブされた部分、つまりワークロードを処理しているクラスターノードに焦点を当てます。したがって、サブスクリプションサービスのレポートは、クラスター全体のサイズではなく、サブスクライブされたクラスターサイズ に関するものです。
3.2.4. サブスクライブされたクラスターサイズの決定
データ収集ツールとサブスクリプションサービスは、サブスクライブされたクラスターサイズを決定するため、ノードタイプとノードラベルの両方を調べます。サブスクリプションサービスはこのデータを使用して、ワークロードを受け入れるノードを決定します。すべての非インフラストラクチャーノードとスケジュール可能なマスターノードの合計が、ワークロードに使用できるとみなされます。ワークロードに使用できるノードは、サブスクライブされたノードとしてカウントされ、サブスクライブされたクラスターサイズにカウントされ、サブスクリプションサービスの使用状況レポートに表示されます。
次の情報は、ノードラベルがノードの可算性にどのように影響し、さらにサブスクライブされたクラスターサイズに影響を与えるかについて詳細に説明します。内部環境と顧客環境の両方を分析すると、これらのラベルとラベルの組み合わせが顧客の設定の大部分を表していることがわかります。
ノードラベル | 使用量のカウント | 例外 |
---|---|---|
worker | はい | ワーカーラベルとインフララベルの組み合わせがない場合のみ |
worker + infra | いいえ | 注記 を参照してください。 |
custom label | はい | カスタムラベルとマスター、インフラ、またはコントロールプレーンのラベルの組み合わせがある場合を除く |
custom label + master, infra, control plane (任意の組み合わせ) | いいえ | |
master + infra + control plane (任意の組み合わせ) | いいえ | マスターラベルが存在し、さらに ノードがスケジュール可能としてマークされている場合を除く |
schedulable master + infra, control plane (任意の組み合わせ) | はい |
Red Hat OpenShift モニタリングスタックツールの既知の問題により、Red Hat OpenShift Container Platform バージョン 4.12 より前のバージョンでは予期しないコア数が発生する可能性があります。これらのバージョンでは、ワーカーノードの数を人為的に増やすことができます。
OpenShift Container Platform バージョン 4.12 より前のバージョンでは、Machine Config Operator はノード上のインフラとワーカーロールの二重割り当てをサポートしていません。OpenShift Container Platform では、サブスクライブされたノードのカウントの原則に従ってワーカーノードのカウントが正しく行われ、このカウントは OpenShift Container Platform Web コンソールに正しく表示されます。
ただし、モニタリングスタックツールがこのデータを分析し、Hybrid Cloud Console のサブスクリプションサービスやその他のサービスに送信すると、Machine Config Operator は二重のロールを無視し、ノードのロールをワーカーに設定します。したがって、サブスクリプションサービスと OpenShift Cluster Manager ではワーカーノードの数が増加します。
3.2.5. 従来の年間サブスクリプションがある Red Hat OpenShift Container Platform
サブスクリプションサービスは、クラスターの CPU コアまたはソケット別で Red Hat OpenShift Container Platform の使用状況を追跡し、以下のバージョンサポートによって改良されているように、このデータをアカウントビューに集約します。
- RHOCP 4.1 以降で、Red Hat Enterprise Linux CoreOS ベースのノード、または Red Hat Enterprise Linux CoreOS と RHEL ベースのノードの混合環境
- RHOCP 3.11
RHOCP サブスクリプションの使用については、メジャーバージョン 3 とバージョン 4 の間でレポートモデルに変更がありました。バージョン 3 はノードレベルで、バージョン 4 はクラスターレベルでの使用を想定しています。
RHOCP メジャーバージョンのレポートモデルに相違点があるため、Cloud Services プラットフォームのサブスクリプションサービスと関連サービスの使用量の計算方法にも若干の違いがあります。RHOCP バージョン 4 の場合、サブスクリプションサービスは、サブスクライブされたクラスターサイズの決定 で説明されているように、ノードタイプとノードラベルを検査するルールに従って、サブスクライブされたクラスターサイズを計算します。サブスクリプションサービスは、オーバーヘッドタスクを実行し、ワークロードを受け入れないクラスターの部分を認識し、無視します。サブスクリプションサービスは、ワークロードを受け入れるクラスターの部分のみを認識し、追跡します。
ただし、RHOCP バージョン 3.11 の場合、バージョン 3 のレポートモデルは、オーバーヘッドタスクを実行し、ワークロードを受け入れないクラスターの部分を区別できないため、レポートモデルはサブスクライブされたノードとサブスクライブされていないノードを見つけることができません。したがって、RHOCP バージョン 3.11 では、サブスクリプションサービスが報告するサブスクリプションデータの約 15% が、インフラストラクチャー関連のタスクを実行するサブスクライブされていないノードのオーバーヘッドであると想定できます。この割合は、RHOCP バージョン 3 のインストールにおけるクラスターのオーバーヘッドの分析に基づいています。この特定のケースでは、最大 15 % の容量超過を示す使用結果があっても、コンプライアンスに準拠している可能性が高いです。
3.2.6. 従量課金オンデマンド型サブスクリプションがある Red Hat OpenShift Container Platform または Red Hat OpenShift Dedicated
- RHOCP または OpenShift Dedicated 4.7 以降
サブスクリプションサービスは、RHOCP または OpenShift Dedicated 4.7 以降の使用量は、従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションからコア時間 (一定期間における CPU コアのクラスターサイズの測定値) で追跡します。OpenShift Dedicated オンデマンド型サブスクリプションの場合は、コントロールプレーンリソースの消費量 (サービスインスタンスの可用性) がインスタンス時間で追跡されます。サブスクリプションサービスは、最終的にアカウント内のすべてのクラスターコア時間とインスタンス時間のデータを月ごとの合計値に集計します。これは、Red Hat Marketplace の課金サービスで使用される時間の単位です。
RHOCP 4.1 以降の情報に記載されているように、サブスクリプションサービスは、コンピュートノード (一般にワーカーノードとも呼ばれる) を含むクラスターの一部のみを認識し、追跡します。
3.2.7. AWS Hosted Control Plane 上の Red Hat OpenShift サービス (プリペイドおよびオンデマンドサブスクリプション付き)
サブスクリプションサービスは、前払いプラスオンデマンドサブスクリプションからの Red Hat OpenShift Service on AWS Hosted Control Plane (ROSA Hosted Control Plane) の使用状況を vCPU 時間とコントロールプレーン時間で追跡します。
- 仮想 CPU 時間 とは、1 つの仮想コア (サブスクリプション条件で定義) における合計 1 時間の計算活動への使用可能率を、使用するメーターの粒度に合わせて測定したものです。ROSA Hosted Control Plane の場合、計算アクティビティーの可用性は、時間の経過に伴う ROSA Hosted Control Plane にサブスクライブされたクラスターの仮想 CPU の可用性です。サブスクライブされたクラスターは、サブスクライブされたノード (非インフラストラクチャーノードと、該当する場合はワークロードに使用できるスケジュール可能なマスターノード) で構成されます。ROSA Hosted Control Plane の場合、この測定を使用する他の製品とは異なり、スケジュール可能なマスターノードは該当しない点に注意してください。サブスクライブされたクラスターのワークロード実行に使用できる vCPU は、vCPU 時間カウントに加算されます。
- コントロールプレーンの時間は、コントロールプレーンの可用性の測定値です。ROSA Hosted Control Plane では、各クラスターに専用のコントロールプレーンがあり、Red Hat が所有する ROSA Hosted Control Plane サービスアカウントで分離されています。
3.3. Red Hat Cloud Services
Red Hat Cloud Services ポートフォリオのサービスは、各種ワークロードの処理中にさまざまな種類のリソースを消費するため、サブスクリプションサービスはこれらのサービスの使用状況をさまざまな方法で追跡します。
3.3.1. 従量課金制のオンデマンドサブスクリプションを備えた Red Hat OpenShift AI
サブスクリプションサービスは、Red Hat OpenShift AI (RHOAI) を仮想 CPU 時間単位で追跡します。仮想 CPU 時間とは、1 つの仮想コア (サブスクリプション条件で定義) における合計 1 時間の計算活動への使用可能率を、使用するメーターの粒度に合わせて測定したものです。RHOAI の従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの使用の場合、計算活動への使用可能率は、クラスターの経時的な使用可能率です。
サブスクリプションサービスは、最終的にアカウント内のすべてのクラスター vCPU 時間データを月ごとの合計値に集計します。これは、クラウドプロバイダーマーケットプレイスの課金サービスで使用される時間の単位です。
3.3.2. 従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションの Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes
サブスクリプションサービスは、Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes (RHACS) を仮想 CPU 時間単位で追跡します。仮想 CPU 時間とは、1 つの仮想コア (サブスクリプション条件で定義) における合計 1 時間の計算活動への使用可能率を、使用するメーターの粒度に合わせて測定したものです。RHACS の従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの使用の場合、計算活動への使用可能率は、クラスターの経時的な使用可能率です。
サブスクリプションサービスは、すべてのクラスターの vCPU 時間データを集約し、RHACS が実行されている各クラスターのデータを合計して、クラウドプロバイダーマーケットプレイスの課金サービスで使用される時間単位である月次合計を算出します。
関連情報
- サブスクリプションサービス拒否リストの目的の詳細は、記事 What subscriptions (SKUs) are included in Subscription Usage? を参照してください。
- リスト内の特定の SKU を含む、サブスクリプションサービス拒否リストの内容の詳細は、GitHub の deny list source code を参照してください。
パート II. 要件とお客様の責任
サブスクリプションサービスをご利用になる前に、ハードウェアおよびソフトウェアの要件と、サービスを利用する際の責任についてご確認ください。
詳細情報
サブスクリプションサービスを利用するための一般的な要件を確認します。
サブスクリプションの使用状況に関するデータをサブスクリプションサービスに提供するために使用しなければならないツールに関する情報を確認します。
サブスクリプション属性を正しく設定して、サブスクリプションサービスの表示結果を改善することができます。
サブスクリプションサービスをご利用になる際にお客様の責任についてご確認ください。
第4章 要件
サブスクリプションサービスの利用を開始するには、以下のソフトウェア要件を満たす必要があります。これらの要件の詳細は、Red Hat アカウントチームにお問い合わせください。
4.1. Red Hat Enterprise Linux
Red Hat Enterprise Linux の管理には、以下の要件のうち少なくとも 1 つを満たす必要があります。
Satellite が管理する RHEL。
- Satellite の最小バージョンは 6.9 以降 (フルサポートされているバージョン)
- Red Hat Insights が管理する RHEL。
- Red Hat Subscription Management によって管理される RHEL。
- 従量課金制オンデマンド型サブスクリプション付きの Extended Life Cycle Support アドオンを備えた Red Hat Enterprise Linux for Third Party Linux Migration を使用する場合は、Hybrid Cloud Console でクラウドプロバイダーと Cost Management Service の間のクラウドインテグレーションの設定。
4.2. Red Hat OpenShift
Red Hat OpenShift の管理には、製品バージョンとサブスクリプションタイプに基づき、以下の要件を満たす必要があります。
年間サブスクリプションのある Red Hat OpenShift Container Platform
- モニタリングスタックツールと OpenShift Cluster Manager が管理するバージョン 4.1 以降の RHOCP。
- Insights、Satellite、または Red Hat サブスクリプション管理が管理する RHEL ノードのある RHOCP バージョン 3.11。
従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションの RHOCP
- モニタリングスタックツールと OpenShift Cluster Manager が管理するバージョン 4.7 以降の RHOCP。
従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションの Red Hat OpenShift Dedicated
- OpenShift Dedicated のバージョン 4.7 以降。OpenShift Dedicated では、モニタリングスタックツールと OpenShift Cluster Manager が常に使用されています。
4.3. Red Hat Cloud Services
Red Hat Cloud Services ポートフォリオには、Red Hat インフラストラクチャーに依存する管理サービスが含まれます。そのインフラストラクチャーの一部には、Red Hat OpenShift モニタリングスタックツールが含まれており、他のジョブの中でも、サブスクリプションサービスのサブスクリプションの使用状況に関するデータを提供します。
Red Hat Cloud Services ポートフォリオのサービスの一部は、Red Hat OpenShift モニタリングスタックツールによって収集され、サブスクリプションサービスに表示されるデータとは独立した、独自の使用状況データを収集して表示される場合があります。これらのサービスレベルダッシュボードに表示されるデータは、個別のクラスター、インスタンスなどの所有者のニーズに合わせて設計されています。ただし、モニタリングスタックツールによって提供される Red Hat OpenShift プラットフォームのコア機能は、通常、サブスクリプションサービスで使用されるデータを収集して処理します。
以下のサービスでは、監視スタックツールのユーザー設定は必要ありません。
- 従量課金制のオンデマンドサブスクリプションを備えた Red Hat OpenShift AI
- 従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションの Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes
第5章 データ収集ツールを正しく選ぶ方法
サブスクリプションの使用状況に関するデータを表示するために、サブスクリプションサービスでは、データを取得するためのデータ収集ツールが必要です。さまざまなデータ収集ツールには、固有の特徴があり、それに応じて特定の環境下で効果を発揮します。
お使いの環境で、データ収集ツールを複数実行しておく必要がある場合があります。複数のデータ収集ツールが Cloud Services プラットフォームのサービスにデータを供給している場合には、このデータを処理するツールは、さまざまなデータ収集ツールからの情報を分析し、標準化された事実 (カノニカルファクト) に重複排除することができます。
以下の情報は、お客様の環境に最適なデータ収集ツールを決定する際の参考になります。
5.1. Red Hat Insights
Insight は、データ収集ツールで、常時接続されているお客様に最適です。このプロフィールに当てはまる方は、データ収集ツールとしてだけでなく、分析、脅威の特定、修復、レポート機能を提供するソリューションとして Insights を使用することをおすすめします。
バージョン 8 以降のすべての Red Hat Enterprise Linux のサブスクリプションに Insights が含まれ、2021 年 4 月には Red Hat Insights for Red Hat OpenShift が提供されるようになり、データ収集ツールとして Insights を使用することがさらに便利になります。
しかし、データ収集ツールとして Insights を使用することは、Insights エージェントが cloud.redhat.com の Web サイトに直接接続できない場合や、Red Hat Satellite をその接続のプロキシーとして使用できない場合には、理想的ではありません。また、仮想データセンター (VDC) などの仮想化環境でハイパーバイザーのホスト-ゲストマッピングが必要な場合に、唯一のソリューションとして使用することはできません。その場合、Insights は Satellite と合わせて使用する必要があります。
5.2. Red Hat Subscription Management
Red Hat Subscription Management は、Red Hat カスタマーポータルで Red Hat Subscription Management にデータを送信するのに Subscription Manager エージェントを使用し、接続環境でご利用のお客様に理想的なデータ収集ツールです。
サブスクリプションサービスを使用しているお客様の場合、Red Hat Subscription Management はそのデータを Cloud Services プラットフォームツールと自動的に同期します。そのため、RHEL 7 以降のように Red Hat Subscription Management が使用されている、または必要とされている状況では、データ収集ツールとして使用されています。
5.3. Red Hat Satellite
データ収集ツールとしての Satellite の使用は、データ収集のために Insights エージェントや Subscription Manager エージェントを使用することができない、または禁止されている特定のニーズがあるお客様に有効です。
たとえば、Cloud Services プラットフォームに直接接続することもできますが、Insights のシステム単位のインストールよりも、組織単位の Satellite のインストールの方が接続やメンテナンスが便利だと感じる場合があります。また、Satellite を使用して、Cloud Services プラットフォームに送信されている情報を、システムだけではなく組織全体を対象として検査することができます。
他の例としては、Satellite を未接続のネットワークから実行しているために、Satellite のインストールが Cloud Services プラットフォームに直接接続できない場合があります。その場合、Satellite レポートを接続されたシステムにエクスポートしてから、そのデータを Cloud Services プラットフォームにアップロードする必要があります。そのためには、少なくとも Satellite 6.9 以降 (フルサポートされているバージョン) を使用する必要があります。また、Satellite インベントリーアップロードプラグインを Satellite サーバーにインストールする必要があります。
最後に、仮想データセンター (VDC) のサブスクリプションや同様の仮想化環境からの RHEL の使用に関するサブスクリプションサービスの結果を表示する必要がある場合もあります。そのためには、分析用に収集するデータの一部として、正確なハイパーバイザーのホストとゲストのマッピング情報を取得する必要があります。この種のデータ収集には、Satellite は Satellite インベントリーアップロードプラグインおよび virt-who ツールと組み合わせて使用する必要があります。
5.4. Red Hat OpenShift のデータ収集に使用する Red Hat OpenShift モニタリングスタックとその他のツール
Red Hat OpenShift の利用状況のデータ収集は、Red Hat OpenShift の開発チームが開発したツールなど、複数のツールに依存しています。それらツールの 1 つが、Red Hat OpenShift Cluster Manager です。もう 1 つのツールセットは、モニタリングスタックと呼ばれています。このツールセットは、オープンソースの Prometheus プロジェクトとそのエコシステムに基づいており、Prometheus、Telemetry、Thanos、Observatorium などが含まれています。
このサブスクリプションサービスは、Red Hat OpenShift 4.1 以降の製品を接続環境で使用しているお客様との連携を想定しています。サブスクリプションサービスが追跡可能な Red Hat OpenShift バージョン 4.1 以降の製品では、Red Hat OpenShift Cluster Manager と監視スタックツールを使用してクラスターデータを収集し、処理してから Red Hat Subscription Management に送信します。Red Hat Subscription Management は、関連する使用状況のデータを、インベントリーやサブスクリプションサービスなどの Cloud Services プラットフォームツールに提供します。
接続環境をご利用でないお客様は、Red Hat OpenShift Cluster Manager で各クラスターを手動で作成して、Red Hat OpenShift のデータ収集ツールを使用できます。この回避策により、非接続環境をご利用のお客様は、Red Hat OpenShift の使用状況を、アカウントレベルのビューでシミュレートできます。たとえば、接続環境がなく、複数の部門の分散されている組織の場合には、この回避策が役に立つ場合があります。
Red Hat OpenShift Container Platform バージョン 3.11 の場合に、データ収集は古い RHEL ベースのレポートモデルに依存しています。したがって、データ収集は、RHEL ノードが Insights、Red Hat Subscription Management、Satellite などの RHEL データ収集ツールのいずれかに接続されているかどうかに依存します。
5.5. Red Hat OpenShift モニタリングスタックおよび Red Hat Cloud Services データ収集用のその他のツール
Red Hat Cloud Services ポートフォリオには、Red Hat インフラストラクチャーに依存する管理サービスが含まれます。そのインフラストラクチャーの一部には、他のジョブの中でも、サブスクリプションサービスのサブスクリプションの使用状況に関するデータを提供する、モニタリングスタックツールが含まれています。以下の管理サービスに対するこれらのデータ収集ツールの設定には、ユーザーによる追加の操作は必要ありません。
- 従量課金制のオンデマンドサブスクリプションを備えた Red Hat OpenShift AI
- 従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションの Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes
5.6. Red Hat サービスのクラウドインテグレーション
一部の従量課金制オンデマンド型サブスクリプションのデータを収集するには、Hybrid Cloud Console のインテグレーションサービスで設定されたクラウドインテグレーションと呼ばれる接続が必要です。
Red Hat Hybrid Cloud Console 上の クラウドインテグレーション は、別の Hybrid Cloud Console サービスにデータを提供するサービス、アプリケーション、またはプロバイダーへの接続を提供します。接続されたサービスは、クラウドインテグレーションを通じて、パブリッククラウドプロバイダーやその他のサービスまたはツールに接続してデータを使用し、当該サービスのデータを収集できます。
次の製品では、サブスクリプションサービスのデータ収集を有効にするためにクラウドインテグレーションの設定が必要です。
- Extended Life Cycle Support アドオンを備えた Red Hat Enterprise Linux for Third Party Linux Migration
関連情報
- Red Hat OpenShift Cluster Manager でのバージョン 4.1 のオフラインのクラスターの登録に関する追加情報は、クラスターの管理 ガイドのクラスターのサブスクリプションと登録に関する章を参照してください。
第6章 サブスクリプション属性の設定方法
Red Hat サブスクリプションは、テクノロジーとユースケースを組み合わせて、調達チームと技術チームがビジネスニーズに最適な購入とデプロイメントの決定を下せるよう支援します。同じ製品が 2 つの異なるサブスクリプションで提供されている場合に、これらのユースケースはこのオプションを区別します。購入時に意思決定プロセスに関する情報を提供し、ライフスサイクル全体でそのままサブスクリプションに関連付けられているので、サブスクリプションがどのように使用されているかが判断できます。
Red Hat は、サブスクリプション属性の適用を通じてユースケース情報を製品に関連付ける方法を提供します。これらのサブスクリプション属性は、製品のインストール時に提供することも、製品の更新として提供することもできます。
サブスクリプションサービスを利用することで、ソフトウェアのデプロイメントと、そのデプロイメントをサポートするユースケースとを調整し、アカウントのサブスクリプションプロファイルで指定されている容量と、実際の消費量を比較できます。インベントリーのサブスクリプション属性を適切かつ自動的に維持することは、サブスクリプションサービスのレポートの正確性を確保するには重要です。
サブスクリプションの属性は、一般的に以下のユースケースに分類されます。
- テクニカルユースケース
- 製品がデプロイメント時にどのように使用されるかを表す属性。たとえば、サーバーとして使用される RHEL のロール情報や、ワークステーションとして使用される RHEL のロール情報などがあります。
- ビジネスユースケース
- お客様のビジネス環境やワークフローに関連して、製品がどのように使用されるかを表す属性。たとえば、本番環境の一部として使用したり、障害回復環境の一部として使用したりする場合などです。
- 運用ユースケース
- 製品がどのようにサポートされるかなどさまざまな運用上の特性を表す属性。たとえば、サービスレベルアグリーメント (SLA) が Premium であったり、サービスタイプが L1~L3 であったりします。
サブスクリプションの属性は、オペレーティングシステムやその管理ツールから設定される場合もあれば、製品自体の設定から設定される場合もあります。全体的に、これらのサブスクリプション属性は、このようなすべてのツールで、システム目的、サブスクリプション設定など同様の名前として知られています。
サブスクリプション属性は、インベントリーツールなどの Cloud Services プラットフォームツールで使用され、インベントリーに含まれる製品の最も正確な使用状況のプロファイルを構築します。サブスクリプションツールは、これらの他のツールで検出および報告されたサブスクリプション属性を使用して、サブスクリプションに関するデータをフィルタリングし、より高い粒度でデータを表示できるようにします。たとえば、RHEL サブスクリプションをフィルタリングして SLA が Premium のものだけを表示すると、Premium サブスクリプションの全体的な容量と比較して、Premium サブスクリプションの現在の使用状況を判断するのに役立ちます。
サブスクリプション属性データの品質は、サブスクリプションサービスデータの精度と有用性に大きく影響します。したがって、ベストプラクティスとしてはサブスクリプションサービス内での現在の使用状況、サブスクリプション属性の使用状況の今後の拡張状況の両方について、これらの属性が正しく設定されていることを確認してください。
6.1. RHEL のサブスクリプション属性の設定
RHEL、Red Hat Subscription Management、または Satellite から RHEL 製品のサブスクリプション属性を設定できます。
サブスクリプション属性は、1 つのツールからのみ設定する必要があります。複数のツールを使用すると、設定が一致しない可能性があります。これらのツールは異なる間隔 (ハートビート) で Cloud Services プラットフォームツールにデータを報告し、かつ、サブスクリプションサービスは最後に報告されたデータに基づいて 1 日 1 回のスナップショットとして結果を表示するため、複数のツールにサブスクリプション属性を追加すると、サブスクリプションサービスのデータの質に影響を与える可能性があります。
RHEL からのサブスクリプション属性の設定
RHEL 8 以降では、各種の方法でサブスクリプションの属性を設定できます。syspurpose
コマンドラインツールの使用を含むこれらの方法は、RHEL 8 のドキュメントで、さまざまなコンテキストで説明されています。詳細は、以下のリンクをご覧ください。
- 標準的な RHEL 8 インストールの実行 ガイドに記載されているインストール後のタスクの完了に関するセクションを参照してください。
- システム設計ガイド のシステム目的の設定のセクションを参照してください。
また、RHEL 7.7 以降には、syspurpose
コマンドラインツールが追加されています。
Red Hat Subscription Management でのサブスクリプション属性の設定
Red Hat Subscription Management では、サブスクリプション属性を設定する方法は、システムの登録のセクションと登録コマンドの説明に含まれていますが、システムの目的の使用に関連する項でより詳細に説明されています。詳細は以下のリンクをご覧ください。
- Red Hat Subscription Management の使用 ガイドのサブスクリプション使用量の管理に関するセクションを参照してください。
Satellite からのサブスクリプション属性の設定
Satellite では、サブスクリプションの属性を設定する方法は、ホストの作成やホストのシステム目的の編集に関する説明に記載されています。詳細は以下のリンクをご覧ください。
- ホスト管理 ガイドのホストの管理の項を参照してください。
6.2. Red Hat OpenShift のサブスクリプション属性の設定
バージョン 4 では、Red Hat OpenShift Cluster Manager からサブスクリプション属性を設定できます。バージョン 3 では、RHEL 用に定義されたものと同じレポートツールを使用します。
Red Hat OpenShift 4 のサブスクリプション属性の設定
Red Hat OpenShift Cluster Manager からクラスターレベルでサブスクリプション属性を設定することができ、属性はサブスクリプション設定として記述されます。
- Clusters ビューでクラスターを選択すると、クラスターの詳細が表示されます。
- クラスターの詳細ページまたは Actions メニューの Edit Subscription Settings をクリックします。
- 必要に応じてサブスクリプション属性の値を変更し、変更内容を保存します。
Red Hat OpenShift 3 のサブスクリプション属性の設定
ノードレベルでサブスクリプション属性を設定するには、RHEL に使用するのと同じ方法を使用して、RHEL 自体、Red Hat Subscription Management、または Satellite からこれらの値を設定します。その項で述べたように、サブスクリプションの属性を設定する際には、設定が重複しないように、1 つの方法で設定してください。
サブスクリプションにソケットベースのノードとコアベースのノードが混在している場合は、ノードごとに混在を明示するサブスクリプション属性を設定することもできます。Red Hat OpenShift の使用状況を表示する際には、フィルターを使用して、測定単位としてコアとソケットを切り替えることができます。
このサブスクリプション属性データを設定するには、各ノードで該当するコマンドを実行します。
コアベースのノードの場合
# echo '{"ocm.units":"Cores/vCPU"}' | sudo tee /etc/rhsm/facts/openshift-units.facts
ソケットベースのノードの場合
# echo '{"ocm.units":"Sockets"}' | sudo tee /etc/rhsm/facts/openshift-units.facts
6.3. Red Hat Cloud Services のサブスクリプション属性の設定
Red Hat Cloud Services サービスの現在のオファリング (Red Hat OpenShift AI や Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes など) は、1 つのサブスクリプションタイプのみです。したがって、これらのサービスのサブスクリプション属性を設定する必要はありません。
第7章 お客様の責任
サブスクリプションサービスとこのサービスを設定する機能は新しく、急速に進化しています。急速にデプロイメントされるこの開発フェーズでは、開発プロセスの初期段階で最新の機能を確認したり、その機能に対して貢献したりできます。皆様の貴重なご意見をお待ちしております。Red Hat のアカウントチーム (テクニカルアカウントマネージャー (TAM) やカスタマーサクセスマネージャー (CSM) など) と協力して、フィードバックを提供してください。また、サブスクリプションサービス自体から、フィードバックや機能のリクエストを行うようにお願いすることもあります。
お客様がサブスクリプションサービスをご利用になる際、以下の契約および契約上の責任が引き続き有効であることにご注意ください。
- お客様は、サブスクリプションの利用状況を監視し、適用されるサブスクリプション条件を遵守する責任があります。サブスクリプションサービスは、サブスクリプションの利用状況を管理および閲覧するためのお客様向けのサービスです。Red Hat には、サブスクリプションサービスのツール化によって新たな請求イベントを創出する意図はなく、このツールによって、お客様が利用状況を可視化して環境を把握できるようにサポートします。
パート III. データ収集用のサブスクリプションサービスの設定
サブスクリプションサービスのデータ収集用の環境を設定するには、Red Hat Enterprise Linux および Red Hat OpenShift システムを、1 つまたは複数のデータ収集ツールを使用して Cloud Services プラットフォームサービスに接続します。
この環境をセットアップする手順が完了したら、サブスクリプションサービスを有効にして開くための手順を続けることができます。
以下の手順を実行します。
Red Hat Enterprise Linux の使用状況のデータを収集するには、次のステップのうち少なくとも 1 つを完了し、データ収集ツールを有効にして Red Hat Enterprise Linux システムを Cloud Services プラットフォームに接続します。この接続により、サブスクリプションの使用状況データがサブスクリプションサービスに表示されます。
Red Hat Satellite で管理されているすべての RHEL システムに Insights をデプロイします。
RHEL システムを管理するために Satellite が設定されていることを確認し、Satellite のインベントリーアップロードプラグインをインストールします。
Red Hat Subscription Management が RHEL システムを管理するために設定されていることを確認します。
従量制 RHEL の従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの場合、計測データを収集するために Hybrid Cloud Console でクラウドインテグレーションが設定されていることを確認します。
Red Hat OpenShift の使用状況データを収集するには、Cloud Services プラットフォーム上で以下の Red Hat OpenShift のデータ収集手順を実行します。
クラスターに使用されているオペレーティングシステムに基づいて、Red Hat OpenShift とサブスクリプションサービス間の接続を設定します。
第8章 Red Hat Insights のデプロイ
Red Hat Insights をデータ収集ツールとして使用している場合は、Red Hat Satellite によって管理されるすべての RHEL システムに Red Hat Insights をデプロイします。
以下の手順を実行します。
Red Hat Insights をインストールするには、次の情報を参照してください。
詳細情報
Red Hat Insights が収集するデータの種類と、そのデータを制御するためのオプションの詳細は、以下の情報を参照してください。
8.1. Red Hat Insights のインストール
インベントリーに関する情報を収集するために、Red Hat Insights をインストールします。
手順
以下の手順に従って、Red Hat Satellite によって管理されるすべての RHEL システムに Insights クライアントをインストールします。
Insights クライアントは、RHEL のインストール時に最小インストールオプションを使用した場合を除き、RHEL8 以降のシステムにデフォルトでインストールされます。ただし、クライアントのインストール方法に記載されているように、クライアントを登録する必要があります。
8.2. Red Hat Insights が収集するデータ
Red Hat Insights クライアントがシステムにインストールされると、そのシステムに関するデータが毎日収集され、Red Hat Insights クラウドアプリケーションに送信されます。また、このデータは、インベントリーウォッチやサブスクリプションウォッチなど、Cloud Services プラットフォーム上の他のアプリケーションと共有される場合もあります。Insights は、そのデータを管理するために、データの難読化やデータのリダクションのオプションを含む、設定やコマンドオプションを提供します。
詳細は、Red Hat Insights 製品ドキュメントで提供されている Red Hat Insights 向けのクライアント設定ガイド を参照してください。
また、Insights が収集して Red Hat に送信するデータの種類を調べて、送信されるデータに制御を加える場合もあります。製品ドキュメントで利用可能な情報を補足する追加情報として、以下の記事をご覧ください。
-
Insights にシステムを登録する前にデータのオフラインダンプを生成する
insights-client --offline
コマンドの使用に関する詳細は、What data is collected by Red Hat Insights? をご覧ください。 -
テストデータ収集プロセスを実行するための
insights-client --no-upload
コマンド使用の詳細は、Red Hat Insights が収集するシステム情報を参照してください。 -
remove.conf
ファイルの使用と、ファイル、コマンド、パターン、キーワードの設定に基づいて特定のデータを収集から除外するためのオプションについては、Red Hat Insights クライアントからのメタデータ送信をオプトアウトする方法 を参照してください。
第9章 Satellite インベントリーアップロードプラグインのインストール
Red Hat Satellite をサブスクリプションサービスのデータ収集ツールとして使用している場合、Red Hat Enterprise Linux 仮想データセンター (VDC) サブスクリプションや同様の仮想化環境のハイパーバイザー host-guest マッピング情報を正確に報告するには、Satellite インベントリーアップロードプラグインを virt-who ツールと組み合わせて使用する必要があります。このプラグインを使用すると、Satellite からインベントリーサービスへのホストベースのデータのアップロードが可能になり、ホストとゲスト、およびホストを管理する Satellite インスタンスとの関連付けが可能になります。プラグインが有効になっていない場合、サブスクリプションサービスは RHEL 仮想化サブスクリプションの使用状況を正確に報告できません。
このプラグインは、他の Hybrid Cloud Console アプリケーションでも必要です。ホストインベントリー情報のアップロードを可能にするために Red Hat Insights のインベントリーサービスが必要なことに加え、Satellite と Red Hat Insights の両方からの修復アクションを可能にするために Red Hat Insights の修復サービスにもプラグインが必要です。
Satellite インベントリーアップロードプラグインを有効にすると、既存の組織や新しく作成された組織を含むすべての Satellite 組織に対して有効になります。
前提条件
Red Hat Satellite 6.9 以降 (フルサポートされているバージョン)
手順
Satellite の新規インストールの場合
Satellite の新規インストールの場合、Satellite インベントリーアップロードプラグインがインストールされ、デフォルトで有効になります。有効にするための操作は必要ありません。
アップグレードされた Satellite の場合
現在サポートされているバージョンにアップグレードされた Satellite の場合、Satellite インベントリーアップロードプラグインがインストールされます。ただし、プラグインを有効にする必要がある場合があります。
- アップグレード前にプラグインが Satellite で有効化されていた場合は、有効化されたままになります。有効にするための操作は必要ありません。
- アップグレード前にプラグインが Satellite で有効化されていなかった場合は、有効化する必要があります。
Satellite インベントリーアップロードプラグインを有効にするには、次の手順を使用します。
- Satellite Web インターフェイスで、Configure オプションを展開し、Red Hat Inventory を選択します。
- Red Hat Inventory ページの指示に従って、Satellite の Automatic inventory upload オプションを有効にします。
使用上の注意
Automatic inventory upload オプションを有効にすると、Satellite インベントリーアップロードプラグインは、デフォルトで 1 日 1 回自動的にレポートします。また、手動でデータを送信し、個々の Satellite 組織の抽出およびアップロードアクションのステータスを表示することもできます。
Satellite インベントリーアップロードプラグインには、データのプライバシーに関する懸念に対処するために使用できるレポート設定が含まれています。Red Hat Inventory ページのオプションを使用して、特定のパッケージを除外し、ホスト名を難読化し、ホストアドレスを難読化するようにプラグインを設定します。
第10章 システムの Red Hat Subscription Management への登録
Red Hat Subscription Management をデータ収集ツールとして使用している場合は、RHEL システムを Red Hat Subscription Management に登録します。Red Hat Subscription Management に登録されているシステムは、サブスクリプションサービスによって検索および追跡できます。
一部の RHEL イメージでは、RHEL 管理バンドルの自動登録機能を使用できるため、Red Hat Subscription Management に手動で登録する必要はありません。ただし、以下の具体的な要件を満たす必要があります。
- イメージは、RHEL 8.4 以降または 8.3.1 以降をベースにしている必要がある。
- イメージは、Amazon Web Services (AWS) または Microsoft Azure のクラウドサービスのイメージである必要がある。
-
イメージには、Cloud Access Gold Images のイメージや、Image Builder で作成したイメージなどのカスタムイメージを使用できる。カスタムイメージの場合は、イメージ内の
subscription-manager
が自動登録を使用するように設定されている必要がある。 イメージは、Hybrid Cloud Console の Settings > Integrations オプションで設定された AWS または Azure インテグレーションに関連付けられており、アクティベーションのために RHEL マネジメントバンドルが選択されている必要がある。
注記インテグレーションサービスは、以前は Hybrid Cloud Console のソースサービスと呼ばれていました。
- このインテグレーションが作成された後に、イメージのプロビジョニングを行う必要がある。
これらの要件を満たしていない RHEL システムは、サブスクリプションサービスで追跡するには手動で登録する必要があります。
手順
まだ登録されていない場合は、RHEL システムを Red Hat Subscription Management に登録します。このプロセスの詳細は、以下の情報を参照してください。
- システムの登録および登録解除に関する情報を含む、Red Hat Subscription Management 製品ドキュメントの情報については、RHEL のクイック登録 ガイドを参照してください。
- システムの登録に関する補足情報は、カスタマーポータルの Subscription Management にシステムを登録する を参照してください。
第11章 Red Hat OpenShift とサブスクリプションサービスの接続
Red Hat OpenShift 製品を使用する場合、適切なデータ収集ツールをサブスクリプションサービスに接続するために実行する必要がある手順は、複数の要因によって異なります。これらの要因には、インストールされている Red Hat OpenShift Container Platform および Red Hat OpenShift Dedicated のバージョン、接続環境または非接続環境で作業しているかどうか、クラスターのオペレーティングシステムとして Red Hat Enterprise Linux、Red Hat Enterprise Linux CoreOS、またはその両方を使用しているかどうかが含まれます。
サブスクリプションサービスは、接続環境で Red Hat OpenShift を使用する顧客向けに設計されています。カスタマープロファイルの一例として、RHOCP 4.1 以降を年間サブスクリプションで使用し、クラスターを接続している場合があります。この顧客プロファイルの場合、Red Hat OpenShift にはデータ収集を実行できる強力なツールセットがあります。接続されたクラスターは、Red Hat OpenShift Cluster Manager、Telemetry、およびその他の監視スタックツールを通じて Red Hat にデータを報告し、サブスクリプションサービスのデータパイプラインに情報を提供します。
RHOCP 4.1 以降の非接続環境をご利用のお客様は、Red Hat OpenShift Cluster Manager で各クラスターを手動で作成することにより、Red Hat OpenShift をデータ収集ツールとして使用できます。
Red Hat OpenShift 3.11 を使用するお客様もサブスクリプションサービスをご利用いただけます。ただし、Red Hat OpenShift バージョン 3.11 では、Insights、Satellite、Red Hat サブスクリプション管理など、データパイプラインを供給する他のツールを通じて、サブスクリプションサービスとの通信が可能になっています。
Red Hat OpenShift Container Platform または Red Hat OpenShift Dedicated 4.7 以降を従量制のオンデマンド型サブスクリプション (接続されたクラスターのみで利用可能) で使用するお客様の場合には、データ収集は Red Hat OpenShift Container Platform 4.1 以降を年間サブスクリプションで使用する場合と同じツールで行われます。
手順
Red Hat OpenShift Container Platform のバージョンとワーカーノードのクラスターオペレーティングシステムに基づいて、以下の手順を実行します。
Red Hat Enterprise Linux CoreOS を備えた Red Hat OpenShift Container Platform 4.1 の場合
このプロファイルでは、モニタリングスタックの Telemetry ツールを介して Red Hat OpenShift Cluster Manager にデータを報告するようにクラスターアーキテクチャーが最適化されています。したがって、サブスクリプションサービスのレポーティングの設定は、基本的にこの監視ツールが有効であることを確認するものです。
- すべてのクラスターが Telemetry 監視コンポーネントを使用して Red Hat OpenShift Cluster Manager に接続されていることを確認します。接続されている場合には、追加の設定は必要ありません。サブスクリプションサービスは、Red Hat OpenShift Container Platform の使用量と容量を追跡する準備ができています。
Red Hat Enterprise Linux CoreOS と Red Hat Enterprise Linux が混在する環境を備えた Red Hat OpenShift Container Platform 4.1 以降の場合
このプロファイルでは、Red Hat OpenShift メジャーバージョン 3 と 4 の間の Red Hat OpenShift Container Platform レポートモデルの変更により、データ収集が影響を受けます。バージョン 3 では、RHEL を使用してノードのベルで RHEL クラスターの使用状況を報告します。これは、バージョン 4 の RHEL ノードでも使用されているレポートモデルです。しかし、バージョン 4 の時代の報告モデルでは、Red Hat OpenShift ツールを使用して、クラスターレベルで Red Hat Enterprise Linux CoreOS の使用状況を報告します。
このデータを収集するためのツールは、それぞれ異なります。したがって、サブスクリプションサービスのレポーティングの設定は、両方のツールセットが正しく設定されているかどうかを確認するためのものです。
- Red Hat OpenShift Container Platform Telemetry 監視コンポーネントを使用して、すべてのクラスターが、Red Hat OpenShift Cluster Manager に接続されていることを確認します。
- すべてのクラスターの Red Hat Enterprise Linux ノードが、Insights、Satellite、Red Hat サブスクリプション管理のうち、少なくとも 1 つの Red Hat Enterprise Linux データ収集ツールに接続されていることを確認します。詳細は、このガイドの各データ収集ツールへの接続に関する説明を参照してください。
Red Hat OpenShift Container Platform バージョン 3.11 の場合
Red Hat OpenShift Container Platform バージョン 3.11 では、クラスター内の Red Hat Enterprise Linux ノードに基づいてクラスターの使用状況を報告します。したがって、このプロファイルでは、サブスクリプションサービスのレポートに標準の Red Hat Enterprise Linux データ収集ツールが使用されます。
- すべてのクラスターのすべての Red Hat Enterprise Linux ノードが、Red Hat Enterprise Linux データ収集ツールである Insights、Satellite、または Red Hat サブスクリプション管理の少なくとも 1 つに接続されていることを確認します。詳細は、このガイドの各データ収集ツールへの接続に関する説明を参照してください。
第12章 サブスクリプションサービスへのクラウドインテグレーションの接続
特定の従量課金制オンデマンド型サブスクリプションのデータを収集するには、Hybrid Cloud Console のインテグレーションサービスで設定されたクラウドインテグレーションと呼ばれる接続が必要です。
Red Hat Hybrid Cloud Console 上の クラウドインテグレーション は、別の Hybrid Cloud Console サービスにデータを提供するサービス、アプリケーション、またはプロバイダーへの接続を提供します。接続されたサービスは、クラウドインテグレーションを通じて、パブリッククラウドプロバイダーやその他のサービスまたはツールに接続してデータを使用し、当該サービスのデータを収集できます。
次の製品では、サブスクリプションサービスのデータ収集を有効にするためにクラウドインテグレーションの設定が必要です。
- Extended Life Cycle Support アドオンを備えた Red Hat Enterprise Linux for Third Party Linux Migration
ELS を備えた RHEL for Third Party Linux Migration のクラウドインテグレーションの設定には、Hybrid Cloud Console でのクラウドプロバイダーと Cost Management Service 間の接続の作成が含まれます。このクラウドインテグレーションにより、クラウドプロバイダーと Cost Management Service からの使用状況データがサブスクリプションサービスの従量制使用量の計算に使用され、請求を目的として、使用状況データがクラウドプロバイダーに送り返されます。
手順
Extended Life Cycle Support アドオンを備えた Red Hat Enterprise Linux for Third Party Linux Migration の場合
ELS を備えた RHEL for Third Party Linux Migration を購入後に有効化する手順には、必要なクラウドインテグレーションのセットアップに関する情報と、サブスクリプションに必要なその他のセットアップ情報が含まれています。クラウドインテグレーションがサブスクリプションサービスで使用できるように正しく設定されていることを確認するには、次の情報を参照し、クラウドインテグレーションの設定手順が完了していることを確認してください。
- ELS を備えた RHEL for Third Party Linux Migration を購入後に有効化する手順 (クラウドインテグレーションのセットアップ手順を含む) の詳細は、カスタマーポータルのサポート記事 Getting Started with Red Hat Enterprise Linux for Third Party Linux Migration を参照してください。
- クラウドインテグレーションの詳細は、Red Hat サービスのクラウドインテグレーション設定 を参照してください。
- Cost Management Service と特定のクラウドプラットフォームのクラウドインテグレーションのセットアップの詳細は、Cost Management ドキュメントの Cost Management へのインテグレーションの追加 を参照してください。
パート IV. サブスクリプションサービスの有効化とオープン
サブスクリプションサービスの環境設定の手順が完了したら、cloud.redhat.com にアクセスしてサブスクリプションサービスのアクティベーションをリクエストできます。アクティベーションと最初のデータ収集サイクルの後に、サブスクリプションサービスを開き、使用状況データの閲覧を開始することができます。
以下の手順を実行します。
サブスクリプションサービスのアクティベーションが必要かどうかは、以下の情報を参照してください。
cloud.redhat.com にログインしてサブスクリプションサービスを有効にするには、以下の情報を参照してください。
アクティベーション後に cloud.redhat.com にログインしてサブスクリプションサービスを開くには、以下の情報を参照してください。
サブスクリプションサービスのアクティベーションやログインができない場合は、以下の情報をご覧ください。
第13章 サブスクリプションサービスの手動起動が必要かどうかの判断
組織の Red Hat アカウントの使用状況の追跡を開始するには、サブスクリプションサービスを有効にする必要があります。アクティベーションプロセスは、自動または手動で行うことができます。
手順
サブスクリプションサービスを自動的に有効にする以下のタスクを確認します。お客様の組織内の誰かがこれらのタスクの 1 つ以上を完了している場合は、サブスクリプションサービスを手動でアクティベートする必要はありません。
- Red Hat Marketplace を通じて、Red Hat OpenShift Container Platform または Red Hat OpenShift Dedicated の従量課金制オンデマンドサブスクリプションを購入します。従量課金制クラスターが OpenShift Cluster Manager と監視スタック経由で、使用量の報告を開始すると、サブスクリプションサービスが組織に対して自動的に有効になります。
- Red Hat Marketplace や Amazon Web Services (AWS) などのクラウドプロバイダーマーケットプレイスを通じた Red Hat Cloud Services の従量課金制オンデマンドサブスクリプションの購入。このようなタイプの製品の例としては、Red Hat OpenShift AI や Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes などがあります。これらの製品がモニタリングスタックを通じて使用状況の報告を開始すると、サブスクリプションサービスが組織に対して自動的にアクティブ化されます。
- RHEL 管理バンドルを選択した状態での Hybrid Cloud Console インテグレーションサービスを使用した Amazon Web Services インテグレーションの作成。インテグレーションを作成するプロセスでも、サブスクリプションサービスがアクティブ化されます。
RHEL 管理バンドルを選択した状態での Hybrid Cloud Console インテグレーションサービスを使用した Microsoft Azure インテグレーションの作成。インテグレーションを作成するプロセスでも、サブスクリプションサービスがアクティブ化されます。
注記インテグレーションサービスは、以前は Hybrid Cloud Console のソースサービスと呼ばれていました。
これらのタスク、特に購入タスクは、Red Hat 組織の組織管理者 (org admin) ロールを持つユーザーが頻繁に実行します。インテグレーション作成タスクは、Hybrid Cloud Console のロールベースのアクセス制御 (RBAC) システムでソース管理者ロールが割り当てられたユーザーが実行する必要があります。
第14章 サブスクリプションサービスの有効化
自動起動を含むタスクのいずれかによってサブスクリプションサービスが起動されない場合は、サブスクリプションサービスを手動で起動する必要があります。自動起動を含むタスクは、Red Hat Marketplace を通じたオンデマンド型サブスクリプションの購入か、または Hybrid Cloud Console のインテグレーションサービスを通じた RHEL 管理バンドルを含む Amazon Web Services または Microsoft Azure インテグレーションの作成です。
手動でのアクティベーションが必要な場合は、Red Hat カスタマーポータルのログインを使用して Red Hat アカウントおよび組織にアクセスできるユーザーがサブスクリプションサービスをアクティベートする必要があります。このログインは、Red Hat カスタマーポータルの組織管理者 (org admin) である必要はありません。さらに、cloud.redhat.com のユーザーアクセスロールベースのアクセス制御 (RBAC) システムの Subscriptions administrator ロールまたは Subscriptions user ロールも必要です。
Red Hat カスタマーポータルのログインが、Red Hat とアカウント関係を持たない組織に関連付けられている場合、サブスクリプションサービスを有効にすることはできません。
サブスクリプションサービスが有効になると、Cloud Services プラットフォームツールは、サブスクリプションサービスに表示するために、データ収集ツールからのデータの分析と処理を開始します。
以下の手順では、cloud.redhat.com からサブスクリプションサービスを有効にする手順を説明しています。サブスクリプションサービスがまだアクティブ化されていない場合に、サブスクリプションサービスツアーの最後にアクティブ化ページにアクセスすることも、Subscription Central ページのオプションからアクセスすることもできます。
手順
- ブラウザーウィンドウで、cloud.redhat.com にアクセスします。
- プロンプトが表示されたら、Red Hat カスタマーポータルのログイン認証情報を入力します。
- Hybrid Cloud Console のナビゲーションメニューで、Red Hat Enterprise Linux または OpenShift のいずれかをクリックします。
サブスクリプション の拡大次に、前のステップでクリックした製品名に応じて、以下のオプションのいずれかをクリックします。
- Red Hat Enterprise Linux の場合は、All RHEL をクリックします。
- OpenShift の場合は、Container Platform をクリックします。
サブスクリプションサービスのアクティベーションの状況に応じて、以下のいずれかの手順を完了してください。
- アカウントに対してサブスクリプションサービスがまだアクティブでない場合は、アクティベーションページが表示されます。Activate Subscriptions をクリックします。
- サブスクリプションサービスが有効であっても、データを表示する準備ができていない場合、サブスクリプションサービスアプリケーションが開きますが、空白のグラフが表示されます。後日、通常は翌日にサービスにアクセスしてみてください。
- サブスクリプションサービスが有効で、初期のデータ処理が完了すると、サブスクリプションサービスのアプリケーションが開き、データがグラフに表示されます。サブスクリプションサービスの利用を開始して、アカウントのサブスクリプションの使用状況や容量に関するデータを表示できます。
検証手順
サブスクリプションサービスを最初に表示するのに必要なデータ処理には、最大で 24 時間かかることがあります。アカウントのデータが揃うまでは、空白のグラフしか表示されません。
第15章 サブスクリプションサービスへのログイン
Red Hat カスタマーポータルのログイン後、Hybrid Cloud Console からサブスクリプションサービスにアクセスします。
手順
- ブラウザーウィンドウで、cloud.redhat.com にアクセスします。
- プロンプトが表示されたら、Red Hat カスタマーポータルのログイン認証情報を入力します。
- Hybrid Cloud Console のナビゲーションメニューで、Red Hat Enterprise Linux または OpenShift のいずれかをクリックします。
サブスクリプション の拡大次に、前のステップでクリックした製品名に応じて、以下のオプションのいずれかをクリックします。
- Red Hat Enterprise Linux の場合は、All RHEL をクリックするか、特定のアーキテクチャーをクリックすると、より詳細な情報が表示されます。
- OpenShift の場合は、Container Platform または Dedicated (On-Demand) をクリックします。
サブスクリプションサービスが有効で、初期のデータ処理が完了すると、サブスクリプションサービスが開き、データがグラフに表示されます。サブスクリプションサービスの利用を開始して、アカウントのサブスクリプションの使用状況や容量に関するデータを表示できます。
注記サブスクリプションサービスが開いても空白のグラフが表示される場合は、サブスクリプションサービスは有効ですが、初期のデータ処理が完了していません。後日、通常は翌日にサービスにアクセスしてみてください。
第16章 サブスクリプションサービスへのアクセスの確認
サブスクリプションサービスを含む cloud.redhat.com サービスへのユーザーのアクセスは、ロールベースのアクセスコントロール (RBAC) システムによって制御されています。この RBAC システムのユーザー管理機能は、access.redhat.com で設定されているように、組織の管理者 (org admins) に付与されます。その後、組織管理者は、組織内の他のメンバーの cloud.redhat.com RBAC グループ、ロール、およびパーミッションを管理します。この管理には、組織に追加されたメンバーに対してユーザーアクセス管理者ロールの割り当てを追加できます。組織管理者およびユーザーアクセス管理者は、cloud.redhat.com の Settings > User access オプションを使用してユーザーアクセスを管理できます。
事前定義されたロールである Subscription ユーザー は、サブスクリプションサービスをアクティブにし、これにアクセスする機能を制御します。デフォルトでは、組織内のすべてのユーザーがこのロールを持っています。ただし、組織の管理者がユーザーアクセスのロールやグループを変更した場合は、サブスクリプションサービスにアクセスできないことがあります。
2021 年 9 月以降、サブスクリプションサービスの RBAC ロールが変更されました。以前の Subscription Watch administrator ロールは、Subscriptions administrator ロールに名前が変更されました。このロールには、サブスクリプションサービスで利用可能な全パーミッションが含まれます。Subscriptions user ロールとは、Subscriptions administrator ロールのパーミッションの内、一部のサブセットが割り当てられた新規ロールで、サブスクリプションサービスに対してすべてのパーミッションを必要としない組織内のユーザーに割り当てられるようになりました。このタイプのユーザーの例として、レポートデータの表示だけを必要とするユーザーなどが挙げられます。
サブスクリプションサービスのユーザーアクセスロールに変更を加えた後に、デフォルトでは、サービスをアクティブにし、現在サービスを使用している組織の新規ユーザーにサブスクリプションユーザーロールが割り当てられます。ただし、ロール割り当てのデフォルトの動作は、組織でのユーザーアクセスの管理に RBAC グループをどのように使用しているかにより左右されます。デフォルトのアクセスグループの代わりにカスタムグループが使用されている場合には、組織管理者またはユーザーアクセス管理者の RBAC ロールが割り当てられた別のユーザーは、これらのグループを手動で更新して新しいロールを追加して、組織内のユーザーへのデフォルトの割り当てを管理する必要があります。
手順
- サブスクリプションサービスのアクティベーションやアクセスができない場合は、組織の管理者にお問い合わせください。お客様の組織のサブスクリプションサービスの状態については、お客様の組織の管理者が情報を提供することができます。
関連情報
- cloud.redhat.com のユーザーアクセスの詳細は ロールベースアクセスコントロール用のユーザーアクセス設定ガイド を参照してください。
パート V. サブスクリプションサービスデータの表示と理解
データ収集ツールやその他のデータソースの設定など、サブスクリプションサービスの環境を整え、サブスクリプションサービスのアクティベーションに必要な追加手順を完了し、最初のデータ取り込み、分析、および処理が完了するのを待った後 (通常は 24 時間以内)、サブスクリプションサービスでサブスクリプションの使用量やデータ容量を表示できるようになります。
詳細情報
サブスクリプションサービスがサブスクリプションの使用状況や容量に関する情報をどのように表示するかについては、以下の情報を参照してください。
サブスクリプションサービスが保存するデータの詳細は、以下の情報を参照してください。
お客様のデータがサブスクリプションサービスに届く仕組みや、このデータの更新頻度については、以下の情報をご覧ください。
第17章 サブスクリプションサービスでのサブスクリプションデータの表示方法
サブスクリプションサービスは、ソフトウェア製品や製品セットなどの Red Hat オファリングのサブスクリプションデータを、Hybrid Cloud Console の Red Hat ソフトウェアポートフォリオのオプションごとに整理して表示します。現在、サブスクリプションサービスは、Red Hat Enterprise Linux、Red Hat OpenShift、および Red Hat Cloud Services (Application and Data Services とも呼ばれます) のソフトウェアポートフォリオのデータを表示します。
サブスクリプションサービスは、Stock Keeping Unit (SKU) によって識別される、各ポートフォリオ内の一部の Red Hat 製品のみを追跡します。追跡されない製品については、サブスクリプションサービスはソースコード内に明示的な拒否リストを保持しています。
- 追跡されない SKU の詳細は、GitHub の deny list source code を参照してください。
- サブスクリプションサービス拒否リストの目的の詳細は、記事 What subscriptions (SKUs) are included in Subscription Usage? を参照してください。
各ソフトウェアポートフォリオの サブスクリプション メニューには、選択したポートフォリオ内の利用可能な製品のサブスクリプションサービス製品ページに移動するためのオプションが表示されます。Subscriptions メニューには、他のサブスクリプション関連のデータを表示するためのオプションや、サブスクリプションサービスの一部ではない機能のオプションが含まれている場合もあります。
サブスクリプションサービスの各商品ページでは、複数のビューが用意されています。これらのビューでは、対象製品のサブスクリプションに関するさまざまな情報を確認できます。これらのビューのデータを組み合わせることで、サブスクリプションを過剰に割り当てる問題や傾向を認識して軽減したり、すべてのリソースに対するサブスクリプションの割り当てを整理したり、今後の購入や更新のための意思決定を改善したりすることができます。
これらのアクティビティーすべてや、サブスクリプションの使用状況に関するその他の質問がある場合には、Red Hat アカウントチームのメンバーが専門知識、ガイダンス、その他のリソースで対応できます。アカウントチームからのサポートにより、サブスクリプションサービスでレポートされるアカウントデータにコンテキストを追加し、お客様側の責任を理解して遵守するのに役立ちます。詳細は、責任 を参照してください。
17.1. サブスクリプションデータをビューで利用する方法
サブスクリプションサービスビューは、一般的にグラフビューとテーブルビューにグループ化できます。
グラフビューは、組織のサブスクリプションの使用状況と容量を視覚的に表したもので、組織も Red Hat アカウントです。このビューでは、使用傾向を追跡し、使用率 (デプロイされたソフトウェアの割合をサブスクリプション総数で測定したもの) を決定することができます。
テーブルビューには、グラフビューの一般的なデータの詳細が含まれるテーブルが 1 つ以上追加できます。現在のインスタンステーブル (現在のシステムテーブルとも呼ばれます) には、環境の個々のコンポーネント (クラウドインフラストラクチャーのインベントリーやクラスターのシステム、制限されたネットワークなど) でのサブスクリプション使用状況に関する詳細が記載されています。現在のサブスクリプションテーブルには、アカウントの個々のサブスクリプションの詳細が含まれます。このテーブルビューは、Red Hat ソフトウェアを環境にデプロイする先を見つけ、個々のサブスクリプションが同様のタイプのサブスクリプションを使用する際に全体の容量にどのように寄与するかを理解し、サブスクリプションの使用状況に関する質問を解決して今後のデプロイメント計画を調整するのに役立ちます。
製品ページによっては、テーブルビューデータは Cloud Services プラットフォームのインベントリーサービスのデータから得られます。サブスクリプション、インベントリー、およびその他のサービスへのユーザーのアクセスは、Cloud Services プラットフォームツールのロールベースアクセスコントロール (RBAC) システムによって独立して制御されています。ここでは、各ユーザーはグループに属し、グループはロールと関連付いています。具体的には、インベントリーサービスへのユーザーのアクセスは、インベントリー管理者のロールを通じて制御されます。
組織の 1 つまたは複数のグループに対してインベントリー管理者の RBAC ロールが有効になっている場合は、サブスクリプションサービスの現在のインスタンステーブルの情報がリンクとして表示されます。適宜それらのリンクから、リストされたシステムまたはインスタンスのインベントリーアプリケーションでより詳細な記録を開くことができます。そうでない場合は、現在のインスタンステーブルの情報がリンクされていない情報として表示されます。お客様の組織での RBAC の使い方については、お客様のアカウントの組織管理者にお問い合わせください。
使用量と使用率のグラフ表示
このグラフでは、サブスクリプションの総使用量と容量が時系列でグラフ化されて表示されます。これにより、アカウントのサブスクリプションのしきい値、現在のサブスクリプションの使用状況、残りのサブスクリプション容量、ソフトウェ使用状況の過去の傾向などを把握できます。グラフビューには、製品のサブスクリプション使用状況の測定方法に応じて、グラフまたは複数のグラフが含まれる可能性があります。
グラフに表示される使用状況および容量の計算は、さまざまなデータ収集ツールおよびデータソースからの情報を分析するので、Hybrid Cloud Console 処理ツールとして定期的に提供されるデータスナップショットをベースにしています。通常、年間サブスクリプションのデータスナップショットは 24 時間に 1 回更新されます。オンデマンド型サブスクリプションのデータスナップショットは、頻度が高く 1 日に複数回更新される場合があります。
使用量は、物理ハードウェアまたはそれに相当する Red Hat 製品の消費量の測定値です。使用量は、サブスクリプションの条件内で定義された測定単位で測定されます。
測定の単位は、製品の種類とサブスクリプションのタイプによって異なります。年間サブスクリプションでは、使用量とは、消費されるソケットやコアなどの物理的ハードウェア、または、クラウドプラットフォームインスタンスなど、ソケットと同等に消費される物理的ハードウェアのことです。従量課金制のサブスクリプションなど、オンデマンド型サブスクリプションという用語は、消費リソースを測定するメトリックの組み合わせによって、使用量を判断できます。これらのメトリックのタイプの 1 つは複合単位または派生単位である可能性があります。派生した単位の例として、特定の期間に消費される (コア時間) 物理ハードウェアの量や、Red Hat サービスインスタンスの可用性 (インスタンス時間) の物理ハードウェアの量などの場合があります。
使用状況は線グラフまたは面グラフで表され、さまざまな種類の使用状況が示されます。たとえば、Red Hat Enterprise Linux の物理、仮想、パブリッククラウド、およびハイパーバイザーの使用状況はさまざまな色で表されます。
年間サブスクリプションの場合は、サブスクリプションに含まれるソフトウェアをインストールおよびアンインストールする時に、使用量は時間とともに変動します。オンデマンド型サブスクリプションの場合、そのサブスクリプションの条件によって測定されるリソースを多かれ少なかれ消費するにつれて、使用量は変動します。
容量 は、サブスクリプションの使用量の上限です。これは測定単位で表され、アカウント内の全契約で同様のサブスクリプションで合計されます。同様のサブスクリプションは、すべての RHEL サブスクリプションなど、特定の製品ポートフォリオ内のすべての製品にすることができます。
すべてのアクティブなサブスクリプションの容量の合計である最大容量は、サブスクリプションしきい値 とも呼ばれます。この値は、製品の使用状況と使用率のグラフをダッシュ線で表します。2 つの主な理由により、サブスクリプションのしきい値がグラフに表示されなくなる可能性があります。製品ページに、販売条件の一部として無制限の容量で販売されるサブスクリプションが含まれている場合、サブスクリプションのしきい値は表示されません。また、月額料金が請求されるオンデマンド型サブスクリプションまたは同様のサブスクリプションの場合には、容量が設定されていないため、サブスクリプションのしきい値は表示されません。フィルターを選択すると、ビューから無制限のサブスクリプションが削除され、指定したフィルタリングされた結果に対して、サブスクリプションのしきい値が表示されます。
個々のサブスクリプションの容量は、時間が経過しても変化しません。サブスクリプションのしきい値は、新しいサブスクリプションがアクティブ化され、古いサブスクリプションが期限切れになると時間とともに変動し、最大容量に影響します。
使用率 は、サブスクリプションのしきい値で示される最大容量の割合であり、アカウントで Red Hat ソフトウェアをデプロイメントしたり、使用したりすることで使い果たされます。簡単に言うと、使用率は使用量を最大容量で割ったものです。無制限のサブスクリプションなど、アカウントに含まれる特定のタイプのサブスクリプションで、容量が該当しない場合には、最大容量の割合などの使用率も適用されません。
サブスクリプションの使用率は、使用量の変更とサブスクリプションのしきい値の相互作用により、時間の経過とともに変動します。
このグラフでは、選択された時間間隔での傾向を表示しますが、グラフの詳細な情報を表示することもできます。たとえば、選択した時間間隔が 週 の場合、グラフの日付付近にカーソルを置くと、特定の週のより具体的なデータを見ることができます。
また、製品によって異なるフィルターを使用して、グラフに表示される使用状況データを変更することもできます。たとえば、時間間隔や測定単位、あるいはサービスレベルアグリーメント (SLA) などのサブスクリプション属性のフィルターなど、必要に応じてフィルターをかけることができます。追加のフィルターオプションには、物理や仮想などの使用量測定のタイプによるフィルターや、x86 のサポートアーキテクチャーなど、対象製品のバリアントによるフィルターが含まれる場合があります。
グラフビュー: グラフのサンプル
以下の図は、サブスクリプションサービスにおける RHEL の使用状況および使用率のグラフの例を示しています。他の製品ページのグラフビューには、それらの製品の販売方法と測定方法によって設計に違いがあります。
グラフの場合には、時間フィルターは日次ビューで設定されており、グラフは 1 ヶ月の RHEL の使用状況が表示されます。
図17.1 使用状況および使用率のグラフの例
- ツールチップは、グラフのポイントにカーソルを合わせると表示されます。この例では、ツールチップに、1 月 6 日の特定の日のサブスクリプションの使用状況とサブスクリプションのしきい値に関する詳細情報が表示されます。この日、物理 RHEL は 30 ソケット、仮想 RHEL は 30 ソケット、パブリッククラウド RHEL は 30 ソケット、ハイパーバイザー RHEL は 30 ソケットを消費し、すべての使用タイプで合計 120 ソケットを消費しています。この合計使用量は、サブスクリプションのしきい値である 150 ソケット未満です。
- ソケットの測定単位に基づく RHEL 使用量の最大容量は、サブスクリプションのしきい値として破線で表示されます。この例は、1 月 11 日から 1 月 16 日までの間にサブスクリプションのしきい値が増加したことを示しています。この Red Hat アカウントで利用可能な容量の増加は、アカウントに追加の RHEL サブスクリプションがアクティベートされたためです。
- ソケットの測定単位に基づく RHEL サブスクリプションの使用量は、物理、仮想、パブリッククラウド、およびハイパーバイザー環境にインストールされた RHEL に対して 4 つの異なる色で表示されます。この例は、これらすべてのタイプの使用法が時間の経過とともにどのように変動するかを示しています。使用量は、物理システムへのインストールおよびアンインストール、パブリッククラウドでのインスタンスの起動および終了などの、サブスクリプションアクティビティーに従って変動します。
テーブルビュー: 現在のインスタンステーブル
現在のインスタンステーブルには、使用状況データの最新のスナップショットから取得した、環境内の個々のコンポーネントの使用状況に関する詳細が表示されます。この表では、グラフ内の集約された使用量の合計を、組織全体での個々のコンポーネントにおける現在のソフトウェアデプロイメントと相関させるのに役立つ情報を提供します。表の中のコンポーネントとデータは、製品の使用状況を追跡する方法が異なるため、ソケット数、コア数、コア時間などによって製品ごとに異なります。また、表で "インスタンス" または "システム" として表示されるコンポーネントは、物理マシンまたは仮想マシンであるか、またはクラスターやインスタンスなどの別のオブジェクトである場合があります。したがって、このテーブルを現在のインスタンステーブルまたは現在のシステムテーブルとして一般的に参照するのは、便宜上に過ぎません。
RHEL などの一部の製品では、現在のインスタンステーブルビューのデータに Hybrid Cloud Console インベントリーアプリケーションで利用可能な一部のデータが含まれていますが、以下の違いがあります。
- インベントリーアプリケーションでは、かなり多くのシステムデータが表示されます。現在のインスタンステーブルのビューは、このデータの一部です。
- インベントリーアプリケーションのデータは、データ更新に使用する手法が原因で、より最新のものである場合があります。サブスクリプションの現在のインスタンステーブルビューは日ごとのスナップショットに基づいているため、データは最大で 24 時間前のものになる可能性があります。
- インベントリーアプリケーションでのソケットやコアの消費は、実際の消費量として表されます。サブスクリプションの使用量は、サブスクリプションの条件に基づいて調整された消費量として表されます。たとえば、物理的な RHEL サブスクリプションの使用状況はソケットペアで測定されるため、そのタイプのシステムのソケット数は常に次に大きい偶数に端数処理されます。
現在のインスタンステーブルには、一般的に、インスタンスまたはシステムの名前、システムの種類、測定単位に応じたそのシステムの使用量の合計、およびそのシステムが最後に検出された日付が表示されます。ただし、その製品に関連するデータの種類によって、テーブルに表示される列が異なる場合があります。テーブルの列はソート可能です。
システムの名前を含む Name 列では、system とは、製品または製品セットのデプロイ先の物理マシンまたは仮想化マシンのことです。システムは、Red Hat OpenShift クラスターや Red Hat Cloud Services サービスのインスタンスなど、異なるコンポーネントにすることもできます。システムは通常、表示名または UUID (Universally Unique ID) のいずれかで表されます。ハイパーバイザーなどのマルチゲストシステムでは、システムを拡張して個々のゲストの情報を詳しく見ることができます。Name 列のオブジェクトによっては、システム名をクリックして、Hybrid Cloud Console インベントリーアプリケーションなど、別のリソースで完全なシステムレコードを開くこともできます。
現在、Red Hat OpenShift Container Platform および Red Hat OpenShift Dedicated 従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションデータの表示では、Name 列はインベントリー UUID を使用しています。この ID は、Red Hat OpenShift Cluster Manager でクラスターに使用されているクラスター ID とは異なります。また、Name 列のインベントリー UUID には、Red Hat OpenShift Cluster Manager のクラスターレコードへのリンクはありません。ただし、サブスクリプションサービスと Red Hat OpenShift Cluster Manager の両方で、利用可能な検索フィルターを使用してこれらの ID を相互参照できます。
ハイパーバイザーの使用状況を追跡できる場合に表に表示される ゲスト 列のゲスト数は、そのハイパーバイザーシステムの管理下にあるゲストの数です。他のタイプの使用状況では、二重破線はそのシステムが null 値であることを表します。
システムのタイプを含む Type 列では、このタイプは製品または製品セットのデプロイ先の infrastructure type タイプを示しています。システムは、物理的なホスト、ハイパーバイザー、個々の仮想マシン、またはパブリッククラウドのインスタンスなどの他の形態の仮想デプロイメントである可能性があります。この列の情報は、すべての製品に当てはまるとは限らないので、一部の製品では Type 列が表示されない場合があります。
この列では、そのシステムの 使用量の合計 が表示されますが、列のラベルは製品の使用量の測定方法によって異なります。使用が複数のメトリックで測定されるサブスクリプションの場合は、複数の列が表示されます。使用量とは、製品または製品セットがそのシステム上で消費している物理的なハードウェアの実際の量または同等の量です。使用量は、適用される 測定単位 に従ってカウントされますが、これはサブスクリプションの条件によって決定されます。たとえば、ソケットで販売されているサブスクリプションの場合には、使用量の合計は、システムで消費されたソケット (サブスクライブされたソケットとも呼ばれる) の数となります。オンデマンド型サブスクリプションなどのその他のサブスクリプションには、コア時間などの異なる条件で販売されるか、データ転送、データストレージ、インスタンス時間など、条件に複数のメトリックが含まれる場合があります。
使用量の合計のデータは、サブスクリプションサービスの更新またはハートビートのサイクルに基づいています。年間契約の場合、使用量の合計として表示される値は、直近に集計された日の使用量の 24 時間分のスナップショットに基づいています。オンデマンド型サブスクリプションの場合には、この値はサブスクリプションサービスで利用可能な最新の集計データであり、当日からのデータである可能性があります。
Last seen の列に日付が含まれる場合には、その last seen date は、モニタリングスタックのインベントリーサービス、Red Hat OpenShift Cluster Manager やその他のツールなど、Cloud Services プラットフォームツールで最後にシステムが検出された日付です。インベントリーサービスおよびモニタリングスタックは、サブスクリプションやその他のツールが使用量を計算するために実行する基本的なタスクの一部として、さまざまなデータ収集ツールによって収集されたシステムデータの識別と重複排除をサポートします。
使用量と使用率のグラフと同様に、フィルターを使用して、現在のインスタンステーブルに表示されるデータを変更することができます。しかし、日単位から週単位に変更するなど、時間間隔を変更しても、現在のインスタンステーブルには影響がありません。表示されるデータは、最新のスナップショットであるため、通常は 24 時間以内のものです。
また、検索フィールドを使用して、特定のシステム名や類似した名前のシステムのグループを現在のインスタンステーブルで検索することもできます。完全一致文字列と部分一致文字列を受け付けますが、一般的なワイルドカード文字は特殊文字のワイルドカードではなく、リテラル文字として扱われます。
テーブルビュー: 現在のサブスクリプションテーブル
現在のサブスクリプションテーブルには、このデータの最新のスナップショットから取得した、現在アクティブなサブスクリプションの詳細が表示されます。この表には、アカウント内でその製品を使用するための最大容量を把握するのに役立つ情報が含まれています。最大容量は、使用率と使用状況グラフビューでサブスクリプションのしきい値として表示されます。
この表は、サブスクリプションが販売される測定単位 (ソケットやコアなど) での各サブスクリプションの容量を示しています。すべての行の容量の合計は、サブスクリプションのしきい値と同じです。
現在のサブスクリプションテーブルのデータを使用すると、個々のサブスクリプションがサブスクリプションのしきい値にどのように貢献するかを完全に理解することができます。この情報は、既存のサブスクリプションの量を調整するか、使用するプロファイルにより適した別のサブスクリプションを購入するなど、今後の購入意思決定の計画に役立ちます。表の情報を使用して、契約の満了など、購入や更新に関連してビジネス活動に影響を与える可能性のある今後のイベントを予測することもできます。
現時点で、Red Hat OpenShift Dedicated On-Deman などのオンデマンド型サブスクリプションは、アカウントごとに 1 つのサブスクリプションに制限されています。したがって、現在のサブスクリプションテーブルは、このようなタイプの製品については表示されません。
現在のサブスクリプションテーブルの情報は通常、製品サブスクリプションの名前、サブスクリプションのサービスレベルアグリーメント (SLA)、サブスクリプションの数量、測定単位に応じたサブスクリプションの容量、およびサブスクリプションの次の更新イベントを示します。テーブルの列はすべてソート可能です。
Product コラムには、アカウントで現在アクティブな一意の製品サブスクリプションがリスト表示されます。まだアクティブになっていない将来の日付のサブスクリプションは、テーブルに表示されません。更新されなかった期限切れのサブスクリプションは、テーブルから削除されます。
一般に、同じ Stock Keeping Unit (SKU) が同じサブスクリプションは、1 行に表示されます。同じ行にグループ化できるサブスクリプションには、次の特性が含まれます。
- 購入した契約、購入した時間に拘らず、同じ SKU のサブスクリプション。
- SKU が同じであるが、数量の違いなど、属性に若干の相違点があるが、新しい SKU を作成するに至らなかったサブスクリプション。
ただし、一部のサブスクリプションは、製品列に複数回表示される場合があります。これらのサブスクリプションには、次の特徴があります。
- SKU が異なるが説明テキストが同一のサブスクリプション: サブスクリプションに表示されるテキストは、SKU の説明テキストから派生したものです。このテキストは SKU が違う場合も、同じである可能性があります。たとえば、2 つのサブスクリプションの主要な属性 (SLA など) が異なる可能性があり、その結果、変更された SLA の SKU が異なります。
- SKU が同じであるが、別のマーケットプレイスから購入されたサブスクリプション: 一部の Red Hat サブスクリプションは、Red Hat Marketplace や AWS Marketplace などの複数のクラウドプロバイダーマーケットプレイスから入手できます。このタイプのサブスクリプションは、複数の場所で利用できますが、単一の SKU になります。現在のサブスクリプションテーブルでは、これらのサブスクリプションは異なる行に表示され、購入に使用されたマーケットプレイスを明確にすることができます。
Service level の列には、サブスクリプションの条件内に定義されている通りの、サブスクリプションのサービスレベルアグリーメント (SLA) が含まれます。例として、Premium、Standard、または Self-Support が含まれます。この情報は、製品列の説明が同じ場合にその 2 つのサブスクリプションを区別するのに役立ちます。
Quantity 列には、SKU のアクティブなサブスクリプションの数が含まれます。たとえば、1 つのテーブル行には、同じトランザクションで購入した同じ SKU が複数含まれる可能性があります。また、異なるトランザクションで購入した同じ SKU が複数、含まれている場合もあります。
サブスクリプションの 容量 が表示される列では、列のラベルは、製品の使用状況の測定方法によって異なります。たとえば、RHEL はソケットペアで販売されているため、RHEL の容量列には Sockets というラベルが付いています。この容量列は、各テーブルの行でサブスクリプションで利用可能な最大使用率を測定します。使用量は、適用される 測定単位 に従ってカウントされますが、これはサブスクリプションの条件によって決定されます。まとめると、表内のすべての行の合計は、その製品のすべてのサブスクリプションに使用できる最大容量を表します。この値は、グラフビューのサブスクリプションしきい値でもあります。
行に容量に制限なしで販売されるサブスクリプションが含まれている場合には、その行の容量値には、無制限の容量を表す無限大記号が表示されます。
一部の製品ページでは、容量が該当しない場合、容量列が別の列に置き換えられる場合があります。たとえば、オンデマンドサブスクリプションの場合、Subscription type 列には、年間またはオンデマンドなどのサブスクリプションのタイプが表示される場合があります。
Next renewal 列には、その行にあるサブスクリプションの次の保留中の更新イベントが一覧表示されます。
17.2. 使用量や容量の測定
現在、サブスクリプションサービスは、特定のタイプの Red Hat Enterprise Linux、Red Hat OpenShift、および Red Hat Cloud Services 製品を追跡しています。使用量や容量の表示データは、製品によって異なります。
全体的な使用量と容量の傾向は、使用量と使用率のグラフに表示されます。現在のインスタンステーブルの情報は、グラフの最も直近の日に関するデータについて追加の詳細を提供します。該当する場合、現在のサブスクリプションテーブルの情報は、現在アクティブなサブスクリプションに関する追加の詳細を提供します。
17.2.1. Red Hat Enterprise Linux の使用状況と容量の測定
RHEL の使用量は、サブスクリプションのタイプに基づいて測定されます。
従来の年間サブスクリプションの Red Hat Enterprise Linux
従来の年間サブスクリプションの Red Hat Enterprise Linux の場合、サブスクリプションの条件に従い、ソケットの消費量に基づいて使用量が測定されます。
2023 年 9 月 6 日の時点で、サブスクリプションサービスは、RHEL for x86 バリアントの使用状況データにレポートされるシステムタイプの数を変更しました。RHEL Desktop、RHEL Workstation、および RHEL Compute Node システムタイプは、グラフと表のデータでレポートされなくなりました。代わりに、RHEL for x86 バリアントの場合は、RHEL Server システムタイプのみがグラフと表でレポートされます。API を使用して RHEL Workstation および RHEL Compute Node のデータにアクセスすることはできますが、RHEL Desktop のデータは削除されました。この変更は今後のレポートに適用されますが、過去のデータには適用されません。
このレポートの変更は、RHEL プラットフォームのテクニカルバリアントに焦点を当てることで、サブスクリプションサービスのユーザーインターフェイスにおける現在および将来のワークフローを合理化することを目的としています。リリース 8 以降、サブスクリプションサービスコンテンツの一部のサブスクリプションで、全体的な同じソースリポジトリーが使用されるようになり、それらの間の技術的な差異がなくなりました。RHEL Server のサブスクライバーの数は RHEL Workstation および RHEL Compute Node のサブスクライバーの数を大幅に上回っています。そのため、テクニカルバリアントではない同一ソースの RHEL オファリングを除外することで、ユーザーインターフェイスで RHEL Server の使用状況を見て理解する際の負担が軽減されます。
この変更により、ユーザーインターフェイスのグラフと表のデータにおいて、以前 RHEL Desktop、RHEL Workstation、および RHEL Compute Node システムを表していた分だけ RHEL for x86 の全使用数が減少します。RHEL Workstation および RHEL Compute Node システムの RHEL 使用状況を引き続き監視する場合は、rhsm-subscriptions-api
API を使用できます。
このシステム使用状況データを表示するには、次のエンドポイントを使用します。これらのエンドポイントの詳細は、関連する API ドキュメントを参照してください。
-
RHEL Workstation または RHEL Compute Node のインスタンスを確認するには、
/instances/product/{product_id}
エンドポイントを使用してます。{product_id}
変数には正しい製品 ID を指定します。詳細は、API documentation を参照してください。 -
RHEL Workstation または RHEL Compute Node の使用状況を確認するには、
/tally/products/{product_id}/{metric_id}
エンドポイントを使用します。{productID}
変数には正しい製品 ID を指定し、{metric_id}
変数にはsockets
の値を指定します。詳細は、API documentation を参照してください。
- 使用量: 従来の年間サブスクリプションの RHEL
使用量は CPU ソケットで計測されます。データは、サポートされているすべてのアーキテクチャーについて集計され、それらのアーキテクチャー (サポートされている IBM および x86 アーキテクチャーなど) でフィルタリングすることができます。Variant フィルターのオプションから選択することで、各アーキテクチャーに固有の使用状況データを表示できます。フィルターオプションをクリアすると、すべてのアーキテクチャーの集計データを表示できます。
グラフの使用状況データは、物理システム、仮想システム、パブリッククラウドシステム、またはハイパーバイザー上の RHEL に基づいて、4 つのセクションに分かれています。
- 容量: 従来の年間サブスクリプションの RHEL
容量を測定するために、各 RHEL サブスクリプションのソケットの容量が合計されます。
一部の Red Hat 製品では、RHEL はその製品に付属しており、その製品をサポートするためにインストールされます。これは、別の製品に "バンドルされている" と言われることもあります。たとえば、RHEL は Red Hat Satellite に含まれており、Satellite ページビューで個別に追跡されます。バンドルされた RHEL は、実稼働ワークロードまたは同様の目的を持つ RHEL の合計使用量または容量に対して追跡またはカウントされません。
Red Hat Satellite
Red Hat Satellite の場合、RHEL と同様に、使用状況の測定は、サブスクリプションの条件に従って、ソケットの消費に基づいています。
- 使用量: Satellite
使用量は CPU ソケットで計測されます。すべての Satellite のデータが集計されます。データはこれらの製品 (Satellite Server および Capsule Server) でフィルタリングできます。Variant フィルターのオプションから選択することで、各製品に固有の使用状況データを表示できます。フィルターオプションをクリアすると、すべての製品の集計データを表示できます。
Satellite の使用状況は、Satellite をサポートするためにインストールされている RHEL の存在を識別する場合に役立つように表示されます。このタイプのサブスクリプションの例は、Smart Management バンドルを含む RHEL サブスクリプションです。このタイプのバンドルされた RHEL を実行している既知の RHEL システムがある場合は、Satellite ビューを使用してそれらのシステムを見つけることができます。
- 容量: Satellite
容量は、Satellite に適用可能なメトリクスではありません。そのため、このタイプのサブスクリプションでは、容量は追跡されず、サブスクリプションのしきい値ラインも表示されません。
Satellite をサポートするためにインストールされた RHEL は、全体的な RHEL 容量にはカウントされません。代わりに、その RHEL サブスクリプションは、Satellite を実行することを明確に意図しており、他のワークロードや開発目的で使用することを意図していません。
従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの Red Hat Enterprise Linux
従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの Red Hat Enterprise Linux の場合、サブスクリプションの条件に基づき、仮想 CPU 時間に基づいて使用量が測定されます。
現時点では、Extended Life Cycle Support アドオンを備えた Red Hat Enterprise Linux for Third Party Linux Migration が、サブスクリプションサービスによって追跡される唯一の RHEL 従量課金制オンデマンド型サブスクリプションオファリングです。
- 使用量: 従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの RHEL
RHEL の従量課金制オンデマンド形サブスクリプションの使用量は、仮想 CPU 時間という単一のメトリクスで測定されます。仮想 CPU 時間 とは、1 つの仮想コア (サブスクリプション条件で定義) における合計 1 時間の計算活動への使用可能率を、使用するメーターの粒度に合わせて測定したものです。RHEL 従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの使用量の場合、計算活動への使用可能率は、RHEL インスタンスの経時的な使用可能率です。使用量を仮想 CPU 時間で取得するために、サブスクリプションサービスは数値積分を使用します。これは、"曲線下の領域" 計算としても知られています。
RHEL インスタンスの仮想 CPU 時間ベースの使用量データが合計され、使用量と使用率のグラフに日次の使用状況として表示されます。オンデマンドサブスクリプションでは毎月課金されるため、グラフのデフォルトの時間間隔は 1 カ月 (現在の暦月) となっています。オンデマンドサブスクリプションの請求サイクルは、購入元のクラウドプロバイダーマーケットプレイスによって異なる可能性があるため、サブスクリプションサービスでは、オンデマンドの使用状況を報告するための標準として暦月間の間隔を使用します。
グラフの横には、使用状況の最新のスナップショットの日次および月次の合計が表示されます。
注記サブスクリプションサービスインターフェイスに表示されるアカウントおよび個々のインスタンスの仮想 CPU 時間使用量データは、表示目的で小数点以下 2 桁に端数処理されます。インターフェイスのさまざまな場所に表示される使用量の値は、この切り捨てが原因で、若干の不一致が表示される場合があります。しかし、サブスクリプションサービスの計算に使用され、Red Hat Marketplace の課金サービスに提供されるデータは、ミリコアレベルであり、小数点以下 6 桁に端数処理されており、表示値とは異なります。
- 容量: 従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの RHEL
- 容量は、従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションには適用されない指標です。そのため、このタイプのサブスクリプションでは、容量は追跡されず、サブスクリプションのしきい値ラインも表示されません。
17.2.2. Red Hat OpenShift の使用状況と容量の測定
Red Hat OpenShift の場合、使用量の測定はクラスターのサイズに基づいて行われます。具体的には、測定はサブスクライブされたクラスターサイズに基づいています。サブスクライブされたクラスターサイズの測定に使用される測定単位は、製品のサブスクリプション条件とサブスクリプションの種類によって異なります。
サブスクライブされたクラスターのサイズ は、すべてのサブスクライブされたノードのサイズの合計で、これらのノードがワークロードを処理します。ノードタイプとノードラベルに関する情報を取得できる Red Hat OpenShift のバージョンでは、すべてのインフラストラクチャー以外のノードとスケジュール可能なマスターノードがワークロードに使用できるとみなされます。サブスクライブした各ノードについて、カーネルはソケット数、各ソケット上のコア数、各コアがサポートするスレッド数の問い合わせを受けます。そして、スレッドの総数をコアあたりのスレッド数で割り、ノード (物理マシンまたは仮想マシン) のコア数が決定されます。
Red Hat OpenShift バージョン 4.1 以降 (Red Hat OpenShift Container Platform および OpenShift Dedicated for On-Demand サブスクリプションのバージョン 4.7 を含む) の場合、サブスクリプションサービスはノードタイプとノードラベルデータを使用して、サブスクライブされたノードを検索できます。これらのバージョンの Red Hat OpenShift のクラスターサイズに基づく使用量データの集計では、コントロールプレーンノードの使用量など、サブスクライブされていないノードの使用量は無視されます。ただし、OpenShift Dedicated On-Demand の場合には、コントロールプレーンの使用はクラスターの可用性に基づいて、インスタンス時間として追跡されます。
サブスクリプションサービスは、Red Hat OpenShift Container Platform の以前のバージョンではこれと同じ区別を行うことができないため、サブスクライブされたノードとサブスクライブされていないノードのデータが表示およびカウントされます。クラスターデータの分析により、Red Hat OpenShift Container Platform の以前のバージョンで表示されるデータの約 15% がサブスクライブされていないノードのオーバーヘッドであることがわかりました。したがって、お客様のサブスクリプションプロファイルに Red Hat OpenShift Container Platform バージョン 3 が含まれている場合に、Red Hat OpenShift のサブスクリプションのしきい値を最大 15% 超えても、サブスクリプションに準拠していることになる可能性があります。
サブスクライブされたノードとサブスクライブされたクラスターサイズデータに関する追加情報は、サブスクリプションサービスが追跡する機能 を参照してください。
サブスクリプションサービスで追跡する Red Hat OpenShift の使用を改善する方法は、サブスクリプションサービスの使用状況データに影響を与える vCPU、ハイパースレッディング、およびサブスクリプション構造の情報 を参照してください。
クラスターサイズの情報の取得後に、製品やサブスクリプションの種類に応じて使用量や容量の情報が計算されます。詳細は、以下の各製品およびサブスクリプションタイプの説明をご覧ください。
Red Hat OpenShift Container Platform
- 使用量: 年間サブスクリプションのある Red Hat OpenShift Container Platform の場合
- Red Hat OpenShift Container Platform の年間サブスクリプションの使用量は、CPU コアまたはソケットで測定されます。データはアカウントレベルのビューとして表示され、アクティブなクラスター全体の使用量の合計となります。
- 容量: 年間サブスクリプションのある Red Hat OpenShift Container Platform の場合
- 容量を測定するために、各サブスクリプションのコアまたはソケットの分 (該当する場合) が、年間サブスクリプションの合計に加算されます。
- 使用量: Red Hat OpenShift Container Platform を従量課金制のオンデマンド型で利用する場合
Red Hat OpenShift Container Platform の従量課金正のオンデマンド型サブスクリプションの使用量は、コア時間で測定されます。コア時間 とは、1 つのコア (サブスクリプション条件で定義されている) における合計 1 時間の計算活動を、使用するメーターの粒度に合わせて測定した単位です。コア時間での使用状況を取得するために、サブスクリプションサービスでは数値積分を使用します。これは、"曲線の下の領域" 計算としても知られています。
すべてのクラスターのコア時間ベースの使用量データは合計され、使用量と使用率のグラフに日ごとの使用量として表示されます。オンデマンドサブスクリプションでは毎月課金されるため、グラフのデフォルトの時間間隔は 1 カ月 (現在の暦月) となっています。オンデマンドサブスクリプションの請求サイクルは、購入元のクラウドプロバイダーマーケットプレイスによって異なる可能性があるため、サブスクリプションサービスでは、オンデマンドの使用状況を報告するための標準として暦月間の間隔を使用します。
使用したコア時間 の累積値は、累積された使用量を表示する必要がある場合にはその月の使用状況の最新のスナップショットも表示します。
注記サブスクリプションサービスインターフェイスに表示される、アカウントおよび個々のクラスターのコア時間の使用量データは、表示目的で小数点以下 2 桁に端数処理されます。インターフェイスのさまざまな場所に表示される使用量の値は、この切り捨てが原因で、若干の不一致が表示される場合があります。しかし、サブスクリプションサービスの計算に使用され、Red Hat Marketplace の課金サービスに提供されるデータは、ミリコアレベルであり、小数点以下 6 桁に端数処理されており、表示値とは異なります。
- 容量: Red Hat OpenShift Container Platform を従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションで利用する場合
- 容量は、従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションには適用されない指標です。そのため、このタイプのサブスクリプションでは、容量は追跡されず、サブスクリプションのしきい値ラインも表示されません。
Red Hat OpenShift Dedicated
- 使用量: 従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションの Red Hat OpenShift Dedicated の場合
Red Hat OpenShift Dedicated の従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションの使用は、コア時間およびインスタンス時間の 2 つの単位で測定されます。そのため、使用状況および使用率のグラフには、プライマリーの y 軸およびセカンダリー y 軸とも呼ばれるデュアル y 軸として知られています。
- コア時間 とは、1 つのコア (サブスクリプション条件で定義されている) における合計 1 時間の計算活動を、使用するメーターの粒度に合わせて測定した単位です。Red Hat OpenShift Dedicated On-Demand の場合、コア時間はコンピュートマシンでのワークロード使用量を測定します。
- インスタンス時間 は、Red Hat サービスインスタンスの可用性に対する測定単位であり、その時に顧客のワークロードを受け入れて実行できます。Red Hat OpenShift Dedicated On-Demand の場合には、インスタンス時間はクラスターの可用性データを使用して、コントロールプレーンマシンでのコントロールプレーンの使用状況を測定します (古いバージョンの Red Hat OpenShift、マスターマシン)。このデータは、Red Hat Marketplace 請求書に含まれるクラスターの費用 (クラスターコストとも呼ばれる) の計算に使用されます。
コア時間とインスタンス時間での使用状況を取得するために、サブスクリプションサービスでは数値積分を使用します。これは、"曲線の下の領域" 計算としても知られています。このプロセスは、1 時間に複数回使用量をサンプリングし、特定の時間間隔でサンプルを正規化し、正規化されたサンプルを 1 日の合計に集約してから、1 日の合計を、サブスクリプションの請求条件によって決定される合計に集計します。
すべてのクラスターの使用状況データが合計され、使用状況と利用状況のグラフに毎日の使用状況として表示されます。コア時間の使用量は、プライマリーが y 軸で、インスタンス時間の使用率はセカンダリー y 軸で分割されます。オンデマンドサブスクリプションでは毎月課金されるため、グラフのデフォルトの時間間隔は 1 カ月 (当月) となっています。オンデマンドサブスクリプションの請求サイクルは、購入元のクラウドプロバイダーマーケットプレイスによって異なる可能性があるため、サブスクリプションサービスでは、オンデマンドの使用状況を報告するための標準として暦月間の間隔を使用します。
使用したコア時間 の累積値は、累積された使用量を表示する必要がある場合にはその月の使用状況の最新のスナップショットも表示します。
注記サブスクリプションサービスインターフェイスに表示される、アカウントおよび個々のクラスターのコア時間とインスタンス時間の使用量データは、参照表示用として小数点以下 2 桁に端数処理されます。インターフェイスのさまざまな場所に表示される使用量の値は、この切り捨てが原因で、若干の不一致が表示される場合があります。しかし、サブスクリプションサービスの計算に使用され、Red Hat Marketplace の課金サービスに提供されるデータは、ミリコアレベルであり、小数点以下 6 桁に端数処理されており、表示値とは異なります。
- 容量: Red Hat OpenShift Dedicated を従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションで利用する場合
- 容量は、従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションには適用されない指標です。そのため、このタイプのサブスクリプションでは、容量は追跡されず、サブスクリプションのしきい値ラインも表示されません。
Red Hat OpenShift アドオン
- 使用量: AWS Hosted Control Plane 上の Red Hat OpenShift サービス (プリペイドおよびオンデマンドサブスクリプション付き)
プリペイドプラスオンデマンドサブスクリプションによる AWS Hosted Control Plane (ROSA Hosted Control Plane) 上の Red Hat OpenShift サービスの使用量は、仮想 CPU 時間使用量とコントロールプレーン時間使用量という 2 つのメトリクスで測定されます。
- 仮想 CPU 時間 とは、1 つの仮想コア (サブスクリプション条件で定義) における合計 1 時間の計算活動への使用可能率を、使用するメーターの粒度に合わせて測定したものです。ROSA Hosted Control Plane の場合、計算アクティビティーの可用性は、時間の経過に伴う ROSA Hosted Control Plane にサブスクライブされたクラスターの仮想 CPU の可用性です。サブスクライブされたクラスターは、サブスクライブされたノード (非インフラストラクチャーノードと、該当する場合はワークロードに使用できるスケジュール可能なマスターノード) で構成されます。ROSA Hosted Control Plane の場合、この測定を使用する他の製品とは異なり、スケジュール可能なマスターノードは該当しない点に注意してください。サブスクライブされたクラスターのワークロード実行に使用できる vCPU は、vCPU 時間カウントに加算されます。
- コントロールプレーン時間 は、Red Hat アカウントでホストされるコントロールプレーンの可用性に関する測定値です。ROSA Hosted Control Plane では、各クラスターに専用のコントロールプレーンがあり、Red Hat が所有する ROSA Hosted Control Plane サービスアカウントで分離されています。
サブスクリプションサービスでは、仮想 CPU 時間とコントロールプレーン時間の使用状況を取得するために、数値積分を使用します。一般に "曲線の下の領域" 計算としても知られています。vCPU 時間分、サブスクライブされたクラスターの使用状況データ、および、コントロールプレーンの時間ベースの使用状況データの合計を出し、両方の使用状況データが、使用状況および使用率グラフに毎日の使用量として表示されます。オンデマンドサブスクリプションの請求サイクルは月単位であるため、グラフのデフォルトの時間間隔は現在の暦月である 1 カ月になります。サブスクリプションサービスでは、オンデマンドサブスクリプションの使用状況をレポートするための標準として暦月間隔を使用しますが、AWS からの実際の請求サイクルは契約の発効日によって異なる場合があります。
ROSA Hosted Control Plane の使用量は測定され、AWS との契約の前払い部分と比較されます。契約の前払い部分を超えない使用量は記録されますが、AWS には送信されません。使用量が契約の前払い部分を超えると、超過額が AWS に送られ、請求されます。
ROSA Hosted Control Plane 契約の条件により、ユーザーは契約期間中、月の中旬を含めいつでも前払い使用量を増やすことができます。契約が 1 ヶ月の途中で調整された場合、サブスクリプションサービスで契約の調整を追跡できます。
前払い契約の使用量を超過し、暦月中に従量課金制ベースの使用量が累積し始め、同じ月内に前払い契約使用量も増やした場合は、前払い契約使用量を増やす前に累積された従量課金制使用量は、前払い契約使用量に換算されません。ただし、新しい従量課金制の使用量については、使用量が新しい前払い契約の使用量上限と以前に累積された従量課金制の使用量の合計を超えるまで累積されません。この原則があるため、従量課金制の使用が二重にカウントされることはありません。
以下に例を示します。
- 前払い契約使用量のサブスクリプションが 100 ユニットあります。
- 暦月が終了する前に 110 ユニット分を使用します。この 110 ユニットの内、100 ユニットは前払い使用量としてカウントされ、10 ユニットは従量課金制の使用量としてカウントされます。
- サブスクリプションを、前払い契約使用量 200 ユニットに増やすと、この変更は同じ月に有効になります。
- 追加分の従量課金制の使用量は、その月に 210 ユニットを超えた場合にのみカウントされます。
- 容量: AWS Hosted Control Plane 上の Red Hat OpenShift サービス (プリペイドおよびオンデマンドサブスクリプション付き)
- 容量は、ROSA Hosted Control Plane 契約の条件に示されているように、購入した vCPU 時間数によって決まります。
17.2.3. Red Hat Cloud Services の使用状況および容量の測定
Red Hat Cloud Services では、使用量の測定は、通常、サービスを強化するプラットフォームによるコンピュートリソースの消費に関するメトリックに基づいています。これらのリソースには、サービスの各インスタンスが利用可能な間の CPU、vCPU、RAM、ネットワークトラフィック、ストレージボリューム、およびコントロールプレーンの消費に関するメトリクスなどが含まれますが、これらに限定されません。これらのサービスは各種ジョブを実行し、さまざまなリソースを消費するため、個々のサービスは単一のメトリックまたはその組み合わせによって測定される場合があります。さらに、サービスのこれらの違いにより、基本的なメトリックタイプに異なる測定単位が使用される可能性があります。
サブスクリプションサービスでは、複数のクラウドプロバイダーのマーケットプレイスを通じて複数回購入された Red Hat Cloud Services のオファリングが、1 つのページにグループ化されて表示されます。フィルタリング機能を使用して、使用状況データを特定のクラウドプロバイダーを通じて購入されたオファリングに限定します。
Red Hat OpenShift AI
- 使用量: 従量課金制のオンデマンドサブスクリプションによる Red Hat OpenShift AI
Red Hat OpenShift AI (RHOAI) の従量課金制オンデマンドサブスクリプションの使用量は、vCPU 時間単位の単一のメトリックで測定されます。仮想 CPU 時間 とは、1 つの仮想コア (サブスクリプション条件で定義) における合計 1 時間の計算活動への使用可能率を、使用するメーターの粒度に合わせて測定したものです。RHOAI の従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの使用の場合、計算活動への使用可能率は、RHOAI クラスターの経時的な使用可能率です。使用量を仮想 CPU 時間で取得するために、サブスクリプションサービスは数値積分を使用します。これは、"曲線下の領域" 計算としても知られています。
RHOAI クラスターの仮想 CPU 時間ベースの使用量データが合計され、使用量と使用率のグラフに日次の使用状況として表示されます。オンデマンドサブスクリプションでは毎月課金されるため、グラフのデフォルトの時間間隔は 1 カ月 (現在の暦月) となっています。オンデマンドサブスクリプションの請求サイクルは、購入元のクラウドプロバイダーマーケットプレイスによって異なる可能性があるため、サブスクリプションサービスでは、オンデマンドの使用状況を報告するための標準として暦月間の間隔を使用します。
グラフの横には、使用状況の最新のスナップショットの日次および月次の合計が表示されます。
注記サブスクリプションサービスインターフェイスに表示されるアカウントおよび個々のクラスターの vCPU 時間使用量データは、表示目的で小数点以下 2 桁に端数処理されます。インターフェイスのさまざまな場所に表示される使用量の値は、この切り捨てが原因で、若干の不一致が表示される場合があります。しかし、サブスクリプションサービスの計算に使用され、Red Hat Marketplace の課金サービスに提供されるデータは、ミリコアレベルであり、小数点以下 6 桁に端数処理されており、表示値とは異なります。
- 容量: 従量課金制のオンデマンドサブスクリプションによる Red Hat OpenShift AI
- 容量は、従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションには適用されない指標です。そのため、このタイプのサブスクリプションでは、容量は追跡されず、サブスクリプションのしきい値ラインも表示されません。
Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes
- 使用量: 従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションの Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes (RHACS)
RHACS の従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションの使用量は、vCPU 時間単位の単一のメトリックで測定されます。仮想 CPU 時間 とは、1 つの仮想コア (サブスクリプション条件で定義) における合計 1 時間の計算活動への使用可能率を、使用するメーターの粒度に合わせて測定したものです。RHACS の従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの使用量の場合、計算活動への使用可能率は、RHACS クラスターの経時的な使用可能率です。使用量を仮想 CPU 時間で取得するために、サブスクリプションサービスは数値積分を使用します。これは、"曲線下の領域" 計算としても知られています。
RHACS によって管理されるすべてのクラスターの vCPU 時間ベースの使用量データが合計され、使用量と使用率のグラフに日次使用量として表示されます。オンデマンドサブスクリプションでは毎月課金されるため、グラフのデフォルトの時間間隔は 1 カ月 (現在の暦月) となっています。オンデマンドサブスクリプションの請求サイクルは、購入元のクラウドプロバイダーマーケットプレイスによって異なる可能性があるため、サブスクリプションサービスでは、オンデマンドの使用状況を報告するための標準として暦月間の間隔を使用します。
グラフの横には、使用状況の最新のスナップショットの日次および月次の合計が表示されます。
注記サブスクリプションサービスインターフェイスに表示されるアカウントおよび個々のクラスターの vCPU 時間使用量データは、表示目的で小数点以下 2 桁に端数処理されます。インターフェイスのさまざまな場所に表示される使用量の値は、この切り捨てが原因で、若干の不一致が表示される場合があります。しかし、サブスクリプションサービスの計算に使用され、Red Hat Marketplace の課金サービスに提供されるデータは、ミリコアレベルであり、小数点以下 6 桁に端数処理されており、表示値とは異なります。
- 容量: 従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションの Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes (RHACS)
- 容量は、従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションには適用されない指標です。そのため、このタイプのサブスクリプションでは、容量は追跡されず、サブスクリプションのしきい値ラインも表示されません。
17.3. 測定単位
製品の使用状況を追跡するための測定単位は、サブスクリプションの条件によって決定されます。
17.3.1. Red Hat Enterprise Linux の測定単位
従来の年間サブスクリプションの Red Hat Enterprise Linux
従来の年間サブスクリプションの場合、サブスクリプションサービスは通常、RHEL の使用量をソケット単位で測定します。ただし、物理、仮想、パブリッククラウド、およびハイパーバイザー製品とハードウェアとの関係には固有の違いがあるため、サブスクリプションサービスの追跡では、次のようにさまざまな測定単位を使用しています。
- 物理的な使用状況
サブスクリプションサービスは、お客様の物理的な RHEL インストールを CPU ソケットペアで測定します。各システムは、インストールされているソケット数を、偶数に切り上げて提供します。表示される値は、システムレベルでソケットペアをすべて端数処理した後の合計ソケット数です。
現在のインスタンステーブルでは、オンプレミスの物理ハードウェアが物理マシンとして表示されます。
- 仮想化の使用状況
- サブスクリプションサービスは、仮想化された RHEL インストールを個々のソケットで測定します。1 つのソケットは 1 つの仮想マシンを表します。仮想化の使用状況でカウントされるシステムは、スタンドアロンシステムです。つまり、これらは、Satellite インベントリーアップロードプラグインまたは Red Hat Subscription Management を通じてサブスクリプションサービスに送信される virt-who ホストとゲストのマッピングデータを含む、検出可能なハイパーバイザー管理がない仮想マシンです。
- パブリッククラウドの使用状況
サブスクリプションサービスは、パブリッククラウドの RHEL インストールをソケット単位で計測します。
パブリッククラウドの RHEL イメージから起動されたインスタンスは、イメージとインスタンスのメタデータに存在する Desktop Management Interfaces (DMI) のファクトと値のペアによって認識されます。DMI ファクトの値は、インスタンスが Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud、Alibaba Cloud が提供するクラウドインフラストラクチャーで実行されていることを示しています。他のシステムプロファイルファクトは、クラウドプロバイダーのアイデンティティードキュメント (AWS インスタンスアイデンティティードキュメントなど) から取得され、インスタンスの分析中に DMI ファクトと結合されます。実行中の各インスタンスは 1 日中実行されているものとしてカウントされ、1 ソケット分としてソケット数に含まれます。
クラウドプロバイダーのアイデンティティードキュメントには、イメージが購入された場所を特定するのに役立つシステムプロファイルファクトが含まれています。イメージがクラウドプロバイダーマーケットプレイスから直接購入したものとして識別された場合、そのイメージのインスタンスはパブリッククラウドソケットの合計には寄与せず、サブスクリプションのしきい値に対してもカウントされず、使用量および使用率のグラフにも表示されません。ただし、これらのタイプの RHEL インスタンスを含むシステムは、現在のインスタンステーブルに表示されます。表では、Sockets 列が null 値 (二重ダッシュ (--) で表されます) になるため、クラウドプロバイダーマーケットプレイスのインスタンスを持つシステムを識別できます。この null 値は、これらのシステムが使用状況データに寄与しないことを示します。
- ハイパーバイザーの使用状況
サブスクリプションサービスは、ハイパーバイザーの RHEL インストールを CPU ソケットペア単位で測定します。Satellite インベントリーアップロードプラグインまたは Red Hat Subscription Management を介してサブスクリプションサービスに virt-who ホストとゲストのマッピングデータを提供しているシステムは、ハイパーバイザーとして分類されます。ハイパーバイザーとして分類されるシステムは、マルチゲスト仮想データセンター (VDC) サブスクリプションや、同様の仮想化環境を持っている場合があります。ハイパーバイザーの使用量は、次の方法でカウントされます。
- RHEL ゲストを持つ RHEL ベースのハイパーバイザーの場合、ハイパーバイザーのソケット数は、ソケットペア方式で 2 回カウントされます。1 回目のカウントは、ハイパーバイザーを実行するオペレーティングシステムとして使用される RHEL のノード独自のコピーに対するカウントです。2 回目のカウントは、ゲストシステムが使用する RHEL に対するカウントです。
- RHEL ゲストを持つ非 RHEL ベースのハイパーバイザーの場合、ハイパーバイザーのソケット数は、ソケットペア方式で 1 回カウントされます。このカウントは、ゲストシステムが使用する RHEL に対するカウントです。
従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの Red Hat Enterprise Linux
サブスクリプションサービスは、RHEL の使用量を仮想 CPU 時間単位で測定します。仮想 CPU 時間 とは、1 つの仮想コア (サブスクリプション条件で定義) における合計 1 時間の計算活動への使用可能率を、使用するメーターの粒度に合わせて測定したものです。RHEL 従量課金制オンデマンド型サブスクリプションの使用量の場合、計算活動への使用可能率は、RHEL インスタンスの経時的な使用可能率です。
現時点では、Extended Life Cycle Support アドオンを備えた Red Hat Enterprise Linux for Third Party Linux Migration が、サブスクリプションサービスによって追跡される唯一の RHEL 従量課金制オンデマンド型サブスクリプションです。
17.3.2. Red Hat OpenShift の測定単位
年間サブスクリプションのある Red Hat OpenShift Container Platform
サブスクリプションサービスは、Red Hat OpenShift の使用量を CPU コアまたは CPU ソケットの単位で測定します。Red Hat OpenShift 4 ではクラスターレベルで、Red Hat OpenShift 3 ではノードレベルで集計しています。現在、サブスクリプションサービスでは、同じアカウント内にコアベースとソケットベースのクラスターが含まれる環境での Red Hat OpenShift の使用状況の混合ユニットビューをまとめて表示できません。そのデータを別々のビューに表示するには、フィルタリングを使用する必要があります。
フィルターを使用して、使用量と容量のデータを 2 つの測定単位で切り替えることができます。サブスクリプション属性がクラスター上 (Red Hat OpenShift 4 の場合は Red Hat OpenShift Cluster Manager を通じて)、またはノード上 (Red Hat OpenShift 3 の場合は ocm.units
値を設定するコマンドを通じて) で設定されている場合、そのデータはコアまたはソケットごとに報告することができます。サブスクリプション属性が設定されていない、または設定できない場合は、コアとソケットベースの両方の使用状況のレポートにデータが含まれています。
- 物理的な使用状況
サブスクリプションサービスは、お客様のコアベースの物理的な Red Hat OpenShift インストールを実際のコア数で測定します。ソケットベースの物理的インストールは、ソケットペアで測定されるため、カウントは次の偶数に切り上げられます。
現在のインスタンステーブルでは、Red Hat OpenShift の物理システムの例として、ベアメタル上で実行される Red Hat OpenShift クラスターを挙げています。他の例としては、Red Hat OpenShift 3 のクラスターノードとして報告する RHEL システムがあります。
- 仮想化の使用状況
サブスクリプションサービスでは、コアベースおよびソケットベースのインストールを、実際のコア数および実際のソケット数で測定します。
現在のインスタンステーブルでは、Red Hat OpenShift の仮想システムの例として、Red Hat OpenStack Platform、Red Hat Virtualization、VMware vSphere などの環境や、パブリッククラウド上に設置されたクラスターが挙げられています。
従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションでの Red Hat OpenShift Container Platform または Red Hat OpenShift Dedicated
サブスクリプションサービスは、Red Hat OpenShift Container Platform または Red Hat OpenShift Dedicated の使用量の従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションをコア時間で測定します。コア時間 とは、1 つのコア (サブスクリプション条件で定義されている) における合計 1 時間の計算活動を、使用するメーターの粒度に合わせて測定した単位です。
- 物理的な使用状況
- サブスクリプションサービスは、お客様のコアベースの物理的な Red Hat OpenShift インストールを実際のコア数で測定します。ソケットベースの物理的インストールは、ソケットペアで測定されるため、カウントは次の偶数に切り上げられます。
- 仮想化の使用状況
- サブスクリプションサービスでは、コアベースおよび vCPU ベースの仮想インストールを実際のコア数で測定し、vCPU は最大の効率を用いてコアに合理化されます。ソケットベースの仮想インストールは、ハイパーバイザーが報告するソケット数で測定されます。最適なレポートを得るためには、ハイパーバイザーが仮想マシンの正確なソケット数を報告していることを確認してください。
- コントロールプレーンの使用状況
- Red Hat OpenShift Dedicated On-Demand のみの場合は、サブスクリプションサービスはクラスターの可用性をインスタンス時間ごとに測定します。Red Hat OpenShift Dedicated On-Demand の場合には、このインスタンス毎のコントロールプレーンの使用量計算は、クラスター時間の測定単位に基づいています。
AWS Hosted Control Plane 上の Red Hat OpenShift サービス (プリペイドおよびオンデマンドサブスクリプション付き)
サブスクリプションサービスは、AWS Hosted Control Planes (ROSA Hosted Control Plane) 上の Red Hat OpenShift Service のプリペイドサブスクリプションとオンデマンドサブスクリプションの使用量を仮想 CPU 時間とコントロールプレーン時間で測定します。
- 仮想 CPU 時間 とは、1 つの仮想コア (サブスクリプション条件で定義) における合計 1 時間の計算活動への使用可能率を、使用するメーターの粒度に合わせて測定したものです。
- コントロールプレーンの時間は、コントロールプレーンの可用性の測定値です。ROSA Hosted Control Plane では、各クラスターに専用のコントロールプレーンがあり、Red Hat が所有する ROSA Hosted Control Plane サービスアカウントで分離されています。
17.3.3. Red Hat Cloud Services の測定単位
Red Hat OpenShift AI
サブスクリプションサービスは、vCPU 時間で Red Hat OpenShift AI (RHOAI) 使用量の従量課金制オンデマンドサブスクリプションを測定します。vCPU 時間 とは、1 つの仮想コア (サブスクリプション条件で定義) における合計 1 時間の計算活動を、使用するメーターの粒度に合わせて測定した単位です。
Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes
従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションの Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes (RHACS)
サブスクリプションサービスは、RHACS 使用量の従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションを vCPU 時間で測定します。vCPU 時間 とは、1 つの仮想コア (サブスクリプション条件で定義) における合計 1 時間の計算活動を、使用するメーターの粒度に合わせて測定した単位です。
17.4. フィルター
インターフェイスで利用可能なフィルターから値を選択することで、サブスクリプションサービスのデータをさらに絞り込むことができます。フィルターオプションを選択すると、通常、グラフビュー (場合によってはテーブルビューのテーブル) が更新され、そのオプションに関連するデータが表示されます。つまり、ほとんどのフィルターは、選択オプションを同時に使用不可ではなく、使用できます。
時間によるフィルタリング
年間契約の場合は、日次 (デフォルト) や四半期を含む複数の異なる時間間隔でデータをフィルタリングすることができます。オンデマンドサブスクリプションの場合、当月のみの時間間隔で、または過去 12 カ月の任意の月でフィルター処理できます。オンデマンドサブスクリプションの請求サイクルは、購入元のクラウドプロバイダーマーケットプレイスによって異なる可能性があるため、サブスクリプションサービスでは、オンデマンドの使用状況を報告するために暦月間の間隔を使用します。
時間によるフィルタリングは、使用量と利用率のグラフ表示にのみ影響します。現在のインスタンステーブルと現在のサブスクリプションテーブルビューは、最新のサブスクリプションサービスの毎日のスナップショットから、またはモニタリングスタックツールによって提供されるより頻繁なレポートから、利用可能な最新のデータを常に表示し、時間フィルターの影響を受けません。
サブスクリプションサービスの急速な発展に伴い、新しい機能が追加され、このツールの範囲と精度が向上しています。サブスクリプションサービスでは、これらの新機能が追加されたため、古い使用量や容量のデータを再計算するアプリケーション内の機能は提供されません。そのため、より長い時間間隔を選択すると、矛盾を含んだ結果が表示される可能性があります。
サブスクリプションの属性によるフィルタリング
いくつかのフィルターを使用して、サブスクリプションの属性 (サブスクリプションの特性や使用目的を表すデータ) でフィルタリングすることができます。それらのフィルターの精度は、サブスクリプションの属性データがどれだけ正確に設定されているかに依存します。
サブスクリプションの属性は、オペレーティングシステムやその管理ツールから設定する場合と、製品自体の設定から設定する場合があります。これらのさまざまなツールでは、サブスクリプション属性データは、システム目的、サブスクリプション設定、または同様の名前でも知られています。場合によっては、サブスクリプション属性値は、サブスクリプションがソケットまたはコア単位で販売されている場合など、サブスクリプションから派生することがあります。
サブスクリプションサービスのフィルターを使用すると、サブスクリプションプロファイル内の特定のユースケースを満たす使用状況をより詳細に把握することができます。たとえば、SLA (サービスレベルアグリーメント) フィルターで RHEL サブスクリプションをフィルタリングして、SLA が Premium のものだけを表示すると、それらの Premium サブスクリプションの全体的な容量と比較して、Premium サブスクリプションの現在の使用状況を判断するのに役立ちます。そのため、この情報は、追加導入、サブスクリプションのコンプライアンス問題を軽減するためのアクション、将来の購入や更新などの意思決定に役立てることができます。
別の例として、No SLAやUnspecifiedオプションなど、フィルターに非特定の値を選択することで、欠落している可能性のあるサブスクリプション属性値や、一般的ではなくサブスクリプションサービスで特にフィルタリングできない可能性のあるサブスクリプションを表示するのに役立ちます。サブスクリプション属性が欠落しているサブスクリプションについては、そのデータを追加することで、サブスクリプションサービスのレポートの精度と有用性を向上させることができます。
サブスクリプションサービスでは、RHEL に対応した以下のフィルターおよびフィルターオプションを提供しています。
- SLA (サービスレベルアグリーメント): Premium、Standard、セルフサポート、SLA なし
- Usage: 開発/テスト、障害復旧、実稼働、指定なし
サブスクリプションサービスは、Red Hat OpenShift に対して次のフィルターとフィルターオプションを提供します。
- SLA (サービスレベルアグリーメント): Premium、Standard、セルフサポート、SLA なし
- Cores: コア (デフォルト)、ソケット
オファリングが Red Hat OpenShift AI などのように 1 つのサブスクリプションタイプとしてのみ利用可能な場合、サブスクリプション属性によるフィルタリングは利用できません。
タイプによるフィルタリング
1 つの製品に対して複数のタイプのサブスクリプションの使用状況が追跡されている場合、Type フィルターを使用して、サブスクリプション使用状況のタイプによってフィルタリングできます。たとえば、サブスクリプションサービスは、RHEL 製品デプロイメントのさまざまなインフラストラクチャータイプに合わせて、RHEL の物理、仮想、パブリッククラウド、およびハイパーバイザーの使用状況を追跡します。このフィルターは、サブスクリプション属性 (システムの目的) の使用量に対応する使用量フィルターとは異なります。
Type フィルターは、以前提供されていた、使用量および使用率グラフの凡例の値によるグラフ表示フィルタリングに代わるものです。
バリアントによるフィルタリング
Variant フィルターを使用すると、表示される製品ページに適したサブスクリプションのさまざまな側面をフィルタリングできます。たとえば、RHEL のアーキテクチャーバリアントや Satellite の製品バリアントでフィルタリングできます。
名前によるフィルタリング (現在のインスタンステーブル)
現在のインスタンステーブルのデータは、各システムの表示名または汎用一意 ID (UUID) を示す Name 列の内容でフィルタリングできます。名前でフィルタリングするには、Name 欄の近くにある検索フィールドを使用します。
特定のシステム名または類似した名前のシステムのグループを検索することができます。完全一致文字列と部分一致文字列を受け付けますが、一般的なワイルドカード文字は特殊文字のワイルドカードではなく、リテラル文字として扱われます。
第18章 サブスクリプションサービスで保存されるデータ
サブスクリプションサービスでは、Red Hat Insights、Red Hat サブスクリプション管理、Red Hat Satellite および Satellite インベントリーアップロードプラグイン、OpenShift Cluster Manager、Red Hat OpenShift モニタリングスタックなど、複数のツールを使用して使用状況を追跡するためのデータを収集します。お客様のアカウントのデータ収集に役立つツールの数は、製品ごとに異なるツールがデータ収集に使用されるので、お客様のサブスクリプションプロファイルとその中の製品によって異なります。
Red Hat Insights、Red Hat サブスクリプション管理、またはその他の製品によって収集および保存されるデータの詳細は、その製品のドキュメントを参照してください。
サブスクリプションサービスでは、収集されたデータを 3 つの方法で使用します。
- Inventory が一度しかカウントされないようにするため。一部のデータは、プライマリーとセカンダリーの両方のストレージで、重複排除に使用されます。
- 提出されたデータを適切なアカウントにリンクし、どのように、どのリソースからデータを受け取ったかを記録します。いくつかの品質管理データが含まれています。
- サブスクリプションの値を計算するには一部のデータは、Red Hat ソフトウェアの存在を示し、サブスクリプションサービスの利用部分を強化しています。
サブスクリプションサービス自体は、Red Hat Insights によって収集されるデータのサブセットのみを保存します。サブスクリプションサービスで保存される主なデータには、インストールされた Red Hat 製品、システムサイズ、その他同様のシステム特性に関する情報が含まれます。
関連情報
- サブスクリプションサービスが保存して使用するデータの種類については、Data Gathered and Used by Subscription Watch の記事をご参照ください。
- Insights のデータガバナンスとセキュリティーの詳細は、Insights 102 の記事をご覧ください。
第19章 サブスクリプションサービスのデータ取得および更新方法
データ収集ツールは、サブスクリプションの利用状況に関するデータを含むデータを収集し、定期的に、このデータを分析および処理する Hybrid Cloud Console ツールに送信します。データを処理した後、サブスクリプションの利用状況や容量に関するデータなど、サブスクリプションサービスに必要なデータをサブスクリプションサービスに送信し、表示させます。年間サブスクリプションの場合、このデータは 1 日 1 回送信されます。オンデマンド型サブスクリプションでは、このデータをより頻繁に更新でき、通常は 1 日に数回更新できます。したがって、サブスクリプションサービスに表示されるデータは、1 日に 1 回または 1 日に数回の間隔で結果を集計したもので、リアルタイムの継続的な使用状況を監視するわけではありません。
Red Hat Enterprise Linux のデータパイプライン
次のイメージは、RHEL のデータを収集からサブスクリプションサービスでの表示まで移動させるデータパイプラインの詳細を示しています。データ収集ツールは、Red Hat Insights、Satellite、サブスクリプション管理エージェントによる Red Hat サブスクリプション管理のいずれを使用している場合でも、データを Hybrid Cloud Console の処理ツールに送信します。データが処理されると、インベントリーサービスなどの Hybrid Cloud Console ツールで利用できます。サブスクリプションサービスでは、インベントリーサービスで利用可能なデータのサブセットを使用して、サブスクリプションの使用状況や容量に関するデータを表示します。
図19.1 サブスクリプションサービスのための RHEL データパイプライン
Red Hat OpenShift のデータパイプライン
Red Hat OpenShift には、Red Hat Enterprise Linux または Red Hat Enterprise Linux CoreOS に基づくノードを含めることができます。RHCOS をベースにしたノードのみが、OpenShift Cluster Manager やモニタリングスタックなど、Red Hat OpenShift データパイプラインのツールを通じてデータを報告します。RHEL ノードは、Red Hat Insights、Satellite、または Red Hat サブスクリプション管理など、RHEL データパイプラインのツールを通じてレポートします。
Red Hat OpenShift のバージョン | ノードのオペレーティングシステム | 使用するデータパイプライン |
---|---|---|
Version 4 | RHCOS | Red Hat OpenShift pipeline クラスター報告に集約されたノード 分析されたノードを判別するために分析されたノードタイプとノードラベル |
Version 4 | RHEL | Red Hat OpenShift pipeline ノードを個別に報告 分析されたノードを判別するために分析されたノードタイプとノードラベル |
Version 3 | RHEL | RHEL パイプライン ノードを個別に報告 サブスクライブされたノードとサブスクライブされていないノードを区別できない |
Red Hat OpenShift バージョン 4.1 以降のデータ収集の場合、Telemetry、Prometheus、Thanos などの監視スタックで利用可能なツールは、サブスクライブされていないノードのアクティビティーを無視しながら、すべてのサブスクライブされたノードの CPU アクティビティーを監視し、定期的に合計します。そのデータは、最新性を維持するために、新しいクラスター、サイズ変更されたクラスター、およびエンティティーが削除されたクラスターごとに異なる間隔で Red Hat OpenShift Cluster Manager に送信されます。
その後、Red Hat OpenShift Cluster Manager は、既存のクラスターのクラスターサイズ属性を更新し、Hybrid Cloud Console のインベントリーツールに新しいクラスターのエントリーを作成します。
最後に、サブスクリプションサービスがインベントリーデータを分析し、サブスクリプションプロファイルの各 Red Hat OpenShift 製品のアカウント全体の使用情報を作成します。この情報は、サブスクリプションの種類に応じた容量データとともに、サブスクリプションサービスインターフェイスに表示されます。年間サブスクリプションの Red Hat OpenShift Container Platform の場合、使用状況の情報にはコアとソケットの両方の使用量が考慮されます。Red Hat OpenShift Container Platform または OpenShift Dedicated のオンデマンド型サブスクリプションの場合、使用情報にはコア時間の使用量が表示されます。
図19.2 サブスクリプションサービスの Red Hat OpenShift データパイプライン
Red Hat Cloud Services データパイプライン
Red Hat OpenShift AI や Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes などの Red Hat Cloud Services ポートフォリオの管理サービスは、Red Hat インフラストラクチャーに依存します。そのインフラストラクチャーの一部には、他のジョブの中でも、サブスクリプションサービスのサブスクリプションの使用状況に関するデータを提供する、モニタリングスタックツールが含まれています。したがって、Red Hat Cloud Services サービスは、Red Hat OpenShift データパイプラインで使用されるツールを使用して使用状況を報告します。
データ収集ツールのハートビート
データ収集ツールが処理のためにデータを送信する頻度 (ハートビートとも呼ばれる) は、ツールによって異なります。この変動は、サブスクリプションサービスが表示するデータの鮮度に影響を与える可能性があります。
次の表は、データ収集ツールのデフォルトのハートビートを示しています。場合によっては、これらの値はそのデータ収集ツールの中で設定可能です。
ツール | 設定可能 | ハートビートの間隔 |
---|---|---|
Insights | いいえ | 毎日、24 時間ごとに 1 回です。 |
Red Hat Subscription Management | はい | 1 日に複数回、デフォルトは 4 時間です。 |
Satellite | はい | 毎月、Satellite スケジューラー機能で設定できます。 使用されている場合、Satellite インベントリープラグインは、手動送信オプションで毎日レポートします。 また、仮想ゲストとホストのマッピングに関する正確な情報を維持するために、ベストプラクティスとして virt-who ユーティリティーを毎日実行することを推奨します。 |
Red Hat OpenShift | いいえ | データパイプラインには、Red Hat OpenShift Container Platform のモニタリングスタックや Hybrid Cloud Console のツールなど、間隔の異なる複数のツールが関わっています。
Red Hat OpenShift Container Platform モニタリングスタック:
Red Hat OpenShift Cluster Manager:
サブスクリプションサービス: |
パート VI. トラブルシューティングとよくある質問
お客様のアカウントのサブスクリプションサービスデータをご覧になる際、これらの計算がどのように行われているのか、あるいは計算が正確であるかどうかについて、さらにご質問があるかもしれません。よくある質問に対する回答は、サブスクリプションサービスに表示されるデータの理解を深めるのに役立つかもしれません。その他の情報は、サブスクリプションサービスのユーザーが経験する一般的な問題のトラブルシューティングに役立ちます。場合によっては、トラブルシューティング情報に記載されている推奨手順を実行することで、サブスクリプションサービスで報告されるデータの精度を向上させることができます。
第20章 トラブルシューティング: 仮想化された RHEL の過剰報告の修正
サブスクリプションサービスが仮想データセンター (VDC) サブスクリプションなどの仮想化環境で Red Hat Enterprise Linux を正確にレポートできるようにするには、サブスクリプションサービスが分析するデータにホストとゲストのマッピングが存在している必要があります。Red Hat Satellite では、Satellite インベントリーアップロードプラグインと virt-who ツールがこれらのマッピングをサブスクリプションサービス用に収集します。Red Hat サブスクリプション管理では、virt-who ツールがこれらのマッピングを収集します。これらのサブスクリプション管理オプションについては、仮想 RHEL の使用状況を正確に報告するために、必要なすべてのツールがインストールされ、適切に設定されている必要があります。
これらのツールを使用しないと、仮想化の使用状況データを正しく算出できません。このようなシナリオでは、ゲストは無視されるのではなく、カウントされます。ゲストはそれぞれ個別の仮想マシンとしてカウントされるため、仮想化されたソケット数が急速に増加し、容量を超えてデプロイされることも珍しくありません。多数の VDC サブスクリプションが複数のゲストを実行しているとき、サブスクリプションサービスが、サブスクリプションのしきい値を大幅に超える RHEL の過剰なデプロイメントを容易に示すことがあります。
次の例には、サブスクリプションサービスのインターフェイスから抜き出した RHEL の使用量と使用率のグラフビューが含まれています。期間の前半部分では、グラフには、物理、仮想、およびパブリッククラウドの使用量が表示されていますが、ハイパーバイザーの使用量は表示されていません。期間の後半部分では、Satellite インベントリーアップロードプラグインおよび virt-who がホストとゲストのマッピングを検出して報告するように正しく設定されているため、ハイパーバイザーの使用量の新しいレポートがグラフに表示され、仮想化の使用量のレポートが大幅に減少しています。表示されている期間全体で、サブスクリプションのしきい値は一定のままです。修正前は、RHEL の合計使用量がサブスクリプションのしきい値を超えていました。修正後は、ハイパーバイザーの使用量をカウントできるようになり、仮想化の使用量が大幅に減少しました。RHEL の合計使用量がサブスクリプションのしきい値を下回りました。
図20.1 virt-who および Satellite のデータを使用して、RHEL の仮想化の使用量を修正し、RHEL ハイパーバイザーの使用量を新たに表示
手順
サブスクリプションサービスで仮想化 RHEL の使用量が過剰に報告されるのを修正するには、以下の手順が完了していることを確認してください。
Red Hat Satellite または Red Hat サブスクリプション管理で RHEL のサブスクリプションプロファイルを確認し、どのサブスクリプションが virt-who を必要としているかを確認します。
- Satellite Web UI で、Content > Subscriptions をクリックします。必要に応じて、Searchフィールドを使用して結果のリストを絞り込みます。Requires Virt-Who の欄の値を確認してください。いずれかのチェックボックスが選択されている場合は、virt-who を設定する必要があります。
-
Red Hat Subscription Management のカスタマーポータルインターフェイスの概要ページで、View All Subscriptions をクリックします。必要に応じて、フィルタリングを使用して結果のリストを絞り込みます。サブスクリプション名を選択すると、詳細が表示されます。SKU の詳細に
Virt-Who: Required
と表示される場合は、virt-who を設定する必要があります。
ハイパーバイザーに virt-who ツールが導入されていることを確認し、ホスト-ゲストのマッピングを通信できるようにします。詳細は、ご利用のサブスクリプション管理ツールに適した仮想化のドキュメントをご参照ください。
- Satellite については、お使いのバージョンに応じて、Red Hat Satellite での仮想マシンサブスクリプションの設定 の情報を参照してください。
Red Hat Subscription Management については、Red Hat サブスクリプション管理での仮想マシンサブスクリプションの設定 の情報を参照してください。
注記また、Simple Content Access を使用している場合には、virt-who などのサブスクリプション管理ツールのワークフローが変更されます。サブスクリプション管理のドキュメントに記載されている情報に加え、Simple Content Access の情報も参照してください。
- Satellite の場合は、Satellite インベントリーアップロードプラグインがインストールされ、サブスクリプションサービスにデータを供給するように設定されていることを確認してください。
第21章 トラブルシューティング: フィルタリングの問題の解決
サブスクリプションサービスには、データをさまざまな特性で分類するために使用できるフィルターが複数あります。これらの特性には、製品によってはシステム目的やサブスクリプション設定とも呼ばれるサブスクリプション属性が含まれます。サブスクリプション属性の種類には、サービスレベルアグリーメント (SLA)、使用量などがあります。
サブスクリプションサービスインタフェースの製品レベルのページで値によるフィルタリングを可能にするには、システム上でサブスクリプション属性値を設定する必要があります。これらの値を設定するには、製品内で直接設定する方法や、サブスクリプション管理ツールで設定する方法などがあります。サブスクリプション属性の値は、値の不一致が起きないように、1 つのメソッドのみで設定する必要があります。
以前のエンタイトルメントベースのサブスクリプションモデルでは、システム目的の値は、サブスクリプションとシステムを一致させるために、Red Hat Satellite や Red Hat Subscription Management などのサブスクリプション管理ツールによって使用されます。システムがサブスクリプションと正しく一致すると、各種ツールの System Status Details または System Purpose Status に Matched と表示されます。しかし、サブスクリプションサービスで Simple Content Access を使用している場合には、サブスクリプションはシステムにアタッチされていないため、システム目的を使用は廃止されています。Simple Content Access を有効にすると、システムステータスが 無効 と表示されます。
システムの状態が 無効 になっているのは、システムごとのサブスクリプションアタッチメントが実行されていないことを意味します。システム目的の価値そのものが重要ではないということではありません。システム目的の値に関連するサブスクリプションサービスのフィルターでは、これらの値がすべてのシステムに設定されていない場合には、信頼できるデータは表示されません。
手順
サブスクリプション属性 (システム目的の値) に関連するフィルターが予期しない結果を示す場合、サブスクリプション属性が正しく設定されているかどうかを確認することで、そのデータの精度を向上させることができるかもしれません。
- お使いのサブスクリプション管理ツールのシステム情報を確認し、サブスクリプションの属性が欠けているシステムがないかどうかを検出します。
- サブスクリプション属性の値が不足している場合は、それらの値を設定します。お使いのサブスクリプション管理ツールの種類やバージョンによっては、オプションを使用してこれらの値を一括して設定できる場合があります。
関連情報
- Red Hat Satellite でシステム目的の値を一括して設定する方法は、ホストの管理 ガイドの複数ホストのシステム目的の編集に関するセクションを参照してください。
-
Ansible と
subscription-manager
コマンドを使用して Red Hat ubscription Management のシステム目的の値を一括して設定する方法の詳細は、redhat-subscription
モジュールの情報を参照してください。
第22章 サブスクリプションのしきい値の計算方法
サブスクリプションサービスでは、ほとんどの製品ページの使用量と利用率のグラフに、サブスクリプションのしきい値が含まれています。この線は、お客様のすべての契約における類似サブスクリプションの最大容量を示しています。
一部の製品ページでは、グラフ上にサブスクリプションのしきい値が表示されません。
- 従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションを含む製品ページの場合、そのグラフには、その会員タイプの特性上、会員のしきい値が表示されません。
- 測定単位 (UoM) が "無制限" のサブスクリプションを条件の一部として含むアカウントでは、このサブスクリプションを含む製品ページのグラフにサブスクリプションのしきい値は表示されません。フィルタリングを使用してこのサブスクリプションをビューから除外した場合、グラフにはフィルタリングされたデータのサブスクリプションのしきい値が表示されます。
組織のアカウントの最大容量を測定し、サブスクリプションのしきい値ラインをグラフに挿入するために、サブスクリプションサービスは以下の手順を行います。
- Red Hat 内部サブスクリプションサービスにアクセスして、アカウントのサブスクリプション関連の契約データを収集します。
- アカウント内のすべてのサブスクリプションを分析します。このとき、購入された各 SKU (Stock Keeping Unit) と購入された各 SKU の数が含まれます。
- 検索された SKU ごとにどの商品が提供されているかを判断します。
- SKU がサブスクリプションで購入した SKU の数で許可するテクノロジーの量を乗算して、サブスクリプションが提供するテクノロジーの最大量を計算します。SKU が使用できるテクノロジーの量は、SKU が提供するこれらのユニットの数 (制限) を乗算した SKU の測定単位です。
- すべてのサブスクリプションの技術の最大量を追加して、すべての製品または製品ポートフォリオのグラフに表示されるサブスクリプションのしきい値を決定します。
- 利用可能なサブスクリプション属性データ (システム目的データまたはサブスクリプション設定とも呼ばれる) を分析し、サブスクリプションサービスのフィルターでそのデータをフィルタリングできるようにします。
第23章 コア時間使用量の算出方法
2021 年に新しい従量課金制のオンデマンド型サブスクリプションタイプが導入された結果、ソケットまたはコアの測定単位に加えて、サブスクリプションサービスに新しいタイプの測定単位が導入されました。これらの新しい測定単位は、派生単位として機能する複合単位で、つまり、測定単位は他の基本単位をもとに計算されます。
現時点では、サブスクリプションサービスの新しい派生単位は、時間の基本単位を追加するため、これらの新しい単位は一定期間の消費量を測定しています。時間ベース単位は、特定の製品に適した基本単位と組み合わせることができ、消費するリソースのタイプに応じて製品を計測する派生単位になります。
さらに、これらの時間ベースの単位のサブセットの場合には、使用状況データは、直接カウントするのではなく、頻繁に行われる時間ベースのデータのサンプリングから取得されます。一部には、必要な測定単位と、その測定単位の使用状況データを収集する Red Hat OpenShift モニタリングスタックツールの機能で、特定の製品またはサービスにサンプリング方法が使用される場合があります。
サブスクリプションサービスがタイムスタンプを使用する時間ベースのメトリックでサブスクリプションの使用状況を追跡する場合には、使用されるメトリックと、これらのメトリックに適用される測定単位は、これらの製品のサブスクリプションの条件に基づいて行われます。次のリストは、サンプリングを使用して使用状況データを収集する時間ベースのメトリックの例を示しています。
- Red Hat OpenShift Container Platform On-Demand の使用量は、コア時間の派生測定単位 1 つで測定されます。コア時間 とは、1 つのコア (サブスクリプション条件で定義されている) における合計 1 時間の計算活動を、使用するメーターの粒度に合わせて測定した単位です。
- Red Hat OpenShift Dedicated On-Demand は、2 つの測定単位で測定されます (どちらも派生測定単位)。これは、コンピュートマシンのワークロードの使用状況を追跡するコア時間で測定され、インスタンス時間でインスタンスの可用性をコントロールプレーンマシン (以前は Red Hat OpenShift の以前のバージョンでマスターマシン) でコントロールプレーンの使用状況として追跡します。インスタンス時間 は、Red Hat サービスインスタンスの可用性で、その利用可能な間に顧客のワークロードを受け入れて実行できます。Red Hat OpenShift Dedicated On-Demand の場合、インスタンス時間は、すべてのアクティブなクラスターの可用性を時間単位で合計して測定されます。
- Red Hat OpenShift AI (RHOAI) オンデマンドの使用量および Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes (RHACS) オンデマンドの使用量は、仮想 CPU 時間の単一の派生測定単位で測定されます。vCPU 時間 とは、1 つの仮想コア (サブスクリプション条件で定義) における合計 1 時間のクラスターサイズを、使用するメーターの粒度に合わせて測定した単位です。
23.1. Red Hat OpenShift オンデマンドサブスクリプションの例
Red Hat OpenShift オンデマンドサブスクリプションの以下の情報には、適用可能な測定単位の説明、サブスクリプションサービスと他の Hybrid Cloud Console、モニタリングスタックツールがコア時間の使用状況の計算に使用する手順の詳細シナリオ、コア時間の使用状況をサブスクリプションサービスでレポートする方法を理解するための追加情報が含まれます。この情報を使用して、サブスクリプションサービスが、サンプリングも使用する時間ベースの測定単位の使用状況を計算する方法について、基本原則を理解するときに役立てることができます。
23.1.1. Red Hat OpenShift オンデマンドサブスクリプションの測定単位
以下の表は、Red Hat OpenShift オンデマンド製品に使用される測定の派生単位に関する追加情報を示しています。これらの詳細には、測定ユニットの名前と定義、その測定単位のいずれかに相当する使用例が含まれます。さらに、各ユニットに Prometheus クエリー言語 (PromQL) のクエリーのサンプルが提供されます。このクエリー例は、サブスクリプションサービスで使用量を計算する完全なプロセスではありませんが、このクエリーはクラスターのローカルで実行できるので、これらのプロセスの一部を理解するのに役立ちます。
測定の単位 | 定義 | 例 |
---|---|---|
コア時間 | 使用するメーターの粒度に合わせて測定した 1 つのコアにおける合計 1 時間の計算活動 (サブスクリプションの条件で定義されている)。 | Red Hat OpenShift Container Platform オンデマンドおよび Red Hat OpenShift Dedicated オンデマンドワークロードの使用の場合:
|
クラスターのローカルで実行できるコア時間ベースの PromQL クエリー: sum_over_time((max by (_id) (cluster:usage:workload:capacity_physical_cpu_cores:min:5m))[1h:1s]) | ||
インスタンス時間 (クラスター時間単位) | Red Hat サービスインスタンスの可用性。この期間にお客様のワークロードを受け入れて実行できます。 | Red Hat OpenShift Dedicated オンデマンドコントロールプレーンの使用の場合 (クラスター時間のコンテキスト):
|
クラスターのローカルで実行できるインスタンス時間ベースの PromQL クエリー: group(cluster:usage:workload:capacity_physical_cpu_cores:max:5m[1h:5m]) by (_id) |
23.1.2. コア時間の使用量の計算例
次の例では、Red Hat OpenShift オンデマンドサブスクリプションのコア時間の使用量を計算するプロセスを説明します。この例を使用すると、他の派生測定単位を理解するのに役立ちます。ここで、時間は使用量計算の基本単位の 1 つであり、サンプリングは測定の一部として使用されます。たとえば、Red Hat OpenShift AI オンデマンドの vCPU 時間の計算は、測定が仮想コア用であることを除いて、同じ方法で行われます。
コア時間での使用量を得るために、サブスクリプションサービスでは数値統合を行っています。数値積分は、一般的に "曲線下面積" の計算としても知られており、複雑な形状の面積を、一連の長方形の面積を使用して計算します。
Red Hat OpenShift モニタリングスタックのツールには、Prometheus クエリー言語 (PromQL) の関数である sum_over_time
が含まれており、これはある時間間隔のデータを集約する関数です。この機能は、サブスクリプションサービスにおけるコア時間計算の基盤です。
sum_over_time((max by (_id) (cluster:usage:workload:capacity_physical_cpu_cores:min:5m))[1h:1s])
この PromQL クエリーをクラスター内のローカルで実行すると、クラスターサイズや使用状況のスナップショットを含む結果が表示されます。
2 分ごとに、クラスターは Telemetry などの監視スタックツールにコア数でサイズを報告します。Hybrid Cloud Console ツールの 1 つ (Tally engine) は、1 時間ごとに 5 分間隔でこの情報を確認します。クラスターは 2 分ごとにモニタリングスタックツールにレポートするため、間隔が 5 分の場合には最大 3 つのクラスターサイズの値が含まれます。Tally エンジンは、5 分間隔を表現するために最小のクラスターサイズの値を選択します。
以下は、2 分ごとにサンプルのクラスターサイズを収集し、間隔が 5 分の場合は最小サイズが選択される例です。
図23.1 クラスターサイズの算出
そして、各クラスターに対して、Tally エンジンは選択された値を使用して、5 分間隔で使用量のボックスを作成します。5 分ボックスの面積は、コアの高さの 300 秒倍です。5 分ボックスごとに、このコア秒数の値が保存され、最終的にはアカウント全体のコア時間使用量の日次集計に使用されます。
次の例では、曲線下面積を計算する方法をグラフで示しています。クラスターのサイズと時間を使用して使用量のボックスを作成し、各ボックスの面積を設定要素として、1 日のコア時間の使用量の合計を作成しています。
図23.2 コア時間の算出
毎日、各 5 分間の使用量が加算され、その日のクラスターの総使用量が算出されます。その後、各クラスターの合計値を組み合わせて、アカウント内の全クラスターの日次使用量情報を作成します。また、コア秒をコア時間に換算しています。
前日のデータを用いた 24 時間の定期的なサブスクリプションサービスの更新の際に、従量制サブスクリプションのコア時間の利用情報が更新されます。サブスクリプションサービスでは、アカウントの 1 日のコア時間使用量が使用量および利用率グラフに表示され、追加の使用されたコア時間情報がアカウントの累積値として表示されます。また、現在のインスタンステーブルには、アカウント内の各クラスターがリスト表示され、そのクラスターで使用されたコア時間の累積数が表示されます。
サブスクリプションサービスインターフェイスに表示される、アカウントおよび個々のクラスターのコア時間の使用量データは、表示目的で小数点以下 2 桁に端数処理されます。しかし、サブスクリプションサービスの計算に使用され、Red Hat Marketplace の課金サービスに提供されるデータは、ミリコアレベルであり、小数点以下 6 桁に端数処理されます。
毎月、アカウントの月間コア時間使用量の合計が、Red Hat Marketplace に提供され、請求書の作成と請求が行われます。コア時間と vCPU 時間が 4 対 1 の関係で提供されているサブスクリプションタイプの場合、Red Hat Marketplace の請求アクティビティーでは、サブスクリプションサービスのコア時間の合計が 4 で割られます。コア時間と vCPU 時間が 1 対 1 の関係で提供されているサブスクリプションタイプでは、合計での変換は行われません。
月間合計が Red Hat Marketplace に送信され、新しい月が始まると、サブスクリプションサービスの使用状況の値は、新しい現在の月に対して 0 にリセットされます。フィルタリングを使用して、1 年というスパンで前月の使用状況データを見ることができます。
23.1.3. コア時間の利用に関する疑問の解消
コア時間の使用状況について疑問がある場合は、まず以下の手順を診断ツールとしてご利用ください。
サブスクリプションサービスでは、現在のインスタンステーブルの各クラスターの今月の累積合計を確認します。クラスターの設定と導入方法を理解した上で、異常な使用状況を示すクラスターを探します。
注記現在のインスタンステーブルには、クラスターごとに最新の月次累積合計のスナップショットが表示されます。現在、この情報は 1 日に数回更新されます。この値は、各月の初めに 0 にリセットされます。
- そして、毎日のコア時間の合計と、使用量と利用率のグラフの傾向を確認します。異常な使用を示すデータのある日はないか、見てください。前のステップで見つけたクラスターの異常な使用状況が、この日に対応している可能性があります。
これらの初期トラブルシューティングの手順から、クラスターの所有者を見つけて、異常な使用状況が極端に高いワークロードによるものなのか、クラスターの設定に問題があるのか、あるいはその他の問題なのかを話し合うことができるかもしれません。
これらの手順を使用しても疑問が残る場合は、Red Hat アカウントチームに連絡して、コア時間の使用状況を把握することができます。請求に関する質問については、Red Hat Marketplace のサポート手順を参照してください。
第24章 サブスクリプションサービスの使用状況データに影響を与える vCPU、ハイパースレッディング、およびサブスクリプション構造の情報
Red Hat OpenShift ポートフォリオには、コアの測定単位を使用して使用状況を追跡するオファリングが含まれていますが、この測定は仮想化およびマルチスレッド技術で難読化されます。これらのテクノロジーの動作により、物理 CPU の仮想消費を説明するのに役立つ vCPU という用語が開発されましたが、この用語の意味はさまざまです。さらに、Red Hat OpenShift 製品の構造は複雑であるため、サブスクリプションサービスで使用状況データを理解することが困難になります。
Red Hat は、サブスクリプションサービス自体と、Red Hat OpenShift の使用状況追跡を通知する基盤テクノロジーおよび方法の両方に対してさまざまな改善を重ね、Red Hat OpenShift の使用量データに関するお客様の懸念に対応してきました。
24.1. 同時マルチスレッドを使用する x86-64 アーキテクチャーの計算の改善
2021 年 10 月: この変更では、x86-64 アーキテクチャーで同時マルチスレッドが有効になっていることを前提としているため、サブスクリプションサービス内の使用状況データの精度が上がります。
さまざまなテクノロジーベンダーにおいて、vCPU という言葉の定義が異なる場合があります。複数の異なるベンダーと連携している場合には、使用する定義が、Red Hat で使用する定義と異なる可能性があります。そのため、お使いの環境で vCPU や同時マルチスレッド (ハイパースレッディングとも呼ばれる) が使用されている場合に、Red Hat やサブスクリプションサービスが使用量を測定する方法に慣れていない可能性があります。
ベンダーによっては、ゲストの CPU で同時マルチスレッドが使用されているかどうかをゲストに公開しないハイパーバイザーを提供している場合があります。たとえば、最近の VMware ハイパーバイザーでは、VM のカーネルに対して同時マルチスレッディングの状態を表示せず、コアごとのスレッド数を常に 1 と報告しています。このカウント方法の効果は、Red Hat OpenShift の使用状況データのうち、vCPU に関連するサブスクリプションサービスの報告が、人為的に 2 倍になっていると解釈することができます。
vCPU のカウントに関してお客様の懸念事項に対応するため、Red Hat ではマルチスレッディングに関連する仮定を調整しました。Red Hat は、x86 アーキテクチャーのコアごとに 2 スレッドの同時マルチスレッディングを想定しています。多くのハイパーバイザーの場合には、この仮定があることで、コアごとの vCPU が正確にカウントされ、これらのハイパーバイザーを使用するお客様は、サブスクリプションサービスの Red Hat OpenShift の使用状況データに変更はありません。
ただし、同時マルチスレッディングステータスをカーネルに公開しないハイパーバイザーを使用している他のお客様には、2021 年 10 月のサブスクリプションサービスデータの大幅な変更が見られます。これらのお客様には、サブスクリプションサービスに含まれる、関連の Red Hat OpenShift の使用状況データが、このカウントの変更が実装された日に 50% 減少することがわかります。過去のデータには影響はありません。
この状況に遭遇したお客様は、この件は課金されません。Red Hat ではお客様に対して、サブスクリプションサービスでカウントされている分の使用量に対応するサブスクリプション数だけを購入するようにお願いしています。
以前は、このような vCPU の定義の違いにより、一部のサブスクリプションサービスのユーザーでは、使用量や容量のデータの解釈に問題が生じていました。同時マルチスレッディングの前提条件のこの変更は、デプロイされているハイパーバイザーテクノロジーに関係なく、幅広い顧客が使用する vCPU 使用状況データの精度を向上させることを目的としています。
サブスクリプションサービスで表示される使用量や容量のデータに関して質問や懸念がある場合は、Red Hat のアカウントチームと協力して、お客様のデータやアカウントの状況を把握することができます。この問題の解決に関する詳細は、Red Hat アカウントにログインして、Bugzilla Issue 1934915 を確認してください。
24.2. 特定のサブスクリプションのサブスクリプション容量分析向上
2022 年 1 月: これらの変更が加えられ、追加のエンタイトルメントまたはインフラストラクチャーサブスクリプションを含むサブスクリプションの容量分析が改善されました。これらの改善により、これらのサブスクリプションの使用量と容量のデータがより正確に計算され、Red Hat アカウントの Red Hat OpenShift 部分のサブスクリプションサービス内のサブスクリプションしきい値がより正確に計算されるようになりました。
- 多数のエンタイトルメントがあるサブスクリプションの精度の向上: 大容量のコアを含む Red Hat OpenShift サブスクリプションには、追加のエンタイトルメントも含まれていました。これらのエンタイトルメントにより、割り当てられたエンタイトルメントワークフローに依存するツールを使用したインストールの合理化に役立っていました。ただし、これらの追加のエンタイトルメントは、サブスクリプションサービスによって追加の容量として計算されたため、お客様が合法的に Red Hat OpenShift をデプロイできる量について混乱が生じました。2022 年 1 月の時点で、容量の計算から余分なエンタイトルメントが削除されるために、カウント方法が改訂されました。
- インフラストラクチャーサブスクリプションを容量の計算から除外: Red Hat OpenShift サブスクリプションの特定の購入については、特定タイプの Red Hat OpenShift インフラストラクチャーサブスクリプションが自動的に購入されます。このタイプのサブスクリプションは、大規模なデプロイメントのインフラストラクチャーサポートを提供するために使用されます。バージョン 4.1 およびバージョン 3.11 の両方のサブスクリプションに影響があります。通常、Red Hat OpenShift バージョン 4.1 以降、Red Hat OpenShift の容量を計算する場合に、サブスクリプションサービスではインフラストラクチャーノードがカウントされません。ただし、このインフラストラクチャーサブスクリプションを受信するアカウントの場合には、不適切な計算がサブスクリプションレベルで行われ、そのデータはサブスクリプションサービスに渡されていました。Red Hat OpenShift の容量数が人為的に膨らんだため、サブスクリプションサービスのサブスクリプションしきい値が誤ったものになっていました。2022 年 1 月の時点で、Red Hat OpenShift の容量を計算するときに、追加されたインフラストラクチャーサブスクリプションは考慮されません。
24.3. Red Hat OpenShift Cluster Manager の運用メトリクスをサブスクリプションサービスのメトリクスから分離
2023 年 12 月および 2024 年 3 月: 今回の変更には、Red Hat OpenShift Cluster Manager が内部運用目的で使用するメトリクスの分析と、これらのメトリクスがサブスクリプションサービスでのサブスクリプション使用状況の追跡目的で使用する最適なメトリクスであるかどうかを判断することなどが含まれます。これらのメトリクスを 2 つの異なる目的で使用すると効果がないことが判明し、サブスクリプションの使用状況レポートが不正確になる可能性が高くなっていました。したがって、サブスクリプションサービスは、コアのサブスクリプションが必要か否かを追跡するためだけに設計されたサービスレベルメトリクスに変更されました。仮想化された x86 環境でコアあたり 2 スレッドの同時マルチスレッドを実行するという全体的な想定は引き続き有効です。これらの変更に関する追加情報については、OCP Cluster Size Corrections のカスタマーポータルの記事を参照してください。
第25章 サブスクリプションサービスの使用状況で、RHEL サーバーが予期しない場所に表示されるのはなぜですか?
一部の Red Hat 製品には Red Hat Enterprise Linux が付属しており、その製品をサポートするためにインストールされています。これは、別の製品に "バンドルされている" と言われることもあります。たとえば、RHEL は Red Hat Satellite に含まれており、サブスクリプションサービスの RHEL ページの Satellite ページビューで個別に追跡されますが、メインの RHEL の使用状況には表示されません。さらに、RHEL はすべての Red Hat OpenShift サブスクリプションに含まれていますが、RHEL ページの使用状況結果には RHEL は表示されません。バンドルされた RHEL は、実稼働ワークロードまたは同様の目的を持つ RHEL の合計使用量または容量に対して追跡またはカウントされません。
バンドルのサブスクリプションに含まれるセットがすべてインストールされずに、RHEL のバンドルパッケージが誤って単独でインストールされることがあります。ただし、これらの RHEL のバンドルパッケージは、バンドルされたサブスクリプションに含まれる証明書セットすべてに関連付けられます。サブスクリプションサービスは関連付けられている証明書を認識し、それを使用してサブスクリプションを識別するため、完全なバンドルから分離してインストールされた RHEL パッケージは予期しない場所で使用状況を報告し、使用状況、容量、サブスクリプションしきい値の報告が不正確になる可能性があります。
たとえば、バンドルされた Red Hat OpenShift Container Platform サブスクリプションから RHEL パッケージをインストールし、そのバンドルされているサブスクリプションの残りのパッケージをインストールしないと、そのサーバーに Red Hat OpenShift Container Platform ノードまたはクラスターがない場合でも、サブスクリプションサービスの Red Hat OpenShift ページの使用状況結果に RHEL サーバーがクラスターとして表示される場合があります。
最良の結果を得るには、Red Hat サブスクリプションとそれに関連するパッケージを、本来の目的に合わせてインストールする必要があります。バンドルされたサブスクリプションから分離されたパッケージをインストールすることはベストプラクティスではなく、サブスクリプションサービスでの使用結果の品質が低下します。