Red Hat Enterprise Linux テクノロジーの機能と制限
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Red Hat® Enterprise Linux® にはどのような機能がありますか?以下の表で、このプラットフォームでサポート上の制限と理論上の制限を確認できます。
この記事では、現在保守対象のオペレーティングシステムのリリースに関する情報を提供します。保守がなく、非推奨となった以前のリリース情報については、ナレッジベースの記事 「Red Hat Enterprise Linux Technology Capabilities and Limits for Retired, Non-Maintained Releases」 を参照してください。
サポート上の制限は、Red Hat と、メインストリームハードウェアのパートナー企業がテストしたシステムの現在の状況を反映しています。このようなサポート上の制限を超えるシステムは、Red Hat とパートナー企業によるジョイントテスト後に、Hardware Catalog に追加される可能性があります。ここに記載されるサポート上の制限を超えていても、Hardware Catalog に含まれるエントリーには、システム固有の制限に関する詳細への参照が含まれ、完全にサポートされます。ハードウェア機能を反映したサポート上の制限の他にも、Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションの条件により、制限が課される可能性があります。
サポート上の制限は、進行中のテストが完了すると変更される場合があります。
以下の値は、テスト済み/サポート上 [理論上] の形式になります。
論理 CPU の最大数
Red Hat では、論理 CPU を任意のスケジュール可能な実体と定義しています。したがって、マルチコア/スレッドプロセッサー上のコア/スレッドは、すべて論理 CPU です。
アーキテクチャー | RHEL 6 | RHEL 7 | RHEL 8 | RHEL 9 |
---|---|---|---|---|
x86 | 32 | 該当なし1 | 該当なし1 | 該当なし1 |
x86_64 | 448 [4096]2 | 768 [5120]3 | 768 [8192] | 1792 [8192] |
Power | 128 | 768 [2048]4 | POWER8: 768 [2048] POWER9: 1536 [2048]5 Power10: 1920 [2048]6 |
POWER9: 1536 [2048] Power10: 1536 [2048] |
IBM Z | z13: 64 | z13: 256 | z13: 256 z14: 340 |
z14: 340 z15: 380 |
ARM | 該当なし | 該当なし | 256 | 512 [4096] |
最大メモリー
アーキテクチャーの制限は、Red Hat Enterprise Linux カーネルと物理ハードウェアの機能に基づいて設定されています。Red Hat Enterprise Linux 6 の制限は、46 ビットの物理メモリーアドレス処理に基づいて設定されています。Red Hat Enterprise Linux 5 の制限は、40 ビットの物理メモリーアドレス処理に基づいて設定されています。NUMA に対応するシステムでは、すべてのシステムメモリーが NUMA ノード全体で分散される必要があります。
アーキテクチャー | RHEL 6 | RHEL 7 | RHEL 8 | RHEL 9 |
---|---|---|---|---|
x86 | 16GB | 該当なし1 | 該当なし1 | 該当なし1 |
x86_64 | 12TB [64TB]7 | 12TB [64TB]8 | 24TB [64TB] | 48TB [64TB] |
Power | 2TB | 32TB9 | POWER8: 32TB [128TB] POWER9: 64TB [128TB]10 Power10: 32TB [128TB]11 |
POWER9: 64TB [128TB] Power10: 32TB [128TB] |
IBM Z | z13: 4TB | z13: 10TB | z13: 10TB z14: 16TB |
z14: 16TB z15: 16TB |
ARM | 該当なし | 該当なし | 1.5TB [256TB] | 1.5TB [256TB] |
x86 の 1 プロセスあたりの仮想アドレス領域の最大サイズ | 約 3GB | 該当なし1 | 該当なし1 | 該当なし1 |
x86_64 の 1 プロセスあたりの仮想アドレス領域の最大サイズ | 128TB | 128TB | 128TB | 128TB |
POWER の 1 プロセスあたりの仮想アドレス領域の最大サイズ | -- | -- | 4PB12 | 4PB12 |
メモリーの最小要件
アーキテクチャー | RHEL 6 | RHEL 7 | RHEL 8 | RHEL 9 |
---|---|---|---|---|
x86 | 512MB 以上、論理 CPU ごとに 1 GB 推奨 | 該当なし1 | 該当なし1 | 該当なし1 |
x86_64 | 1GB 以上、論理 CPU ごとに 1 GB 推奨 | 1GB 以上、論理 CPU ごとに 1 GB 推奨 13 | ローカルメディアまたは NFS ネットワークインストールの場合は 1.5 GiB、HTTP(S) および FTP ネットワークインストールの場合は 3 GiB | ローカルメディアまたは NFS ネットワークインストールの場合は 1.5 GiB、HTTP(S) および FTP ネットワークインストールの場合は 3 GiB |
Power | 2GB 以上、インストールごとに 2GB 必要 | 2GB 以上、インストールごとに 2GB 必要 | ローカルメディアまたは NFS ネットワークインストールの場合は 3 GiB、HTTP(S) および FTP ネットワークインストールの場合は 4 GiB | ローカルメディアまたは NFS ネットワークインストールの場合は 3 GiB、HTTP(S) および FTP ネットワークインストールの場合は 4 GiB |
IBM Z | 512MB | 1GB | ローカルメディアまたは NFS ネットワークインストールの場合は 1.5 GiB、HTTP(S) および FTP ネットワークインストールの場合は 3 GiB | ローカルメディアまたは NFS ネットワークインストールの場合は 1.5 GiB、HTTP(S) および FTP ネットワークインストールの場合は 3 GiB |
ARM | 該当なし | 該当なし | ローカルメディアまたは NFS ネットワークインストールの場合は 1.5 GiB、HTTP(S) および FTP ネットワークインストールの場合は 4 GiB | ローカルメディアまたは NFS ネットワークインストールの場合は 1.5 GiB、HTTP(S) および FTP ネットワークインストールの場合は 4 GiB |
ディスク領域の最小要件
RHEL 6 | RHEL 7 | RHEL 8 | RHEL 9 |
---|---|---|---|
1GB 以上、5GB 推奨 | 10GB 以上、20GB 推奨 | 10GB 以上、20GB 推奨 | 10GB 以上、20GB 推奨 |
ファイルシステムおよびストレージの制限
Ext3
機能 | RHEL 6 | RHEL 7 | RHEL 8 | RHEL 9 |
---|---|---|---|---|
ファイルの最大サイズ | 2TB | 2TB | 2TB | 2TB |
ファイルシステムの最大サイズ | 16TB | 16TB | 16TB | 16TB |
サブディレクトリーの最大数 | 32000 | 32000 | 32000 | 32000 |
シンボリックリンクの最大深度 | 8 | 8 | 8 | 8 |
ACL サポート | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
Ext4
機能 | RHEL 6 | RHEL 7 | RHEL 8 | RHEL 9 |
---|---|---|---|---|
ファイルの最大サイズ | 16TB | 16TB | 16TB | 16TB |
ファイルシステムの最大サイズ | 16TB [1EB] | 50TB [1EB] | 50TB [1EB] | 50TB [1EB] |
サブディレクトリーの最大数 | 65000/無制限 | 65000/無制限 | 65000/無制限 | 65000/無制限 |
シンボリックリンクの最大深度 | 8 | 8 | 8 | 8 |
ACL サポート | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
GFS
GFS サポートについては、ナレッジベースの記事 「Red Hat Enterprise Linux Technology Capabilities and Limits for Retired, Non-Maintained Releases」 を参照してください。
GFS2
機能 | RHEL 6 | RHEL 7 | RHEL 8 | RHEL 9 |
---|---|---|---|---|
ファイルの最大サイズ | 100TB [8EB] | 100TB [8EB] | 100TB [8EB] | 100TB [8EB] |
ファイルシステムの最大サイズ | 100TB [8EB] | 100TB [8EB] | 100TB [8EB] | 100TB [8EB] |
サブディレクトリーの最大数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
シンボリックリンクの最大深度 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
ACL サポート | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
XFS
機能 | RHEL 6 | RHEL 7 | RHEL 8 | RHEL 9 |
---|---|---|---|---|
ファイルの最大サイズ | 100TB [8EB] | 500TB [8EB] | 8EB | 8EB |
ファイルシステムの最大サイズ | 300TB [16EB]14 | 500TB [16EB] | 1PB | 1PB |
サブディレクトリーの最大数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
シンボリックリンクの最大深度 | 8 | 8 | 8 | 8 |
ACL サポート | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ストレージ
機能 | RHEL 6 | RHEL 7 | RHEL 8 | RHEL 9 |
---|---|---|---|---|
ブート LUN の最大サイズ (BIOS) | 2TB15 | 2TB15 | 2TB | 2TB |
ブート LUN の最大サイズ (UEFI) | 32ビット (i686) - 2TB、 64ビット - 16TB (テスト済み制限) |
50TB | 8EB | 8EB |
デバイスパスの最大数 (sd デバイス) |
8,192 16,17 | 10,000 16,17 | 10,000 16,17 | 10,000 16,17 |
カーネルおよび OS の機能
機能 | RHEL 6 | RHEL 7 | RHEL 8 | RHEL 9 |
---|---|---|---|---|
カーネル基盤 | 2.6.32 - 2.6.34 | 3.10 | 4.18 | 5.14 |
コンパイラー/ツールチェーン | GCC 4.4 | GCC 4.8.2 | GCC 8.2.1 | GCC 11.2.1 |
サポートされる言語 | 22 | 22 | 未定 | 未定 |
認証と規格
Common Criteria、FIPS 140-2/140-3、IPv6、および CJIS を含む多くの政府認定および標準が、政府の標準企画ページ にリストされています。
機能 | RHEL 6 | RHEL 7 | RHEL 8 | RHEL 9 |
---|---|---|---|---|
共通運用基盤 (COE) 準拠 | 該当なし | 該当なし | 検討中 | 検討中 |
LSB 準拠 | ◯ - 4.0 | 評価中 (4.1) | 検討中 | 検討中 |
GB18030 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
クライアント環境
機能 | RHEL 6 | RHEL 7 | RHEL 8 | RHEL 9 |
---|---|---|---|---|
デスクトップ GUI | Gnome 2.28 | Gnome 3.8 | Gnome 3.2818 | Gnome 40、および更新 18 |
グラフィックス | X.org 7.4 | X.org 7.7 | Wayland 1.1518 | Wayland 1.1918 |
Office スイート | OpenOffice v3.2 18 | LibreOffice v4.1.4 18 | LibreOffice v6.0.6.118 | LibreOffice v7.1.8.118 |
GNOME Evolution | v2.28 | v3.8.5 | v3.28.518 | v3.40.418 |
デフォルトのブラウザー | Firefox 3.6 18 | Firefox 24.5 18 | Firefox 60.5.118 | Firefox 91.8.018 |
注記
- Red Hat Enterprise Linux 7 以降のリリースには、32 ビットの x86 アーキテクチャーのサポートが含まれません。
- 448 CPU をサポートするには、Red Hat Enterprise Linux 6.7 以降が必要です。以前のバージョンでサポートされる CPU の最大数は 288 個でした。
- 768 CPU をサポートするには、Red Hat Enterprise Linux 7.3 (Errata カーネル 3.10.0-514.26.2.el7 以降) が必要です。576 CPU をサポートするには、Red Hat Enterprise Linux 7.2 (Errata カーネル 3.10.0-327.18.2.el7 以降) が必要です。384 CPU をサポートするには、Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降が必要です。以前のバージョンでサポートされる CPU の最大数は 288 個でした。また、7.2 以降については、Red Hat ナレッジベースの記事 「Memory swap occurs while the pagecache is reclaimed」 を参照してください。
- 768 CPU をサポートするには、Red Hat Enterprise Linux 7.5 以降、Red Hat Enterprise Linux 7.4 Extended Update Support (EUS: 延長アップデートサポート) カーネルバージョン 3.10.0-693.25.2.el7 以降、または Red Hat Enterprise Linux 7.3 Extended Update Support (EUS) カーネルバージョン 3.10.0-514.48.1.el7 以降が必要です。Red Hat Enterprise Linux 7 の以前の更新リリースまたは EUS カーネルでサポートされる CPU の最大数は 192 個でした。
- IBM POWER9 システムで 1536 個の CPU をサポートするには、Red Hat Enterprise Linux 8.2 以降が必要です。Red Hat Enterprise Linux 8.0 および 8.1 for POWER9 でサポートされる最大 CPU 数は 768 CPU です。
- 最初のテストでは、Red Hat Enterprise Linux 8.4 以降を実行する IBM Power10 システムで 1536 個の CPU を完全にサポートすることが実証されました。さらなるテストを行うことで、IBM Power10 システムで Red Hat Enterprise Linux 8.4 以降を実行している場合に、サポート対象の CPU の最大数を 1920 CPU に増やすことができました。
- 12TB の RAM をサポートするには、Red Hat Enterprise Linux 6.7 が必要です。 Red Hat Enterprise Linux 6.6 がサポートする RAM は、最大 6TB です。 Red Hat Enterprise Linux 6 の以前のバージョン (Red Hat Enterprise Linux 6.3 以降) がサポートする RAM は、最大 3TB です。 Red Hat Enterprise Linux 6.3 以前の Red Hat Enterprise Linux のバージョンがサポートする RAM は、最大 1TB です。
- 12TB の RAM をサポートするには、Red Hat Enterprise Linux 7.2 が必要です。Red Hat Enterprise Linux 7.1 がサポートする RAM は、最大 6TB です。 Red Hat Enterprise Linux 7 の以前のバージョン (つまり Red Hat Enterprise Linux 7.0) がサポートする RAM は、最大 3TB です。12TB の RAM をサポートするには、Red Hat Enterprise Linux 7.2 が必要です。Red Hat Enterprise Linux 7.1 がサポートする RAM は、最大 6TB です。 Red Hat Enterprise Linux 7 の以前のバージョン (つまり Red Hat Enterprise Linux 7.0) がサポートする RAM は、最大 3TB です。
- 32TB の RAM をサポートするには、Red Hat Enterprise Linux 7.5 以降、Red Hat Enterprise Linux 7.4 Extended Update Support (EUS: 延長アップデートサポート) カーネルバージョン 3.10.0-693.25.2.el7 以降、または Red Hat Enterprise Linux 7.3 Extended Update Support (EUS) カーネルバージョン 3.10.0-514.48.1.el7 以降が必要です。Red Hat Enterprise Linux 7 の以前の更新リリースまたは EUS カーネルでサポートされる RAM は、最大 2TB です。
- IBM POWER9 システムで 64TB の RAM をサポートするには、Red Hat Enterprise Linux 8.2 以降が必要です。Red Hat Enterprise Linux 8.0 および 8.1 for POWER9 でサポートされる RAM の最大量は 32TB です。
- IBM Power10 システムで 32TB の RAM をサポートするには、Red Hat Enterprise Linux 8.4 以降が必要です。
- 52 ビットの仮想アドレス処理をサポートするプロセッサーの場合です。
- ネットワーク/PXE インストールには、そのインストール手順だけでも 1.5 GB 以上の RAM が必要です。
- RHEL 6.x の 300TB XFS ファイルシステムをサポートするには、Red Hat Enterprise Linux 6.8 以降のバージョンが必要です。RHEL 6.7 以前でサポートされる XFS ファイルシステムのサイズ上限は 100TB でした。
- ナレッジベースの記事 「Red Hat Enterprise Linux のブートドライブ要件」 に詳述されているように、2 TB を超えるブート LUN のサポートには、UEFI および GPT のサポートが必要です。
- 特定のハードウェアベンダーによるテストとサポートにより、さらに大きな数値が可能になります。制限についてはハードウェアベンダーにお問い合わせいただくとともに、Red Hat サポート担当者にご確認ください。ハードウェアベンダーがサポートする制限を超えたものは、Red Hat のサポート対象外となります。
- この制限に到達させるために、一部のドライバーのパラメーターを増やさないといけない場合があります。Red Hat サポート担当者にお問い合わせください。
- そのリリースのライフサイクル期間中に、ユーザー領域のアプリケーションが更新されます。
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