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14.3. DHCP リレーエージェント
DHCP リレーエージェント (dhcrelay) を使うと、
DHCP
サーバーがないサブネットから他のサブネットにある DHCP
サーバーに DHCP
および BOOTP
リクエストのリレーができるようになります。
DHCP
クライアントが情報を要求すると、DHCP リレーエージェントは起動時に、指定された DHCP
サーバーの一覧に要求を転送します。DHCP
サーバーが応答を返すと、その応答は元の要求を送信したネットワーク上でブロードキャストまたはユニキャストで送信されます。
IPv4
用の DHCP リレーエージェントである dhcrelay は、インターフェースが /etc/sysconfig/dhcrelay
内で INTERFACES
ディレクティブを使って指定されている場合を除いて、DHCPv4
および BOOTP
リクエストをリッスンします。これについては、「dhcrelay の DHCPv4 および BOOTP リレーエージェントとしての設定」を参照してください。IPv6
用の DHCP リレーエージェントである dhcrelay6 にはこのデフォルトの動作はないので、DHCPv6
リクエストをリッスンするインターフェースを指定する必要があります。これについては、「dhcrelay を DHCPv6 リレーエージェントとして設定」を参照してください。
dhcrelay は、
DHCPv4
および BOOTP
リレーエージェント (デフォルト) として実行するか、DHCPv6
リレーエージェント (-6
引数を使用) として実行できます。使用法に関するメッセージを表示するには、dhcrelay -h
コマンドを実行します。
14.3.1. dhcrelay の DHCPv4 および BOOTP リレーエージェントとしての設定
dhcrelay を
DHCPv4
および BOOTP
モードで実行するには、リクエストを転送するサーバーを指定します。root
で dhcrelay.service
ファイルをコピーして、編集します。
~]#cp /lib/systemd/system/dhcrelay.service /etc/systemd/system/
~]#vi /etc/systemd/system/dhcrelay.service
[Service] セクション下にある
ExecStart
オプションを編集し、サーバー IPv4
のアドレスを行末に追加します。例を示します。ExecStart=/usr/sbin/dhcrelay -d --no-pid 192.168.1.1
DHCP リレーエージェントが
DHCP
リクエストをリッスンするインターフェースを指定するには、そのインターフェースを -i
引数をつけて ExecStart
オプションに追加します (これがない場合は、すべてのインターフェースをリッスンすることになります)。例を示します。ExecStart=/usr/sbin/dhcrelay -d --no-pid 192.168.1.1 -i em1他のオプションについては、
dhcrelay(8)
man ページを参照してください。
変更を反映させるには、
root
でサービスを再起動します。
~]#systemctl --system daemon-reload
~]#systemctl restart dhcrelay
14.3.2. dhcrelay を DHCPv6 リレーエージェントとして設定
dhcrelay を
DHCPv6
モードで実行するには、-6
引数をつけて (クライアントまたは他のリレーエージェントからクエリーを受信する) 「下方インターフェース」と(クライアントおよび他のリレーエージェントからのクエリーの転送先となる) 「上方インターフェース」を指定します。root
で dhcrelay.service
を dhcrelay6.service
にコピーして、編集します。
~]#cp /lib/systemd/system/dhcrelay.service /etc/systemd/system/dhcrelay6.service
~]#vi /etc/systemd/system/dhcrelay6.service
[Service] セクション下の
ExecStart
オプションを編集し、-6
引数をつけて「下方インターフェース」と「上方インターフェース」を追加します。例を示します。ExecStart=/usr/sbin/dhcrelay -d --no-pid -6 -l em1 -u em2他のオプションについては、
dhcrelay(8)
man ページを参照してください。
変更を反映させるには、
root
でサービスを再起動します。
~]#systemctl --system daemon-reload
~]#systemctl restart dhcrelay6