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E.4. GRUB 関連のトラブルシューティング
キックスタートファイルを使って意図的に無効にしない限り、ほとんどの場合は初期インストールプロセスの段階で GRUB がインストールされ設定されます。これによりインストールが完了したシステムはパッケージ選択に応じてデスクトップ環境またはコマンドラインでの起動準備が整います。しかし、システムの GRUB 設定が破損し起動できなくなる場合があります。このセクションではこのような問題を修正する方法について説明していきます。
GRUB をトラブルシューティングする際には、grub パッケージが Yum または RPM を使用してパッケージが更新されると、システムブートローダーが自動的に更新されないことに注意してください。したがって、パッケージを更新しても、システムの実際のブートローダーは自動的に更新されません。この問題を回避するには、パッケージの更新後に毎回、
grub-install
コマンドを使用します。コマンドの詳細は 「GRUB のインストール」 を参照してください。
重要
GRUB ではソフトウェア RAID は構成できません。このため、
/boot
ディレクトリーは専用の単一ディスクパーティションに配置する必要があります。/boot
ディレクトリーをレベル 0 の RAID などで複数のディスクにストライピングはできません。システムでレベル 0 の RAID を 使用する場合は /boot
を RAID の外側の独立したパーティションに配置してください。
同様に、
/boot
ディレクトリは専用の単一ディスクパーティションに配置しなければならないため、そのパーティションを格納しているディスクに障害が起きたり、システムから削除されたりすると GRUB はシステムを起動できません。また、ディスクをレベル 1 の RAID でミラリングした場合にも同様な状態になります。ミラリングしているディスクセットの一方のディスクからシステムを起動できるようにする方法については Red Hat ナレッジベースの記載をご覧ください。(https://access.redhat.com/site/articles/7094)
これらの問題は、アレイを構成しているそれぞれのディスクがシステムでも複数のディスクとして認識されるソフトウェア RAID での実装に限って発生する問題です。複数のディスクが単一デバイスとして認識されるハードウェアの RAID には該当しません。
破損した GRUB 設定を修正する手順は問題の種類によって異なります。GNU GRUB Manual には様々な段階で GRUB によって表示されるあらゆるエラーメッセージとその根底にある原因について詳しく記載されていますので参考としてご利用ください。
エラーの原因が判明したら修正を開始します。GRUB メニューでエントリーを選択した後に限って出現するエラーの場合は、メニューを使って一時的な修正を行いシステムを起動してから最終的にブートローダーを再インストールして修正することができます。再インストールは
grub-install
コマンドを実行するか、プレーンテキストエディターを使って /boot/grub/grub.conf
または /boot/efi/EFI/redhat/grub.conf
のいずれかを修正して行います。設定ファイルの構成については 「GRUB メニュー設定ファイル」 を参照してください。
注記
GRUB 設定ディレクトリにはまったく同一のファイルが 2 つ存在します。
grub.conf
と menu.lst
です。grub.conf
設定ファイルが最初に読み込まれるため、変更を行う場合はこのファイルに対して行ってください。menu.lst
ファイルは grub.conf
が見つからなかった場合にのみ読み込まれます。