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32.11. キックスタートインストールの開始
重要
デスクトップと X Window System をインストールに含ませグラフィカルのログインを有効にしていないとキックスタートを使ったインストールが終了しても Firstboot が実行されません。追加のシステムをインストールする前にキックスタートファイル内に
user
オプションでユーザーを指定する (「キックスタートのオプション」 を参照) または仮想コンソールを使ってインストール後のシステムに root でログインし adduser
コマンドでユーザーを追加します。
キックスタートインストールを開始するには、まず作成した起動用メディアか、または Red Hat Enterprise Linux DVD でシステムをブートする必要があります。さらに、ブートプロンプトで特別なブートコマンドを入力します。
ks
コマンドライン引数がカーネルに渡されると、インストールプログラムはキックスタートファイルを探します。
- ドライバーディスクの使用
- キックスタートでドライバーディスクを使用する必要がある場合は、
dd
オプションも指定してください。例えば、インストールにローカルハードドライブ上のキックスタートファイルとドライバーディスクが必要な場合は、システムを以下のように起動します。linux ks=hd:partition:/path/ks.cfg dd
- ブート CD-ROM
- 「キックスタート起動用メディアの作成」 の説明にあるように、キックスタートファイルがブート CD-ROM 上にある場合、その CD-ROM をシステムに挿入してシステムを起動し、以下のコマンドを
boot:
プロンプトで入力します (ks.cfg
はキックスタートファイル名)。linux ks=cdrom:/ks.cfg
キックスタートインストールを開始するその他のオプションは以下のとおりです。
askmethod
- Red Hat Enterprise Linux インストール用 DVD がシステムで検知された場合でも、インストールソースを選択するようユーザーにプロンプトを表示します。
asknetwork
- インストール方法に関わらず、インストールの最初のステージでネットワーク設定をプロンプトします。
autostep
- キックスタートを非対話式にします。デバッグに使用され、スクリーンショットを生成します。このオプションはパッケージのインストールを妨げる場合があるので、システム導入の際には使用すべきではありません。
debug
- pdb を今すぐに開始します。
dd
- ドライバーディスクの使用
dhcpclass=<class>
- カスタムの DHCP ベンダークラス識別子を送ります。ISC の dhcpcd は、"option vendor-class-identifier" を使用して、この値を調べます。
dns=<dns>
- ネットワークインストールに使用するためのネームサーバーのコンマ区分のリストです。
driverdisk
- 'dd' と同じです。
expert
- 特殊機能を開始します。
- 脱着可能メディアのパーティション設定を許可
- ドライバーディスク用のプロンプト
gateway=<gw>
- ネットワークインストールに使用するゲートウェイ
graphical
- グラフィカルインストールを強制します。ftp/http に GUI を使用させるのに必要です。
isa
- ISA デバイス設定用のユーザーへのプロンプト
ip=<ip>
- ネットワークインストール用に使用の IP、 DHCP として 'dhcp' を使用
ipv6=auto
,ipv6=dhcp
- デバイスの IPv6 設定です。自動設定 (DHCPv6 による SLAAC、SLAAC) の場合は
auto
を使用します。または、DHCPv6 のみの設定の場合はdhcp
を使用します (ルーター通知なし)。 keymap=<keymap>
- 使用するキーボードのレイアウトです。有効なレイアウトは以下のとおりです。
be-latin1
— ベルギー語bg_bds-utf8
— ブルガリア語bg_pho-utf8
— ブルガリア語 (Phonetic)br-abnt2
— ポルトガル語 (ブラジル、ABNT2)cf
— カナダフランス語croat
— クロアチア語cz-us-qwertz
— チェコ語cz-lat2
— チェコ語 (qwerty)de
— ドイツ語de-latin1
— ドイツ語 (latin1)de-latin1-nodeadkeys
— ドイツ語 (latin1、デッドキーなし)dvorak
— ドボラック (Dvorak)dk
— デンマーク語dk-latin1
— デンマーク語 (latin1)es
— スペイン語et
— エストニア語fi
— フィンランド語fi-latin1
— フィンランド語 (latin1)fr
— フランス語fr-latin9
— フランス語 (latin9)fr-latin1
— フランス語 (latin1)fr-pc
— フランス語 (pc)fr_CH
— スイスフランス語fr_CH-latin1
— スイスフランス語 (latin1)gr
— ギリシャ語hu
— ハンガリー語hu101
— ハンガリー語 (101 キー)is-latin1
— アイスランド語it
— イタリア語it-ibm
— イタリア語 (IBM)it2
— イタリア語 (it2)jp106
— 日本語ko
— 韓国語la-latin1
— ラテンアメリカ語mk-utf
— マケドニア語nl
— オランダ語no
— ノルウェー語pl2
— ポーランド語pt-latin1
— ポルトガル語ro
— ルーマニア語ru
— ロシア語sr-cy
— セルビア語sr-latin
— セルビア語 (latin)sv-latin1
— スウェーデン語sg
— スイスドイツ語sg-latin1
— スイスドイツ語 (latin1)sk-qwerty
— スロバキア語 (qwerty)slovene
— スロベニア語trq
— トルコ語uk
— 英国ua-utf
— ウクライナ語us-acentos
— U.S. インターナショナルus
— U.S. 英語
32 ビットシステムのファイル/usr/lib/python2.6/site-packages/system_config_keyboard/keyboard_models.py
または 64 ビットシステムの/usr/lib64/python2.6/site-packages/system_config_keyboard/keyboard_models.py
には、この一覧も含まれており、system-config-keyboard パッケージの一部です。 ks=nfs:<server>:/<path>
- インストールプログラムは、NFS サーバー<server> 上のキックスタートファイルを、ファイル <path> として探します。インストールプログラムは DHCP を使ってイーサネットカードを設定します。例えば、NFS サーバーが、server.example.com で、キックスタートファイルが NFS 共有ファイル
/mydir/ks.cfg
内にある場合、正しいブートコマンドはks=nfs:server.example.com:/mydir/ks.cfg
となります。 ks={http|https}://<server>/<path>
- インストールプログラムは、HTTP または HTTPS サーバー <server> 上のキックスタートファイルをファイル <path> として探します。インストールプログラムは、DHCP を使用してイーサネットカードを設定します。例えば、HTTP サーバーが server.example.com で、キックスタートファイルが HTTP ディレクトリ
/mydir/ks.cfg
にある場合、正しいブートコマンドはks=http://server.example.com/mydir/ks.cfg
となります。 ks=hd:<device>:/<file>
- インストールプログラムは <device> 上のファイルシステム (vfat または ext2) をマウントします。さらに、そのキックスタート設定ファイルをファイルシステム内の <file> として検索します (例えば、
ks=hd:sda3:/mydir/ks.cfg
) 。 ks=bd:<biosdev>:/<path>
- インストールプログラムは指定された BIOS デバイス <biosdev> 上の指定されたパーティションにファイルシステムをマウントして、<path> 内に指定されたキックスタートファイルを探します (例えば、
ks=bd:80p3:/mydir/ks.cfg
) 。この動作は BIOS RAID セットには該当しないことに注意してください。 ks=file:/<file>
- インストールプログラムはファイルシステムから、ファイル <file> を読み込もうとします。マウントはされません。キックスタートファイルがすでに
initrd
イメージ上にある場合、通常これが使用されます。 ks=cdrom:/<path>
- インストールプログラムは、<path> ファイルとして CD-ROM 上のキックスタートファイルを検索します。
ks
ks
を単独で使用する場合、インストールプログラムは DHCP を使うようにイーサネットカードを設定します。キックスタートファイルは、DHCP オプションのサーバー名で指定した NFS サーバーから読み込まれます。キックスタートファイルの名前は、以下のいずれかになります。- DHCP が指定されていて、ブートファイルが
/
で始まる場合、DHCP で提供されたブートファイルは NFS サーバー上で検索されます。 - DHCP が指定してあり、ブートファイルが
/
以外で始まる場合、DHCP で提供されたブートファイルは、NFS サーバー上の/kickstart
ディレクトリ内で検索されます。 - DHCP がブートファイルを指定していない場合、インストールプログラムは
/kickstart/1.2.3.4-kickstart
ファイルを読み込もうとします。この 1.2.3.4 とは、インストール先のマシンの数値の IP アドレスを示すものです。
ksdevice=<device>
- インストールプログラムはこのネットワークデバイスを使用して、ネットワークに接続します。次の 5 つのいずれかの方法でデバイスを指定できます。
eth0
などインターフェースのデバイス名です。- インターフェースの MAC アドレスを使って指定します (
00:12:34:56:78:9a
など)。 link
キーワードを使って指定する (リンクがup
状態になっている 1 番目のインターフェース)bootif
キーワードを使って指定する、(pxelinux によりBOOTIF
変数内に設定される MAC アドレスになります。pxelinux.cfg
ファイルでIPAPPEND 2
を設定し、 pxelinux によりBOOTIF
変数が設定されるようにします。)- キーワード
ibft
を使用します、これにより iBFT で指定されたインターフェースの MAC アドレスを使用することになります。
例として、eth1 デバイスを通じて NFS サーバーに接続しているシステムを考えてみましょう。NFS サーバーからのキックスタートファイルを使用して、このシステム上でキックスタートインストールを実行するには、boot:
プロンプトで、コマンドks=nfs:<server>:/<path> ksdevice=eth1
を使用します。 kssendmac
- ks=http:// 要求に HTTP ヘッダーを追加します。これは provisioning システムに役に立ちます。"X-RHN-Provisioning-MAC-0: eth0 01:23:45:67:89:ab" 形式の CGI 環境変数内にすべての nic の MAC アドレスが含まれます。
lang=<lang>
- インストールで使用する言語です。これは 'lang' キックスタートコマンドと共に使用するのに有効な言語でなければなりません。
loglevel=<level>
- メッセージログの必要最低レベルを設定します。<level> 用の値には、debug、info、warning、error、critical があります。デフォルト値は info です。
mediacheck
- ユーザーにインストールソース (ISO ベース方法の場合) の整合性をテストするオプションを与えるようにローダーコードをアクティベートします。
netmask=<nm>
- ネットワークインストール用に使用する Netmask
nofallback
- GUI が失敗した場合、終了します。
nofb
- 一部の言語で、テキストモードのインストールの実行に要求される VGA16 フレームバッファーをロードしません。
nofirewire
- firewire デバイス用のサポートをロードしません。
noipv4
ksdevice
ブートオプションで指定されるデバイス上での IPv4 ネットワークを無効にします。noipv6
- インストール時、およびインストールされたシステム上ですべてのネットワークデバイスにおける IPv6 ネットワーキングを無効にします。
重要
PXE サーバーからのインストール時に、IPv6 ネットワーキングは anaconda がキックスタートファイルを処理する前にアクティブになる可能性があります。その場合、このオプションはインストール時に全く影響を与えません。注記
インストールされたシステムで IPv6 を無効にするには、noipv6
ブートオプションの他に、各ネットワークデバイス上で--noipv6
のキックスタートオプションを使用する必要があります。システムワイドでの IPv6 の無効化については https://access.redhat.com/ja/solutions/1565993 のナレッジベース記事を参照してください。 nomount
- レスキューモードでは、インストールした Linux パーティションを自動的にマウントしません。
nonet
- ネットワークデバイスを自動検出しません。
noparport
- パラレルポート用サポートのロードを試行しません。
nopass
- キーボードとマウスに関する情報を anaconda ステージ 1 (ローダー) からステージ 2 (インストーラー) に渡しません。
nopcmcia
- システム内の PCMCIA コントローラーを無視します。
noprobe
- 自動的にハードウェアを調べません。anaconda がハードウェアの特定のカテゴリーを探すことができるようユーザーにプロンプトを出します。
noshell
- インストール中に tty2 上でシェルを出しません。
repo=cdrom
- DVD ベースインストールを実行します。
repo=ftp://<path>
- FTP インストール用に <path> を使用します。
repo=hd:<dev>:<path>
- ハードドライブからのインストール用に <dev> 上の <path> を使用します。
repo=http://<path>
- HTTP インストール用に <path> を使用します。
repo=https://<path>
- HTTPS インストール用に <path> を使用します。
repo=nfs:<path>
- NFS インストール用に <path> を使用します。
rescue
- レスキュー環境を実行します。
resolution=<mode>
- 指定したモードでインストーラーを実行します。例: '1024x768' 。
serial
- シリアルコンソールサポートを開始します。
skipddc
- モニターの Data Display Channel (DDC) を探しません。このオプションは、DDC プローブによりシステムが応答しなくなった場合の対処方法です。
syslog=<host>[:<port>]
- インストールを起動した後に、ログメッセージを <host> 上 (オプションとして、ポート <port> 上) の syslog プロセスに送ります。リモート syslog プロセスが接続を許可する必要があります。(-r オプション)。
text
- テキストモードインストールを強制します。
重要
キックスタートインストールでテキストモードを選択した場合、パーティション設定、ブートローダー、およびパッケージ選択オプションについての選択肢を指定してください。これらの手順はテキストモードでは自動化されており、anaconda では不足している情報をユーザーに要求することはできません。これらオプションの選択肢が指定されないと、anaconda はインストールプロセスを停止します。 updates
- 更新 (バグ修正) を含むストレージデバイス用のプロンプトです。
updates=ftp://<path>
- FTP 経由の更新を含むイメージ
updates=http://<path>
- HTTP 経由の更新を含むイメージ
updates=https://<path>
- HTTPS 経由の更新を含むイメージ
upgradeany
/etc/redhat-release
ファイルのコンテンツや、それが存在するかどうかに関わらず、システム上で検出したすべての Linux インストールをアップグレードします。vnc
- vnc ベースのインストールを有効にします。vnc クライアントアプリケーションを使用して、そのマシンに接続する必要があります。
vncconnect=<host>[:<port>]
- <host> と呼ばれる vnc クライアントに接続して、オプションでポート <port> を使用します。'vnc' オプションの指定も要求されます。
vncpassword=<password>
- vnc 接続用のパスワードを有効にします。これは誰かが間違えて vnc ベースのインストールに接続するのを防止します。'vnc' オプションの指定も要求されます。