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32.4. キックスタートのオプション
以下のオプションは、キックスタートファイル内に含めることができます。キックスタートファイルの作成にグラフィカルインターフェースを使用したい場合は、キックスタート設定 のアプリケーションを使います。詳細は 33章Kickstart Configurator をご覧ください。
注記
オプションの後に等号記号 (=)が続く場合は、その後に値を指定する必要があります。コマンド例のなかで角カッコ(
[ ]
)に囲まれたオプションはそのコマンドのオプションの引数になります。
重要
再起動するとデバイス名が変更する場合がありキックスタートスクリプトでのデバイス名の使い方が複雑になることがあります。キックスタートオプションでデバイスノード名 (
sda
など) を使用する場合は代わりに /dev/disk
を使用することができます。例を示します。
part / --fstype=ext4 --onpart=sda1
上記のコマンドの代わりに、以下のいずれかを使用します。
part / --fstype=ext4 --onpart=/dev/disk/by-path/pci-0000:00:05.0-scsi-0:0:0:0-part1 part / --fstype=ext4 --onpart=/dev/disk/by-id/ata-ST3160815AS_6RA0C882-part1
これにより、
sda
の代わりに再起動後も一貫性のあるディスク名を参照ができるようになります。特に大規模なストレージ環境で役に立ちます。
auth
またauthconfig
(必須)- システムに認証オプションを設定します。インストール後に実行可能な
authconfig
コマンドと同様のものです。詳細はauthconfig(8)
の man ページを参照してください。パスワードはデフォルトでシャドーパスワードが適用されています。警告
authconfig
コマンドは authconfig パッケージを必要とします。このパッケージは、最小限のパッケージグループを使用すると含まれません。最小限のパッケージグループを使用していて、かつキックスタートファイル内でこのコマンドを使用したい場合には、「パッケージの選択」 にあるようにauthconfig
を%packages
セクションに追加します。警告
安全対策上、SSL
プロトコルで OpenLDAP を使用する場合はサーバー設定内のSSLv2
およびSSLv3
のプロトコルを必ず無効にしてください。POODLE SSL (CVE-2014-3566) 脆弱性の影響を受けないようにするためです。詳細は https://access.redhat.com/solutions/1234843 を参照してください。--enablenis
— NIS サポートを有効にします。デフォルトでは、--enablenis
はネットワーク上にある任意のドメインを使用します。ドメインは必ず--nisdomain=
オプションを使用して手動で指定してください。--nisdomain=
— NIS サービスに使う NIS ドメインの名前です。--nisserver=
— NIS サービスに使うサーバーです (デフォルトではブロードキャスト)。--useshadow
または--enableshadow
— シャドーパスワードを使用します。このオプションはデフォルトで有効になっています。--enableldap
—/etc/nsswitch.conf
内の LDAP 対応を有効にします。これにより、システムはユーザーに関する情報 (UID、ホームディレクトリ、シェルなど) を LDAP ディレクトリから取得できます。このオプションを使うには、nss-pam-ldapd
パッケージをインストールする必要があります。また、--ldapserver=
と--ldapbasedn=
を指定したサーバーとベース DN (識別名) の指定も必要です。--enableldapauth
— 認証手段として LDAP を使います。これにより LDAP ディレクトリを使って認証やパスワードを変更するためのpam_ldap
モジュールが有効になります。このオプションを使うには、nss-pam-ldapd
パッケージをインストールしておく必要があります。--ldapserver=
と--ldapbasedn=
を指定したサーバーとベース DN の指定も必要です。使用している環境が TLS (トランスポートレイヤーセキュリティ) を使用しない場合は、--disableldaptls
スイッチを使用して、結果として生じる設定ファイルが機能するようにしてください。--ldapserver=
—--enableldap
または--enableldapauth
のいずれかを指定した場合、利用する LDAP サーバーの名前を指定するのにこのオプションを使用します。このオプションは、/etc/ldap.conf
ファイル内で設定します。--ldapbasedn=
—--enableldap
または--enableldapauth
のいずれかを指定した場合、ユーザー情報が格納された LDAP ディレクトリツリーの DN を指定するためにこのオプションを使用します。このオプションは/etc/ldap.conf
ファイルで設定します。--enableldaptls
— TLS (Transport Layer Security) ルックアップを使用します。このオプションによって、LDAP は暗号化したユーザー名とパスワードを認証前に LDAP サーバーに送信できます。--disableldaptls
— 認証に LDAP を使用する環境では TLS ルックアップは使用しないでください。--enablekrb5
— Kerberos 5 を使ってユーザーを認証します。 Kerberos 自体にはホームディレクトリ、UID、またはシェルという概念はありません。したがって、Kerberos を有効にする場合は、LDAP、NIS、または Hesiod なども有効に設定するか、または/usr/sbin/useradd
コマンドを使用して、このワークステーションにユーザーのアカウントを認識させる必要があります。このオプションを使う場合は、pam_krb5
パッケージをインストールしておく必要があります。--krb5realm=
— ワークステーションの所属先である kerberos 5 の範囲です。--krb5kdc=
— 範囲の要求を処理する KDC です (複数可)。範囲内に複数の KDC がある場合には名前をコンマで区切って指定します。--krb5adminserver=
— 範囲内にある KDC で kadmind を実行している KDEC です。このサーバーでパスワードの変更やその他の管理関連の要求を処理します。複数の KDC がある場合、このサーバーはマスター KDC 上で実行しなければなりません。--enablehesiod
— ユーザーのホームディレクトリ、UID、シェルなどの検索に対応する Hesiod サポートを有効にします。ネットワークでの Hesiod の設定と使い方に関しての詳細はglibc
パッケージに含まれている/usr/share/doc/glibc-2.x.x/README.hesiod
をご覧ください。Hesiod は DNS の拡張機能であり、DNS レコードを使用してユーザーやグループ、および各種項目に関する情報を保存します。--hesiodlhs
と--hesiodrhs
—/etc/hesiod.conf
に設定されるHesiod
LHS (左側) の値と RHS (右側) の値です。DNS で名前を検索する際Hesiod
ライブラリで使用される値です。LDAP でベース DN が使用されるのと同じです。例えば、ユーザー名jim
のユーザー情報を調べる場合、Hesiod ライブラリはjim.passwd<LHS><RHS>
を探します。これで、passwd
ファイルにあるそのユーザーのエントリーと同一の文字列、jim:*:501:501:Jungle Jim:/home/jim:/bin/bash
を含む TXT レコードに解決されます。グループを検索する場合は、代わりに Hesiod ライブラリはjim.group<LHS><RHS>
を探します。数字でユーザーとグループを検索するには、jim.passwd
の CNAME501.uid
やjim.group
の CNAME501.gid
にします。検索の際、ライブラリではピリオド (.
) が LHS 値と RHS 値の前に置かれません。このため、LHS 値と RHS 値の前にピリオドが必要な場合は、--hesiodlhs
と--hesiodrhs
に設定した値にピリオドを含める必要があります。--enablesmbauth
— SMB サーバー (通常は Samba または Windows サーバー) に対するユーザー認証を有効にします。SMB 認証サポートではホームディレクトリ、UID、シェルなどは認識しません。SMB を有効にする場合は、LDAP、NIS、Hesiod のいずれかを有効にするか、/usr/sbin/useradd
コマンドを使ってワークステーションにユーザーのアカウントを認識させる必要があります。--smbservers=
— SMB 認証に使用するサーバー名です。複数のサーバーを指定する場合はサーバー名をコンマ (,) で区切ります。--smbworkgroup=
— 複数の SMB サーバーのワークグループ名です。--enablecache
—nscd
サービスを有効にします。nscd
サービスは、ユーザーやグループの情報、その他の様々な種類の情報をキャッシュします。NIS、LDAP、Hesiod のいずれかを使用してネットワークでユーザーとグループに関する情報を配信するよう選択した場合に、キャッシングは特に便利です。--passalgo=
— SHA-256 ハッシュアルゴリズムを設定する場合はsha256
、SHA-512 ハッシュアルゴリズムを設定する場合はsha512
を指定します。
autopart
(オプション)- root (
/
) パーティション (1 GB 以上)、swap パーティション、アーキテクチャーに適した boot パーティションなどのパーティションを自動的に作成します。注記
同じキックスタートファイル内でautopart
オプションをpart/partition
、raid
、logvol
、volgroup
などのオプションと併用することはできません。--encrypted
— サポート付きのデバイスはすべてデフォルトで暗号化するかどうかを指定します。パーティション設定の初期画面にある 暗号化 のチェックボックスに相当します。--cipher=
— anaconda のデフォルトの aes-xts-plain64 では不十分な場合に暗号化の種類を指定します。このオプションは--encrypted
オプションと併用する必要があります。このオプションだけ使用しても暗号化は行なわれません。使用できる暗号タイプについては 『Red Hat Enterprise Linux セキュリティガイド (Red Hat Enterprise Linux Security Guide)』 に記載されていますが、Red Hat では aes-xts-plain64 または aes-cbc-essiv:sha256 のいずれかの使用を強く推奨しています。--passphrase=
— 暗号化したデバイスすべてに使用できるシステム全体のデフォルトのパスフレーズを指定します。--escrowcert=URL_of_X.509_certificate
— 暗号化した全ボリュームのデータ暗号化キーを/root
内にファイルとして格納し、URL_of_X.509_certificate で指定される URL の X.509 証明書を使用して暗号化します。キーはそれぞれ暗号化されたボリュームごとに別々のファイルとして格納されます。このオプションは--encrypted
を指定している場合にしか役立ちません。--backuppassphrase=
— パスフレーズを暗号化したボリュームごとに生成して追加します。/root
内にパスフレーズごと別々のファイルに格納し、--escrowcert
で指定した X.509 証明書を使用して暗号化します。このオプションは--escrowcert
を指定している場合にしか役に立ちません。
autostep
(オプション)- 次の画面に自動的に進む点以外は
interactive
と同じです。デバッグの際によく使用されるオプションです。パッケージのインストールを妨げる場合があるのでシステム導入の際には使用しないでください。--autoscreenshot
— インストール中のすべての手順をスクリーンショットに取り、インストールの完了後にそのイメージを/root/anaconda-screenshots
にコピーします。文書化を行う場合に非常に役に立ちます。
bootloader
(必須)- ブートローダーのインストール方法を指定します。このオプションはインストールとアップグレード時の両方に必要となります。
重要
キックスタートインストールにテキストモードを選択する場合はパーティション作成、ブートローダー、およびパッケージ選択オプションなどの設定を行っているか必ず確認してください。これらの手順はテキストモードでは自動化されるため、anaconda では不足した情報の入力を求めるプロンプトを表示させることができません。これらの選択肢を指定してしないと anaconda によりインストールプロセスが停止されます。重要
各マシンでブートローダーのパスワードを設定することが強く推奨されます。ブートローダーが保護されていないと、攻撃者はシステムの起動オプションを修正してシステムにアクセスできるようになります。ブートローダーのパスワードおよびパスワードのセキュリティ全般に関する情報は、『Red Hat Enterprise Linux セキュリティガイド』 の 『ワークステーションのセキュリティ』 の章を参照してください。--append=
— カーネルパラメーターを指定します。複数のパラメーターを指定する場合はパラメーターを空白で区切ります。以下に例を示します。bootloader --location=mbr --append="hdd=ide-scsi ide=nodma"
--driveorder
— BIOS の起動順序で一番目になるドライブを指定します。以下に例を示します。bootloader --driveorder=sda,hda
--disabled
- これは--location=none
のより強力なバージョンになります。--location=none
は単にブートローダーのインストールを無効にしますが、--disabled
だとブートローダーのインストールのほかに、ブートローダーパッケージのインストールを無効にするので、スペースが節約できます。--location=
— ブートレコードを書き込む場所を指定します。有効な値は、mbr
(デフォルト)、partition
(カーネルを格納しているパーティションの 1 番目のセクションにブートローダーをインストールする — UEFI に必要)、none
(ブートローダーをインストールしない) になります。重要
UEFI ファームウェアを搭載した 64 ビットの AMD および Intel のシステムの場合、ブートローダーは GUID パーティションテーブル (GPT) のラベルが付いたディスクの EFI システムパーティションにインストールする必要があります。マスターブートレコード (MBR) のラベルが付いたディスクを使用する場合にはclearpart
とzerombr
のコマンドを使ってディスクのラベルを付け直す必要があります。ディスクのラベルを付け直すと、そのディスク上にある全データにアクセスできなくなるため、新しいパーティションレイアウトを作成しなければならなくなります。--password=
— GRUB を使用している場合、このオプションで指定された人に対して GRUB ブートローダーパスワードを設定します。これは、任意のカーネルオプションが渡される GRUB シェルへのアクセスを制限するために使用する必要があります。--iscrypted
— GRUB を使用している場合は、パスワードが暗号化されているなら、これを含めるべきです。暗号化の方法については、パスワードに基づいて自動的に検出されます。暗号化されたパスワードを作成するには、以下のコマンドを使用します。python -c 'import crypt; print(crypt.crypt("My Password"))'
これでパスワードの sha512 暗号が生成されます。--upgrade
— 古いエントリーを保存しながら、既存のブートローダー設定をアップグレードします。このオプションはアップグレードでのみ使用できます。
clearpart
(オプション)- 新しいパーティションを作成する前に、システムからパーティションを削除します。デフォルトでは、パーティションは削除しません。
注記
clearpart
コマンドが使用されている場合、--onpart
コマンドは論理パーティション上で使用できません。--all
— システムのすべてのパーティションが消去されます。警告
このオプションを使用すると接続しているネットワークストレージなどインストーラーでアクセスできるディスクはすべて消去されます。使用する場合は注意してください。clearpart
に--drives=
オプションを使って消去したいドライブのみを指定する、ネットワークストレージは後で接続する (キックスタートファイルの%post
セクションを利用するなど)、ネットワークストレージのアクセスに使用されるカーネルモジュールをブラックリストに記載するなどの手段を取ると保持したいストレージの消去を防ぐことができます。重要
clearpart
では既存の BIOS RAID 設定は削除できません。これを実行するには、%pre
スクリプトにwipefs -a
コマンドを追加する必要があります。ただし、これを実行すると RAID からすべてのメタデータが削除されることに留意してください。--drives=
— パーティションを消去するドライブを指定します。例えば、以下のコマンドでは、プライマリ IDE コントローラーの最初の 2 つのドライブ上のすべてのパーティションを消去します。clearpart --drives=hda,hdb --all
マルチパスのデバイスを消去する場合は、disk/by-id/scsi-WWID
の形式を使用します。WWID はデバイスの world-wide identifier になります。WWID が58095BEC5510947BE8C0360F604351918
のディスクを消去する場合は次のようにします。clearpart --drives=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
マルチパスのデバイスを消去する場合はこの形式が適しています。ただし、エラーが発生する場合、そのマルチパスデバイスが 論理ボリューム管理 (LVM) を使用していないなら、disk/by-id/dm-uuid-mpath-WWID
の形式を使って消去することもできます。WWID はデバイスの world-wide identifier です。WWID が2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
のディスクを消去する場合は次のようにします。clearpart --drives=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
警告
マルチパスデバイスの指定には、mpatha
のようなデバイス名を使わないでください。mpatha
などのデバイス名は特定のディスクに固有のものではありません。インストール時に/dev/mpatha
という名前が付けられたディスクは、対象のディスクではない場合があります。このため、clearpart
コマンドが誤ったディスクを対象とする可能性があります。--linux
— すべての Linux パーティションを消去します。--none
(デフォルト) — いずれのパーティションも削除しません。--cdl
— 検出された LDL (Linux Disk Layout) ディスクをすべて CDL (Compatible Disk Layout) に再フォーマットします。IBM System z でのみ利用可能です。
注記
clearpart --all
コマンドをキックスタートファイル内で使用してインストール中に既存する全パーティションを削除しようとすると、Anaconda によりインストールが一時中断され削除の確認が求められます。まったく介入せずに自動的にインストールを行う必要がある場合はzerombr
コマンドをキックスタートファイルに追加します。重要
--initlabel
オプションは、廃止されました。無効なパーティションテーブルでディスクを初期化し、そのコンテンツを消去するには、zerombr
コマンドを使用してください。 cmdline
(オプション)- 完全に非対話式のコマンドラインモードでインストールを実行します。対話のプロンプトがあるとインストールは停止します。このモードは、z/VM 下で 3270 ターミナルを持つ IBM System z systems および LPAR 上のオペレーティングシステムメッセージアプレットで便利です。
RUNKS=1
およびks=
と併用する使用法が推奨されます。「キックスタートを使ったインストールのパラメーター」を参照してください。 device
(オプション)- ほとんどの PCI システムでは、インストールプログラムはイーサネットカードと SCSI カードを適切に自動検出します。ただし、旧式のシステムと一部の PCI では、キックスタートが適切なデバイスを見つけるのにヒントが必要になります。
device
コマンドは、インストールプログラムに対して追加のモジュールをインストールするように指示するもので、以下の形式になります。device <moduleName> --opts=<options>
- <moduleName> — インストールすべきカーネルモジュールの名前に入れ換えます。
--opts=
— カーネルモジュールを渡すためのオプション。以下が例となります。--opts="aic152x=0x340 io=11"
driverdisk
(オプション)- ドライバーディスクは、キックスタートインストール時に使用することができます。ドライバーディスクのコンテンツは、システムのハードドライブ上のパーティションの root ディレクトリにコピーする必要があります。その後に
driverdisk
コマンドを使って、インストールプログラムに対してドライバーディスクを探す場所を指示する必要があります。driverdisk <partition> --source=<url> --biospart=<biospart> [--type=<fstype>]
ドライバーディスクにはネットワーク上の場所を指定することもできます。driverdisk --source=ftp://path/to/dd.img driverdisk --source=http://path/to/dd.img driverdisk --source=nfs:host:/path/to/img
- <partition> — ドライバーディスクが含まれるパーティションです。
- <url> — ドライバーディスク用の URL です。NFS の場所は、
nfs:host:/path/to/img
の形式で指定されます。 - <biospart> — ドライバーディスクが含まれる BIOS パーティションです (例えば、
82p2
)。 --type=
— ファイルシステムタイプです (例、vfat または ext2)。
fcoe
(オプション)- Enhanced Disk Drive Services (EDD) で検出されたデバイス以外で、自動的にアクティベートする FCoE デバイスを指定します。
--nic=
(必須) — アクティベートするデバイス名です。--dcb=
— データセンターのブリッジング (DCB) 設定を確立します。--autovlan
— VLAN を自動的に検出します。
firewall
(オプション)- このオプションは、インストールプログラムの ファイアウォールの設定 画面に相当します。
firewall --enabled|--disabled [--trust=] <device> <incoming> [--port=]
警告
firewall
コマンドは system-config-firewall-base パッケージを必要とします。このパッケージは、最小限のパッケージグループを使用すると含まれません。最小限のパッケージグループを使用していて、かつキックスタートファイル内でこのコマンドを使用したい場合には、「パッケージの選択」 にあるようにsystem-config-firewall-base
を%packages
セクションに追加します。--enabled
または--enable
— DNS 応答や DHCP 要求などの アウトバウンド要求に応答のない受信接続を拒否します。このマシンで実行中のサービスにアクセスが必要な場合は、特定サービスがファイアウォールを通過できるよう選択できます。--disabled
または--disable
— いずれの iptable ルールも設定しません。--trust=
— この一覧にデバイス (例えば eth0 など) を記述すると、そのデバイスからのすべてのトラフィックはファイアウォールを通過することができます。複数のデバイスを記述するには、--trust eth0 --trust eth1
のように指定します。--trust eth0, eth1
のようにカンマ区切りは使用しないでください。- <incoming> — 指定したサービスがファイアウオールを通過できるように以下 (1 つまたは複数) に置き換えます。
--ssh
--telnet
--smtp
--http
--ftp
--port=
— ファイアウォールの通過を許可するポートを、port:protocol の形式で指定できます。たとえば、IMAP アクセスがファイアウォールを通過できるようにするには、imap:tcp
と指定します。ポートを数値で直接指定することもできます。たとえば、ポート 1234 上で UDP パケットを許可するには、1234:udp
を指定します。複数のポートを指定するには、それらをカンマで区切ります。
firstboot
(オプション)- システムの初回ブート時に firstboot を開始するかどうか決定します。これを有効にするには、firstboot パッケージをインストールする必要があります。指定されない場合は、このオプションはデフォルトで無効となります。
--enable
または--enabled
— 設定エージェント はシステムの初回ブート時に開始します。--disable
または--disabled
— 設定エージェント はシステムの初回ブート時に開始しません。--reconfig
— システムが起動する時に、設定エージェント の開始を再設定モードで有効にします。この再設定モードでは言語、マウス、キーボード、root パスワード、セキュリティレベル、タイムゾーン、およびネットワーク設定のオプションをデフォルト設定に追加して選択することができます。
graphical
(オプション)- グラフィカルモードでキックスタートインストールを実行します。これがデフォルトです。
group
(オプション)- システムに新しいユーザーグループを作成します。そのグループ名または GID がすでに存在している場合、このコマンドは失敗します。また、新たに作成したユーザーに新しいグループを作成する場合は
user
コマンドが使用できます。group --name=name [--gid=gid]
--name=
- グループ名を与えます。--gid=
- グループの GID です。指定しないとシステム GID 以外で次に使用可能な GID がデフォルト設定されます。
halt
(オプション)- インストールが正常に完了した後にシステムを停止します。これは手動インストールと似ています。手動インストールでは、anaconda がメッセージを表示してユーザーが再起動のためにキーを押すまで待機します。キックスタートインストール中に完了方法が指定されない場合は、デフォルトでこのオプションが使用されます。
halt
オプションはshutdown -h
コマンドと等しいものです。他の完了方法については、poweroff
、reboot
、shutdown
のキックスタートオプションを参照してください。 ignoredisk
(オプション)- インストーラーが指定ディスクを無視するようになります。これは、自動パーティションを使用して、一部のパーティションが無視されるようにしたい場合に役に立ちます。例えば、
ignoredisk
を使わずに SAN クラスター上で導入しようとすると、インストーラーは、パーティションテーブルを返さない SAN へのパッシブパスを検知するため、キックスタートは失敗します。構文:ignoredisk --drives=drive1,drive2,...
driveN には、sda
、sdb
、hda
などのいずれかを入力します。論理ボリューム管理 (LVM) を使用しないマルチパスのデバイスを無視する場合は、disk/by-id/dm-uuid-mpath-WWID
の形式を使用します。WWID にはデバイスの world-wide identifier を入力します。たとえば、WWID が2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
のディスクを無視するには、以下のコマンドを使用します。ignoredisk --drives=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
LVM を使用するマルチパスデバイスは、anaconda がキックスタートファイルの解析を完了するまでアセンブルされません。このため、これらのデバイスは、dm-uuid-mpath
の形式では指定することができません。その代わりに、disk/by-id/scsi-WWID
の形式を使用して、LVM を使用するマルチパスデバイスを無視することができます。ここで、WWID は、デバイスの world-wide identifier です。例えば、WWID が58095BEC5510947BE8C0360F604351918
のディスクを無視するには、以下のコマンドを使用します。ignoredisk --drives=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
警告
マルチパスデバイスの指定には、mpatha
のようなデバイス名を使わないでください。mpatha
などのデバイス名は特定のディスクに固有のものではありません。インストール時に/dev/mpatha
という名前が付けられたディスクは、対象のディスクではない場合があります。このため、clearpart
コマンドが誤ったディスクを対象とする可能性があります。--only-use
— 使用するインストーラー用のディスクの一覧を指定します。他のディスクはすべて無視されます。例えば、インストール時にsda
を使用するには、その他のディスクをすべて無視します。ignoredisk --only-use=sda
LVM を使用しないマルチパスのデバイスを指定する場合は、以下のコマンドを実行します。ignoredisk --only-use=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
LVM を使用するマルチパスのデバイスを指定する場合は、以下のコマンドを実行します。ignoredisk --only-use=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
install
(オプション)- 既存のシステムをアップグレードするのではなく、システムの新規インストールを行うようにシステムに指示します。これはデフォルトのモードです。インストールでは、
cdrom
、harddrive
、nfs
、url
(FTP、HTTP、HTTPS のいずれかのインストール用) の中からインストールタイプを指定する必要があります。install
コマンドとインストール方法のコマンドは、別個の行で指定する必要があります。cdrom
— システムの 1 番目の光学ドライブからインストールします。harddrive
— ローカルドライブ上の vfat か ext2 のいずれかのファイルシステムである Red Hat インストールツリーからインストールします。--biospart=
(82 などから) インストールする BIOS パーティション--partition=
(sdb2 などから) インストールするパーティション--dir=
インストールツリーのvariant
ディレクトリを含むディレクトリ
以下に例を示します。harddrive --partition=hdb2 --dir=/tmp/install-tree
nfs
— 指定した NFS サーバーからインストールします。--server=
インストール元とするサーバー (ホスト名または IP)--dir=
インストールツリーのvariant
ディレクトリを含むディレクトリ--opts=
NFS エクスポートのマウント用に使用するマウントオプション (オプション)
以下に例を示します。nfs --server=nfsserver.example.com --dir=/tmp/install-tree
url
— FTP、HTTP、HTTPS のいずれかを介して、リモートのサーバーにあるインストールツリーからインストールを行います。以下に例を示します。url --url http://<server>/<dir>
またはurl --url ftp://<username>:<password>@<server>/<dir>
interactive
(オプション)- 対話型インストールを実行しますが、デフォルトを指定するキックスタートファイルの情報を使用します。インストール時に、anaconda はすべての段階でプロンプトを出します。 をクリックしてキックスタートファイルの値を確定するか、値を変更して をクリックして続行します。
autostep
コマンドも参照してください。 iscsi
(オプション)iscsi --ipaddr=<ipaddr> [options]
インストール時に接続される追加の iSCSI ストレージを指定します。iscsi
パラメーターを使用する場合は、キックスタートファイルの 始めでiscsiname
パラメーターを使用して iSCSI ノードに名前を割り当てる必要もあります。可能な場合は、iscsi
パラメーターの使用よりも、システム BIOS 内で、またはファームウェア (Intel システムでは iBFT) 内で iSCSI ストレージを設定することを推奨します。Anaconda は、BIOS 内または ファームウェア内のディスクを自動検出して使用しますので、キックスタートファイル内で特別な設定をする必要はありません。iscsi
パラメーターを使用しなければならない場合は、インストールの開始時にネットワークがアクティベートされていることを確認してください。さらに、キックスタートファイル内でclearpart
やignoredisk
などのパラメーターで iSCSI ディスクを参照する前にiscsi
パラメーターが表示されることを確認してください。--port=
(mandatory) — ポート番号 (通常は--port=3260
)--user=
— ターゲットで認証するために必要なユーザー名です--password=
— ターゲット用に指定されたユーザー名に該当するパスワードです--reverse-user=
— 逆 CHAP 認証を使用するターゲットからのイニシエーターで認証するために必要なユーザー名です。--reverse-password=
— イニシエーター用に指定されたユーザー名に該当するパスワードです。
iscsiname
(オプション)- 名前を iscsi パラメーターで指定された iSCSI ノードに割り当てます。キックスタートファイルで
iscsi
パラメーターを使用する場合は、キックスタートファイルの 始めでiscsiname
を指定する必要があります。 keyboard
(必須)- システム用のデフォルトのキーボードタイプを設定します。利用可能なキーボードのタイプは以下のとおりです。
be-latin1
— ベルギー語bg_bds-utf8
— ブルガリア語bg_pho-utf8
— ブルガリア語 (Phonetic)br-abnt2
— ポルトガル語 (ブラジル、ABNT2)cf
— カナダフランス語croat
— クロアチア語cz-us-qwertz
— チェコ語cz-lat2
— チェコ語 (qwerty)de
— ドイツ語de-latin1
— ドイツ語 (latin1)de-latin1-nodeadkeys
— ドイツ語 (latin1、デッドキーなし)dvorak
— ドボラック (Dvorak)dk
— デンマーク語dk-latin1
— デンマーク語 (latin1)es
— スペイン語et
— エストニア語fi
— フィンランド語fi-latin1
— フィンランド語 (latin1)fr
— フランス語fr-latin9
— フランス語 (latin9)fr-latin1
— フランス語 (latin1)fr-pc
— フランス語 (pc)fr_CH
— スイスフランス語fr_CH-latin1
— スイスフランス語 (latin1)gr
— ギリシャ語hu
— ハンガリー語hu101
— ハンガリー語 (101 キー)is-latin1
— アイスランド語it
— イタリア語it-ibm
— イタリア語 (IBM)it2
— イタリア語 (it2)jp106
— 日本語ko
— 韓国語la-latin1
— ラテンアメリカ語mk-utf
— マケドニア語nl
— オランダ語no
— ノルウェー語pl2
— ポーランド語pt-latin1
— ポルトガル語ro
— ルーマニア語ru
— ロシア語sr-cy
— セルビア語sr-latin
— セルビア語 (latin)sv-latin1
— スウェーデン語sg
— スイスドイツ語sg-latin1
— スイスドイツ語 (latin1)sk-qwerty
— スロバキア語 (qwerty)slovene
— スロベニア語trq
— トルコ語uk
— 英国ua-utf
— ウクライナ語us-acentos
— U.S. インターナショナルus
— U.S. 英語
32 ビットシステムのファイル/usr/lib/python2.6/site-packages/system_config_keyboard/keyboard_models.py
または 64 ビットシステムの/usr/lib64/python2.6/site-packages/system_config_keyboard/keyboard_models.py
には、この一覧も含まれており、system-config-keyboard パッケージの一部です。 lang
(必須)- インストール時に使用する言語とインストールしたシステムで使用するデフォルト言語を設定します。例えば、英語に設定するには、キックスタートファイルは以下の行が含まれます。
lang en_US
ファイル/usr/share/system-config-language/locale-list
は 各行の最初のコラムに有効な言語のコードのリストを指定し、これはsystem-config-language
パッケージの一部になります。テキストモードのインストールでは、特定の言語には対応していません (中国語、日本語、韓国語、インド系言語など)。lang
コマンドでこれらの言語を指定しても、インストールプロセスは英語で続行されます。ただし、インストール後のシステムでは選択した言語がデフォルトの言語として使用されます。 langsupport
(廃止)- langsupport キーワードは廃止が決定されており、これを使用すると画面上にエラーメッセージが表示され、インストールが停止する原因になります。langsupport キーボードの使用の代わりに 現在は、キックスタートファイル内の
%packages
セクションで、サポート対象とする言語のサポートパッケージグループの一覧を作成する必要があります。例えば、フランス語のサポートを追加する場合は、以下を%packages
に追加する必要があります。@french-support
logging
(オプション)- このコマンドはインストール時の anaconda のロギングエラーを制御します。これはインストール済みのシステムには影響がありません。
logging [--host=<host>] [--port=<port>] [--level=debug|info|error|critical]
--host=
— ロギング情報を該当するリモートホストに送信します。このホストはリモートロギングを受理するように設定された syslogd プロセスを実行中である必要があります。--port=
— リモートの syslogd プロセスがデフォルト以外のポートを使用する場合、このオプションで指定できます。--level=
— debug、info、warning、error、または critical の内の1つです。tty3 で表示されるメッセージの最低レベルを指定します。すべてのメッセージはこのレベルに関係なく、適切にログファイルに送信されます。
logvol
(オプション)- 次の構文を使用して、論理ボリューム管理 (LVM) の論理ボリュームを作成します。
logvol <mntpoint> --vgname=<name> --size=<size> --name=<name> [options]
重要
キックスタートを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする際には、ダッシュ記号 ("-
") を論理ボリューム名またはボリュームグループ名に使用しないでください。これを使用するとインストールは正常に完了しますが、ダッシュ記号は新たに作成されたボリュームやボリュームグループ名から消去されてしまいます。例えば、volgrp-01
というボリュームグループを作成すると、この名前はvolgrp01
に変更されます。この制限が適用されるのは、新規インストールのみです。既存のインストールをアップグレードまたは再インストールする際は、下記の--noformat
オプションを使うとボリュームまたはボリュームグループ名で使われるダッシュ記号は維持されます。- <mntpoint> はパーティションをマウントする場所です。次のいずれかの形式で入力してください。
/<path>
例:/
、/usr
、/home
swap
swap 領域として使用されます。swap パーティションのサイズを自動的に判別するには、--recommended
オプションを使用します。swap --recommended
有効なサイズが割り当てられますが、システムに対して正確に調整されたサイズではありません。swap パーティションのサイズを自動的に判別するとともに、システムの休止状態に必要な追加領域を配分するには、--hibernation
オプションを使用します。swap --hibernation
割り当てられるサイズは、--recommended
によって割り当てられるスワップ領域に、ご使用のシステムの RAM 容量を加算したサイズに相当します。このコマンドで割り当てる swap サイズについては、 「パーティション設定に関する推奨」 (x86、AMD64、Intel 64 のアーキテクチャー) または 「パーティション設定に関する推奨」 (IBM Power Systems のサーバー) を参照してください。重要
スワップ領域の推奨値が Red Hat Enterprise Linux 6.3 で更新されました。以前は、RAM の大きいシステムには大きなスワップ領域が割り当てられていました。このため、プロセスが正常に動作していない場合でも、Out-of-Memory Killer (oom_kill) による重大なメモリー不足への対応が遅れていました。したがって、旧バージョンの Red Hat Enterprise Linux 6 を使用している場合、RAM のサイズが大きなシステムであってもswap --recommended
によって、推奨パーティション作成スキーマで説明されているサイズより大きな swap 領域が生成されることになります。これにより休止状態に備えて余分な領域をとっておく必要性を無効にしてしまう可能性があります。しかし、この更新されたスワップ領域の値は旧バージョンの Red Hat Enterprise Linux 6 に対しては推奨値とされ、swap --size=
オプションを使って手作業で設定することが可能です。
オプションは次の通りです。--noformat
— 既存の論理ボリュームを使用してフォーマットしません。--useexisting
— 既存の論理ボリュームを使用して再フォーマットします。--fstype=
— 論理ボリュームのファイルシステムタイプを指定します。 有効な値は、xfs
、ext2
、ext3
、ext4
、swap
、vfat
、hfs
、efi
になります。--fsoptions=
— ファイルシステムをマウントする際に使用する自由形式の文字列を指定します。この文字列はインストールされるシステムの/etc/fstab
ファイルにコピーされますので引用符で囲む必要があります。--fsprofile
— このパーティション上にファイルシステムを作成するプログラムに渡される 使用方法のタイプ を指定します。使用方法のタイプは、ファイルシステムの作成時に使用される様々なチューニングパラメーターを定義します。このオプションが機能するには、ファイルシステムは使用方法のタイプの概念に対応し、有効なタイプを一覧表示する設定ファイルがなければなりません。ext2、ext3、ext4 の場合は、この設定ファイルは/etc/mke2fs.conf
です。--grow=
— (ある場合) 最大利用可能サイズまで論理ボリュームを拡張するか、または指定限度サイズまで拡張するように指示します。--maxsize=
— 論理ボリュームを拡張するように設定する場合、最大サイズをメガバイト単位で入力します。500
などの整数値を指定します (単位は付けないでください) 。--recommended=
— 論理ボリュームのサイズを自動的に決定します。--percent=
— 静的にサイズ指定した論理ボリュームを考慮に入れた後のボリュームグループにある空き領域を表すパーセンテージとして、論理ボリュームを拡張するサイズを指定します。このオプションはlogvol
の--size
と--grow
オプションと併用する必要があります。--encrypted
—--passphrase
オプションで提供されたパスフレーズを使用して、この論理ボリュームが暗号化されるよう指定します。パスフレーズを指定しない場合は、anaconda はデフォルト値、autopart --passphrase
コマンドで設定したシステム全体で有効なパスフレーズを使用するか、またはデフォルト値が設定されていない場合はインストールを停止してパスフレーズを入力するようプロンプトを出します。--cipher=
— anaconda のデフォルトの aes-xts-plain64 では不十分な場合に暗号化の種類を指定します。このオプションは--encrypted
オプションと併用する必要があります。このオプションだけ使用しても暗号化は行なわれません。使用できる暗号タイプについては 『Red Hat Enterprise Linux セキュリティガイド (Red Hat Enterprise Linux Security Guide)』 に記載されていますが、Red Hat では aes-xts-plain64 または aes-cbc-essiv:sha256 のいずれかの使用を強く推奨しています。--passphrase=
— この論理ボリュームを暗号化する際に使用するパスフレーズを指定します。このオプションは、--encrypted
オプションと併用する必要があります。単独では機能しません。--escrowcert=URL_of_X.509_certificate
— 暗号化した全ボリュームのデータ暗号化キーを/root
内にファイルとして格納し、URL_of_X.509_certificate で指定される URL の X.509 証明書を使用して暗号化します。キーはそれぞれ暗号化されたボリュームごとに別々のファイルとして格納されます。このオプションは--encrypted
を指定している場合にしか役立ちません。--backuppassphrase=
— パスフレーズを暗号化したボリュームごとに生成して追加します。/root
内にパスフレーズごと別々のファイルに格納し、--escrowcert
で指定した X.509 証明書を使用して暗号化します。このオプションは--escrowcert
を指定している場合にしか役に立ちません。
まず最初にパーティションを作成します。次に論理ボリュームグループを作成してから、論理ボリュームを作成します。例を示します。part pv.01 --size 3000 volgroup myvg pv.01 logvol / --vgname=myvg --size=2000 --name=rootvol
まず最初にパーティションを作成します。次に論理ボリュームグループを作成してから、ボリュームグループに残っている領域の 90 % を占める論理ボリュームを作成します。例を示します。part pv.01 --size 1 --grow volgroup myvg pv.01 logvol / --vgname=myvg --size=1 --name=rootvol --grow --percent=90
mediacheck
(オプション)- これらが指定されている場合、anaconda がインストールメディアのメディアチェックを行うように強制します。このコマンドは立ち会い (対話) を必要とするインストールを要求します。そのため、デフォルトでは無効になっています。
monitor
(オプション)- モニターコマンドがない場合、anaconda は X を使用してモニター設定を自動検出します。モニターを手動で設定をする前にこれを試してください。
monitor --monitor=<monitorname>|--hsync|vsync=<frequency> [--noprobe]
--hsync=
— モニターの水平同期周波数を指定します。--monitor=
— 指定されたモニターを使用します。 モニター名は、hwdata パッケージの /usr/share/hwdata/MonitorsDB 内のモニターの一覧のものである必要があります。モニターの一覧はキックスタート設定の X 設定画面上でも見ることができます。--hsync または --vsync が指定されている場合は、--monitor=
は無視されます。モニター情報が提供されない場合、インストールプログラムが自動的にそれを検出する試みをします。--noprobe=
— モニターの検出をしない。--vsync=
— モニターの垂直同期周波数を指定します。
mouse
(廃止)- mouth キーワードは廃止が決定されました。
network
(オプション)- ターゲットシステム用のネットワーク情報を設定して、インストーラーの環境でネットワークデバイスをアクティベートします。ネットワークインストール時や VNC によるインストールなど、インストール中にネットワークアクセスが必要な場合は、最初の
network
コマンドで指定したデバイスが自動的にアクティベートされます。Red Hat Enterprise Linux 6.1 以降では、--activate
オプションを使ってインストーラー環境でデバイスを明示的にアクティベートする必要もあります。重要
キックスタートの自動インストール中にネットワーク設定を手動で指定する必要がある場合には、network
は使用しないでください。代わりに、asknetwork
オプションを使用して、システムを起動します (「キックスタートインストールの開始」 を参照)。これにより、anaconda はデフォルト設定を使用する代わりに、ネットワーク設定を要求します。anaconda がネットワーク設定を要求するのは、キックスタートファイルを取得する前です。ネットワーク接続の確立後は、キックスタートファイルで指定した設定でネットワーク設定を再度行うだけです。注記
ネットワークに関する情報のプロンプトが出されるのは、以下の場合のみです。asknetwork
起動オプションを使用している場合は、キックスタートファイルを取得する前- ネットワークがキックスタートファイルを取得するために使用されておらず、キックスタートの network コマンドを提供していない場合で、キックスタートファイルの取得後にネットワークが最初にアクセスされる場合
--activate
— インストーラーの環境でこのデバイスをアクティベートします。すでにアクティベートされたデバイス上で--activate
オプションを使用する場合は (例えば、システムがキックスタートファイルを取得するよう起動オプションを使って設定したインターフェース)、デバイスはキックスタートファイルで指定された詳細を使用するよう再度アクティベートされます。--nodefroute
オプションを使用することで、デバイスがデフォルトルートを使わないようにします。activate
は Red Hat Enterprise Linux 6.1 で新しいオプションです。--bootproto=
—dhcp
、bootp
、ibft
、またはstatic
のいずれかです。ibft
は Red Hat Enterprise Linux 6.1 で新しいオプションです。bootproto
オプションはdhcp
にデフォルト設定されています。bootp
とdhcp
は同一として扱われます。DHCP 手法は、DHCP サーバーシステムを使用してそのネットワーク設定を取得します。想像できる通り、BOOTP 手法も同様のものであり、BOOTP サーバーを利用してそのネットワーク設定を取得します。システムに DHCP の使用を指示するには、以下のようにします。network --bootproto=dhcp
システムが BOOTP を使ってネットワーク設定を取得するよう指定するには、キックスタートファイルで次の行を使用します。network --bootproto=bootp
iBFT で指定されている設定を使用する場合は、以下のようにします。network --bootproto=ibft
静的メソッドでは、キックスタートファイルの IP アドレス、ネットマスク、ゲートウェイ、およびネームサーバーを指定することが必要です。名前が示すように、この情報は静的であり、インストール時およびインストール後に使用されます。すべての静的ネットワークの設定情報は 1 行で指定する必要があります。コマンドライン上で実行できるようなバックスラッシュを使用した行の折り返しはできません。そのため、キックスタートファイルで静的ネットワークを指定する行は、DHCP、BOOTP や iBFT を指定する行よりさらに複雑です。このページの例では表示上の理由で改行されていますが、実際のキックスタートファイルで改行すると機能しない点に注意してください。network --bootproto=static --ip=10.0.2.15 --netmask=255.255.255.0 --gateway=10.0.2.254 --nameserver=10.0.2.1
ここでは複数のネームサーバーを設定することもできます。それを実行するには、それらをコマンドライン内にコンマで区切られた一覧として指定します。network --bootproto=static --ip=10.0.2.15 --netmask=255.255.255.0 --gateway=10.0.2.254 --nameserver 192.168.2.1,192.168.3.1
--device=
—network
コマンドを使って設定 (最終的にはアクティベート) するデバイスを指定します。最初のnetwork
コマンドの場合、--device=
は (優先順で) 以下のいずれかにデフォルト設定されます。ksdevice
起動オプションで指定されるデバイス- キックスタートファイルを取得するよう自動的にアクティベートされたデバイス
- ネットワークデバイス (Networking Devices) ダイアログで選択したデバイス
--device
オプションがない場合は、後に続くnetwork
コマンドの動作は指定されません。すべての network コマンドに対してnetwork
コマンドの後に--device
オプションを指定するようにしてください。デバイスは以下の 5 通りの方法で指定することができます。eth0
などインターフェースのデバイス名です。- インターフェースの MAC アドレスを使って指定します (
00:12:34:56:78:9a
など)。 link
キーワードを使って指定する (リンクがup
状態になっている 1 番目のインターフェース)bootif
キーワードを使って指定する、(pxelinux によりBOOTIF
変数内に設定される MAC アドレスになります。pxelinux.cfg
ファイルでIPAPPEND 2
を設定し、 pxelinux によりBOOTIF
変数が設定されるようにします。)- キーワード
ibft
を使用します、これにより iBFT で指定されたインターフェースの MAC アドレスを使用することになります。
network --bootproto=dhcp --device=eth0
--ip=
— デバイスの IP アドレスです。--ipv6=
— デバイスの IPv6 アドレスです。自動設定の場合はauto
を使用し、DHCPv6 のみの設定の場合にはdhcp
を使用します (ルーター通知なし)。--gateway=
— 単一 IPv4 アドレスとしてのデフォルトゲートウェイです。--ipv6gateway=
— 単一 IPv6 アドレスとしてのデフォルトゲートウェイです。--nameserver=
— IP アドレスとしてのプライマリネームサーバーです。複数のネームサーバーの場合はカンマで区切ります。--nodefroute
— インターフェースがデフォルトルートとして設定されないようにします。--activate=
オプションを使って追加のデバイスをアクティベートする場合はこのオプションを使用します。例えば、iSCSI ターゲットの別々のサブネット上の NIC などです。nodefroute
は Red Hat Enterprise Linux 6.1 で新しいオプションです。--nodns
— DNS サーバーを設定しません。--netmask=
— デバイスのネットワークマスクです。--hostname=
— インストールするシステムのホスト名です。--ethtool=
— ethtool プログラムに渡されるネットワークデバイス用の低レベルの追加設定を指定します。--onboot=
— 起動時にデバイスを有効にするかどうかを指定します。--dhcpclass=
— DHCP クラスです。--mtu=
— デバイスの MTU です。--noipv4
— このデバイスで IPv4 の設定を無効にします。--noipv6
— このデバイスで IPv6 の設定を無効にします。注記
--noipv6
キックスタートオプションは現在バグにより、個別デバイスの IPv6 設定を無効にしません。ただし、--noipv6
オプションを全ネットワークデバイスに使用してnoipv6
ブートパラメーターを使用すると、システムワイドで ipv6 を無効にできます。noipv6
ブートオプションについては 「キックスタートインストールの開始」 を、システムワイドでの ipv6 の無効化については https://access.redhat.com/ja/solutions/1565993 のナレッジベース記事を参照してください。--vlanid=
— 仮想 LAN ID 番号 (802.1q タグ) を指定します。--bondslaves=
— 結合するネットワークインターフェースをコンマで区切って一覧指定します。--bondopts=
—--bondslaves=
と--device=
のオプションを使って指定される結合インターフェース用のオプションパラメーターの一覧です。この一覧内のオプションは必ずコンマ (",
") またはセミコロン (";
") で区切ってください。オプション自体にコンマが含まれている場合はセミコロンを使用してください。例を示します。network --bondopts=mode=active-backup,balance-rr;primary=eth1
利用可能なオプションのパラメーター一覧については 『Red Hat Enterprise Linux 6 導入ガイド』の 『カーネルモジュールでの作業』 の章に記載されています。重要
--bondopts=mode=
パラメーターはbalance-rr
やbroadcast
といった完全なモードネームのみをサポートし、0
や3
といった数字表記をサポートしません。
part
またはpartition
(インストールでは必須、アップグレードでは無視)- システムにパーティションを作成します。システム上の異なるパーティションに複数の Red Hat Enterprise Linux インストールが存在する場合、インストールプログラムはユーザーに対してプロンプトを出し、アップグレードするインストールを尋ねます。
警告
作成されたすべてのパーティションは、--noformat
と--onpart
が使用されていない場合に、インストールプロセスの一部としてフォーマットされます。重要
キックスタートインストールにテキストモードを選択する場合はパーティション作成、ブートローダー、およびパッケージ選択オプションなどの設定を行っているか必ず確認してください。これらの手順はテキストモードでは自動化されるため、anaconda では不足した情報の入力を求めるプロンプトを表示させることができません。これらの選択肢を指定してしないと anaconda によりインストールプロセスが停止されます。part
の実行例の詳細には、「高度なパーティションの例」 を参照してください。part|partition <mntpoint> --name=<name> --device=<device> --rule=<rule> [options]
- <mntpoint> — パーティションのマウント先です。 値は次のいずれかの形式をとります。
/<path>
例:/
、/usr
、/home
swap
swap 領域として使用されます。swap パーティションのサイズを自動的に判別するには、--recommended
オプションを使用します。swap --recommended
有効なサイズが割り当てられますが、システムに対して正確に調整されたサイズではありません。swap パーティションのサイズを自動的に判別するとともに、システムの休止状態に必要な追加領域を配分するには、--hibernation
オプションを使用します。swap --hibernation
割り当てられるサイズは、--recommended
によって割り当てられるスワップ領域に、ご使用のシステムの RAM 容量を加算したサイズに相当します。このコマンドで割り当てる swap サイズについては、 「パーティション設定に関する推奨」 (x86、AMD64、Intel 64 のアーキテクチャー) または 「パーティション設定に関する推奨」 (IBM Power Systems のサーバー) を参照してください。重要
スワップ領域の推奨値が Red Hat Enterprise Linux 6.3 で更新されました。以前は、RAM の大きいシステムには大きなスワップ領域が割り当てられていました。このため、プロセスが正常に動作していない場合でも、Out-of-Memory Killer (oom_kill) による重大なメモリー不足への対応が遅れていました。したがって、旧バージョンの Red Hat Enterprise Linux 6 を使用している場合、RAM のサイズが大きなシステムであってもswap --recommended
によって、推奨パーティション作成スキーマで説明されているサイズより大きな swap 領域が生成されることになります。これにより休止状態に備えて余分な領域をとっておく必要性を無効にしてしまう可能性があります。しかし、この更新されたスワップ領域の値は旧バージョンの Red Hat Enterprise Linux 6 に対しては推奨値とされ、swap --size=
オプションを使って手作業で設定することが可能です。raid.<id>
パーティションはソフトウェア RAID (raid
参照)に使用されます。pv.<id>
LVM 用に使用するパーティション(logvol
参照)。
--size=
— メガバイト単位で表されるパーティションの最小サイズです。500
のような整数値で指定します (単位は付けないでください)。重要
--grow
— (もしあれば) 最大利用可能サイズまでパーティションを拡張 する、または、指定限度サイズまで拡張するように指示します。注記
swap パーティション上に--maxsize=
を設定しないで、--grow=
を使用すると、Anaconda は swap パーティションの最大サイズを制限します。2GB 以下の物理メモリーを持つシステムでは、 課せられる制限は物理メモリーの2倍となります。2GB 以上の物理メモリーを持つシステムには、この制限は物理メモリープラス 2GB となります。--maxsize=
— パーティションを拡張するよう設定した場合、最大パーティションサイズをメガバイト単位で入力します。500
のような整数値を指定します (単位は付けないでください)。--noformat
—--onpart
コマンドを使用する場合、パーティションをフォーマットしないように指定します。--onpart=
または--usepart=
— パーティションを配置するデバイスを指定します。例えば、partition /home --onpart=hda1
上記では、/home
パーティションが/dev/hda1
に配置されます。このオプションを使ってパーティションを論理ボリュームに追加することもできます。例を示します。partition pv.1 --onpart=hda2
デバイスはシステム上にすでに存在している必要があります。--onpart
オプションではそれを作成しません。--ondisk=
または--ondrive=
— パーティションが 特定のディスク上に作成されるように強制します。例えば、--ondisk=sdb
は、システム上の 2 番目の SCSIディスクにパーティションを設定します。論理ボリューム管理 (LVM) を使用しないマルチパスのデバイスを指定する場合は、disk/by-id/dm-uuid-mpath-WWID
の形式を使用します。WWID はデバイスの world-wide identifier です。WWID が2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
のディスクを指定する場合は、以下のコマンドを使用します。part / --fstype=ext3 --grow --asprimary --size=100 --ondisk=disk/by-id/dm-uuid-mpath-2416CD96995134CA5D787F00A5AA11017
LVM を使用するマルチパスデバイスは、anaconda がキックスタートファイルの解析を完了するまでアセンブルされません。このため、これらのデバイスは、dm-uuid-mpath
の形式では指定できません。その代わりに、disk/by-id/scsi-WWID
の形式を使用して LVM を使用するマルチパスデバイスを指定します。ここで WWID は、デバイスの world-wide identifier です。例えば、WWID が58095BEC5510947BE8C0360F604351918
のディスクを指定するには、以下のコマンドを使用します。part / --fstype=ext3 --grow --asprimary --size=100 --ondisk=disk/by-id/scsi-58095BEC5510947BE8C0360F604351918
警告
マルチパスデバイスの指定には、mpatha
のようなデバイス名を使わないでください。mpatha
などのデバイス名は特定のディスクに固有のものではありません。インストール時に/dev/mpatha
という名前が付けられたディスクは、対象のディスクではない場合があります。このため、clearpart
コマンドが誤ったディスクを対象とする可能性があります。--asprimary
— プライマリパーティションとして自動割り当てを強制的に実行します。実行できなければパーティションの設定に失敗します。--type=
(fstype
に入れ換え) — このオプションはもう利用できません。代わりにfstype
を使用します。--fsoptions=
— ファイルシステムをマウントする時に 使用する自由形式のオプションの文字列を指定します。この文字列はインストールしたシステムの/etc/fstab
ファイルにコピーされますので引用句で囲む必要があります。--fsprofile
— このパーティション上にファイルシステムを作成するプログラムに渡される 使用方法のタイプ を指定します。使用方法のタイプは、ファイルシステムの作成時に使用される様々なチューニングパラメーターを定義します。このオプションが機能するには、ファイルシステムは使用方法のタイプの概念に対応し、有効なタイプを一覧表示する設定ファイルがなければなりません。ext2、ext3、ext4 の場合は、この設定ファイルは/etc/mke2fs.conf
です。--fstype=
— パーティションのファイルシステムの種類を設定します。 有効な値は、xfs
、ext2
、ext3
、ext4
、swap
、vfat
、hfs
、efi
になります。--recommended
— パーティションのサイズを自動的に 決定します。--onbiosdisk
— BIOS で検出された特定のディスク上で パーティションが作成されるように強制します。--encrypted
—--passphrase
オプションで提供されるパスフレーズを使用して、このパーティションが暗号化されるよう指定します。パスフレーズを指定しない場合は、anaconda はデフォルト値、autopart --passphrase
コマンドで設定したシステム全体で有効なパスフレーズを使用するか、デフォルト値が設定されていない場合はインストールを停止して、パスフレーズを入力するようプロンプトします。--cipher=
— anaconda のデフォルトの aes-xts-plain64 では不十分な場合に暗号化の種類を指定します。このオプションは--encrypted
オプションと併用する必要があります。このオプションだけ使用しても暗号化は行なわれません。使用できる暗号タイプについては 『Red Hat Enterprise Linux セキュリティガイド (Red Hat Enterprise Linux Security Guide)』 に記載されていますが、Red Hat では aes-xts-plain64 または aes-cbc-essiv:sha256 のいずれかの使用を強く推奨しています。--passphrase=
— このパーティションを暗号化する場合に使用するパスフレーズを指定します。このオプションは、--encrypted
オプションと併用する必要があります。単独では機能しません。--escrowcert=URL_of_X.509_certificate
— すべての暗号化されたパーティションのデータ暗号化キーを/root
内にファイルとして格納して、URL_of_X.509_certificate で指定した URL の X.509 証明書を使用して暗号化します。キーはそれぞれの暗号化されたパーティション用に別々のファイルとして保存されています。--encrypted
が指定されている場合にのみこのオプションは意味があります。--backuppassphrase=
— ランダムに生成されたパスフレーズをそれぞれの暗号化されたパーティションに追加します。これらのパスフレーズを/root
内の別々のファイルに格納して、--escrowcert
で指定した X.509 証明書を使用して暗号化します。--escrowcert
が指定されている場合にのみこのオプションは意味があります。--label=
— ラベルを個々のパーティションに割り当てます。
注記
何らかの理由でパーティションの設定ができなかった場合には、診断メッセージが仮想コンソール 3 に表示されます。 poweroff
(オプション)- インストールが正しく完了した後に、システムをシャットダウンして電源を切ります。通常、手動のインストールでは anaconda はメッセージを表示して、再起動前にユーザーがキーを押すのを待ちます。キックスタートインストールでは、完了法が指定されていない場合、 デフォルトで
halt
オプションが使用されます。poweroff
オプションはshutdown -p
コマンドと同じです。注記
poweroff
オプションは使用中のハードウェアに多く依存します。特に、BIOS、APM (advanced power management)、ACPI (advanced configuration and power interface) など特定のハードウェアコンポーネントはシステムカーネルとの対話操作が可能である必要があります。使用システムの APM/ACPI 機能に関してはその製造元に連絡してください。他の完了方法については、halt
、reboot
、shutdown
のキックスタートオプションを参照してください。 raid
(オプション)- ソフトウェア RAID デバイスを構成します。このコマンドの形式は次の通りです。
raid <mntpoint> --level=<level> --device=<mddevice> <partitions*>
- <mntpoint> — RAID ファイルシステムをマウントする位置です。 これを「
/
」とした場合は、 ブートパーティション (/boot
) が 存在しない限り、RAID レベルは 1 でなければなりません。ブートパーティションが 存在する場合は、/boot
パーティションがレベル 1 でなければならず、 ルート (「/
」) パーティションのタイプはどれでもかまいません。 <partitions*> (複数パーティションを列挙できることを表す) は、 RAID アレイに追加する RAID 識別子を列挙します。重要
RAID デバイスが準備されているが、インストール中に再フォーマットされていない場合に、/boot
およびPReP
パーティションを RAID デバイスに配置する予定の場合は、RAID メタデータバージョンが0.90
になるようにします。デフォルトの Red Hat Enterprise Linux 6 mdadm メタデータバージョンはブートデバイスには対応していません。 --level=
— 使用する RAID のレベル (0、1、または、5)。--device=
— 使用する RAID デバイスの名前 (md0 や md1 など)。 RAID デバイスの範囲は md0 から md15 まであり、 それぞれ 1 度だけ使用することができます。--spares=
— RAID アレイに割り当てられたスペアドライブの数を指定します。スペアドライブはドライブが故障した場合にアレイを再ビルドするために使用します。--fsprofile
— このパーティション上にファイルシステムを作成するプログラムに渡される 使用方法のタイプ を指定します。使用方法のタイプは、ファイルシステムの作成時に使用される様々なチューニングパラメーターを定義します。このオプションが機能するには、ファイルシステムは使用方法のタイプの概念に対応し、有効なタイプを一覧表示する設定ファイルがなければなりません。ext2、ext3、ext4 の場合は、この設定ファイルは/etc/mke2fs.conf
です。--fstype=
— RAID アレイ用のファイルシステムタイプを設定します。有効な値は、xfs
、ext2
、ext3
、ext4
、swap
、vfat
、およびhfs
です。--fsoptions=
— ファイルシステムをマウントする時に 使用されるオプションの自由形式の文字列を指定します。この文字列はインストールされるシステムの/etc/fstab
ファイルにコピーされますので引用符で囲む必要があります。--noformat
— 既存の RAID デバイスを使用し、RAID アレイをフォーマットしません。--useexisting
— 既存の RAID デバイスを使用し、再フォーマットします。--encrypted
—--passphrase
オプションで提供されるパスフレーズを使用して、この RAID デバイスが暗号化されるよう指定します。パスフレーズが指定されていない場合は、anaconda はデフォルト値、autopart --passphrase
コマンドで設定したシステム全体で有効なパスフレーズを使用するか、デフォルト値が設定されていない場合はインストールを停止して、パスフレーズを入力するようプロンプトします。--cipher=
— anaconda のデフォルトの aes-xts-plain64 では不十分な場合に暗号化の種類を指定します。このオプションは--encrypted
オプションと併用する必要があります。このオプションだけ使用しても暗号化は行なわれません。使用できる暗号タイプについては 『Red Hat Enterprise Linux セキュリティガイド (Red Hat Enterprise Linux Security Guide)』 に記載されていますが、Red Hat では aes-xts-plain64 または aes-cbc-essiv:sha256 のいずれかの使用を強く推奨しています。--passphrase=
— この RAID デバイスを暗号化する場合に使用するパスフレーズを指定します。このオプションは--encrypted
オプションと併用する必要があります。単独では機能しません。--escrowcert=URL_of_X.509_certificate
— このデバイス用のデータ暗号化キーを/root
内のファイルに格納して、URL_of_X.509_certificate で指定した URL の X.509 証明書を使用して暗号化します。--encrypted
が指定されている場合にのみこのオプションは意味があります。--backuppassphrase=
— ランダムに生成されたパスフレーズをこのデバイスに追加します。パスフレーズを/root
内のファイルに格納して、--escrowcert
で指定した X.509 証明書を使用して暗号化します。--escrowcert
が指定されている場合にのみこのオプションは意味があります。
以下の例では、システム上に 3 つの SCSI ディスクがあることを想定して、/
用の RAID レベル 1 パーティションと、/usr
用の RAID レベル 5 の 作成法を示しています。これはまた、各ドライブに1つずつ、3 つのスワップパーティションを作成します。part raid.01 --size=60 --ondisk=sda part raid.02 --size=60 --ondisk=sdb part raid.03 --size=60 --ondisk=sdc
part swap --size=128 --ondisk=sda part swap --size=128 --ondisk=sdb part swap --size=128 --ondisk=sdc
part raid.11 --size=1 --grow --ondisk=sda part raid.12 --size=1 --grow --ondisk=sdb part raid.13 --size=1 --grow --ondisk=sdc
raid / --level=1 --device=md0 raid.01 raid.02 raid.03 raid /usr --level=5 --device=md1 raid.11 raid.12 raid.13
raid
の実行例は 「高度なパーティションの例」 を参照してください。 reboot
(オプション)- インストールが正しく完了した後には、再起動します。(引数なし) 通常、キックスタートは再起動する前にメッセージを表示して、 ユーザーがいずれかのキーを押すのを待ちます。
reboot
オプションはshutdown -r
コマンドと同じです。reboot
を指定すると、System z で cmdline モードで インストールしている時に、インストールを完全自動化できます。他の完了方法については、halt
、poweroff
、shutdown
のキックスタートオプションを参照してください。キックスタートファイルに明示的に他の方法が示されていない場合は、halt
オプションがデフォルトの完了方法です。注記
インストールメディアやインストール方法によっては、reboot
オプションを使用するとインストールプロセスがループして完了しなくなる場合があります。 repo
(オプション)- パッケージインストール用のソースとして使用できる追加の yum リポジトリを設定します。複数リポジトリ行が指定できます。
repo --name=<repoid> [--baseurl=<url>| --mirrorlist=<url>]
--name=
— リポジトリの id です。このオプションは必須です。--baseurl=
— リポジトリ用の URL です。 yum repo config ファイル内で使用される可能性のある変数はここではサポートされていません。このオプションか、または --mirrorlist のどちらかを使用できますが、両方は使用できません。--mirrorlist=
— リポジトリ用のミラーの一覧を指している URL です。yum repo config ファイル内で使用される可能性のある変数はここではサポートされていません。このオプションか、または --baseurl のどちらかを使用できますが、 両方は使用できません。
重要
インストールに使用するリポジトリーは安定した状態を維持してください。インストールが終了する前にリポジトリーに変更が加えられると、インストールが失敗する可能があります。 rootpw
(必須)- システムの root パスワードを <password> 引数に設定します。
rootpw [--iscrypted] <password>
--iscrypted
— これを設定すると、パスワード引数は すでに暗号化されているものとみなされます。暗号化されたパスワードを作成するには、以下のコマンドを使用します。python -c 'import crypt; print(crypt.crypt("My Password"))'
これでパスワードの sha512 暗号が生成されます。
selinux
(オプション)- インストール済みシステム上の SELinux の状態を設定します。anaconda での SELinux は強制モードがデフォルトです。
selinux [--disabled|--enforcing|--permissive]
--enforcing
— デフォルトのターゲットポリシーが強制されている SELinux を有効にします。注記
キックスタートファイル内にselinux
オプションが存在しない場合は、 SELinux が有効となり、デフォルトで--enforcing
に設定されます。--permissive
— SELinux ポリシーをベースにして警告を出力しますが、実際にはポリシーを強制しません。--disabled
— システム上の SELinux を完全に無効にします。
Red Hat Enterprise Linux 対応の SELinux に関する詳細情報については、 『Red Hat Enterprise Linux 6.9 導入ガイド』 を参照してください。 services
(オプション)- デフォルトのランレベルで実行されるサービスのデフォルトセットを修正します。無効なサービスリストは、有効なサービスリストの前に処理されます。そのため、両方のリストにあるサービスは有効となります。
--disabled
— カンマで区切られた一覧で指定されたサービスを無効にします。--enabled
— カンマで区切られた一覧内で指定されたサービスを有効にします。
重要
サービスの一覧には空白を入れないでください。空白があると、キックスタートは最初の空白の直前のサービスまでしか有効または無効にしません。以下が例になります。services --disabled auditd, cups,smartd, nfslock
これは、auditd サービスのみを無効にします。4つのすべてのサービスを無効にするには、サービス名の間に空白を入れるべきではありません。services --disabled auditd,cups,smartd,nfslock
shutdown
(オプション)- インストールが正しく終了した後にシステムをシャットダウンします。キックスタートインストール中に完了方法が指定されない場合は、デフォルトで
halt
オプションが使用されます。shutdown
オプションはshutdown
コマンドと同等です。他の完了方法については、halt
、poweroff
、reboot
、のキックスタートオプションを参照してください。 skipx
(オプション)- これがある場合は、インストール済みのシステム上では X は設定されません。
重要
パッケージ選択のオプションでディスプレイマネージャをインストールする場合は、このパッケージは X 設定を作成して、インストール済みのシステムはデフォルトでランレベル 5 で実行します。skipx
オプションの影響は無効になります。 sshpw
(オプション)- インストール時に anaconda との対話操作を行い、SSH 接続によりその進捗状況を監視することができます。
sshpw
コマンドを使用して、ログオンするための一時的なアカウントを作成します。コマンドの各インスタンスは、インストール環境にのみ存在する別々のアカウントを作成します。これらのアカウントはインストール済みのシステムには転送されません。sshpw --username=<name> <password> [--iscrypted|--plaintext] [--lock]
--username
— ユーザーの名前を提供します。このオプションは 必須です。--iscrypted
— パスワードがすでに暗号化されていることを指定します。--plaintext
— パスワードがプレーンテキストで暗号化されていないことを指定します。--lock
— これを設定すると、新規のユーザーアカウントは デフォルトでロックされます。すなわち、そのユーザーはコンソールからログインできません。
重要
デフォルトでは、ssh サーバーはインストール中に開始しません。インストール中にssh
を利用可能にするためには、カーネル起動オプションsshd=1
でシステムを起動します。ブート時にこのカーネルオプションを指定する方法の詳細については、「ssh を使用したリモートアクセスを有効にする」 を参照してください。注記
インストール中に、ご使用のハードウェアに対する rootssh
アクセスを無効にするには、以下のコマンドを実行します。sshpw --username=root --lock
text
(オプション)- キックスタートインストールをテキストモードで実行します。デフォルトでは、キックスタートインストールはグラフィカルモードで実行されます。
重要
キックスタートインストールにテキストモードを選択する場合はパーティション作成、ブートローダー、およびパッケージ選択オプションなどの設定を行っているか必ず確認してください。これらの手順はテキストモードでは自動化されるため、anaconda では不足した情報の入力を求めるプロンプトを表示させることができません。これらの選択肢を指定してしないと anaconda によりインストールプロセスが停止されます。 timezone
(必須)- システムのタイムゾーンを <timezone> にセットします。
/usr/share/zoneinfo
ディレクトリ内に記載されているいずれかのタイムゾーンになります。timezone [--utc] <timezone>
--utc
— これを指定すると、ハードウェアクロックが UTC (グリニッジ標準) 時間に合わせて 設定されているものとみなされます。
unsupported_hardware
(オプション)- インストーラーに Unsupported Hardware Detected (サポート外のハードウェアを検出) 警告を表示しないように指示します。このコマンドが含まれず、サポート外のハードウェアが検出された場合は、インストールはこの警告で停止します。
upgrade
(オプション)- システムを新規インストールするのではなく、既存のシステムをアップグレードするようにシステムに指示します。インストールツリーの場所に、
cdrom
、harddrive
、nfs
、url
(FTP、HTTP、HTTPS インストール用) の中からいずれかを指定する必要があります。詳細はinstall
を参照してください。 user
(オプション)- システム上で新規ユーザーを作成します。
user --name=<username> [--groups=<list>] [--homedir=<homedir>] [--password=<password>] [--iscrypted] [--shell=<shell>] [--uid=<uid>]
--name=
— ユーザーの名前を提供します。このオプションは 必須です。--groups=
— デフォルトグループの他にもユーザーが 所属すべきグループ名のコンマで区切られた一覧があります。このグループはユーザーアカウントが作成される前に存在している必要があります。--homedir=
— ユーザーのホームディレクトリ。これが設定がない場合、デフォルトは /home/<username> になります。--password=
— 新規のユーザーパスワードです。これが指定されない場合、そのアカウントはデフォルトでロックされます。--iscrypted=
— パスワードが提供されているか?、パスワードが既に暗号化されているかどうか?--shell=
— ユーザーのログインシェルです。これが提供されないと、デフォルトはシステムのデフォルトになります。--uid=
— ユーザーの UID です。これが提供されないと、デフォルトは次に利用可能な非システム UID になります。
vnc
(オプション)- VNC 経由のリモートでグラフィカルインストールを表示できるようにします。テキストインストールではサイズと言語の一部が制限されるため、この方法が通常はテキストモードよりも好まれます。オプション指定がない場合は、このコマンドはパスワードなしでマシン上で VNC サーバーを開始し、リモートマシン接続の実行に必要なコマンドを表示します。
vnc [--host=<hostname>] [--port=<port>] [--password=<password>]
--host=
— VNC サーバーをインストールマシンで開始する代わりに、該当するホスト名でリッスンしている VNC ビューワプロセスに接続します。--port=
— リモート VNC ビューワプロセスがリッスンしているポートを提供します。これが提供されないと、anaconda は VNC のデフォルトを使用します。--password=
— パスワードを設定します。 VNC セッションに接続するには、これを指定する必要があります。これはオプションですが、推奨されています。
volgroup
(オプション)- 以下の構文で LVM (Logical Volume Management) グループを作成するために使用します。
volgroup <name> <partition> [options]
重要
キックスタートを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする際には、ダッシュ記号 ("-
") を論理ボリューム名またはボリュームグループ名に使用しないでください。これを使用するとインストールは正常に完了しますが、ダッシュ記号は新たに作成されたボリュームやボリュームグループ名から消去されてしまいます。例えば、volgrp-01
というボリュームグループを作成すると、この名前はvolgrp01
に変更されます。この制限が適用されるのは、新規インストールのみです。既存のインストールをアップグレードまたは再インストールする際は、下記の--noformat
オプションを使うとボリュームまたはボリュームグループ名で使われるダッシュ記号は維持されます。まず最初にパーティションを作成します。次に論理ボリュームグループを作成してから、論理ボリュームを作成します。例を示します。part pv.01 --size 3000 volgroup myvg pv.01 logvol / --vgname=myvg --size=2000 --name=rootvol
volgroup
の実行例の詳細については、 「高度なパーティションの例」 を参照してください。オプションは次の通りです。--noformat
— 既存のボリュームグループを使用し、そのボリュームグループのフォーマットは行いません。--useexisting
- 既存のボリュームグループを使用しそのボリュームグループを再フォーマットします。このオプションを使用する場合は partition は指定しないでください。例を示します。volgroup rhel00 --useexisting --noformat
--pesize=
— 物理エクステントのサイズを設定します。キックスタートインストールの場合のデフォルトサイズは 4 MiB です。--reserved-space=
— ボリュームグループに未使用で残す領域をメガバイト単位で指定します。新規作成のボリュームグループにのみ使用できます。--reserved-percent=
— 未使用で残すボリュームグループ全体の割合を指定します。新規作成のボリュームグループにのみ使用できます。
注記
--reserved-space=
と--reserved-percent=
のオプションを使用すると、ボリュームグループの領域の一部をいずれのボリュームにも使用されない未使用領域として残すことができます。パーティション設定時にlogvol --grow
コマンドを使用していても LVM スナップショット用の領域を予約することができるようになります。 winbind
(オプション)- Windows Active Directory または Windows ドメインコントローラーに接続するシステムを設定します。これにより、指定のディレクトリまたはドメインコントローラーからのユーザー情報にアクセスして、サーバー認証オプションを設定することができるようになります。
--enablewinbind
— ユーザーアカウント設定のための winbind を有効にします。--disablewinbind
— ユーザーアカウント設定のための winbind を無効にします。--enablewinbindauth
— 認証のための windbindauth を有効にします。--disablewinbindauth
— 認証のための windbindauth を無効にします。--enablewinbindoffline
— オフラインログインを許可するように winbind を設定します。--disablewinbindoffline
— オフラインログインを防止するように winbind を設定します。--enablewinbindusedefaultdomain
— ユーザー名にドメインが含まれていないユーザーをドメインユーザーと仮定するように winbind を設定します。--disablewinbindusedefaultdomain
— ユーザー名にドメインが含まれていないユーザーはドメインユーザーではないと仮定するように winbind を設定します。
xconfig
(オプション)- X Window System を設定します。
xconfig
コマンドを含まないキックスタートファイルで X Window System をインストールする場合は、インストール時に手動で X 設定を行う必要があります。X Window System をインストールしないキックスタートファイルではこのコマンドは使用しないでください。--driver
— ビデオハードウェア用に使用する X ドライバーを指定します。--videoram=
— ビデオカードのビデオ RAM 容量を指定します。--defaultdesktop=
— デフォルトのデスクトップを GNOME または KDE に設定します (%packages
を使って GNOME または KDE のデスクトップ環境がインストールされていることが前提)。--startxonboot
— インストールされたシステムでグラフィカルログインを使います。
zerombr
(オプション)zerombr
が指定されると、ディスク上で検出された無効なパーティションテーブルが初期化されます。これにより無効なパーティションテーブルを持つディスクのコンテンツすべてが抹消されます。このコマンドは、既に初期化されたディスクのシステム上で無人インストールを実行する際に必要となります。System z に特有のものです。zerombr
が指定されると、 まだ低レベルフォーマットを施していないインストーラーに見えるどの DASD も dasdfmt で自動的に低レベルフォーマット処理されます。 このコマンドはまた、対話型インストール中のユーザーの選択も阻止します。zerombr
が指定されておらず、インストーラーに見える未フォーマットの DASD が最低1つある場合は、 非対話型のキックスタートインストールは成功せずに終了します。zerombr
が指定されておらず、インストーラーに見える未フォーマットの DASD が最低1つある場合、ユーザーがすべての 見える未フォーマットの DASD のフォーマットに同意しなければ対話型のインストールが退出します。この状況を避けるには、インストール中に使用する DASD だけをアクティベートします。インストールが完了した後にいつでも DASD を追加できます。注記
以前、このコマンドはzerombr yes
という形式で指定していました。この形式は廃止予定になりました。キックスタートファイルでは単純にzerombr
の形で使用してください。zfcp
(オプション)- Fiber チャンネルデバイスを定義します (IBM System z)。
zfcp [--devnum=<devnum>] [--wwpn=<wwpn>] [--fcplun=<fcplun>]
%include
(オプション)%include /path/to/file
コマンドを使用すると、キックスタートファイル内に別のファイルのコンテンツが含まれ、まるでそのコンテンツがキックスタートファイルの%include
コマンドの場所にあるかのように機能します。
32.4.1. 高度なパーティションの例
以下に、動作中のキックスタートオプション群:
clearpart
、 raid
、part
、volgroup
、 logvol
を表示した例を示します。
clearpart --drives=hda,hdc zerombr # Raid 1 IDE config part raid.11 --size 1000 --asprimary --ondrive=hda part raid.12 --size 1000 --asprimary --ondrive=hda part raid.13 --size 2000 --asprimary --ondrive=hda part raid.14 --size 8000 --ondrive=hda part raid.15 --size 16384 --grow --ondrive=hda part raid.21 --size 1000 --asprimary --ondrive=hdc part raid.22 --size 1000 --asprimary --ondrive=hdc part raid.23 --size 2000 --asprimary --ondrive=hdc part raid.24 --size 8000 --ondrive=hdc part raid.25 --size 16384 --grow --ondrive=hdc # You can add --spares=x raid / --fstype ext3 --device md0 --level=RAID1 raid.11 raid.21 raid /safe --fstype ext3 --device md1 --level=RAID1 raid.12 raid.22 raid swap --fstype swap --device md2 --level=RAID1 raid.13 raid.23 raid /usr --fstype ext3 --device md3 --level=RAID1 raid.14 raid.24 raid pv.01 --fstype ext3 --device md4 --level=RAID1 raid.15 raid.25 # LVM configuration so that we can resize /var and /usr/local later volgroup sysvg pv.01 logvol /var --vgname=sysvg --size=8000 --name=var logvol /var/freespace --vgname=sysvg --size=8000 --name=freespacetouse logvol /usr/local --vgname=sysvg --size=1 --grow --name=usrlocal
この高度な例では、RAID を使用した LVM や、将来的なデータの増加に応じてさまざまなディレクトリーのサイズを変更できる機能が実装されています。