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23.15.2. パーティションの追加
図23.40「新規のパーティション作成」 を参照)。
ボタンを選択して新規のパーティションを追加します。 ダイアログボックスが表示されます (注記
このインストール用に最低でも1つの、あるいはオプションとしてそれ以上のパーティションを 専用にする必要があります。詳細情報は、付録A ディスクパーティションの概要 を参照してください。

図23.40 新規のパーティション作成
- マウントポイント (Mount Point) : パーティションのマウントポイントを入力します。例えば、このパーティションを root パーティションにする場合は
/
と入力します。/boot
パーティションにする場合は、/boot
と入力します。また、プルダウンメニューを使って、パーティションに適切なマウントポイントを選択することもできます。swap パーティションにはマウントポイントは設定しません。ファイルシステムタイプをswap
にセットするだけで充分です。 - ファイルシステムタイプ: プルダウンメニューを使ってこのインストールに適したファイルシステムタイプを選択します。 ファイルシステムのタイプについては 「ファイルシステムタイプ」 を参照してください。
- 選択可能なドライブ (Allowable Drives) : このフィールドには、システムにインストール済みのハードディスク一覧が表示されます。ハードディスクのボックスがハイライトされている場合は、そのハードディスク上に必要なパーティションを作成することができます。ボックスが選択 されていない 場合は、そのハードディスク上にパーティションは作成 できません。別のチェックボックス設定を使うと、anaconda で、必要な場所にパーティションを配置したり、または anaconda にパーティションの配置先を決定させることができます。
- 容量 (Size - MB) : パーティションのサイズ (メガバイトで表示) を入力します。このフィールドの初期値は 200 MB になっているので注意してください。変更しないと、200 MB のパーティションが作成されます。
- 追加容量オプション (Additional Size Options) : このパーティションを固定サイズにするか、一定サイズまでの「拡大」(使用可能なハードディスク領域をあるサイズまで埋める)を許すか、または使用可能なハードディスク領域の残りすべてを使用するかを選択します。指定限度 (MB) まで使用 (Fill all space up to (MB)) を選択した場合は、このオプションの右側のフィールドにサイズの制限を指定しなければなりません。この設定でハードディスク上に一定の空き領域が今後の使用のため確保されます。
- 基本パーティションにする: 作成しているパーティションをハードドライブ上の最初の 4 つのパーティションにするかどうかを選択します。基本パーティションにしない場合は、論理 パーティションとして作成されます。詳細は 「パーティション内にさらにパーティションを設定する — 拡張パーティションの概要」 を参照してください。
- 暗号化 (Encrypt) : ストレージデバイスが別のシステムに接続されている場合でも そこに保存されるデータがパスフレーズ無しではアクセスできないようにパーティションを暗号化するかどうかを選択します。ストレージデバイスの暗号化に関する情報については 付録C ディスク暗号化 を参照してください。このオプションを選択すると、インストーラーは パーティション設定をディスクに書き込む前にパスフレーズの提示を催促します。
23.15.2.1. ファイルシステムタイプ
Red Hat Enterprise Linux では、異なるパーティションタイプとファイルシステムの作成が可能です。利用可能な異なるパーティションタイプとファイルシステムの 簡単な説明とそれらの使用方法を以下に示します。
パーティションのタイプ
- 標準のパーティション — 標準のパーティションはファイルシステム、 またはスワップ領域を含んでいるか、あるいはソフトウェア RAID か LVM 物理ボリュームのための コンテナを提供します。
- swap — Swap パーティションは仮想メモリーのサポートに使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足した場合に、データは swap パーティションに書き込まれます。詳細情報は Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド を参照してください。
- software RAID — 2 つ以上のソフトウェア RAID パーティションを作成すると RAID デバイスを作成できます。RAID に関する詳細は Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド の 『RAID (Redundant Array of Independent Disks)』 の章を参照してください。
- physical volume (LVM) — 単数、または複数の物理ボリューム (physical volume (LVM))パーティションを作成すると、LVM 論理ボリューム (logical volume) を作成できるようになります。LVM は物理ディスク使用時のパフォーマンスを向上させます。 LVM に関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド を参照してください。
ファイルシステム
- ext4 — ext4 ファイルシステムは ext3 ファイルシステムをベースにし、 いくつかの改善が加えられています。 より規模の大きいファイルシステムおよびファイルに対応するようになり、 またディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率的になっています。 1 ディレクトリ内でのサブディレクトリの作成は無制限になり、 ファイルシステムのチェックが高速化、 またジャーナリング機能もさらに堅牢になっています。 ext4 ではファイルシステムのサイズが最大 16TB まで対応するようになります。 このファイルシステムはデフォルトで選択される推奨のファイルシステムとなります。
注記
user_xattr
とacl
のマウントオプションは、インストールシステムにより ext4 システム上に自動で設定されます。これらのオプションはそれぞれ、拡張属性とアクセス制御リストを有効にします。これらのオプションについての詳細情報は、Red Hat Enterprise Linux ストレージ管理ガイド を参照してください。 - ext3 — ext3 ファイルシステムは ext2 ファイルシステムをベースにしているためジャーナリング機能という大きな利点を備えています。 ジャーナリング機能を使用すると、 ファイルシステムに対して
fsck
[12] を行なう必要がないためクラッシュ後のファイルシステムの復元に要する時間を短縮することができます。 - ext2 — ext2 ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプ (通常のファイル、ディレクトリ、シンボリックリンクなど)に対応しています。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てる能力を提供します。
- xfs — XFS は高度な拡張性を持つハイパフォーマンスのファイルシステムで、最大 16 exabyte(約 1600万 terabyte)までのファイルシステム、8 exabyte(約 800万 terabyte)までのファイル、および数千万のエントリーを持つディレクトリ構造に対応します。XFS はより迅速なクラッシュ回復を促進するメタデータジャーナリングをサポートします。XFS ファイルシステムではマウント中でアクティブな場合でもデフラグやサイズ変更が可能です。
重要
Red Hat Enterprise Linux 6.10 は System z 上の XFS をサポートしません。 - vfat — VFAT ファイルシステムは FAT ファイルシステムにある Microsoft Windows の長いファイル名に対応する Linux ファイルシステムです。
- Btrfs — Btrfs は、ext2、 ext3、および ext4 のファイルシステムに 比較してより多くのファイル、より大きなファイル、そしてより大きなボリュームに対処して管理できるファイルシステムとして開発中のものです。Btrfs は エラーに対してファイルシステムの許容度を上げて、 エラー発生時にその検出と修復の機能を持つように設計されています。チェックサムを利用してデータとメタデータの有効性を確実にし、バックアップや修復で使用できるファイルシステムのスナップ ショットを維持します。Btrfs はまだ実験段階で開発中であるため、インストールプログラムはこれをデフォルトで提供するものではありません。ドライブ上に Btrfs パーティションを作成したい場合は、インストールプロセスで起動オプション
btrfs
を付けて開始しなければなりません。 その案内には 28章起動オプション を参照してください。警告
Red Hat Enterprise Linux 6.10 は技術プレビューとして Btrfs を収納しており、 ユーザーがこのファイルシステムを実験できるようにしています。重要なファイルや 重要なシステム運用の基礎となるものを含むパーティションには Btrfs を選択 すべきではありません。