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2. 本書を読むにあたって
本マニュアルは、大きく次のように分かれています。
- パートI「システムの基本設定」
- ここでは、キーボード設定、日付と時刻の設定、ユーザーとグループの管理、権限の取得など基本的なシステム管理タスクを取り上げます。1章キーボード設定 では、基本的なキーボード設定について説明しています。キーボードのレイアウト変更、パネルへの Keyboard Indicator (キーボード表示器) アプレットの追加、強制的に定期休憩を設定する方法については、本章を参照して下さい。2章日付と時刻の設定 では、システムの日付と時刻の設定について説明しています。日時設定を変更する場合や、リモートの NTP (Network Time Protocol: ネットワーク時刻プロトコル) サーバーを使って時計を同期するようにシステムを設定したい場合は、本章をお読み下さい。3章ユーザーとグループの管理 では、グラフィカルユーザーインターフェースとコマンドラインでのユーザーとグループの管理について取り上げています。システム上でのユーザーとグループの管理、パスワードエージングの有効方法については、本章をお読み下さい。
- パートII「パッケージ管理」
- ここでは、製品サブスクリプションとエンタイトルメントに焦点を置きながら、グラフィカルパッケージ管理ツールである Yum と PackageKit スイートを使用した Red Hat Enterprise Linux でのソフトウェアパッケージの管理方法について説明します。5章システム登録およびサブスクリプションの管理 は、Red Hat Enterprise Linux におけるサブスクリプション管理と利用可能な Red Hat サブスクリプションマネージャツールの概要を説明しています。システムの登録/登録解除、マシンのアクティベート、製品サブスクリプションとエンタイトルメントの処理方法について知りたい場合は、本章をお読み下さい。6章Yum では、Yum パッケージマネージャーについて説明しています。コマンドラインでパッケージを検索/インストール/更新/アンインストールする方法については、本章を参照して下さい。7章PackageKit は、グラフィカルパッケージ管理ツールの PackageKit スイートについて記載しています。グラフィカルユーザーインターフェースを使ってパッケージを検索/インストール/更新/アンインストールする方法を知りたい場合は、本章をお読み下さい。
- パートIII「ネットワーキング」
- ここでは、Red Hat Enterprise Linux でのネットワーク設定方法について紹介します。8章NetworkManager では、NetworkManager と呼ばれる、ネットワークデバイスと接続を利用可能時に常にアクティブに保つ動的ネットワーク制御及び設定システムに焦点を置いています。本章では、
NetworkManager
デーモンの実行方法と通知スペースの該当するアプレットを使用したやりとりの方法について説明しています。9章ネットワークインターフェース は、/etc/sysconfig/network-scripts/
ディレクトリにある様々なインターフェース設定ファイル、インターフェース制御スクリプト、ネットワーク機能ファイルについて取り上げます。ネットワークインターフェースを設定するためのこうしたファイルの使用方法については、本章を参照して下さい。 - パートIV「インフラストラクチャのサービス」
- ここでは、サービスとデーモンの設定、認証設定、リモートログインの有効方法について解説します。10章サービスとデーモン では、ランレベルの概念、そのデフォルトを設定する方法について説明しています。また、各ランレベルで実行するサービスの設定、サービスを開始/停止/再起動する方法についても取り上げています。ご使用のシステムでサービスを管理する方法を知りたい場合は、本章をお読み下さい。11章認証の設定 は、LDAP (Lightweight Directory Access Protocol: ライトウェイトディレクトリアクセスプロトコル)、NIS (Network Information Service: ネットワーク情報サービス) 及び Winbind のユーザーアカウントデータベースから取得したユーザー情報の設定方法を説明して、SSSD (System Security Services Daemon: システムセキュリティサービスデーモン) について紹介します。ご使用のシステムで認証設定が必要な場合は、本章をお読み下さい。12章OpenSSH では、SSH プロトコルによるリモートログインを有効にする方法について説明しています。
sshd
サービスの設定、さらにはssh
、scp
、sftp
クライアントユーティリティに関する基本的な使用方法も取り上げています。マシンにリモートアクセスが必要な場合は、本章をお読み下さい。 - パートV「サーバ−」
- ここでは、Web サーバーの設定方法やネットワーク上でのファイルとディレクトリの共有方法など、サーバーに関連する様々なトピックについて説明します。13章DHCP サーバー では、DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol: 動的ホスト構成プロトコル) サーバーとクライアントのインストールについて説明しています。ご使用のシステムに DHCP を設定する必要がある場合は、本章をお読み下さい。14章DNS サーバー では、DNS (Domain Name System: ドメインネームシステム) について紹介し、BIND DNS サーバーをインストール/設定/実行/管理する方法について説明しています。ご使用のシステムに DNS サーバーを設定する必要がある場合は、本章をお読み下さい。15章Web サーバー では、Apache HTTP サーバー 2.2 と呼ばれる Apache Software Foundation が開発した、堅牢でフル装備のオープンソース Web サーバーについて重点を置き解説しています。ご使用のシステムに Web サーバーを設定したい場合は、本章をお読み下さい。16章メールサーバー では、現在使用している最新の電子メールプロトコルや Postfix、Sendmail、Fetchmail、Procmail など電子メールの送受信を行うプログラムについて説明しています。ご使用のシステムにメールサーバーを設定する場合は、本章をお読み下さい。17章ディレクトリサーバー では、LDAPv2 及び LDAPv3 プロトコルのオープンソース実装である OpenLDAP 2.4 をインストール/設定する方法について取り上げます。本章をお読みいただくと、ご使用のシステムにディレクトリサーバーを設定することができます。18章ファイルとプリントサーバー では、SMB (Server Message Block: サーバーメッセージブロック) プロトコルのオープンソース実装である Samba と Red Hat Enterprise Linux に同梱されているプライマリ FTP サーバーである vsftpd をインストール/設定する方法を紹介しています。加えて、プリンターを設定する Printer Configuration (プリンター設定) ツールの使用方法についても説明しています。ご使用のシステムにファイル/プリントサーバーを設定したい場合は、本章をお読み下さい。
- パートVI「監視と自動化」
- ここでは、システム管理者がシステムパフォーマンスのモニター、システムタスクの自動化、バグの報告を行うための各種ツールについて解説します。19章システムモニタリングツール では、システムに関する重要な情報を取得するために使用するアプリケーションとコマンドを説明しています。不可欠なシステム情報の取得方法については、本章をお読み下さい。20章ログファイルの表示と管理 では、
rsyslog
デーモンの設定の他、ログファイルを検索/表示/モニターする方法について説明しています。ログファイルの使用方法については、本章を参照して下さい。22章自動バグ報告ツール (ABRT) では、クラッシュデータを収集し、関連する問題トラッカーにレポートを送信する ABRT と呼ばれるシステムサービスとツールセットについて重点的に説明しています。ご使用のシステムで ABRT を使用する方法については、本章をお読み下さい。23章OProfile では、オーバーヘッドが低いシステム全体のパフォーマンスをモニターするツールである OProfile を取り上げます。ご使用のシステムでの OProfile の使用方法については、本章をお読み下さい。 - パートVII「カーネル、モジュール、及びドライバーの設定」
- ここでは、管理者がカーネルをカスタマイズする場合に役立つ様々なツールを取り上げます。24章手動のカーネルアップグレード は、
yum
の代わりにrpm
コマンドを使用してカーネルパッケージを手動で更新する方法に関する重要な情報を記載しています。Yum パッケージマネージャーでカーネルパッケージを更新できない場合は、本章をお読み下さい。25章カーネルモジュールでの作業 では、カーネルモジュール及びその依存関係を表示/クエリ/ロード/アンロードする方法の他、モジュールパラメーターの設定方法について説明しています。さらに、複数のイーサネットカードの使用やチャンネルボンディングの使用など、カーネルモジュール特有の機能についても取り上げています。カーネルモジュールを扱う場合は、本章をお読み下さい。26章kdump クラッシュリカバリーサービス では、Red Hat Enterprise Linux でkdump
サービスを設定/テスト/使用する方法について記載しています。また、それにより生じるコアダンプを crash デバッグユーティリティを使用して分析する方法の概要も示しています。ご使用のシステムでkdump
を有効にしたい場合は、本章をお読み下さい。 - 付録A 一貫したネットワークデバイスの命名
- 本付録は、ネットワークインターフェース用の一貫性のあるネットワークデバイスの命名、より簡単にインターフェースを検索/識別できるようにシステム上のネットワークインターフェースの名前を変更する機能について取り上げています。本機能を有効/無効にする方法など詳細を知りたい場合は、本付録をお読み下さい。
- 付録B RPM
- 本付録は、Red Hat Enterprise Linux で採用されているオープンパッケージングシステムである RPM (RPM パッケージマネージャー) と
rpm
ユーティリティの使用について主に説明しています。yum
の代わりにrpm
を使用する必要がある場合は、本付録をお読み下さい。 - 付録C X Window System
- 本付録では、Red Hat Enterprise Linux で採用されているグラフィカル環境の X Window System の設定について取り上げています。ご使用の X Window System の設定を調節する必要がある場合は、本付録をお読み下さい。
- 付録D sysconfig ディレクトリ
- 本付録では、
/etc/sysconfig/
ディレクトリにある一部のファイル及びディレクトリについて概説しています。これらのファイルとディレクトリの機能やコンテンツの詳細が知りたい場合は、本付録をお読み下さい。 - 付録E proc ファイルシステム
- 本付録では、仮想ファイルシステムの概念、
proc
ファイルシステム (/proc/
ディレクトリ) 内にある最上位のファイルとディレクトリについて説明しています。このファイルシステムの詳細については、本付録を参照して下さい。