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22.5. 集中型のクラッシュ収集の設定
ABRT では、クラッシュレポートを複数のシステムから収集して専用システムに送信し、更に処理するようにを設定することができます。これは、管理者が数百に及ぶシステムにログインしてABRT によって検出されたクラッシュを手動でチェックする手間を省きたい場合に役立ちます。この方法を使用するには、libreport-plugin-reportuploader プラグインをインストールする必要があります (
yum install libreport-plugin-reportuploader
)。以下のセクションでは、ABRT の集中型クラッシュ収集を使用するためのシステムの設定方法について説明します。
22.5.1. 専用システム上で必要な設定手順
専用の (サーバー) システム上で、以下の手順を実行して下さい:
- クラッシュレポートのアップロード先となるディレクトリを作成します。通常は、
/var/spool/abrt-upload/
を使用します (本ガイドでは、これ以降、このディレクトリを使用することを前提としています)。abrt ユーザーが、このディレクトリに書き込み可能であることを確認して下さい。注記
abrt-desktop パッケージがインストールされると、新たなシステムユーザーとグループが作成され、いずれもabrt
と命名されます。このユーザーは、abrtd
デーモンによって使用されます (例:/var/spool/abrt/*
ディレクトリの オーナー:グループ)。 /etc/abrt/abrt.conf
設定ファイルで、WatchCrashdumpArchiveDir
指示文を以下のように設定します:WatchCrashdumpArchiveDir = /var/spool/abrt-upload/
- 任意のアップロードメカニズム (例:
FTP
、または、SCP
) を選択します。FTP
の設定方法についての詳細は、「FTP」 を参照して下さい。SCP
の設定方法の詳細は、「scp
ユーティリティの使用」 を参照して下さい。アップロードメソッドが機能するかどうかを確認しておくことを推奨します。例えば、FTP
を使用する場合、インタラクティブなFTP
クライアントを使用して、ファイルをアップロードします:~]$
ftp
ftp>open <servername>
Name:<username>
Password:<password>
ftp>cd /var/spool/abrt-upload
250 Operation successful ftp>put <testfile>
ftp>quit
<testfile>
が、サーバーシステム上の正しいディレクトリに表示されるかどうかを確認します。 - クラッシュデータのサイズがデフォルトの
1000
MB を超えると予想される場合は、MaxCrashReportsSize
指示文 (/etc/abrt/abrt.conf
設定ファイル内) をより大きな値に設定する必要があります。 - C/C++ クラッシュのバックトレースを生成するかどうか検討します。バックトレースを全く生成したくない場合や、問題が発生したマシン上にローカルでバックトレースを作成するようにしたい場合には、サーバー上のバックトレース生成を無効にすることができます。ABRT の標準インストールでは、C/C++ クラッシュのバックトレースは、
/etc/libreport/events.d/ccpp_events.conf
設定ファイル内の以下のルールで生成されます:EVENT=analyze_LocalGDB analyzer=CCpp abrt-action-analyze-core.py --core=coredump -o build_ids && abrt-action-install-debuginfo-to-abrt-cache --size_mb=4096 && abrt-action-generate-backtrace && abrt-action-analyze-backtrace
アップロードされるデータにこのルールが適用されないようにするには、ルールにremote!=1
の条件を追加します。 - 問題データ内のパッケージ情報 (
package
及びcomponent
のエレメント) を収集するかどうかを決定します。集中型クラッシュ収集設定におけるパッケージ情報収集の必要性及びその適切な設定方法については、「パッケージ情報の保存」 を参照して下さい。