付録C X Window System

Red Hat Enterprise Linux の中核はカーネルですが、多くのユーザーにとってオペレーティングシステムの顔となるのは、別名 X と呼ばれる X Window System によって提供されるグラフィカル環境です。
1984 年 6 月の X Window System のリリース以前に存在していた環境を含め、UNIX 業界では他のウィンドウ環境が存在していました。それでもなお、X は長年に渡って Red Hat Enterprise Linux など大半の UNIX 系オペレーティングシステムの既定のグラフィカル環境としてあり続けています。
Red Hat Enterprise Linux のグラフィカル環境は、X Window System と関連技術の開発と戦略を管理するために創設されたオープンソース組織である X.Org Foundation により提供されています。X.Org は、世界中の数百人の開発者が関与している大規模で急速に発展しているプロジェクトです。これは、各種のハードウェアデバイスとアーキテクチャーを幅広くサポートし、数え切れないほどのオペレーティングシステムとプラットフォーム上で機能します。
X Window System は、クライアントサーバーアーキテクチャーを使用します。この主な目的は、広範囲なコンピュータとグラフィックマシンで稼働するネットワーク透過なウィンドウシステムを提供することです。X サーバー (Xorg バイナリ) は、ネットワークまたはローカルのループバックインターフェースを介した X クライアント アプリケーションからの接続を待機します。X サーバーは、ビデオカード、モニター、キーボード、マウスなどのハードウェアと通信します。X クライアントアプリケーションは、ユーザースペースにあり、ユーザー用に グラフィカルユーザーインターフェース (GUI) を作成してユーザーの要求を X サーバーに渡します。

C.1. X サーバー

Red Hat Enterprise Linux 6 は、ビデオドライバー、EXA、特に以前のリリースに加えてプラットフォームサポートの拡張機能を含む X サーバーバージョンを使用します。さらに、このリリースには X サーバー向けの自動設定機能だけでなく、大半のマウスとキーボードなどカーネルが把握している全入力デバイスに対応する汎用入力ドライバーである、evdev も含まれています。
X11R7.1 は、X Window System のモジュール化を特別に活用するための最初のリリースでした。このリリースは、X を論理的に明確なモジュールに分割したため、オープンソースの開発者はこれまでより簡単にシステムにコードを書き込むことができます。
現行のリリースでは、すべてのライブラリ、ヘッダー、バイナリは /usr/ ディレクトリ下にあります。X クライアント及びサーバーアプリケーション用の設定ファイルは、/etc/X11/ ディレクトリにあります。これには、X サーバーや X ディスプレイマネージャーの他、多くのベースコンポーネント用の設定ファイルが含まれます。
新しい Fontconfig ベースのフォントアーキテクチャーの設定ファイルは、引き続き /etc/fonts/fonts.conf にあります。フォントの設定/追加方法の詳細については、「フォント」 を参照して下さい。
X サーバーは、幅広いハードウェアで高度なタスクを実行するため、それが機能するハードウェアの詳しい情報が必要となります。X サーバーは、それが実行する大半のハードウェアを自動的に検出し、それに応じて自己設定することができます。別の方法として、設定ファイルでハードウェアを手動で指定することも可能です。
X パッケージがインストール用に選択されている限り、Red Hat Enterprise Linux システムのインストーラーである Anaconda は、X のインストールと設定を自動的に行います。X サーバーにより管理されているモニター、ビデオカードまたは他のデバイスに変更が加えられると、ほとんどの場合 X はそうした変更を自動検出して、再設定します。稀に手動で X を再設定しなければならない場合もあります。