付録C リモートサーバーへのデータベースおよびサービスの移行

自動化されたインストール中にリモートデータベースおよびサービスを設定することはできませんが、インストール後にこれらをリモートサーバーに移行することはできます。

C.1. 別のマシンへの Data Warehouse の移行

本セクションでは、Data Warehouse データベースおよびサービスを Red Hat Virtualization Manager マシンから別のマシンに移行する方法を説明します。Data Warehouse サービスを別のマシンでホストすることで、各個別マシンの負荷が削減され、CPU やメモリーリソースを他のプロセスと共有することで競合が生じる可能性を回避します。

注記

Red Hat は、Data Warehouse データベース、Data Warehouse サービス、および Grafana をそれぞれ別々のマシンにインストールすることが可能であっても、これらの各コンポーネントをすべて同じマシンにインストールすることのみをサポートします。

以下の移行オプションがあります。

  • Manager マシンから Data Warehouse サービスを移行し、既存の Data Warehouse データベース (ovirt_engine_history) に接続できます。
  • Manager マシンから Data Warehouse データベースを移行してから、Data Warehouse サービスを移行することができます。

C.1.1. 別のマシンへの Data Warehouse データベースの移行

Data Warehouse サービスを移行する前に、Data Warehouse データベース (ovirt_engine_history) を移行します。engine-backup を使用してデータベースのバックアップを作成し、それを新規データベースマシンで復元します。engine-backup の詳細は、engine-backup --help を実行してください。

Data Warehouse サービスの移行については、「別のマシンへの Data Warehouse サービスの移行」 を参照してください。

注記

Red Hat は、Data Warehouse データベース、Data Warehouse サービス、および Grafana をそれぞれ別々のマシンにインストールすることが可能であっても、これらの各コンポーネントをすべて同じマシンにインストールすることのみをサポートします。

新規データベースサーバーに Red Hat Enterprise Linux 8 がインストールされている必要があります。新規データベースサーバーで必要なリポジトリーを有効にします。

Red Hat Virtualization Manager リポジトリーの有効化

ログインして、Red Hat Subscription Manager で Manager マシンを登録し、Red Hat Virtualization Manager のサブスクリプションをアタッチして Manager のリポジトリーを有効にする必要があります。

手順

  1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。

    # subscription-manager register
    注記

    IPv6 ネットワークを使用している場合は、IPv6 移行メカニズムを使用して、コンテンツ配信ネットワークおよびサブスクリプションマネージャーにアクセスします。

  2. Red Hat Virtualization Manager のサブスクリプションプールを見つけ、プール ID を記録します。

    # subscription-manager list --available
  3. 上記のプール ID を使用して、サブスクリプションをシステムにアタッチします。

    # subscription-manager attach --pool=pool_id
    注記

    現在アタッチされているサブスクリプションを表示するには、以下のコマンドを実行します。

    # subscription-manager list --consumed

    有効なリポジトリーをすべて一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。

    # dnf repolist
  4. リポジトリーを設定します。

    # subscription-manager repos \
        --disable='*' \
        --enable=rhel-8-for-x86_64-baseos-rpms \
        --enable=rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms \
        --enable=rhv-4.4-manager-for-rhel-8-x86_64-rpms
  5. postgresql モジュールのバージョン 12 を有効にします。

    # dnf module -y enable postgresql:12
  6. インストール済みパッケージを同期して、利用可能な最新バージョンに更新します。

    # dnf distro-sync --nobest

    追加のリソース

    モジュールおよびモジュールストリームの詳細は、『ユーザー空間コンポーネントのインストール、管理、および削除』 の以下のセクションを参照してください。

別のマシンへの Data Warehouse データベースの移行
  1. Manager で Data Warehouse データベースおよび設定ファイルのバックアップを作成します。

    # engine-backup --mode=backup --scope=dwhdb --scope=files --file=file_name --log=log_file_name
  2. そのバックアップファイルを Manager マシンから新たなマシンにコピーします。

    # scp /tmp/file_name root@new.dwh.server.com:/tmp
  3. engine-backup を新しいマシンにインストールします。

    # dnf install ovirt-engine-tools-backup
  4. PostgreSQL サーバーパッケージをインストールします。

    # dnf install postgresql-server postgresql-contrib
  5. PostgreSQL データベースを初期化し、postgresql サービスを開始して、このサービスが起動時に開始されることを確認します。

    # su - postgres -c 'initdb'
    # systemctl enable postgresql
    # systemctl start postgresql
  6. 新しいマシンで Data Warehouse データベースを復元します。file_name は、Manager からコピーされたバックアップファイルです。

    # engine-backup --mode=restore --scope=files --scope=dwhdb --file=file_name --log=log_file_name --provision-dwh-db --restore-permissions

これで、Manager がホストされるマシンとは別のマシンで、Data Warehouse データベースがホストされるようになりました。Data Warehouse データベースを正常に復元したら、engine-setup コマンドの実行を指示するプロンプトが表示されます。このコマンドを実行する前に、Data Warehouse サービスを移行します。

C.1.2. 別のマシンへの Data Warehouse サービスの移行

Red Hat Virtualization Manager マシンにインストールおよび設定した Data Warehouse サービスを、別のマシンに移行することができます。Data Warehouse サービスを別のマシンでホストすることは、Manager マシンの負荷を削減する上で役立ちます。

この手順では、Data Warehouse サービスのみを移行することに注意してください。

Data Warehouse サービスを移行する前に Data Warehouse データベース (ovirt_engine_history) を移行する場合は、「別のマシンへの Data Warehouse データベースの移行」 を参照してください。

注記

Red Hat は、Data Warehouse データベース、Data Warehouse サービス、および Grafana をそれぞれ別々のマシンにインストールすることが可能であっても、これらの各コンポーネントをすべて同じマシンにインストールすることのみをサポートします。

前提条件

  • Manager と Data Warehouse が同じマシン上にインストールおよび設定されている必要があります。
  • 新たな Data Warehouse マシンを設定するには、以下の項目が必要です。

    • Manager /etc/ovirt-engine/engine.conf.d/10-setup-database.conf ファイルからのパスワード
    • Data Warehouse マシンから Manager データベースマシンの TCP ポート 5432 へのアクセス許可
    • Manager の /etc/ovirt-engine-dwh/ovirt-engine-dwhd.conf.d/10-setup-database.conf ファイルからの Data Warehouse データベースのユーザー名とパスワード。「別のマシンへの Data Warehouse データベースの移行」 を使用して ovirt_engine_history データベースを移行した場合、バックアップには、そのマシンでデータベースの設定中に定義した認証情報が含まれます。

このシナリオのインストールでは、以下の 4 つのステップを実施する必要があります。

C.1.2.1. 新たな Data Warehouse マシンの準備

Red Hat Virtualization のリポジトリーを有効にし、Red Hat Enterprise Linux 8 マシンに Data Warehouse セットアップパッケージをインストールします。

  1. 必要なリポジトリーを有効にします。

    1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。

      # subscription-manager register
    2. Red Hat Virtualization Manager のサブスクリプションプールを見つけ、プール ID を記録します。

      # subscription-manager list --available
    3. 上記のプール ID を使用して、サブスクリプションをシステムにアタッチします。

      # subscription-manager attach --pool=pool_id
    4. リポジトリーを設定します。

      # subscription-manager repos \
          --disable='*' \
          --enable=rhel-8-for-x86_64-baseos-rpms \
          --enable=rhel-8-for-x86_64-appstream-rpms \
          --enable=rhv-4.4-manager-for-rhel-8-x86_64-rpms \
          --enable=fast-datapath-for-rhel-8-x86_64-rpms \
          --enable=jb-eap-7.3-for-rhel-8-x86_64-rpms
  2. pki-deps モジュールを有効にします。

    # dnf module -y enable pki-deps
  3. 現在インストールされている全パッケージを最新の状態にします。

    # dnf upgrade --nobest
  4. ovirt-engine-dwh-setup パッケージをインストールします。

    # dnf install ovirt-engine-dwh-setup

C.1.2.2. Manager マシンでの Data Warehouse サービスの停止

  1. Data Warehouse サービスを停止します。

    # systemctl stop ovirt-engine-dwhd.service
  2. データベースがリモートマシンでホストされる場合には、postgres.conf ファイルを編集して手動でアクセス権限を付与する必要があります。/var/lib/pgsql/data/postgresql.conf ファイルを編集し、listen_addresses 行を変更して以下と一致するようにします。

    listen_addresses = '*'

    その行が存在しない、またはコメントアウトされている場合には、手動で追加します。

    Manager マシンでデータベースがホストされていて、そのデータベースが Red Hat Virtualization Manager のクリーンセットアップ中に設定された場合には、デフォルトでアクセス権限が付与されます。

    Data Warehouse データベースの設定および移行方法に関する詳細情報は、「別のマシンへの Data Warehouse データベースの移行」 を参照してください。

  3. postgresql サービスを再起動します。

    # systemctl restart postgresql

C.1.2.3. 新たな Data Warehouse マシンの設定

本セクションで示すオプションまたは設定の順序は、お使いの環境によって異なる場合があります。

  1. ovirt_engine_history データベースと Data Warehouse サービスの両方を 同じ マシンに移行する場合は、以下のコマンドを実行します。移行しない場合は、次のステップに進みます。

    # sed -i '/^ENGINE_DB_/d' \
            /etc/ovirt-engine-dwh/ovirt-engine-dwhd.conf.d/10-setup-database.conf
    
    # sed -i \
         -e 's;^\(OVESETUP_ENGINE_CORE/enable=bool\):True;\1:False;' \
         -e '/^OVESETUP_CONFIG\/fqdn/d' \
         /etc/ovirt-engine-setup.conf.d/20-setup-ovirt-post.conf
  2. engine-setup コマンドを実行し、マシンでの Data Warehouse の設定を開始します。

    # engine-setup
  3. Enter キーを押して自動検出されたホスト名をそのまま使用するか、別のホスト名を入力して Enter キーを押します。

    Host fully qualified DNS name of this server [autodetected host name]:
  4. Enter キーを押してファイアウォールを自動設定するか、No と入力して Enter キーを押し、既存の設定を維持します。

    Setup can automatically configure the firewall on this system.
    Note: automatic configuration of the firewall may overwrite current settings.
    Do you want Setup to configure the firewall? (Yes, No) [Yes]:

    ファイアウォールの自動設定を選択した場合に、ファイアウォール管理機能がアクティブ化されていなければ、サポートされているオプション一覧から、選択したファイアウォール管理機能を指定するように要求されます。ファイアウォール管理機能の名前を入力して、Enter キーを押してください。この操作は、オプションが 1 つしかリストされていない場合でも必要です。

  5. Manager の完全修飾ドメイン名およびパスワードを入力します。その他のフィールドについては、Enter キーを押してそれぞれのデフォルト値をそのまま使用します。

    Host fully qualified DNS name of the engine server []: engine-fqdn
    Setup needs to do some actions on the remote engine server. Either automatically, using ssh as root to access it, or you will be prompted to manually perform each such action.
    Please choose one of the following:
    1 - Access remote engine server using ssh as root
    2 - Perform each action manually, use files to copy content around
    (1, 2) [1]:
    ssh port on remote engine server [22]:
    root password on remote engine server engine-fqdn: password
  6. Manager データベースマシンの完全修飾ドメイン名 (FQDN) およびパスワードを入力します。その他のフィールドについては、Enter キーを押してそれぞれのデフォルト値をそのまま使用します。

    Engine database host []: manager-db-fqdn
    Engine database port [5432]:
    Engine database secured connection (Yes, No) [No]:
    Engine database name [engine]:
    Engine database user [engine]:
    Engine database password: password
  7. インストールの設定を確認します。

    Please confirm installation settings (OK, Cancel) [OK]:

これで、Data Warehouse サービスがリモートマシンに設定されました。次は、Manager マシンの Data Warehouse サービスを無効にします。

C.1.2.4. Manager マシンでの Data Warehouse サービスの無効化

  1. Manager マシンで Manager を再起動します。

    # service ovirt-engine restart
  2. 以下のコマンドを実行して /etc/ovirt-engine-setup.conf.d/20-setup-ovirt-post.conf ファイルを変更し、オプションを False に設定します。

    # sed -i \
         -e 's;^\(OVESETUP_DWH_CORE/enable=bool\):True;\1:False;' \
         -e 's;^\(OVESETUP_DWH_CONFIG/remoteEngineConfigured=bool\):True;\1:False;' \
         /etc/ovirt-engine-setup.conf.d/20-setup-ovirt-post.conf
    
    # sed -i \
         -e 's;^\(OVESETUP_GRAFANA_CORE/enable=bool\):True;\1:False;' \
         /etc/ovirt-engine-setup.conf.d/20-setup-ovirt-post.conf
  3. Data Warehouse サービスを無効にします。

    # systemctl disable ovirt-engine-dwhd.service
  4. Data Warehouse に関するファイルを削除します。

    # rm -f /etc/ovirt-engine-dwh/ovirt-engine-dwhd.conf.d/* .conf /var/lib/ovirt-engine-dwh/backups/*

これで、Data Warehouse サービスが Manager とは別のマシンでホストされるようになりました。