5.3. Cockpit を使用したセルフホストエンジンのデプロイ

Cockpit を使用してご自分の環境の情報を収集して、セルフホストエンジンをデプロイします。これは推奨される方法です。Cockpit は Red Hat Virtualization Host でデフォルトで有効になっています。Cockpit は、Red Hat Enterprise Linux ホストに手動でインストールできます。

デプロイメントを一時停止して手動で、または自動化を使用して、デプロイメント時に Manager 用仮想マシンをカスタマイズできます。

  • Pause Host チェックボックスを選択すると、Manager をインストールし、デプロイメントホストを Manager に追加した後にデプロイメントを一時停止します。また、デプロイメントホストのサフィックス _he_setup_lock/tmp にロックファイルも作成するので、必要に応じて手動で仮想マシンをカスタマイズすることができます。ロックファイルを削除した後、または 24 時間後のいずれか早い方の時点で、デプロイメントは続行されます。
  • Ansible Playbook を enginevm_before_engine_setup フックまたは enginevm_after_engine_setup フックのいずれかに追加すると、Playbook が自動的に実行されます。

前提条件

  • Manager およびデプロイメントホスト用の完全修飾ドメイン名が準備されています。正引き (フォワードルックアップ) と逆引き (リバースルックアップ) の記録は両方とも DNS で設定する必要があります。
  • ブロックストレージドメイン (FCP または iSCSI のいずれか) を使用する場合、セルフホストエンジンでサポートされる設定は、単一のターゲット LUN のみとなります。
  • (オプション) 自動化を使用してデプロイメント時に Manager 仮想マシンをカスタマイズする場合には、Ansible Playbook を追加する必要があります。付録B デプロイメント時に自動化を使用した Manager 用仮想マシンのカスタマイズ を参照してください。

手順

  1. https://HostIPorFQDN:9090 で Cockpit にログインし、VirtualizationHosted Engine をクリックします。
  2. Hosted Engine オプションの下の Start をクリックします。
  3. Manager 用仮想マシンに関する情報を入力します。

    1. Engine VM FQDN を入力します。これはベースホストではなく、Manager 用仮想マシンの FQDN になります。
    2. Manager 用仮想マシンの MAC アドレス を入力します。あるいは、無作為に生成される MAC アドレスを適用します。
    3. Network Configuration のドロップダウンリストから、DHCP または Static のいずれかを選択します。

      注記

      IPv6 については、Red Hat Virtualization でサポートされるのは静的なアドレスだけです。

      • DHCP を選択した場合には、ホスト名が DHCP から受け取るアドレスに解決されるように、Manager 用仮想マシンの DHCP 予約がなければなりません。その MAC アドレスを MAC Address フィールドで指定します。
      • Static を選択した場合には、以下の情報を入力します。

        • VM IP Address: IP アドレスは、ホストと同じサブネットに属している必要があります。たとえばホストが 10.1.1.0/24 内にある場合、Manager 用仮想マシンの IP は同じサブネット範囲 (10.1.1.1-254/24) になければなりません。
        • Gateway Address: ゲートウェイの IP アドレス
        • DNS Servers: DNS サーバーの IP アドレス
    4. Bridge Interface のドロップダウンリストから、ブリッジインターフェースを選択します。
    5. Root Password に仮想マシンの root パスワードを入力し、それを確認します。
    6. Root SSH Access で、root に SSH アクセスを許可するかどうかを指定します。
    7. Number of Virtual CPUs に、仮想マシンの CPU 数を入力します。
    8. Memory Size (MiB) に、メモリーのサイズを入力します。使用可能なメモリー容量が入力フィールドの横に表示されます。
  4. オプションとして、Advanced フィールドを展開します。

    1. Root SSH Public Key に、root ユーザーが Manager 用仮想マシンにアクセスする際に使用する公開鍵を入力します。
    2. Edit Hosts File のチェックボックスを選択/選択解除して、Manager 用仮想マシンおよびベースホストのエントリーを仮想マシンの /etc/hosts ファイルに追加するかどうかを指定します。ホスト名は解決可能でなければなりません。
    3. Bridge Name で管理ブリッジの名前を変更します。あるいは、デフォルトの ovirtmgmt を適用します。
    4. Gateway Address に、管理ブリッジのゲートウェイ IP アドレスを入力します。
    5. Host FQDN に、Manager に追加する第 1 ホストの FQDN を入力します。これは、デプロイメントを実行しているベースホストの FQDN です。
    6. Pause Host チェックボックスを選択し、ロックファイルを作成します。これにより、デプロイメントホストを Manager に追加した後にデプロイメントを一時停止します。デプロイメントを一時停止すると、必要に応じて仮想マシンをカスタマイズできます。
    7. Network Test ポップアップメニューから、DNSPingTCPNone のいずれかのオプションを選択し、ネットワーク接続の確認方法を指定します。

      DNS
      DNS サーバーへの接続を確認します。
      Ping
      ゲートウェイの ping を試行します。
      TCP
      ホストとポートの組み合わせへの TCP 接続を作成します。宛先 IP アドレスとポートを指定します。接続が正常に作成されると、ネットワークは動作しているとみなされます。指定したホストが、指定したポートで着信 TCP 接続を許可できることを確認します。
      None
      ネットワークは常に接続されているとみなされます。
  5. Next をクリックします。
  6. Admin Portal Password に、admin@internal ユーザーのパスワードを入力し、それを確認します。
  7. イベント通知を設定します。

    1. Server Name および Server Port Number に、SMTP サーバーの名前およびポート番号を入力します。
    2. Sender E-Mail Address に、送信元のメールアドレスを入力します。
    3. Recipient E-Mail Addresses に、受け取り先のメールアドレスを入力します。
  8. Next をクリックします。
  9. Manager およびその仮想マシンの設定を見直します。情報が正しければ、Prepare VM をクリックします。

    デプロイメントスクリプトは Manager 用仮想マシンのインストールおよび設定を開始します。

  10. (オプション) Pause Host を選択した場合に、デプロイメントはデプロイメントホストを Manager に追加した後に一時停止し、Pause execution until /tmp/ansible.<id>_he_setup_lock is removed, delete it once you are ready to proceed のようなメッセージが Prepare VM 画面に表示されます。

    これで、デプロイメントホストから Manager 用仮想マシンにログインし、カスタマイズできるようになりました。Manager の FQDN または IP アドレスのいずれかでログインできます。たとえば、Manager の FQDN が manager.example.com の場合には以下のコマンドを実行します。

    $ ssh root@manager.example.com
    ヒント

    インストールログでは、IP アドレスは local_vm_ip にあります。インストールログは、/var/log/ovirt-hosted-engine-setup/ovirt-hosted-engine-setup-ansible-bootstrap_local_vm* の最新のインスタンスです。

    1. 必要に応じて Manager 用仮想マシンをカスタマイズします。
    2. 完了したら、ブラウザーを使用して Manager FQDN で管理ポータルにログインし、ホストの状態が Up であることを確認します。
    3. ロックファイルを削除すると、デプロイメントスクリプトが自動的に続行され、Manager 仮想マシンが設定されます。
  11. 仮想マシンと Manager のインストールが完了したら、Next をクリックします。
  12. ドロップダウンリストから Storage Type を選択し、セルフホストエンジン用ストレージドメインの情報を入力します。

    • NFS の場合:

      1. Storage Connection フィールドに、完全なアドレスおよびストレージへのパスを入力します。
      2. 必要に応じて、Mount Options にマウントオプションを入力します。
      3. Disk Size (GiB) にディスクのサイズを入力します。
      4. NFS Version のドロップダウンリストから、NFS のバージョンを選択します。
      5. Storage Domain Name にストレージのドメイン名を入力します。
    • iSCSI の場合:

      1. Portal IP AddressPortal PortPortal Username、および Portal Password に、ポータルの IP アドレス、ポート、ユーザー名、およびパスワードを入力します。
      2. Retrieve Target List をクリックしてターゲットを選択します。デプロイメント時に選択できる iSCSI ターゲットは 1 つだけですが、マルチパスがサポートされているので、同じポータルグループのポータルをすべて接続することができます。

        注記

        複数の iSCSI ターゲットを指定するには、セルフホストエンジンをデプロイする前にマルチパスを有効にする必要があります。詳細は、『Red Hat Enterprise Linux DM Multipath』 を参照してください。Multipath Helper ツールを使用して、さまざまなオプションでマルチパスをインストールおよび設定するスクリプトを生成することもできます。

      3. Disk Size (GiB) にディスクのサイズを入力します。
      4. Discovery Username および Discovery Password に、ターゲット自動検出時のユーザー名およびそのパスワードを入力します。
    • ファイバーチャネルの場合:

      1. LUN ID を入力します。ホストのバスアダプターが設定、接続されている必要があります。また、LUN には既存のデータが含まれないようにする必要があります。既存の LUN を再利用するには、『Administration Guide』 の 「Reusing LUNs」 を参照してください。
      2. Disk Size (GiB) にディスクのサイズを入力します。
    • Red Hat Gluster Storage の場合:

      1. Storage Connection フィールドに、完全なアドレスおよびストレージへのパスを入力します。
      2. 必要に応じて、Mount Options にマウントオプションを入力します。
      3. Disk Size (GiB) にディスクのサイズを入力します。
  13. Next をクリックします。
  14. ストレージの設定を見直します。情報が正しければ、Finish Deployment をクリックします。
  15. デプロイメントが完了したら、Close をクリックします。

    1 つのデータセンター、クラスター、ホスト、ストレージドメイン、および Manager 用仮想マシンがすでに稼働しているはずです。管理ポータルにログインして、さらにリソースを追加することができます。

  16. オプションとして、ovirt-engine-extension-aaa-ldap-setup インタラクティブセットアップスクリプトを使用してディレクトリーサーバーを追加して、環境にユーザーを追加することができます。詳細は、『Administration Guide』 の 「Configuring an External LDAP Provider」 を参照してください。
  17. オプションで、RHV 環境からのレポートを監視および表示できるように Grafana をデプロイします。詳細は、『Administration Guide』の「Configuring Grafana」を参照してください。

セルフホストエンジンのステータスが Cockpit の VirtualizationHosted Engine タブに表示されます。管理ポータルで、Manager 用仮想マシン、これを実行しているホスト、およびセルフホストエンジン用ストレージドメインに金色の王冠のフラグが付けられます。

注記

Manager の I/O スケジューラーと Manager をホストするハイパーバイザーの両方が I/O 要求を並べ替えます。この二重の並べ替えにより、ストレージレイヤーへの I/O 要求が遅延し、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

データセンターによっては、I/O スケジューラーを none に変更すると、パフォーマンスを向上させることができます。詳細は、RHEL の 『Monitoring and managing system status and performance』「Available disk schedulers」 を参照してください。

次のステップでは、Red Hat Virtualization Manager のリポジトリーを有効にします。