2.9. 外部プロバイダー

2.9.1. Red Hat Virtualization における外部プロバイダーの紹介

Red Hat Virtualization は、Red Hat Virtualization Manager が管理するリソースに加え、外部ソースが管理するリソースも利用できます。外部プロバイダーと呼ばれるこれらのリソースのプロバイダーは、仮想化ホスト、仮想マシンイメージ、ネットワークなどのリソースを提供できます。

Red Hat Virtualization は現在、以下の外部プロバイダーをサポートしています。

ホストプロビジョニング用の Red Hat Satellite
Satellite は、物理ホストと仮想ホストのライフサイクルのあらゆる側面を管理するためのツールです。Red Hat Virtualization では、Satellite によって管理されるホストを、Red Hat Virtualization Manager に仮想化ホストとして追加して使用できます。Manager に Satellite インスタンスを追加した後、新しいホストを追加するときにその Satellite インスタンスで使用可能なホストを検索することにより、Satellite インスタンスが管理するホストを追加できます。Red Hat Satellite のインストールおよび Red Hat Satellite を使用したホストの管理に関する詳細は、Red Hat Satellite クイックスタートガイド および Red Hat Satellite ホストの管理 を参照してください。
KubeVirt/Openshift Virtualization
OpenShift Virtualization (以前のコンテナーネイティブ仮想化または CNV) を使用すると、仮想マシン (VM) をコンテナー化されたワークフローに組み込むことができるため、仮想マシンをコンテナーおよびサーバーレスと並行して開発、管理、およびデプロイできます。RHV Manager で、このプロバイダーを追加することは、Openshift Virtualization を使用するための要件の 1 つです。詳細については、KubeVirt/OpenShift Virtualization を外部プロバイダーとして追加 を参照してください。
イメージ管理用の OpenStack Image Service (Glance)
OpenStack Image Service は、仮想マシンイメージのカタログを提供します。Red Hat Virtualization では、これらのイメージを Red Hat Virtualization Manager にインポートして、フローティングディスクとして使用したり、仮想マシンに接続してテンプレートに変換したりできます。OpenStack Image Service を Manager に追加すると、どのデータセンターにも接続されていないストレージドメインとして表示されます。Red Hat Virtualization 環境の仮想ディスクは、仮想ディスクとして OpenStack Image Service にエクスポートすることもできます。
注記

OpenStack Glance のサポートは非推奨になりました。この機能は今後のリリースで削除されます。

仮想マシンプロビジョニング用の VMware
VMware で作成された仮想マシンは、V2V (virt-v2v) を使用して変換し、Red Hat Virtualization 環境にインポートできます。VMware プロバイダーを Manager に追加した後、それが提供する仮想マシンをインポートできます。V2V 変換は、インポート操作の一部として、指定されたプロキシーホストで実行されます。
仮想マシンプロビジョニング用の RHEL 5 Xen
RHEL 5 Xen で作成された仮想マシンは、V2V (virt-v2v) を使用して変換し、Red Hat Virtualization 環境にインポートできます。RHEL 5 Xen ホストを Manager に追加した後、それが提供する仮想マシンをインポートできます。V2V 変換は、インポート操作の一部として、指定されたプロキシーホストで実行されます。
仮想マシンプロビジョニング用の KVM
KVM で作成された仮想マシンは、Red Hat Virtualization 環境にインポートできます。KVM ホストを Manager に追加した後、KVM ホストが提供する仮想マシンをインポートできます。
ネットワークプロビジョニング用の Open Virtual Network (OVN)
Open Virtual Network (OVN) は、ソフトウェア定義のネットワークを提供する Open vSwitch (OVS) 拡張機能です。Manager に OVN を追加した後、既存の OVN ネットワークをインポートし、Manager から新しい OVN ネットワークを作成できます。engine-setup を使用して、Manager に OVN を自動的にインストールすることもできます。

2.9.2. 外部プロバイダーの追加

2.9.2.1. ホストのプロビジョニングに使用する Red Hat Satellite インスタンスの追加

ホストプロビジョニング用の Satellite インスタンスを Red Hat Virtualization Manager に追加します。Red Hat Virtualization 4.2 は、Red Hat Satellite 6.1 でサポートされています。

手順

  1. AdministrationProviders をクリックします。
  2. Add をクリックします。
  3. Name および Description を入力します。
  4. Type ドロップダウンリストから Foreman/Satellite を選択します。
  5. Satellite インスタンスがインストールされているマシンの URL または完全修飾ドメイン名を Provider URL テキストフィールドに入力します。ポート番号を指定する必要はありません。

    重要

    IP アドレスを使用して Satellite インスタンスを追加することはできません。

  6. Requires Authentication チェックボックスをオンにします。
  7. Satellite インスタンスの UsernamePassword を入力します。Satellite プロビジョニングポータルへのログインに使用するのと同じユーザー名とパスワードを使用する必要があります。
  8. 認証情報をテストします。

    1. Test をクリックし、提供された認証情報を使用して Satellite インスタンスで正常に認証できるかどうかをテストします。
    2. Satellite インスタンスが SSL を使用している場合は、Import provider certificates ウィンドウが開きます。OK をクリックして、Satellite インスタンスが提供する証明書をインポートし、Manager がインスタンスと通信できるようにします。
  9. OK をクリックします。

2.9.2.2. イメージ管理用の OpenStack Image (Glance) インスタンスの追加

注記

OpenStack Glance のサポートは非推奨になりました。この機能は今後のリリースで削除されます。

Red Hat Virtualization Manager にイメージ管理用の OpenStack Image (Glance) インスタンスを追加します。

手順

  1. AdministrationProviders をクリックします。
  2. Add をクリックし、General Settings タブに詳細を入力します。これらのフィールドの詳細については、Add Provider の General 設定に関する説明 を参照してください。
  3. Name および Description を入力します。
  4. Type ドロップダウンリストから OpenStack Image を選択します。
  5. OpenStack Image インスタンスがインストールされているマシンの URL または完全修飾ドメイン名を Provider URL テキストフィールドに入力します。
  6. 必要に応じて、Requires Authentication チェックボックスを選択し、Keystone に登録されている OpenStack Image インスタンスユーザーの Username 名と Password を入力します。Protocol (HTTP である必要があります)、Hostname、および API Port. を定義して Keystone サーバーの認証 URL を定義する必要もあります。

    OpenStack Image インスタンスの Tenant を入力します。

  7. 認証情報をテストします。

    1. Test をクリックし、提供された認証情報を使用して OpenStack Image インスタンスで正常に認証できるかどうかをテストします。
    2. OpenStack Image インスタンスが SSL を使用している場合、Import provider certificates ウィンドウが開きます。OK をクリックして、OpenStack Image インスタンスが提供する証明書をインポートし、Manager がインスタンスと通信できるようにします。
  8. OK をクリックします。

2.9.2.3. KubeVirt/OpenShift Virtualization を外部プロバイダーとして追加

OpenShift Container Platform のコンテナーで仮想マシンを実行するには、Red Hat Virtualization の外部プロバイダーとして OpenShift を追加します。

注記

この機能は、OpenShift Virtualization として知られています。

手順

  1. RHV 管理ポータルで、AdministrationProviders に移動し、New をクリックします。
  2. Add Provider で、TypeKubeVirt/OpenShift Virtualization に設定します。
  3. 必要な Provider URLToken を入力します。
  4. オプション: Certificate AuthorityPrometheus URLPrometheus Certificate Authority などの Advanced parameters の値を入力します。
  5. Test をクリックして、新しいプロバイダーへの接続を確認します。
  6. OK をクリックして、この新しいプロバイダーの追加を終了します。

検証手順

  1. RHV 管理ポータルで、ComputeClusters をクリックします。
  2. 作成した新しいクラスターの名前をクリックします。このクラスター名 (たとえば、kubevirt) は、プロバイダーの名前に基づいています。このアクションにより、クラスターの詳細ビューが開きます。
  3. Hosts タブをクリックして、OpenShift Container Platform ワーカーノードのステータスが up となっていることを確認します。

    注記

    コントロールプレーンノードのステータスは、仮想マシンをホストできないため、実行中であっても down となっています。

  4. ComputeVirtual Machines を使用して、仮想マシンを新しいクラスターにデプロイします。
  5. OpenShift Container Platform Web コンソールの Administrator パースペクティブで、WorkloadsVirtual Machines を使用して、デプロイした仮想マシンを表示します。

2.9.2.4. VMware インスタンスを仮想マシンプロバイダーとして追加

VMware vCenter インスタンスを追加して、仮想マシンを VMware から Red Hat Virtualization Manager にインポートします。

Red Hat Virtualization は、V2V を使用して、VMware 仮想マシンをインポートする前に正しい形式に変換します。virt-v2v パッケージが、1 つ以上のホストにインストールされている必要があります。Red Hat Virtualization Host (RHVH) では、virt-v2v パッケージがデフォルトで利用でき、Red Hat Virtualization 環境に追加されると、Red Hat Enterprise Linux ホストに VDSM の依存関係としてインストールされます。Red Hat Enterprise Linux ホストが、Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降を使用している。

注記

ppc64le アーキテクチャーで virt-v2v パッケージは使用できません。これらのホストはプロキシーホストとして使用できません。

手順

  1. AdministrationProviders をクリックします。
  2. Add をクリックします。
  3. Name および Description を入力します。
  4. Type ドロップダウンリストから VMware を選択します。
  5. VMware 仮想マシンをインポートする データセンター を選択するか、任意のデータセンター を選択して、個々のインポート操作中に宛先データセンターを指定します。
  6. vCenter フィールドに VMware vCenter インスタンスの IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名を入力します。
  7. ESXi フィールドに仮想マシンをインポートするホストの IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名を入力します。
  8. 指定した ESXi ホストが存在するデータセンターの名前を Data Center フィールドに入力します。
  9. ESXi ホストと Manager との間で SSL 証明書を交換した場合は、Verify server's SSL certificate チェックボックスを選択したままにして、ESXi ホストの証明書を確認します。交換していない場合は、チェックボックスの選択を解除します。
  10. 仮想マシンのインポート操作中に Proxy Host として機能するように、virt-v2v がインストールされている、選択したデータセンター内のホストを選択します。このホストは、VMware vCenter 外部プロバイダーのネットワークに接続できる必要もあります。上記の Any Data Center を選択した場合、ここでホストは選択できませんが、代わりに、個別のインポート操作時にホストを指定できます。
  11. VMware vCenter インスタンスの Username および Password を入力します。ユーザーは、仮想マシンが置かれている VMware データセンターおよび ESXi ホストにアクセスできる必要があります。
  12. 認証情報をテストします。

    1. Test をクリックし、提供された認証情報を使用して VMware vCenter インスタンスで正常に認証できるかどうかをテストします。
    2. VMware vCenter インスタンスが SSL を使用している場合は、Import provider certificates ウィンドウが開きます。OK をクリックして、VMware vCenter インスタンスが提供する証明書をインポートし、Manager がインスタンスと通信できるようにします。
  13. OK をクリックします。

VMware 外部プロバイダーから仮想マシンをインポートするには、仮想マシン管理ガイドVMware プロバイダーからの仮想マシンのインポート を参照してください。

2.9.2.5. RHEL 5 Xen ホストを仮想マシンプロバイダーとして追加

RHEL 5 Xen ホストを追加して、仮想マシンを Xen から Red Hat Virtualization にインポートします。

Red Hat Virtualization は、V2V を使用して、RHEL 5 Xen 仮想マシンをインポートする前に正しい形式に変換します。virt-v2v パッケージが、1 つ以上のホストにインストールされている必要があります。Red Hat Virtualization Host (RHVH) では、virt-v2v パッケージがデフォルトで利用でき、Red Hat Virtualization 環境に追加されると、Red Hat Enterprise Linux ホストに VDSM の依存関係としてインストールされます。Red Hat Enterprise Linux ホストが、Red Hat Enterprise Linux 7.2 以降を使用している。

注記

ppc64le アーキテクチャーで virt-v2v パッケージは使用できません。これらのホストはプロキシーホストとして使用できません。

手順

  1. プロキシーホストと RHEL 5 ホスト間の公開鍵認証を有効にします。

    1. プロキシーホストにログインし、vdsm ユーザーの SSH キーを生成します。

      # sudo -u vdsm ssh-keygen
    2. vdsm ユーザーの公開鍵を RHEL 5 Xen ホストにコピーします。プロキシーホストの known_hosts ファイルも更新され、RHEL 5 Xen ホストのホストキーが追加されます。

      # sudo -u vdsm ssh-copy-id root@xenhost.example.com
    3. RHEL 5 Xen ホストにログインして、ログインが正常に機能していることを確認します。

      # sudo -u vdsm ssh root@xenhost.example.com
  2. AdministrationProviders をクリックします。
  3. Add をクリックします。
  4. Name および Description を入力します。
  5. Type ドロップダウンリストから XEN を選択します。
  6. Xen 仮想マシンをインポートする データセンター を選択するか、任意のデータセンター を選択して、個々のインポート操作中に宛先データセンターを指定します。
  7. URI フィールドに RHEL 5 Xen ホストの URI を入力します。
  8. 仮想マシンのインポート操作中に Proxy Host として機能するように、virt-v2v がインストールされている、選択したデータセンター内のホストを選択します。このホストは、RHEL 5 Xen 外部プロバイダーのネットワークにも接続できる必要があります。上記の Any Data Center を選択した場合、ここでホストは選択できませんが、代わりに、個別のインポート操作時にホストを指定できます。
  9. Test をクリックして、RHEL 5 Xen ホストで正常に認証できるかどうかをテストします。
  10. OK をクリックします。

RHEL 5 Xen 外部プロバイダーから仮想マシンをインポートするには、仮想マシン管理ガイドRHEL 5 Xen ホストからの仮想マシンのインポート を参照してください。

2.9.2.6. KVM ホストを仮想マシンプロバイダーとして追加

KVM ホストを追加して、仮想マシンを KVM から Red Hat VirtualizationManager にインポートします。

手順

  1. プロキシーホストと KVM ホスト間の公開鍵認証を有効にします。

    1. プロキシーホストにログインし、vdsm ユーザーの SSH キーを生成します。

      # sudo -u vdsm ssh-keygen
    2. vdsm ユーザーの公開鍵を KVM ホストにコピーします。プロキシーホストの known_hosts ファイルも更新され、KVM ホストのホストキーが追加されます。

      # sudo -u vdsm ssh-copy-id root@kvmhost.example.com
    3. KVM ホストにログインして、ログインが正常に機能していることを確認します。

      # sudo -u vdsm ssh root@kvmhost.example.com
  2. AdministrationProviders をクリックします。
  3. Add をクリックします。
  4. Name および Description を入力します。
  5. Type ドロップダウンリストから KVM を選択します。
  6. KVM 仮想マシンをインポートする データセンター を選択するか、任意のデータセンター を選択して、個々のインポート操作中に宛先データセンターを指定します。
  7. URI フィールドに KVM ホストの URI を入力します。

    qemu+ssh://root@host.example.com/system
  8. 選択したデータセンターで、仮想マシンのインポート操作中に プロキシーホスト として機能するホストを選択します。このホストは、KVM 外部プロバイダーのネットワークにも接続できる必要があります。上記の Data Center フィールドで Any Data Center を選択した場合、ここでホストを選択することはできません。フィールドはグレー表示され、Any Host in Data Center が表示されます。代わりに、個別のインポート操作中にホストを指定できます。
  9. 必要に応じて、Requires Authentication チェックボックスを選択し、KVM ホストの Username 名と Password を入力します。ユーザーは、仮想マシンが存在する KVM ホストにアクセスできる必要があります。
  10. Test をクリックし、提供された認証情報を使用して、KVM ホストで正常に認証できるかどうかをテストします。
  11. OK をクリックします。

KVM 外部プロバイダーから仮想マシンをインポートするには、仮想マシン管理ガイドKVM ホストからの仮想マシンのインポート を参照してください。

2.9.2.7. オープン仮想ネットワーク (OVN) を外部ネットワークプロバイダーとして追加

Open Virtual Network (OVN) を使用して、VLAN を追加したりインフラストラクチャーを変更したりすることなく、仮想マシン間の通信を可能にするオーバーレイ仮想ネットワークを作成できます。OVN は、Open vSwitch (OVS) の拡張機能であり、仮想 L2 および L3 オーバーレイのネイティブサポートを提供します。

OVN ネットワークをネイティブの Red Hat Virtualization ネットワークに接続することもできます。詳細については、OVN ネットワークの物理ネットワークに接続 を参照してください。この機能は、テクノロジープレビューとしてのみ利用できます。

ovirt-provider-ovn は、OpenStack Networking REST API を公開します。この API を使用して、ネットワーク、サブネット、ポート、およびルーターを作成できます。詳細は、OpenStack Networking API v2.0 を参照してください。

詳細は、Open vSwitch のドキュメント および Open vSwitch Manpages を参照してください。

2.9.2.7.1. 新しい OVN ネットワークプロバイダーのインストール

engine-setup を使用して OVN をインストールすると、次の手順が実行されます。

  • Manager マシンに OVN 中央サーバーをセットアップします。
  • 外部ネットワークプロバイダーとして OVN を Red Hat Virtualization に追加します。
  • デフォルトクラスターの場合のみ、Default Network Providerovirt-provider-ovn に設定します。
重要
  • OVN をインストールすると、デフォルトクラスターの Default Network Provider 設定が変更され、他のクラスターでは変更されません。
  • Default Network Provider 設定を変更しても、そのクラスター内のホストは デフォルトネットワークプロバイダー を使用するように更新されません。
  • ホストと仮想マシンで OVN を使用するには、このトピックの最後にある次の手順で説明されている追加タスクを実行します。

手順

  1. オプション: engine-setup で事前設定されたアンサーファイルを使用する場合は、次のエントリーを追加して OVN をインストールします。

    OVESETUP_OVN/ovirtProviderOvn=bool:True
  2. Manager マシンで engine-setup を実行します。
  3. 事前設定されたアンサーファイルを使用しない場合は、engine-setup が次のように要求したときに Yes と答えます。

    Configuring ovirt-provider-ovn also sets the Default cluster's default network provider to ovirt-provider-ovn.
    Non-Default clusters may be configured with an OVN after installation.
    Configure ovirt-provider-ovn (Yes, No) [Yes]:
  4. 以下の質問に答えてください。

    Use default credentials (admin@internal) for ovirt-provider-ovn (Yes, No) [Yes]?:

    Yes の場合、engine-setup は、セットアッププロセスの前半で指定されたデフォルトのエンジンユーザーとパスワードを使用します。このオプションは、新規インストール時にのみ使用できます。

    oVirt OVN provider user[admin]:
    oVirt OVN provider password[empty]:

    デフォルト値を使用するか、oVirt OVN プロバイダーのユーザーとパスワードを指定できます。

注記

後で認証方法を変更するには、/etc/ovirt-provider-ovn/conf.d/10_engine_setup.conf ファイルを編集するか、新しい /etc/ovirt-provider-ovn/conf.d/20_engine_setup.conf ファイルを作成します。変更を有効にするには、ovirt-provider-ovn サービスを再起動します。OVN 認証の詳細は oVirt external network provider for OVN を参照してください。

次のステップ

新しくインストールされた OVN ネットワークを使用する仮想マシンを作成する前に、次の追加手順を実行してください。

  1. Default クラスターにネットワークを追加します

    1. その際、Create on external provider をオンにします。これにより、ovirt-provider-ovn に基づくネットワークが作成されます。
    2. オプション: OVN ネットワークを物理ネットワークに接続 するには、Connect to physical network チェックボックスをオンにして、使用する Red Hat Virtualization ネットワークを指定します。
    3. オプション: ネットワークでセキュリティーグループを使用するかどうかを決定し、Security Groups ドロップダウンからセキュリティーグループを選択します。使用可能なオプションの詳細については、論理ネットワークの一般設定の説明 を参照してください。
  2. デフォルトクラスターに ホストを追加する か、ホストを再インストール して、クラスターの新しい デフォルトネットワークプロバイダー である ovirt-provider-ovn を使用するようにします。
  3. オプション: デフォルト以外のクラスターを編集し、デフォルトネットワークプロバイダーovirt-provider-ovn に設定します。

    1. オプション: デフォルト以外の各クラスターにホストを再インストールして、クラスターの新しい デフォルトネットワークプロバイダー である ovirt-provider-ovn を使用するようにします。

関連情報

2.9.2.7.2. 単一ホスト上の OVN トンネルネットワークの更新

vdsm-tool を使用して、単一のホスト上の OVN トンネルネットワークを更新できます。

# vdsm-tool ovn-config OVN_Central_IP Tunneling_IP_or_Network_Name Host_FQDN
注記

Host_FQDN は、このホストのエンジンで指定されている FQDN と一致する必要があります。

例2.4 vdsm-tool を使用したホストの更新

# vdsm-tool ovn-config 192.168.0.1 MyNetwork MyFQDN
2.9.2.7.3. OVN ネットワークを物理ネットワークに接続
重要

この機能は、Red Hat Virtualization のテクノロジープレビューとしてのみ利用可能な Open vSwitch サポートに依存しています。テクノロジープレビュー機能は、実稼働環境での Red Hat サービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされておらず、機能的に完全ではない可能性があるため、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。テクノロジープレビュー機能では、最新の製品機能をいち早く提供します。これにより、お客様は開発段階で機能をテストし、フィードバックを提供できます。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポートについて、詳しくは テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

ネイティブの Red Hat Virtualization ネットワークをオーバーレイする外部プロバイダーネットワークを作成して、それぞれの仮想マシンが同じサブネットを共有しているように見せることができます。

重要

OVN ネットワークのサブネットを作成した場合、そのネットワークを使用する仮想マシンはそこから IP アドレスを受け取ります。物理ネットワークに IP アドレスを割り当てたい場合は、OVN ネットワークのサブネットを作成しないでください。

前提条件

  • クラスターで、Switch Type として OVS が選択されている。このクラスターに追加されたホストには、ovirtmgmt ブリッジなどの既存の Red Hat Virtualization ネットワークを設定してはなりません。
  • ホストで物理ネットワークを使用できる。そのためには、(Manage Networks ウィンドウ、または New Logical Network ウィンドウの Cluster タブで) クラスターに必要な物理ネットワークを設定します。

手順

  1. ComputeClusters をクリックします。
  2. クラスターの名前をクリックします。詳細ビューが開きます。
  3. Logical Networks タブをクリックし、Add Network をクリックします。
  4. ネットワークの Name を入力します。
  5. Create on external provider チェックボックスをオンにします。デフォルトでは、ovirt-provider-ovn が選択されています。
  6. デフォルトで選択されていない場合は、Connect to physical network チェックボックスをオンにします。
  7. 新しいネットワークを接続する物理ネットワークを選択します。

    • Data Center Network ラジオボタンをクリックし、ドロップダウンリストから物理ネットワークを選択します。これは推奨されるオプションです。
    • Custom ラジオボタンをクリックして、物理ネットワークの名前を入力します。物理ネットワークで VLAN タギングが有効になっている場合は、Enable VLAN tagging チェックボックスをオンにして、物理ネットワークの VLAN タグも入力する必要があります。

      重要

      物理ネットワークの名前は 15 文字以下とし、特殊文字は使用できません。

  8. OK をクリックします。

////Removing for BZ2006228 include::topics/Adding_an_External_Network_Provider.adoc[leveloffset=+2]

2.9.2.8. Add Provider の General 設定に関する説明

Add Provider ウィンドウの General タブでは、外部プロバイダーのコアの詳細を登録できます。

表2.38 Add Provider: General 設定

設定説明

Name

Manager でプロバイダーを表す名前。

Description

人間が判読可能なプレーンテキストで記述されたプロバイダーの説明。

Type

外部プロバイダーのタイプ。この設定を変更すると、プロバイダーの設定に使用できるフィールドが変更されます。

External Network Provider

  • Networking Plugin: NIC 操作を処理するのにホストで使用されるドライバーの実装を決定します。oVirt Network Provider for OVN プラグインを備えた外部ネットワークプロバイダーがクラスターのデフォルトネットワークプロバイダーとして追加されると、それに応じて、クラスターに追加されたホストにインストールされるドライバーも決まります。
  • Automatic Synchronization: プロバイダーが既存のネットワークと自動的に同期されるかどうかを指定できます。
  • Provider URL: 外部ネットワークプロバイダーがホストされるマシンの URL または完全修飾ドメイン名。外部ネットワークプロバイダーのポート番号を URL または完全修飾ドメイン名の末尾に追加する必要があります。デフォルトでは、このポート番号は 9696 です。
  • Read Only: 管理ポータルから外部ネットワークプロバイダーを変更できるかどうかを指定します。
  • Requires Authentication: 外部ネットワークプロバイダーにアクセスするために認証が必要であるかどうかを指定できます。
  • Username: 外部ネットワークプロバイダーに接続するためのユーザー名。Active Directory で認証する場合は、ユーザー名の形式は、デフォルトの username@domain ではなく、username@domain@auth_profile の形式にする必要があります。
  • Password: 上記のユーザー名が認証されるパスワード。
  • Protocol: Keystone サーバーと通信するために使用するプロトコル。デフォルトは HTTPS です。
  • Hostname: Keystone サーバーの IP アドレスまたはホスト名。
  • API port: Keystone サーバーの API ポート番号。
  • API Version: Keystone サーバーのバージョン。値は v2.0 で、フィールドは無効になっています。
  • Tenant Name: 任意。外部ネットワークプロバイダーがメンバーになっているテナントの名前。

Foreman/Satellite

  • Provider URL: Satellite インスタンスをホストするマシンの URL または完全修飾ドメイン名。URL または完全修飾ドメイン名の末尾にポート番号を追加する必要はありません。
  • Requires Authentication: プロバイダーに認証が必要かどうかを指定できます。Foreman/Satellite が選択されている場合、認証は必須です。
  • Username: Satellite インスタンスに接続するためのユーザー名。このユーザー名は、Satellite インスタンスのプロビジョニングポータルへのログインに使用されるユーザー名でなければなりません。
  • Password: 上記のユーザー名が認証されるパスワード。このパスワードは、Satellite インスタンスのプロビジョニングポータルへのログインに使用するパスワードでなければなりません。

KubeVirt/OpenShift Virtualization

  • Provider URL: OpenShift Container Platform API の URL または完全修飾ドメイン名、およびポート番号。デフォルトでは、このポート番号は 6443 です。
  • Token: API に対するこの接続を認証するための OAuth アクセストークン
  • Certificate Authority: https 要求の実行時に信頼される CA 証明書。
  • Prometheus URL: OpenShift クラスターの prometheus サービスの URL。この URL を指定しない場合、ソフトウェアはこの URL を自動的に検出しようとします。
  • Prometheus Certificate Authority: prometheus 用の X509 証明書この CA を指定しない場合、プロバイダーは代わりに KubeVirt CA を使用します。

OpenStack Image

  • Provider URL: OpenStack Image Service がホストされているマシンの URL または完全修飾ドメイン名。OpenStack Image Service のポート番号を URL または完全修飾ドメイン名の末尾に追加する必要があります。デフォルトでは、このポート番号は 9292 です。
  • Requires Authentication: OpenStack Image サービスにアクセスするために認証が必要であるかどうかを指定できます。
  • Username: Keystone サーバーに接続するためのユーザー名このユーザー名は、OpenStack Image サービスが所属する Keystone インスタンスに登録されている OpenStack Image サービスのユーザー名でなければなりません。
  • Password: 上記のユーザー名が認証されるパスワード。このパスワードは、OpenStack Image サービスが所属する Keystone インスタンスに登録されている OpenStack Image サービスのパスワードでなければなりません。
  • Protocol: Keystone サーバーと通信するために使用するプロトコル。HTTP に設定する必要があります。
  • Hostname: Keystone サーバーの IP アドレスまたはホスト名。
  • API port: Keystone サーバーの API ポート番号。
  • API Version: Keystone サービスのバージョン。値は v2.0 で、フィールドは無効になっています。
  • Tenant Name: OpenStack Image サービスが所属する OpenStack テナントの名前。

OpenStack Volume

  • Data Center: OpenStack ボリュームのストレージボリュームが接続されるデータセンター。
  • Provider URL: OpenStack Volume インスタンスがホストされるマシンの URL または完全修飾ドメイン名。OpenStack Volume インスタンスのポート番号を、URL または完全修飾ドメイン名の末尾に追加する必要があります。デフォルトでは、このポート番号は 8776 です。
  • Requires Authentication: OpenStack ボリュームサービスへのアクセスに認証が必要であるかどうかを指定できます。
  • Username: Keystone サーバーに接続するためのユーザー名このユーザー名は、OpenStack Volume インスタンスが所属する Keystone インスタンスに登録されている OpenStack Volume のユーザー名でなければなりません。
  • Password: 上記のユーザー名が認証されるパスワード。このパスワードは、OpenStack Volume インスタンスが所属する Keystone インスタンスに登録されている OpenStack Volume のパスワードでなければなりません。
  • Protocol: Keystone サーバーと通信するために使用するプロトコル。HTTP に設定する必要があります。
  • Hostname: Keystone サーバーの IP アドレスまたはホスト名。
  • API port: Keystone サーバーの API ポート番号。
  • API Version: Keystone サーバーのバージョン。値は v2.0 で、フィールドは無効になっています。
  • テナント名 :OpenStack Volume インスタンスがメンバーになっている OpenStack テナントの名前。

VMware

  • Data Center: VMware 仮想マシンがインポートされるデータセンターを指定するか、Any Data Center を選択して、(Virtual Machines タブの Import 機能を使用して) 個々のインポート操作中に宛先データセンターを指定します。
  • vCenter: VMware vCenter インスタンスの IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名。
  • ESXi: 仮想マシンのインポート元となるホストの IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名。
  • Data Center: 指定された ESXi ホストが存在するデータセンターの名前。
  • Cluster: 指定された ESXi ホストが存在するクラスターの名前。
  • Verify server's SSL certificate: 接続時に ESXi ホストの証明書を確認するかどうかを指定します。
  • Proxy Host: 仮想マシンのインポート操作中にホストとして機能するように、選択したデータセンターの virt-v2v をインストールしたホストを選択します。このホストは、VMware vCenter 外部プロバイダーのネットワークに接続できる必要もあります。Any Data Center を選択した場合は、ここでホストを選択することはできませんが、個別のインポート操作時にホストを指定できます (Virtual Machines タブの Import 機能を使用)。
  • ユーザー名: VMware vCenter インスタンスに接続するためのユーザー名。ユーザーは、仮想マシンが置かれている VMware データセンターおよび ESXi ホストにアクセスできる必要があります。
  • Password: 上記のユーザー名が認証されるパスワード。

RHEL 5 Xen

  • Data Center: Xen 仮想マシンがインポートされるデータセンターを指定するか、Any Data Center を選択して、(Virtual Machines タブの Import 機能を使用して) 個々のインポート操作中に宛先データセンターを指定します。
  • URI: RHEL 5 Xen ホストの URI を入力します。
  • Proxy Host: 仮想マシンのインポート操作中にホストとして機能するように、選択したデータセンターの virt-v2v をインストールしたホストを選択します。このホストは、RHEL 5 Xen 外部プロバイダーのネットワークにも接続できる必要があります。Any Data Center を選択した場合は、ここでホストを選択することはできませんが、代わりに、個別のインポート操作時にホストを指定できます (Virtual Machines タブの Import 機能を使用)。

KVM

  • Data Center: KVM 仮想マシンがインポートされるデータセンターを指定するか、Any Data Center を選択して、(Virtual Machines タブの Import 機能を使用して) 個々のインポート操作中に宛先データセンターを指定します。
  • URI :KVM ホストの URI。
  • Proxy Host: 選択したデータセンターで、仮想マシンのインポート操作中にホストとして機能するホストを選択します。このホストは、KVM 外部プロバイダーのネットワークにも接続できる必要があります。Any Data Center を選択した場合は、ここでホストを選択することはできませんが、代わりに、個別のインポート操作時にホストを指定できます (Virtual Machines タブの Import 機能を使用)。
  • Requires Authentication: KVM ホストにアクセスするために認証が必要かどうかを指定できます。
  • Username: KVM ホストに接続するためのユーザー名
  • Password: 上記のユーザー名が認証されるパスワード。

Test

ユーザーが指定の認証情報をテストすることを許可します。このボタンは、すべてのプロバイダータイプで使用できます。

2.9.3. 外部プロバイダーの編集

手順

  1. AdministrationProviders をクリックし、編集する外部プロバイダーを選択します。
  2. Edit をクリックします。
  3. プロバイダーの現在の値を推奨値に変更します。
  4. OK をクリックします。

2.9.4. 外部プロバイダーの削除

手順

  1. AdministrationProviders をクリックし、削除する外部プロバイダーを選択します。
  2. Remove をクリックします。
  3. OK をクリックします。